第7部 第11話「聖白魔術」
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建国プロジェクト:状況報告
第7部・死滅編 第11話開始時点
現在地:カルシア・北の国境
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状況 :カルシアの防衛戦が激化している
クラグルとガルディウスが前線に出ている
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懐中時計が光った。
ガルディウスだった。
ガルディウス:「北の国境が押されている。
ファントムの数が増えた。
兵士の生命力が削られ続けている。
クラグルに来てもらいたい」
信:「すぐ向かいます」
クラグルとパナシアが鳳凰に乗った。
信も同行した。
道中、クラグルが竜石を握っていた。
クラグル:「ファントムへの白魔術の効果は限定的です。
生命力の消耗を回復させることはできます。
でもファントムそのものには届かない」
信:「ガルディウスの祈りと合わせれば変わるかもしれない」
クラグル:「うまく行くでしょうか」
信:「今日、試してみましょう」
カルシアの前線
北の国境に着いた。
霧が濃かった。
ファントムの影が複数漂っていた。
兵士たちが遠巻きにしていた。
体力を失った兵士が座り込んでいた。
クラグルがすぐに動いた。
クラグル:「白魔術で生命力を補います。
でも、これは応急処置です。
根本を断たなければ」
白魔術が発動した。
兵士たちの顔色が戻った。
しかしファントムが再び近づいてきた。
ガルディウス:「止まらない。どうする」
信:「ガルディウス、祈りを。
クラグルの白魔術と同時に」
ガルディウス:「わかった」
最初の試み
ガルディウスが膝をついた。
古い言葉で祈り始めた。
クラグルが白魔術を発動した。
二つが重なった。
しかし最初はうまくいかなかった。
祈りと白魔術が別々に動いていた。
クラグル:「うまく混じらない。
タイミングなのかしら」
ガルディウス:「俺の祈りとお前の魔術をどう合わせればいい」
信が考えた。
信:「ガルディウス、祈る時に何を意識していますか」
ガルディウス:「部下だ。守りたい者たちの顔だ」
信:「クラグル、白魔術を発動する時は?」
クラグル:「助けたい相手。その者の命を感じながらです」
信:「二人とも同じことをやっています。
守りたい者を想っている。
その思う相手に、ガルディウスとクラグルそれそれの事も加えてみて」
ガルディウスとクラグルが顔を見合わせた。
聖白魔術の誕生
ガルディウスが再び膝をついた。
祈り始めた。
今度は兵士たちの顔を想いながら。
クラグルが白魔術を発動した。
患者たちの命を感じながら。
二つが重なった。
今度は合わさった。
光が生まれた。
白い光だった。
しかし普通の白魔術より強い光だった。
聖なる温かさがあった。
ファントムに向かって光が広がった。
ファントムが止まった。
揺れた。
苦しそうに揺れた。
コダが懐中時計越しに連絡を入れてる。
「ファントムに届いています。タナトスの影響が薄まっているみたいです」
光が強くなった。
ファントムの影が薄くなった。
消えた。
全員が静まった。
ガルディウスが立ち上がった。
ガルディウス:「消えた」
クラグル:「ええ」
聖白魔術の確認
信がクラグルに聞いた。
信:「あれは何ですか」
クラグル:「わからない。白魔術でも神聖魔法でもない。
二つが混ざった様な別の何かだったような」
ガルディウス:「祈りが武器になるとは」
信が手帳に書き留めた。
「聖白魔術」と書いた。
信:「とりあえず呼び名がないと困るので名前をつけましょう。
聖白魔術かな。
神聖魔法と白魔術が融合した新しい魔導」
クラグル:「仰々しい名前ですね」
ガルディウス:「俺は気に入ったぞ」
信:「とりあえずだから」
聖白魔術の効果確認
前線を歩いた。
ファントムが複数いた。
ガルディウスとクラグルが再び試した。
今度はスムーズだった。
一度やると感覚がわかった。
ファントムが次々と消えた。
消えた後に何かが残った。
光の粒だった。
コダが感じた。
コダ:「解放されている。ファントムがタナトスの呪縛から解放されている。
消えているんじゃない。自由になっている」
パナシアが呟いた。
パナシア:「ゲヘナに戻るんですか」
コダ:「そうかもしれない。
タナトスの呪縛がない本来の場所に戻っているのかもしれない」
ガルディウスが前線の兵士たちを見た。
生命力が削られた者たちがいた。
クラグルが白魔術を施した。
ガルディウスが祈りを添えた。
回復が速かった。
普通の白魔術より速かった。
兵士A:「……体が温かい。普通の回復よりずっと温かい」
クラグル:「聖白魔術の回復効果ですね。
アポロンの力が混じっているから治りが速いのかもしれない」
ガルディウスとクラグルの対話
前線が落ち着いた後だった。
二人が並んで座っていた。
ガルディウス:「俺は武器で戦うことしか知らなかった。
しかし今日祈りが武器になった」
クラグル:「私は命を救うことしか考えて来ませんでした。
でも、今日祈りの力が加わり、より多くの人を救うことができました」
ガルディウス:「お前は何年白魔術をやっているんだね」
クラグル:「物心ついた時からです」
ガルディウス:「俺もだ。聖王教の祈りを子どもの頃から続けている。
お互い長いな」
クラグル:「それが今日合わさったんですね」
ガルディウス:「縁というものか」
クラグル:「そうかもしれません」
二人が並んでいた。
種族も国も違った。
しかし同じ方向を向いていた。
エドガルへ
前線の視察が終わった後だった。
ガルディウスがファントムが現れた場所に立った。
エドガルがまだそこにいた。
クラグルの応急処置で安定していた。
しかし完全には解放されていなかった。
ガルディウス:「エドガル。聞こえるか」
エドガル:「将軍」
ガルディウス:「待たせた。もうすぐ助ける」
エドガル:「将軍が来てくれた。信じていた」
ガルディウスが膝をついた。
祈り始めた。
クラグルが白魔術を発動した。
聖白魔術が光った。
しかし今回は完全には解放できなかった。
タナトスの力が強すぎた。
クラグル:「まだ届かない。
エドガルへのタナトスの縛りは強い。
リザレクションが必要ですね」
ガルディウス:「可能か?」
クラグル:「すいません、今の私の体ではまだリザレクションを使えるほど回復できていないんです」
ガルディウスが立ち上がった。
エドガルを見た。
ガルディウス:「もう少し待ってくれ。必ず助ける」
エドガル:「将軍の言葉を信じます。待ちます」
信の報告
クロノスリュカに戻った夜だった。
信がコダとミネルヴェに報告した。
信:「聖白魔術が生まれました。
ガルディウスの祈りとクラグルの白魔術が
融合した新しい魔法です。
ファントムに有効でした。
回復効果も通常の白魔術より高い」
ミネルヴェ:「人間と獣人の協力から新しい魔法が生まれるとはな。
記録の必要がある」
コダ:「アポロンが関わっているはずです。
聖白魔術にアポロンの力が混じっている」
信:「最終決戦では聖白魔術が重要な役割を果たします。
ガルディウスとクラグルは前線で傷ついた者を回復させながら死霊を消していく。
それがこの二人の役割だ」
ガルディウスの覚悟
ガルディウスが信に言った。
ガルディウス:「信。
最終決戦で
エドガルを必ず助けてくれ。
クラグルにリザレクションを。
それが俺の願いだ」
信:「約束します。
最終決戦で必ず助けます。
クラグルが最後のリザレクションを使う時エドガルに届けます」
ガルディウス:「すまん」
信が頷いた。
ガルディウスが窓の外を見た。
夜のカルシアの街が広がっていた。
ガルディウス:「俺はいい仲間を持った」
信:「俺もです」
パナシアがクラグルの体調を確認していた。
パナシア:「先生、今日も無理しましたね」
クラグル:「倒れはしなかったよ」
パナシア:「倒れそうでしたけど」
クラグル:「でも、倒れなかった。成長ですね」
パナシア:「先生」
クラグル:「何んですか」
パナシア:「私は先生のそばで働けるのが嬉しいんです。あまり無理はしないでください」
クラグルが少し間を置いた。
クラグル:「私もですよ。あなたがいるから安心して進めるんです」
パナシアが頷いた。
何も言わなかった。
しかし目が光っていた。
信が手帳に書いた。
聖白魔術が生まれた。 ガルディウスの祈りと クラグルの白魔術が 融合した。 人間と獣人が 一つになった時 新しい力が生まれる。 それがこの国が 証明してきたことだ。 最終決戦の準備が 整いつつある。
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建国プロジェクト:状況報告
第7部・死滅編 第11話終了時点
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聖白魔術の誕生
ガルディウスの祈り+クラグルの白魔術
ファントムに有効
通常の白魔術より回復効果が高い
アポロンの力が混じっている
エドガルの現状
まだ解放できていない
タナトスの縛りが強すぎる
最終決戦でリザレクションを使う
ガルディウスの願い
「エドガルを必ず助けてくれ」
信が約束した
パナシアとクラグル
「お前がいるから続けられる」
最終決戦での役割
ガルディウスとクラグル:
聖白魔術で回復と死霊の消滅を同時に
次のマイルストーン
→第12話:タナトスの城へ
→均衡の石の場所を目指す
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第7部 第11話 終了
次話:「タナトスの城へ」




