導かれる神
そして現在。
優祈美菜に一撃を入れられた、その後。
「……報復あれと思っていたんですけどね」
ミハエルはあっさりと言った……いや、神体=精神だけの存在に戻ったから、口も何もないが。
あっさりと、でしかない。
あんなにあっけなく、最後の最後の手段が解けてしまうなんて。
古神に託していた自らの恨みと呪いは、ウジャムンガの波動によってあっけなく砕け散った。
あの地下の神達も、変異している。澱みに溜まっていた恨み歪みが減り、現在は60%。残りの40%の神はウジャムンガの力と、塔に起きた未曾有の危機によって変異している。
神に起きるトラブルを解決するのは、生贄と巫女であると決まっている。あの神達は人間に対するコミュニケーション力がゼロなので、彼らと意思疎通するには依り代が必要だ。
丸に口だけでも事足りるのに、人間そのものの姿の依り代なんて作っちゃって。彼らの心の中は、人間と取るコンタクトにワックワクしているに違いない。
後は……。
「せっかく私が退いてやったのに、まーた滅びかかっていますね、あの世界」
眠り姫の悪夢が、塔を揺るがしている。
あのモノクロ機神は、1日で上層を焦土に変えるだろう。
だったら、
「ダンテ。いますよね?」
「あぁ。控えている」
呼びかける。思念として、いつもの声が返ってきた。
「ちょっとだけ、余計な一手間を入れてあげましょう」
「……君は、光に向かったのでは。……そうか。これがツンデレというもの」
ダンテは精神内でグリグリされた。どういうわけか痛い。肉体的に逃れられないので、余計痛い。
「ツンデレなんてしませんよっ。……運命を、派手に変えてやりたくありません?」




