エメラルド・ジンジャーエール・王の帰還⑤
拠点に戻り、テーブルを囲み、作戦会議。
「創世教の動き、気になりますよね」
「大きな儀式はお前の件として……それにしては、妙に静かだな。神兵も見ていない。代わりの巫女を使ったのか?」
「それはないです。私以外に、適任はいないですから」
美菜は、妙に断定的に言った。
「巫女、集められた巫女で結成したサークルのことですね、は五人いたけれど、生贄の任を告げられたのは私だけ。
由香ちゃんも菩薩先輩も慈愛ちゃんも弥勒ちゃんも、代わりになるって言ってくれたけど、素質が足りないからダメだ、って」
「えらく仰々しい名前の奴らだな……」
「みんなに危険がないといいけれど」
眉を下げ、テーブルを見詰める。残された友達のことを考えているのだろう。昨日の由香は全員無事と言っていたが、これから犠牲にされるという可能性もある。
「大丈夫だろう。お前らの行動力と胆力はすごい。お前の友達って言うんなら、そいつらもすごいんだろ?」
「でも弥勒ちゃんは、私の関節技で倒されるくらいだし……」
関節技も使えるのか。
巫女って幅広い。
「でもでも! 心配してても仕方ないよね! 先に創世神をぶっ飛ばせば、みんな安心! 安全! 安眠!」
「まぁ、その意気だな。神話を創るには、何が必要なんだ」
「生贄。……はあってもなくてもいいんだけど、最低限の偉業が必要ね」
「……偉業」
「すごい人を人は崇めるのよ。それをウジャムンガ様の御業とすれば、あら不思議、神話になるのよ」
「その偉業とやらは、俺たちが起こすんだな。ウジャムンガじゃないんだな」
「すごいことはウジャムンガ様の御意志。わたしたちはそれを映すものなの」
「世知辛いな」
「神様相手ですから。世知辛いっていってちゃ、罰が下るどころか恵みすら貰えないわ」
そういうものらしい。
「で? 偉業は何をすれば良いんだ。神殺しか?」
「こわっ! そんなスケールの大きいものじゃなくって! とにかく、偉業を行う一念でいえば、ウジャムンガ様は必ずお力を授けてくれるはずよ! れっつぼらんてぃあ! 何してるの、敏明さんもゆくんだよ」
「……は」




