8.斉木
「ねえ芹川さん、前の日曜の遊園地のことだけどさ」
「あれ楽しかったね、莉緒のテンションやばかったし。それがどしたの?」
「あのときさ……、芹川さん観覧車で斉木と二人だけだったよね」
「あ〜そう言えばそうだったね、ちょっとトイレとか行ってて二人だけ遅れてハミったからね。動物の話で結構盛り上がったよ」
「ふーん、そうなんだ。そういや仰向けの猫の写真見せてもらった?」
「見た見た、あれは人間を舐めてるね。写真だけで態度大きいの伝わってきて、いかにも斉木君の猫って感じしたよ」
「そっか、よかったね」
「どしたの? おなかでもいたいの?」
「いや別に……」
「もしかしてだけど、斉木君と一緒だったこと気にしてたりする?」
「してないよ、全然」
「……みんなと一緒に遊びに行くときは、あんまりみんなに気遣わせないようにそうしようってことになってたじゃん」
「うん、そうだよ。だから僕らが芹川さんと観覧車に一緒に乗らなかったことや、芹川さんが斉木と二人だけで観覧車に乗ったことには何も問題ないし、気にもしてないよ」
「……」
「……なんでニヤニヤしてんだよ……」
「……あそうだ。今度、斉木君の家遊びに行って猫さわらせてもらおっかな~」
「あ、僕も猫見に行きたいな」
「斉木君のとこには小学生の頃しょっちゅう行ってたんじゃなかった? 前あいつんちの食器の配置もわかるって謎の自慢してたじゃん」
「でも最近行ってないし、模様替えしてるかもしれない。仰向けで寝る猫にも、『どうもご無沙汰してます』って挨拶しとかないといけないしね」
「……ふ~ん、そっかそっか」
「……なんだよ」
「うん一緒に行こ」




