42.ネコ柄
「芹川さん、こないだ動物園で見たヒョウ柄の動物、あれ意外にちっちゃくてかわいかったよね」
「ヒョウ柄の動物を動物園で見たとすれば、それは大阪のおばちゃんとかではなくヒョウそのものなんだよ」
「なんか理屈っぽいね」
「君が言わせたんだよ」
「大阪のおばちゃんは芹川さんが勝手に言ったんだよ」
「そうだっけ?」
「でも、なんで大阪のおばちゃんはヒョウ柄着るんだろう」
「タイガースファンだからじゃない?」
「だったらトラ柄着ろよ」
「ん……、それはそうだわ。てか何十回と来ておいて今更だけど君の部屋って全面二次元ポスター、グッズ、フィギュア、プラモ、抱き枕、ゲームで埋まってる……と思ってたけど意外にシンプルで小ぎれいだよね」
「それ褒めてるつもりかも知れんけど、だいぶ小馬鹿にしてる自覚してほしいなあ」
「エロ本はどこに隠したの? ベッドの下?」
「あ、それは兄貴の部屋に……ってないよそんなの。別に見る必要ないし」
「なんで?」
「目の先20センチくらいのところにかわいい彼女がいるから」
「うへへへ」
「あ、距離ゼロになった」
「好きなくせに」
「そりゃまあ、でも最近やたら密着するじゃん」
「愛を表現してるの」
「いっつも僕には口で言わせるくせに」
「私はいーの」
「不公平だよ……」
「ねえ、さっきから気になってるんだけど、そこのハンガーの服。なんで『プーマ(PUMA)』のパチモンなの? 『プリマ(PRIMA)』ってなんだよ」
「お母さんが買ってきたんだよ、本物より安いし面白いって」
「猫らしき動物がタコ踊りしてるじゃん。名前の筋通してバレエ踊れよ」
「じゃあ僕らもタコのように絡み合おうよ」
「うわぁ……」
「嫌なの?」
「……てえっ、先制攻撃!」
「うひゃあ」




