19.帰宅
「もしもし……、あ、お風呂だったの? ……うん、今ようやく帰ってきたとこだよ」
「うん、結構バタバタしてたし、なかなか一人になれんくて……。ごめんね、やっと話せたね」
「やー、やっぱり自分ちが一番落ち着くよ」
「なんだと~、レディに向かって失礼な」
「う~ん、君んちではなかなか難しいわ、やっぱり気遣うし」
「そだね、片道だいたい4時間くらいかな、あーつかれた」
「猫はいないな。和室の縁側に猫ってイメージはわからないではないけど」
「うん、ゾウもいない。ばかなの?」
「あるわけないでしょ。忍者屋敷?」
「怪しい風習もないし、立入禁止の山もない。生贄も人柱も毎年選ばないから」
「冨野くん田舎に偏見持ってる? いやでもゾウはちがうな……」
「近所付き合いはそりゃあまあね。いろいろあるんじゃないかな? 私もしらんけど」
「あはは、斉木君なら確かにどうにでもなりそうだね」
「33回忌だって、よくやるよね。だれー?ってなるわ。久しぶりにいとこにも会えてそこは楽しかったけどね」
「バラを口にくわえた長髪のいとこもいない。昔の少女漫画かな?」
「斉木君系もいないかな? わかんないけど」
「あ、あとちょっとみんなで海見に行った」
「いや泳がないよ、この10月に」
「君とはプールも海も行ったことないでしょ、記憶の捏造はやめようね」
「だから斉木君はもういいってば」
「うん……うん……ありがと、じゃあまた明日学校でね」




