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わかると怖い異世界の話ーー異世界は計画的にーー(連載版)  作者: 一月三日 五郎


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5/9

スキル:アイテムボックス

異世界人にもたらされた料理は数知れず。


その中でも人気だったのは、卵料理だった。


徹底した衛生管理により、生食が流行した。

手軽さと新鮮な味わいに、誰もが魅了された。

気づけば街の食卓には、生卵を使った料理が当たり前のように並ぶようになっていた。


「安全でおいしい」という評判は瞬く間に広まり、流行は社会全体へと浸透していった。


しかし、その熱狂のさなかで――悲劇は静かに始まっていた。


鳥インフルエンザに感染した鳥の卵が市場に流れ、

それを食べた者が死亡したのだ。


事態はそれで終わらなかった。

死者から検出された病原体は、既知のものとは異なる“新種”だった。

感染力は異常に高く、世界中へ広がるのに時間はかからなかった。


のちの研究によれば、被害を拡大させたのはアイテムボックスだったという。

内部は魔力空間であり、いかなる浄化も届かない。

一度汚染されれば、永遠に“保存”されるのだ。


さらに問題だったのは、

世界の物流インフラがすでにアイテムボックス輸送に依存していたことだ。

食材も薬品も郵便物も、

「速くて安くて便利」という理由で、

ほとんどがアイテムボックス経由で運ばれていた。


その汚染された空間に、食材も道具も金貨も、

あらゆるものが放り込まれ、

そして各地へばらまかれていった。


皮肉にも、文明の象徴であるアイテムボックスが、

疫病を補完し運搬する媒介者となったのである。


政府は使用自粛を呼びかけたが、

便利さを手放せない人間は多かった。

パンデミックは収束せず、波は何度も繰り返された。


人類が抗体を獲得するまでに、半数が死んだ。


それでも卵料理は、今も人気である。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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