2衝突
続きがないのも寂しかったので投稿しました。
追記
日刊18位ありがとうございます
「黄泉、やっぱお前は、最高だ。俺のこのたまりにたまった戦闘欲はお前にしかぶつけられない!!」
「あなたは、どこの戦闘民族ですか?おとなしく自分の世界に帰ってください。そして二度とこの世界にこないでください」
黄泉とアルカディアはお互いに軽口を叩きあいながら、お互いを蹴り殴りあっている。
だが単純に手のひらで顎を打つ。素人同士の殴り合いではなく。互いの存在を排除する為、両者は首や心臓などを徹底的に狙っている。
「かはっ」
だが黄泉は心臓をなぐられ吹き飛ばされていた。教室のドアをもこえ違う教室にまで吹き飛ばされていく。
お互いが同じ水準での体の使い方、肉体の経験、さらには技術も同じ場合、結局、勝敗を分けるには。己の身体能力が重要である。しかし黄泉の身長は175cmでありアルカディアの身長は180cm、元々の体力や筋肉などもアルカディアが上回っている。
(・・・これはちょっと、まずいかもしれない。異世界なら闘気があってなんとかなったけど、こっちでは闘気は一切無い、元々のフィジカルでもアルカディアの方が上回っている)
黄泉の仮定は正しい、異世界では体に闘気を纏い身体を強化しアルカディアと互角の戦いを繰り広げたが、この世界では黄泉の体に闘気が一切ない。だが異世界において闘気は当たり前に使われていた。
(・・・今のアルカディアの戦いを見てみると体の動きに少しズレがある。やっぱりまだ、闘気なしでの戦いに慣れていない。このままではこっちがじり貧だ。ならその前に確実にアルカディアの肺と心臓をつぶして元の世界に帰らせる)
そう考えた黄泉は、吹き飛ばされていった教室にいた生徒を無視し、黄泉がいた教室から出てきたアルカディアに蹴りかかる。
「いいぜ、黄泉まだまだやる気なんだな。やっぱりお前は誰よりも俺を楽しませてくれる」
黄泉はアルカディアが発した言葉を無視し、背骨まで砕ける威力の膝蹴りをくらわせる。だが受けてなお嘔吐すらせず、獰猛に笑ったアルカディアはお返しに黄泉の顔面を殴り飛ばす。
同時に並の人間ならば頭が飛びかねない殴打に、後退する事で衝撃を逃す。
「あの・・・アルカディア、女の子の顔を殴るなって、子供の頃に教わらなかった?」
「はぁっ!お前が女の子だと、冗談はよしてくれ。そもそも俺と殴り合う時点でお前は普通の女の子でもなく人間でもない」
「まぁ、それもそうだね」
それ以上の問答は不要と言わんばかりに二人は走りだす。黄泉は周りに被害をださないために、アルカディアはただ戦闘欲を満たすために。
黄泉たちが今いる場所はコンボーン国際高等学校の仮校舎である。仮校舎は二階建てであり黄泉たち高校一年生は一階、その上に高校一年生の四クラスの担当の担任がいる。
(・・・今、ここでアルカディアと戦うのは、周りに被害が大きすぎる。移動したいけど。でも、此処からすぐ左隣にある本館には沢山の生徒と先生がいてて、北と南にはこの学校が所有している保護樹林がある。あぁ、本当に戦闘場所がないな。いっそのこと樹林をまとめてなかったことにして元の世界に帰そうかな)
黄泉は心のなかで悪態をつきながら、走りだす。とにかく此処にいては友達に被害が及び、何しろアルカディアがいつ暴走するか分からない。
・・・その瞬間、黄泉の頭のなかに一つの考えが浮かぶ。
(・・・そうだ、校庭で戦おう、この時間帯はまだお昼ご飯を食べていて、校庭で遊ぶ人は誰もいない。何しろあそこの校庭はシンプルで書き換えやすい)
そう考えると黄泉は走るスピードをあげる。後ろからプレッシャーのある気配がこちらに迫ってきているが気にしない。気にしたらその時点で負けだ。
仮校舎のドアを蹴り飛ばし本館と繋がっている通路の柵を迷わず飛び越え、黄泉は校庭の方に走る。
・・・・・いや、違う黄泉はただ走っているのではなく、空を走っている。
その技術は黄泉が異世界から帰ったときに、ユーチューブで見た技術だ。元はただの軽い空中歩行だったかもしれないが、彼女は異世界で鍛えた肉体とセンスで軽い空中歩行を見事に空中で走るまでに仕上げた。
・・・・・だが
「やっぱ、あなたは頭がおかしいですね。アルカディア、なんで私が一週間かけて身に着けた技術を見た瞬間に真似できるんですか」
「そりゃ、俺は戦闘を楽しんでいるからさ、戦闘を楽しんでいれば、相手が使っている技術や肉体の使い方などが分かり、さらにそれを学んで自分の物にし、確かめることができる。だが、黄泉、お前も知っているだろう、観察者と聖女は戦いという行為は相手を殺す手段としてか見ていない、俺は実に悲しいぜ」
アルカディアは空中に止まったままやれやれと言わんばかりに首を振る。
「そうですね、あなたの言っていることは100パーセント分かりませんが、その二人の名前をだすのはやめてください。吐き気がします」
黄泉は同じ位置に立っているアルカディアを睨みつける。眼鏡が仮校舎の戦闘で壊され、今の彼女の瞳は客観的で冷酷だ。
「おっと、すまねえな。あいつらの名前はお前にだしてはいけないよな」
その場でアルカディアが謝るが、その声は謝るというより楽しんでいるようだった。
「まあ、その話はいったんおいといて、もう一回殺り合おうぜ」
「はぁ、さっきのやり合うとアクセントが違くないですか。」
そう軽口を叩き合いながら黄泉とアルカディアは常人では目に追えないスピードで拳をお互いに向けて放った。
「はーい、みなさん、今日は生物解剖の実験をやりますよ。みなさん、手を洗って、しっかりと準備をしてください」
ネズミの遺体がそろっている生物室には、非常に重い空気が漂っていた。そこにいる二十数名の生徒たちは、まだ生物を解剖をしたことがなく、今から腹を裂くのかと恐怖でいっぱいだった。
その影響か生物室の空気は次第に重くなっていた。
・・・・・だが、生物室のガラスが割れる音がした。それらの空気を壊した。
「おいおい、どうした黄泉、まあさかぁ、もうこれで終わりじゃねえよな!!」
窓を割りながら顕微鏡がある棚にふっとんだ黄泉は意識を飛ばされるが、さらにアルカディアに追撃され無理矢理覚醒させられる。
獰猛に笑ったアルカディアは何度も何度も黄泉を顕微鏡の棚に叩きつける。
(・・・まずいな、アルカディアが闘気なしでの戦闘に慣れ、そのうえ暴走してしまった。このままでは私は負けるかもしれない。なんとか校庭まで行きたかったがしかたがない。いやーこんなに頭を叩きつけられるのは久しぶりだな。ガンガン響くけど。痛くはないからべつにいっか)
黄泉はそう心の中で呟く。そして気づいたときには、校庭に激突していた。
「おいおい、黄泉もう終わりかもっと俺を楽しませてくれよ」
黄泉いや は彼 の姿を見て驚いた。頭から赤い角が生え、なにしろ が目に表れていた。
「まったく、こっちの世界に来てまでその力を使うなんて、本当におかしいよ。まぁ、私も似たようなもんなんだけどね」
黄泉は虚空から無機質な太刀を取りだした。その刀には色がなく。すべてが無だった。
「この力を使えば、私とあなたは対等だけど、私は無に近づき貴方は、その の力がなくなるよ。どうする?ってもう聞いてないか」
「あぁ、タマンねえな、俺とお前の最後の戦いだ!!全力でやり合おうぜ」
黄泉は暴走する を視野に収めゆっくりと呼吸した。この世界で を切るためには、彼女は自分の無に一歩踏みコマなければいけない。だがそうした場合、異世界いやここでも佐野黄泉の存在は世界から一部抹消されてしまう。
「まぁ、大丈夫でしょ」
そう黄泉は言い、太刀を鞘ごとつけたまま に素早く切りかかり、真っ二つにし、心臓と肺を切った。
できる限り、自分が書いた作品は土曜か日曜に投稿するつもりです。




