表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
39/63

3-8.準備

 スラーレン法国の貴族たちが政権を取り戻そうと宮殿に襲ってきた。ヒュンケルから救援を頼まれた雅則が貴族街に『流星雨』を降らせて壊滅させる。リンメイは恩あるオルコックのアレイン家は見逃してくれるように雅則に頼む。

 館に戻ったリンメイは部屋に閉じこもってしまう。


 ◇


 それから数日後、リンメイはエドワールから戻った雅則から

「聞いて欲しいことがある」

と言われた。

「あれからヒュンケルとスラーレンについて話し合ったんだ。ヒュンケルは玉座を下りたいと言っている」

「・・・」

 リンメイは雅則とヒュンケルの話を盗み聞きしていたので、それは知っていた。

「スラーレンはこのまま放っておいても俺はかまわないんだが、リンメイの故郷だからな」

「・・・」

「そこで考えたんだが、オルコックに国王になってもらうのはどうかと思って」

「オルコックさまに?」

 リンメイはそれを聞いて、どうして?・・と思った。

「スラーレン御三家で残っているのは僅か。そして王位の順はもともとオルコックが2番目だったんだろう? そして性格は温厚・・他に適任者はいるかな?」

「本気でそう考えているんですか?」

「他にいい案があれば聞くけど」

 雅則は今後のスラーレン法国について考えてくれていたようだった。

 リンメイは即答出来るほど整理がついていない。雅則はリンメイの返事が出るまで待っていてくれた。


 しばらく考えたリンメイは雅則に

「オルコック様には何か伝えたんですか?」

と確認した。

「いや・・まだ何もこっちからアクションはとっていない」

「私は・・私も適任者はオルコック様以外は心当たりがありません。もしオルコック様が国王になるなら・・継承の順位でもあるので」

 確かにリンメイも他に適任者は思いつかなかった。オルコックは父とも懇意にしていた人物で、リンメイも幼い頃に遊んでもらった経験がある。そして雅則がスラーレンの貴族街を壊滅させるときに、リンメイが見逃してくれるようにも頼んだ。

「じゃあ、それで進めていいかな? そのときは手伝って欲しいことがある」


 翌日、リンメイは雅則にワリキュールの宮殿に連れて行かれた。ハンス侯爵と対面するためだ。その理由はリンメイはわからない。

 応接室に入ってきた高貴な男。彼がハンス侯爵なのか、彼は雅則に深々と頭を下げた。

「ハンス。また迷惑をかける」

「なんの、忙しくはありませんから。イビルからスラーレン法国について私に相談があると聞いていますが」

「うん。力になってほしい」

 リンメイはとまどっていた。雅則はハーロック伯爵と聞いている。そして目の前にいるのはハンス侯爵。爵位からしてハンスのほうが上だ。しかし、ハンスが雅則に頭を下げている。

「先に紹介しておく。リンメイ。スラーレン出身の魔術師だ」

 雅則がリンメイを紹介すると、ハンスは驚いた顔をした。マーラの騒動で、ハンスもスラーレンに関しては敏感になっているのだろう。

「スラーレン騒動では、彼女の力を借りた。今は一緒に住んでもらっている」

「そうですか。了解しました」

 雅則はリンメイを大切な協力者と紹介していた。

「相談というのは、スラーレン法国の次期国王を誰にするかといった内容だ」

「え?・・」

 それを聞いてハンスはまた驚いた顔をした。それはリンメイも同じだった。

「スラーレン法国の次期国王をですか? 私が関わっていいのでしょうか?」

「国も違うしね。俺が魔王を国王にしたことで、反乱が起きた。そして俺はスラーレンの貴族街を壊滅させてしまった。が、魔王が国王の座を下りたいという。俺もスラーレン法国などどうでもいいと思ったが、リンメイや何人かが仲間になった国でもある。それに隣国。マーラのように今後も誰かがワリキュールに関わってくるかわからない。だが俺は政には疎いし、口下手だ。ハンスの意見が聞ければと思って」

 雅則が理由を打ち明けた。

「相談内容はわかりました。そしてスラーレン法国の御三家やプロティナの話もあらかじめ聞いていましたが。・・やはりここは御三家をないがしろには出来ないでしょう」

「そうか。それで次の国王の予定だったアレイン家のオルコックがリンメイが世話になっていた男でもあるようで、見逃してやってはいる」

「ならば、そのアレイン家のオルコックでいいと思います」

「それでいくか。・・でも一度会って、どんな男か確認してからでも遅くはないとも思う。どんな国になるのか関心がないわけではない」

「それはワリキュールの国王に仕える身である私も無関心では居られません」

 雅則とハンスはオルコックをワリキュールに招待し、面談をして国王に推薦できるか見極めることにする相談をはじめた。

「ヒュンケルからの情報だと、スラーレン法国は衛兵隊も機能しておらず、まず安全だろうとのことだ」

「ではトニールが率いる衛兵隊王宮警備隊を使者として向かわせましょう」


 スラーレン法国の貴族街でかろうじて残ったアレイン家。ハンスがオルコックに使いの使者を送ることにした。

 そしてリンメイは雅則から

「面談のとき、オルコックを飛行船で迎えに行き、ワリキュール宮殿に招待する。そのとき飛行船でオルコックを迎えに行ってきてくれないか」

と言われた。

「オルコックも不安だろう。リンメイが行けば安心して来てもらえると思う」

「そこまで考えて、私を宮殿に?」

「ハンス侯爵とも顔見知りになってほしかった。宮殿での対応もリンメイに頼みたい。裏方にイビルについてもらう」

「わかりました」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ