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第23話  『魔王の欠片』の謎(★)

 2020.2.6 改稿しましたm(__)m

 それに伴いタイトルも変更となります。

 詳細は後書きにて_(:3」∠)_


 『魔王の欠片』騒動が収まり、すっかり遅くなった昼食を済ませた5人。


 ようやく一息といった空気の中で、アシュラは意を決したかのように両手でテーブルを叩きつけた。


 「母さんにはお説教させていただきます!」


 「後手後手で本当に、すみませんでしたっ!!」


 ミテュラは目にも止まらぬ早さで土下座し、床に頭を叩きつけた。

 その勢いで、丈夫に造られているはずの床板に軽くクレーターが出現している。

 頭がおかしい……否、頭の硬度がおかしい。


 「本当なら出会った頃に話した昔話の中で、端折らずに話しとけば良かったんだけど、まさかアシュラの体内に、私に掛けられたハズの呪術が移動してる……なんて急に言われても困るでしょ?」


 「まぁ、それはそうだけどさ……」


 「あの時は3人の気持ちも浮ついた状況だったわ。いろいろ考えた末、落ち着いてから話そうと思ってたのよ。でもこうなるなら早く話しとくべきだったわ。今回の件は私の判断ミス。本当にごめんなさい、アシュラ」


 「母さん……わかりました。謝罪は受け取ります。その代わり『魔王の欠片』について、知ってる事を教えてください」



 こうして、ミテュラの口から『魔王の欠片』の経緯が話される事となった。



 「私が魔王に掛けられた呪術はふたつ。『厄反射エヴィルリフレクス』と『魔王の欠片』だ。前者は直接私に掛けられたものだけれど、後者は私の子供に掛かるように仕掛けられてたのね。それに気づいたのは、シヴァ……貴方の父親によって離れ離れにされた後の事よ」


 少し寂しそうにアシュラを一瞥し、再び口を開いた。


 「シヴァが次々と神族を娶り、ハーレムを築き上げる中で、正妻である私と息子であるアシュラは蚊帳の外のような扱いを受けたわ。結果、シヴァと私は袂を分かつ事となった。その時、私はアシュラと離れ離れにされたのだけれど……シヴァは何か企んでいるようだった。おそらく……いえ、間違いなく彼は、アシュラの中にある『魔王の欠片』に気づいていた」


 「待って母さん。父さんは創造神……っていうのなら、その能力で俺の中の『魔王の欠片』を取り除く事ができるんじゃ……?」


 アシュラの言う事は尤もだ。

 枯れ果てた星から、この世界と他種族の生命を創造したほどの神が、アシュラの体内から呪術を取り除く程度の事なら造作もないはずである。


 「でもシヴァはそうしなかった。何も知らなかった私は、一方的に離縁を突き付けられ、この世界へと降りたわ。そして彼の不可解な行動を、様々な視点から考えて調べたの。その際、私に掛かっていたはずの呪術のひとつが、アシュラに移動している事がわかったのよ」


 「なぁ、ミテュラ程のヤツが、どうしてそれに気づけなかったんだ?」


 黙って聞いていたカーリーが疑問を投げかける。

 この中で、ミテュラと行動を共にした時間が長いだけに、最も理解していると言って過言ではない。だからこそ気になったようだ。


 「『魔王の欠片』は、表面的な目印もなく、その症状も出なかったわ。だから呪術としては失敗したものだと思い込んでしまったの。まさか子供に移るなんて想像もしていなかったのよ」


 「なるほど……潜伏する呪術なんて聞いた事もないからな」


 「それに気づいた私は、シヴァが何かを企んでいると推測したわ。必ずアシュラを手元から離して、この世界で何かするだろうとね。だから天上界に戻れない私は、人族の中に身を潜めて、密かに貴方を探していた。そして今に至ったってわけ」


 話を終えたミテュラに、皆がジト目で視線を浴びせていた。


 「な、なによ? 何か言いたい事があるなら言いなさいな」


 ミテュラが一瞬たじろぎつつ、虚勢を張るように視線を跳ね返す。

 そんな彼女への第一声は息子であるアシュラから放たれた。


 「そういう大事な事はもっと早く話してください……」


 今回の件は、魔族の因子の話を後回しにした事が裏目に出てしまった。


 ミテュラにとっては、息子の心境を鑑みての配慮だったが、せめてアシュラ以外の3人には伝えておくべきであった。


 「ま、お前の配慮ミスだな。とりあえず事態は収束したから良かったが、一歩間違えれば、私はおろかフォルテュナもククルも危なかったんだからな」


 「あ、はい……すみませんでした……」


 いつも毅然とした態度のミテュラが、ヤケに小さく縮んで見えた瞬間だった。


 「師匠、もういいですよ。助けてくれたのも母さんだし」


 「アシュラがそういうなら私は別に構わんさ」


 「ううぅ、ありがとう我が生涯の心の息子よっ!」


 「いや心だけ息子とか違うでしょ!?」


 結局、息子が母親の頭を優しく撫で、感涙に謎の発言をする母親、ニュアンスが違うと聞き返す息子という母子コントでお説教は終わった。



 *****



 その後は昼食がてら、各自が談笑を繰り広げていた。

 そんな中、重要な事に気がついたのは、5人中最も純粋で真面目なアシュラ馬鹿フォルテュナだった。


 「アシュラ、ちょっと聞いてもいいかしら?」


 「ん、何?」


 「結局、『魔王の欠片』は、結局どうなったの?」


 「そうだな……言うなれば、元の鞘に収まったって感じかな? 母さんが出した『真実の小刀(ブラフ)』に騙されたってものすごく拗ねて、最後は不貞寝するように身を潜めた感じだった」


 「ふん、調子に乗ってクソババア連呼する馬鹿が悪いのよ」


 やはりミテュラは根に持っていたようだ。

 ミテュラの見た目は、アシュラの姉だと言ってもわからない程若い。

 本人もそれは自覚しているようで、ババアと言われるのは気に障ったようだ。

 そんなミテュラを余所に、フォルテュナはもうひとつ疑念があった。


 「まだアシュラの中に潜んでるなら……能力に影響とかあるのかしら?」


 誰も想像していなかった事だが、よくよく考えてもみれば、アシュラは過去『魔王の欠片』の能力によって救われている。その時は声が響いただけで終わっていたが、今回は精神自体がアシュラと入れ替わったのだ。影響がないとは言い切れないのである。


 全員がアシュラに視線を向ける。

 美女美少女の視線を一身に浴びたアシュラは軽くドキマギする。


 「な……なに? あまりいい予感はしないんだけど……」


 彼の嫌な予感はものの見事に的中した。

 ミテュラが立ち上がり、アシュラの目の前へと移動する。


 「……母さん、そんなニコニコして……どうしたの?」


 ニコニコしているが、その目は笑っていない。


 「アシュラ、背中の神名の証を見せてくれないかしら?」





 最後までお読みいただきありがとうございますm(__)m


 今回の改稿は、『魔王の欠片』の簡単な説明だったものを改め、より深く突き詰めて、今後のフラグの一部としました。


 ここまでしたのだから、エタらず最後まで書き上げないと……(-_-;)


 いつもお読みいただき本当にありがとうございますm(__)m 

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