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仕込み  作者: 真鍋
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4

「先生、郵便局へ向かいますね」


 九十九折(つづらおり)の峠道、私はハンドルを左右に切りながら先生に言った。


「お願いします」


 先生は倒したシートを一度起こしそう仰ると再びシートを倒し眠りにつかれた、先程先生が言われたBランク、それは即ち先生の仕事は引き継がれる事を意味した、当初はその都度先生に指示されていたが流石に3年も経てば阿吽の呼吸であった、と言いたいがCランクの案件でも引き継ぐ場合もあり、初めて訪れる場所をフロントウィンドウ越しに愛でていると優しく言われる事があった、私は先生の眠りを妨げない様慎重に峠を降りて行った。


 20分程走ると民家が見え始めた、民家といっても茅葺屋根を朱色や青色のトタンで覆った田舎でよく見かける民家である、多分農家であろう母屋の隣には同じくトタン屋根の納屋が見えた、前方から後方へ過ぎゆく民家は道路からコンクリートの坂道を登る様になっている道路と同じレベルの方が何かと便利と思われるが過去に水害でもあったのだろうか概ね同じ造りの民家が道沿いに並んでいた、暫く行くと商店が見えてきた平日の昼間であったがシャッターは固く閉ざされ“平岩商店”と軒先の看板だけが営業しておりビリビリに破れたオーニングの色合いは食品販売を思わせたがこの荒み(すさみ)具合シャッターを閉じて数年の経過は見て取れた既に廃業だろう、そして更に暫く行くと平岩商店を廃業へ追いやった原因が見えてきた大手スーパーチェーンである、トップブランド名でなくローカライズされた別店舗名であるが親企業は国内トップシェアのスーパーである事は周知の事実であった。


 この地域に鉄道は走っていないようだ公共交通機関といえばバスのみであろうか、町の中心にはバスセンターの様なものがありロータリかただの広場か一瞬見分けはつかなかったが同じカラーリングの小型バスやワゴン車が並んでいた、そして目的地はそこにあった、私は迷ったがそのロータリーに車を入れると静かにブレーキを踏み外へ出て静かにドアを閉めた。

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