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「小説家になろう」以外掲載の作品の評論集  作者: そら・そらら


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108/119

108.三重県津市西区平山町3-15-7

【タイトル】三重県津市西区平山町3-15-7


【作者】大舟


【掲載サイト】カクヨム


【URL】https://kakuyomu.jp/works/16818093089667165132

最近、モキュメンタリーものばかり読んでる気がする。なろうのレビューもそれ系が多い。近畿地方のヒット以降、そういうのが好きになったというか。リアリティのある怖さを求めるようになったというか。

近畿地方以後、いろんな作者が小説という媒体でこのジャンルに挑戦していて、読んでいて面白い。今作も、その系統の作品のひとつであり、とてもクオリティの高いものであった。

Xで、フォロワーから高い評価を受けているのを見て、読んでみたというわけだ。近畿地方が掲載されていたカクヨムでは、やはりモキュメンタリーのブームが強いらしい。


タイトルにある、奇妙な住所に関連して起こる怪現象の記録を集めつつ、その裏に何があるかを解き明かす話だ。住所がタイトルになっているというインパクトが、まずは好きだな。


記述を淡々と並べていくフッテージものであり、現地にも向かうという要素もある。


タイトルの住所は、存在しえないものではある。にも関わらず、一見するとあるようにも見える。そういうリアリティの出し方がうまい。こんな住所は無いというのは作中でも言及されている、にも関わらず、あるとみなす人物がいくつも出てくるという展開は、十分に怖い。


語られるひとつひとつの記録も、いい感じに不気味で好きだ。記録媒体が多岐に渡っていて、それぞれの特徴を活かしつつ、怪現象に巻き込まれた人々を書いていく展開に惹かれた。

この、媒体が多岐にわたるという要素が重要だ。あらゆるメディアを使って、この住所を広める何かが存在している。そして、住所に関わってしまった人の中には姿を消した者もいる


断片的な情報の中に、そういう恐怖が散りばめられており、楽しめた。記録物パートの出来がいいのが、なにより良いところだ。


話の構成として。津市っていうチョイスがいいと思う。

知ってるけど、どんな所かよくわからない街。行く用事もあんまり無い。中心地から外れた山林地帯には、特に馴染みがない。けど、あることは知っている。この絶妙な距離感が、恐怖の物語にリアリティを与えている。


話に一応の解決は提示しつつ、どこか不安が残る終わり方をしてるのも、そういう作品らしさがあって良いと思う。

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