婚約破棄ですって? ええ、構いませんわ。ただし契約書第37条により、王家は私に歳入3年分をお支払いください
最新エピソード掲載日:2026/07/05
「エレノア・ヴァンフィールド、貴様との婚約は破棄する!」 華やかな夜会の中央で、王太子は高らかに叫んだ。取り巻きが嘲笑い、聖女が涙ぐみ、貴族たちは私を指差す。——ええ、想定通りですわ。 私、前世は日本の弁護士。この国の婚姻契約書は、6年前に私自身が起草させていただきましたの。 「殿下。恐れながら、契約書第37条をご確認くださいませ。一方的破棄における違約金は——王家歳入3年分。ちなみに聖女様の介入は第52条違反、国王陛下の黙認は第9条の善管注意義務違反ですわ」 夜会が凍りついた。王太子が青ざめ、聖女が崩れ落ち、国王が椅子から立ち上がれない。 そして——場の隅で、たった一人だけ笑っていた男がいた。契約書を全文暗記しているという噂の、辺境の“変人公爵”。 「見事だ、ヴァンフィールド嬢。——ところで、私との契約書を交わす気は?」 国家を法廷に叩き込む令嬢の逆襲、開廷します。
第1話 「第37条をご確認くださいませ」
2026/07/05 12:34