第06話 出発!!異世界の街に向かって!!
レオンさんが落ちてる武器を拾いながら荷車に戻る、なんでも気になる所があってどこの山賊が襲ってきたのかを調べるためだそうだ。
ただ突っ立ってるのもあれなので俺も一緒に拾う。
「この2つもそちらに渡した方がいいですか?」
俺はそう言いさっき拾ったメイスとスティレットを取り出す。
この2つも山賊達が落とした武器、もしかしたら調べるのに必要かもしれない。
「その2つか?同じ物を何個か見つけたから大丈夫だ、貰っときな」
レオンさんはこちらをチラッと見た後そう答えた。
問題ないのならありがたく貰っておこう。
6個ほど拾ったあたりでレオンさんが声をかけてくる。
「これくらいで良いだろう、俺が積んどくから適当な場所にでも座っててくれ」
そう言って大小様々な武器を担いで荷車の後方に積み込んでいく。
アレが背中切られた人の動きか?人形は訝しんだ。
乗り方が分からないので運転席から気合いで登る、思ったりよ運転席が高かった為足をめいっぱい開いて登る、多分人形じゃなかったら足つってたと思う。
荷車の中には子供を抱きしめ、まだ少し警戒してる事が伝わってくる母子と、フードとスカーフで顔を隠してるから男か女か分からないザ・アサシンと言う様な服装をした人が座っていた。ちょっと不機嫌そうな雰囲気漂わせてるけど…
するとそのアサシンの様な人が声をかけてきた。
「話は聞いてる、そこ座って」
「ありがとうございます、えっと…」
アサシンの様な人は対面より少し横にズレた席を指さした。お礼を言おうと思ったがそう言えばこの人の名前を知らない…
「名乗ってなかった、私はヤン、よろしく」
「ヤンさん、よろしくお願いします」
ヤンさん、この言い方だとなんかネットでヤンキーの事を言ってるみたいだ…
そんなちょっと失礼な事を考えてるとヤンさんが話しかけてきた。
「それはそれと乗り方、馬車揺れた、雑」
「そのすみません、乗り方分からなくて」
「君乗った反対側、足場ある」
チラッとさっき乗った方と反対側を見る。ほんまやん。
まさか足場にすら気づか無いとは……
「次、気をつける」
「はい……」
まさか異世界に来て早々怒られるとは思ってなかった……端っこの方に寄っとこ…あっ、子供がツンツンしてくる。やめてお母さんも困ってるでしょ。
荷車内の端っこでツンツンされながらシュンとなっていると武器を積み終わったのかレオンさんが乗ってきた。
「積み終わったぞ、って何でそんな端っこにいるんだ?」
「気にしないでください…」
「そ、そうか…それより名前聞いていいか?聞きそびれてたから」
「言ってませんでしたね、俺の名前は…名前……あれ?」
思い出せない。
名前以外のものは簡単に思い出せる。だが名前に関するものだけ黒塗りになったように思い出せない。
名前を隠す、文字通り名前に関する全てが無かったように思い出せなくなっていた。
やばいやばいどうしよう、名乗れる名前が無い。
「えっとその……」
「……もしかして無い?名前」
俺が名前を言えずに軽くあたふたしてるとヤンさんが助け舟を出してくれた。
「その…ないと言いますか名前を思い出せなくて…」
「記憶喪失?…いやこの感じ名前だけが綺麗にすっぽ抜けてるのか?」
「えっと…はい……」
レオンさん凄い、俺が困ってること瞬時に見抜いてる。エスパーかよ。
「ふーん……まあ何でそうなってるのかは移動中にでも聞けばいいか。それと敬語使わなくていいぞ」
「ありがとうござ……ありがとう」
少し考え込んだあとレオンさんはそう言って出発準備を始めた。
馬の居ない馬車でどうやって街に向かうんだ?と考えているとレオンさんが何かを探しヤンさんを呼ぶ。
「ヤン、アレどこにある?」
「そこ、御者台の袋」
「これかありがとう」
御者台、いわゆる運転席に置いてある袋からレオンさんはワインボトルより一回り小さいくらいのボトルを1つ取り出す。
「それは一体?」
「ん?あぁこれか?これは使い捨て携帯眷属って言ってボトルの中に今回は馬のゴーレムだが色んなゴーレムが入ってるんだ。蓋を開けると中のゴーレムが出てくる」
「ゴーレムに命令と必要情報を入れとくとその命令を完遂するまで働いてくれる優れものだ、ただこれは使い捨てだから任務完遂すると崩れて消えるけど」
「サモンスター?ゴーレム?どういうことかよく分からないんだけど…」
「まあ見てもらった方が早いか、見とけよ」
そう言うとレオンさんはボトルの蓋を開ける。すると中から黄緑色の液体が出てき、みるみるうちに馬の形になっていく。
「おぉー…」
「凄いよな、俺も最初は同じ反応になった」
呆気にとられてる間にレオンさんはゴーレムと馬車を繋げ何時でも出発できるようになっていた。
「よし、出発するぞ。起動、使い捨て携帯眷属」
その掛け声と共にゴーレムは動き出し、馬車は街に向かって進み出した。
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馬車が進み出してしばらくした頃、レオンさんが声をかけてきた。
「名前を思い出せないって事はそれ以外は覚えているのか?覚えているのなら教えて欲しい」
覚えている事…こっちについては全くもって知らないから人間だった頃を話す事になる。いいのだろうか?まだあって間もない人に話してしまって、信頼しても。
レオンさんは真っ直ぐな目でこっちを見ている。
「…話せないのならそれ以上詮索はしない、すまない事を聞いたな」
信頼、いやこの人達にこんな事を考えるのは無粋だ。こんな俺に優しく接してくれる人達に。
「…話ます。でもかなりぶっ飛んだ話だけどいいですね?」
「大丈夫だ、しっかり聞くから」
「……」コクリ
警戒を解いてくれたお母さんや、いつの間にか俺の近くに来ている子供もその子なりに真剣な顔をしている。
レオンさん達を見て俺はゆっくりとここまでについてを話した。
気づいたら洞窟にいたこと、この服が荷車の盗品であること、そしてきっとこの世界の人間じゃないこと
ただあまりにも不可思議すぎるアインの事を除いてここに至るまでの全てを話した。
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「異世界の転生、いや憑依か?なるほど…ありがとう話してくれて。そしてすまない、俺は君が帰れるよう力になれそうにない」
「いえいえ、真剣に聞いてくれただけでも俺からすると嬉しいので」
俺の話は子供も含め真剣に聞いてくれた。一応恩人に当たるためそれで聞いているだけかもしれないがそれでも俺は嬉しかった。
子供は何が気に入ったのかは知らないけど何故か膝上でニコニコしてる。
「最初怒っちゃってごめん、世間知らずと、勘違いしてた」
「それと新しい名前必要、思い出すまで、無いと不便」
「もしもの時、声かけれない」
最初馬車を揺らしたことに怒っていたことをヤンさんが謝ってそして名前についての話題を切り出した。
「確かに、なんて呼べばいいか?」
「新しい名前、ですか?」
ヤンさんがそう言いレオンさんも肯定する。
新しい名前か…昔見た小説だとゲームで使ってた名前を使ってたけどなんと言うかその場合コレジャナイ感が付きまとう気がする。
まぁゲームの名前ケチャップだから合わないのは当たり前なんだけど。
「シャドウ、かっこいいしこれでいいと思う」「いやシャドウ要素どこだよ」「確かに、じゃあダーク」「黒要素もねぇだろ」「いえここは服を着ている人形なのでそのまま服人形さんで」「名前と言うかただのド直球!!」「む〜、じゃあブルーアイズアルティメット…」「それはなんな色々とまずい気がするな!!」
子供を膝上に乗せてうーむと悩んでる間にレオンさん達といつの間にか混ざってたこの子のお母さん、マキさんが次々と案を出してそれにレオンさんがツッコミを入れていく。いや待て、今ブルーアイズいたぞ。
「お人形さんのお名前…アウルさん!!」
案が出てきてもイマイチ決まらない中、膝上の子供が出した案に皆が止まった。
「モカちゃんはなんでそのお名前だと思ったの?」
「ふくろうさんが好きだから!!」
マキさんが子供、モカちゃんに聞くとモカちゃん元気にそう答えた。
「モカちゃんふくろうさん好きだもんね、いいとおもうわよ」
「アウルか、いいんじゃないか?目の前に出てくるまで気づかなかったし、梟みたいに気配を気づかせないって意味ならおあつらえ向きだと思うぞ」
「む〜、梟、かっこいいけど、む〜」
「アウル…決めました、俺はアウルと名乗ります。」
目線からして若干不服そうなヤンさんは置いておくとして俺はアウルの名前を得るのだった。
「む〜、ならせめてアウル・ボルシャックドギラ…」
「ただのアウルでお願いします!」
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ステータス
名前:アウル ■■ ■■■
種族:人形?
属性:不明
称号:【閲覧不可】
所属:無し
魔法:無し
固有能力:耐性【完全防腐】
分類不明【名称不明】
能力:熱耐性IV
冷耐性Ⅲ
打撃抵抗Ⅱ
撥水Ⅰ




