↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
71/212

罰ゲームはハードル高くて 3


「みーくんのばか!!笑わせすぎだよ〜、何やってるのさ〜」



 たまらずこっちに向かって来て文句を言うクリス。勇者だと言ってもらいたい。

 とここでみーくんと聞いたぽんてが反応した



「みーくん、だと?……貴様がみーか?」



何だコイツ……!?ってまさか……ひょうたん持ってやがる



「ぶはっ……ちょ、ちょっとタンマ……」



 ここで俺はもう崩壊して腹抱えて笑ってしまった。 

 こんな事ってあるのか?俺が爆笑してるのを見てひょうたんに気付いた皆も爆笑だ。

 やや困惑気味なぽんては自分が笑われてると察したのかあからさまに怒り出してきた



「おい、貴様…いや貴様らか?何がおかしいか分からんがふざけるなよ!?どうやら話と違いだいぶふざけた連中のようだな」



 腹痛い……笑ってるから聞き流してるけどふざけたマネしたのはお前だと言いたい。

 するとここで何とかクリスが持ち直してぽんてに話しかけた



「この手紙の主はあなたかい?」



「そうだ、先程から何か見られてる気はしてたがこの一連の行動……いやもういい、正直ガッカリだ」



何を自己完結してるのか?でも俺としてはもう充分楽しんだのでこのまま帰っても良い気分



「何の用で呼び出したのですか?」



メロニィがぽんて相手にちゃんと質問してくれた



「そうだよ、ぽんてさん。何でわざわざ呼び出したのかな?」



ぽんて呼びにまた爆笑を堪える皆、まゆもが蹲りだした。多分ホクロの毛に気付いたな



「ぽんて?さっきからなんなんだ?それに要件も察せないほどのボンクラだったか。もういい、貴様ら如きに用は無くなった……だか!礼儀を知らんようだから仕方無くだが一度だけ、俺様の指導を受けさせてやる」



何いってんだコイツ?最初から色々噛み合ってない気がするが



「いや、結構です。用が無いなら失礼します」



 この言い分は魔王軍って訳では無さそうにも捉えられるが……とその時、コイツの脱力加減が只者で無いと悟り即臨戦態勢に入ったと同時にぽんての指が俺の目を捕らえようとしていた。

 目潰しだ、ギリ躱したが攻撃の手はやまず防戦一方になってしまった



「み、みーくん!?」



「みーさん大丈夫ですか!?」



 返答する余裕も無い程に攻めてくる。これは……この世界に来て既に経験してるが、魔法を使えない人の戦い方だ。

 ヤマト村でいうとドン君の戦い方と同じパターンだな





 職業でいうと魔法使いは魔法使いなのだがどの職種でも魔法というか魔力自体は使う人は使うわけなので魔法を使う人と使えない人という大前提の括りが存在する。

 その中で魔法を使えない人で戦う道を選ぶ人は殆どが武闘家を一度は嗜むという。

 理由は単純で魔法を使うというのはそれだけで使わない時より初動が遅れるのだ。

 まず、技の名前を言うのは大前提でこれがないと下手すりゃ不発だし効果や威力は言う時と雲泥の差になってしまうのだ、使用魔力は変わらないにも関わらずね。

 特に攻撃系は顕著で口に出さないと消費魔力に対してかなりコスパが悪くなる。

 もっとも、攻撃系でも口には出さずとも頭の中で言ってればある程度は強くなれるのでその辺は使いようだったりもすると俺は解釈してる。

 無詠唱でやるのはほぼ不可能で何かしらの魔法を一つ位なら無詠唱でも変わらぬパフォーマンスで出せるなんて猛者はヤマト村の中でも数名、世界広しと言えど手で数える程度しか居ないだろうとヤマト村の人から聞いたことがある。

 因みにその数少ない人の一人がセイラさんだったりするが何の魔法を無詠唱でやれるのかはそう言えば聞いたことが無いな。

 つまり魔法を使用するのにはどうしてもこの詠唱が必要でその分遅くなるのだ。

 そして魔法を使えない人はその心配が無いので容赦無くその隙をついてくる。

 魔法が強けりゃ無敵と言うほどこの世界は単純ではなくむしろ魔法を使えない人で鍛え上げた人というのは魔法を使う人にとっての天敵となるのだ。

 ヤマト村の人達は当然そういうのも対策すべく日々鍛えているとの事。

 だが、俺は生前武道をやってた訳では無いけど、そもそも魔法がない世界から来てるのでその辺のある種魔法及び魔力に頼り切ってるというこの世界の魔法を使える人全般が抱える癖のようなものがほとんどない。  

 ドン君とある程度渡り合えたのもそれが大きかったりする。

 しかし今少し困り物なのがこのぽんてくん……ある程度手心を加えてくれてたとは言えその手加減ドン君より、数倍くらい強いな



「ふん、最低限はやれるわけか」



 アエテックスパワーさえ発動すれば問題無くやれるとは思うが……でもアレだ。

 ドン君の時にもそうだったけど俺は地球出身の日本人男子でもあるんだよ。

 だからその括りでも正直負けたくない気持ちがある。

 なのでワガママかもしれないけどもう少し…折角の機会だから俺も魔法無しで戦ってしまおう








 魔法を使うのを一旦やめて俺からも攻勢に出る。

 もっと鍛えときゃ魔法無しでもって思うがそれは考え様なので頑張ってみるとするが…身のこなしが凄いな、俺の攻撃が当たる気がしない



「ぽんてのくせに生意気な」




 この緊迫の戦いに皆は流石に笑おうとはしてなかったと思うが余所見できないので確認は取れない。

 なるほど、魔法を使えない人が天敵になるって意味がよく分かるわ、条件が整えば何もさせてもらえないってなっちゃう訳だ



「魔法に頼らず応戦しようとする気概だけは認めてやろう」



 そう言ってかなり低い位置からあびせ蹴りを食らわせて来たが俺もそれに合わせて関節技を披露した。

 だが一瞬の油断程度で切り抜けて来たので間髪入れずアッパーを食らわすも受け切られて反撃の蹴りを食らってしまった。

 かなり効きます……のたうち回りたいけど我慢してジャブを打つもいなされてボディブローを食らった。

 コレあかんやつだ、負けるのか?と、ふと皆の様子を見ると凄い不安そうな顔で見ていた。

 そうか、仲間だもんね。仲間が負けるのは見てらんないよな、俺だって仲間が負けるのは見てられん。

 俺に負けて欲しくないなんて顔をしてくれる人を見たことが無かったから分からんかったけどこれは折れる訳にはいかんな。 

 という事でワガママはこれまで。アエテックスパワー使っちゃいましょう、何とか隙を……アレやるか



「遊びは終わりにしてあげる」



 そう言うと顔が怒りに満ち溢れこちらに足技で攻撃してきつつ懐から魔石を取り出し使用して来た、多分肉体強化系だ



「瞬殺してやる」



 魔法は口で言えればそれでいいという訳でもなく、ちゃんと使用する意思を明確にしてないと上手く使えないので、ボソッと言ってやるのは難しかったりする。

 なので機を伺う必要があり、世の魔法使いさんは想像以上に大変なのだ。

 だが魔石は例外で、使うという意志のもと使用すれば即発動。

 コイツのこの実践的な戦い方から察するに冒険者か?と思ってたら先程よりかなり早い攻撃が飛んできたが……体に触れたので合気を仕掛けた



「!!?」



どうやら初体験だったようなのでそのまま後ろに引き



「アエテックスパワー発動」



この時の皆の顔の安堵感を見て、俺もつい安堵感が出た所で意趣返しの如く瞬殺してやろうと攻め込んだ



「ク、クッソー……しくったか」



 やはりコイツかなり強い。一転して俺が有利になったがかなり持ちこたえられてる。

 何か秘策でもあるのだろう、先程から俺への攻撃は大してダメージにならないという事は気付いてるはずだがまだなにか企んだ戦い方をしてくる



「降参したらどうだ?」



と、その時



「ナメるなよガキが!!!」



 隠し武器で刺しに来たので出力を上げてボディにキツイの一発食らわしてやった。

 勝負アリとなったと思うがすんでで体を捻って致命傷は避けてる所はかなりの猛者だとわかる。   

 本当にコイツ何者だ?とりあえずねばのーる君で拘束して尋問する事にした



「必要とあらば殺す訳だけど、お前は魔王軍関係者か?」



「へ?な、何言ってやがる……いやちょっと待て……何かこう……分かってきた気がする」



 何言ってるんだコイツ?俺達としては人殺しなんてやりたくないけど狙われ続けるとかはゴメンだから最後の手段として、やむ無しとはいえそれしか手が無いのだ。

 それを分かってるから皆もこの言葉に対して仕方無いという見解だろう、特にツッコまれたりはしない


「悪いけど、人殺しなんかしたくは無いんたけどさ、命を狙われる以上は仕方無いんだよね」



 クリスがダガーを取り出してそう言った。何?まさかクリス様がやる気なの?

 こういうのはなんだかんだと俺の役目だとばかり思ってたが……いや、駄目だ!ここは俺だろ。

 だがこいつの返答も聞いてやらんとだな



「待て、まだどう説明すればいいか分からんが……なんだお前等?まさか俺の事知らんのか?いや、知らないのはそうだとして名前も知らんのか?仮にゼストやリリィから聞かなくたってそれなりに知られてる筈だぞ?」



今なんて?



「あなたはリリィさんのお知り合いですか?」



「そうだ!この俺、カイルを知らないのか?リリィやゼストから名前くらいは聞いたことあるだろ?それに冒険者なら知っててもおかしくない程度には有名だと思うんだが」




 そう言えばリリィさんの会話の中にそんな名もあったような無かったような……だったら名乗れよと言いたい


「カイル……確かに有名ですね。今では要人の外交時のボディガードを任されてる人です。あなたが?」



「そうだよ、そのカイルだよ!なんだ、知ってるんじゃないか〜、それにしてもお前等鈍すぎだろ!普通俺の名を聞けば殆どの冒険者はもっと畏まる筈だぞ」



 若干ウザいのは置いといて、この行き違いの原因がなんなのか分かって来た、と思ったらクリスも察したようで手紙をぽんてじゃなくてカイルに渡した



「あの、何となくこの行き違いの原因が分かったので手紙返しますね」



「あ?」



 名前書き忘れたんですね。という事でこちらも最近奇襲された事とか諸々話して今回の流れについて納得がいった所で本題を聞くことにした



「いや〜すまんかったな、それにしてもお前らは何であんなに爆笑していたのだ?」



 それは思い出させないで下さい。何の奇跡か知らないけどこの人はかなりぽんて像と合ってて今でも笑いをこらえてるんです



「気にしないで下さい、身内ネタというやつです」



「そうか…まあいい。ゼストから話が行ったか返答が無かったのでせっかくだから俺から話そうと思ってな」


内容はこうだった


 まずこの国は世界的に見たらかなり平和な部類に入り、それに対し王族やお偉いさんたちはその事を理解していないらしく今回のライオウ討伐はもっと色々な視点で情勢を注視すべきという話だ。

 というのも他所の国視点で居ることの多いカイルからするとライオウ討伐以前からここ数年、魔王軍の動きがちょっと変らしいのだ。

 変というのは文字通りで活発になってるという訳ではなくむしろ活動を縮小してると見受けられる所から拡大してると見受けられる所があったりと、長い歴史で見ても違和感があるとかないとか。

 識者によっては魔王軍の真の狙いはこの世界の支配とは別にあるなんていう人も居るらしい。

 そんなキナ臭い状態がここ数年続いてる中での魔王軍重鎮の将軍の討伐は思いも寄らぬ事が起きかねないという事を伝えたかったらしいのだ。

 ここで俺達も将軍格2人を更に仕留めたという話を伝えておいた



「そうなのか?いや、分かる。お前の強さならそれが可能だろう、ましてやヤマト村の者まで居たとなれば当然か。あ、お嬢さん、回復ありがとな、良いウデしてるぜ。褒めてやる」



やはりコイツ若干ウザいな



「お話しに来てくれた事には感謝しますよ。でもわざわざあんな事しなくても普通に訪問してくれるか、リリィさんの所経由で来ても良かったのに。俺は達人とかでは無いので色んな意味で危なかったですよ」



「何、俺様も戦う者の端くれ、ライオウを倒し、ゼストもやりこみ、リリィが一目置くというみーとやらを試したかったんだ。ってお前らリリィのやってる店知ってるのか?」



え?



「ええっと…どうだろ…」



「教えてくれ、アイツ元パーティーには自分の店の場所とか全然教えてくれねーんだよ。もう何年も会ってないし……知ってるなら教えてくれ?というより何処で知り合ったんだ?」



 うわぁ……キツイわ〜、なんか可哀想になって来た。

 言うまでもなくゼストさんはリリィさんの店をちゃんと知ってるしジェノサイダーズの事まで知ってる訳で……コイツ元パーティーメンバーに避けられてるのか。

 前にチラッと聞いたけどリリィさんのパーティーは利害の一致で組んでる側面が強くビジネスライクな付き合い方でゼストさんの視点からすると解散してからのほうがリリィさんとは打ち解けたとか言ってたな。

 さて、リリィさんの店を教えるのはちょっとよろしくない気がするので上手く誤魔化すか



「お、俺達も詳しい場所とかは知らないんだよ、リリィさんとはヤマト村付近でたまたま知り合って…」



「ヤマト村だな?さてはリリィのやつ何かしらの材料とか仕入れに行ってるに違いない。俺達も知らない店の場所をお前等が知ってるとも思えないしな。うんうん、分かった!貴重な情報感謝するぜ」



本能とでも言うのか、皆はもうコイツと率先して喋る気は無いっぽい



「では僕たちはこの辺で、ありがとうございました」



とっとと帰ろう、と思ったら 



「待て、見た所そこの姉ちゃんは戦士系だな?見る限りではそれ程腕は立たんように見える。どうだ?特別に俺様がちょっと鍛えてやろう。みーはちょっと規格外だとして、同じパーティーでやるなら最低限の強さは欲しいだろ?」



何言い出してるのこのぽんては?



「いえ、お構いなく」



クリスがキッパリ断った



「何、そんなに掛からんよ。俺と少し手合わせしようじゃないか。戦士なら俺クラスと戦うってだけで良い経験になる、中々ないぞ?俺が直に指導してやるというのは」



 う、うぜぇ〜、アレか?コイツ今の立会で負けたから少しでも良い所見せておきたい的なやつか?さっきから視線がほぼ女性にしか行ってないけど本当にぽんてだなコイツ



「お気持ちだけで大丈夫ですって」



「自分の強さを知っとくのも大事だぞ?」



そう言ってクリスに近付き肩に手を置こうとするぽんて、コイツ……



「き、気安く触らないでよ!いくらリリィさんの仲間だからってこれ以上は許さないんだからね」



「ふ、それでいい。みーよ、他の皆もこれは修行だ、止めるなよ。では行くぞ」



と、クリスに攻め入ろうとしたぽんてだが



「いやぁぁぁ~!しゅんぎりぃぃぃ!」



「ぐはっ……な、なにが……」





こ、殺してないよね?




「はぁはぁ、何なのさこの変質者は……ついしゅんぎりかましちゃったよ」



 気持ちは分かるが変質者と言う程の事はしていなかったと思うの。余程生理的に受け付けなかったのだろう



「め、メロニィ、一応回復してあげて…見た所かなり加減はしてくれてるとは思うけどそれでもヤバいと思うから」



「……私としてはこのまま放置でも良い気がしますがクリスが殺人犯になるのはよろしくないですからね」



 クリスの事舐めすぎだろ。多分魔法を使えない人がやる戦闘の最終目標みたいな技を持ってるのが我等がリーダーのクリス様だぜ。

 メロニィが最低限程度の回復魔法をかけぽんてが意識を取り戻した所で有無を言わさずメロニィが最低限の挨拶をして転身を使い俺達は家に帰った

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。