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罰ゲームはハードル高くて 2


 マイホームに戻ってから数日後、今日あたりリリィさんの所に行ってゼストさんからの話をいつ聞くか決めつつ改築祝いに招待しようと思っていた。

 先日せいらさんの所に手伝いという名の話し合いに行った時に二人一緒になるようにしようと思ったのだがあの店の事とかその他諸々でせいらさんはちょっと王都の方に居ることになりそうとの事で予定が合わせられなかった。

 まあリリィさんもヤマト村の祭りには行きたがってたから遅くともそこで会えるとは思われる。

 なんて思いながら一息ついてたら誰かが家にやって来た



「おや、どうしたのかなボク?迷子かい?」


「これ渡せって言われたよ」



 そう行って去って行ったのはどうやらこの辺の子供のようだ。何を渡されたのだろう



「手紙だ。どれどれ……街の外、水車付近の大木にて待つ。だってさ、何これ?めちゃくちゃ怪しいなぁ」



 水車付近の大木となるとアレか、もう使われてない水車の所か。

 街のすぐ近くなのであの辺は稀に釣りしてる人を見掛ける事はあるが人っ気のある所ではない



「スルーしたら面白そうだと思うのは俺だけかな?」



シャレが通じる人なら良いが



「子供使ってまで手の込んだ事してくる人にそれをやると何されるか分からない恐さがありますよ」



「水龍さんでぴーぴょ?」



 水龍さんでいいと思うのは俺だけかな?でも確かに子供を使ってまでわざわざこんな事するやつは無視すると何されるか分からないから面倒だ



「行って……みるかい?若干遠い気がしてめんどい俺が居るんだが」



「分かる、なんか絶妙にダルいよね。別に何やってた訳でもないから本来なら行くのも吝かではない筈なのに」


「よし、3曲位弾いてから気が向いたら行こう」



「キミはただギター弾きたいだけじゃないか」



こうしてなんやかんやと5曲くらいやってあれこれくっちゃべってから仕方無く行く事にした



「どうする?実は重要な話だったら」



「俺としては重要でなくても直接来いって言いたいね」



「最もな意見かと思いますがどういうつもりなんでしょうね。誰という指名も無いですし」



 本当なんだろうな、魔王軍の可能性もある訳だが…家に結界は張っておくか。

 それにしても手紙で呼び出しなんてなんか果たし合いみたいだけど、それなら誰かしらの指名があってもいいと思うんだが。

 もし果し合いでそれをやってる奴が実は1人で色々やってるとか想像すると…面倒な事するなとは思う。

 それがもし、流石に無いとは思うけど魔法も使えず原始的にやってたとかだったら、かなり滑稽だな。 

 流石にそれは無いとは思うけど



「ちょっと待ってね、小道具持ってくから」



 ちょっと面白い事考えてしまった。ふざけ過ぎな気もするがそもそもふざけた事されてるのでいいだろう



「釣り道具なんて持ってどうするのさ?それにその荷物は何かな?」



「まあ道中話すよ」



 そうこうしながら目的地へ向かう事にした俺達。

 アレ?皆さんそこそこ緊張してる?どうしよ、俺はなんか真面目に対応する気はないんですが



「それでみーさん、その道具の狙いはなんでしょうか?」



 真面目な眼差しで聞いてくるメロニィ…考えたらそうだよな、刺客とかだったらそれを倒せたとしても色々めんどくさいのでむしろ俺のこのおふざけが間違ってるな。

 よし、一応説明して多少気を紛れさせた所で真面目に取り組むとしよう



「名探偵みーくんの大胆な予想を聞いてくれ。まずこの手紙の主は……そうだな、ぽんて君としよう。

 ぽんて君は単独行動で理由は不明だが俺達に挑もうと今回の事を企てた訳だが、ぽんて君は……そうだな、我が道を行く生粋の武人だけど何処かそれに酔ってるタイプのちょっと残念な子だ。

 魔法は一切使えないので今回の件、この流れを思い付いて我ながら上手い感じだと思って内心ウキウキしながらやってはみたものの、子供に手紙を頼んだはいいがもし俺達が街の外まで転身ですぐ行ける場合、文面の待つというのがおかしな話になってしまう事に気付き慌てて水車の方に戻って行ったという感じだ。

 そしてあれから一時間以上経ってるので今度は上手くいってないのかと不安になってるが持ち場から離れる訳にも行かず苦悩しながら待ってると……推理する、私だよ」



「流石にそれは無いと」



「ぷくく……ちょ、ちょっとみーさん笑わせないで下さいよ!想像したら……ぷふー、あは、あはははは……お腹痛いですぅ」



 メロニィのツボにハマってしまったようだ。自分で言っといてアレだがそんな爆笑する程の話ではない気がするの



「メロニィが爆笑しとる、でも……想像すると確かに滑稽ぽん」



「やだ、やめてよ。なんか私まで想像したら面白く…ぷぷ……きっと思いついて行動した時はすんごいドヤ顔だったに違いないよ」




 こいつ等……さっきまであんな真剣な感じだったのに、まあ緊張が解れたなら良いか



「因みにぽんて君は海水浴する時は堂々とビキニパンツ履いて来ちゃうタイプの性格だよ」



ビキニパンツって通じるかな



「ぷぷっ、ちょ、ちょっとみーくんやめてよ!わら、笑わせないでよ……ふ、ふふ、あははははは……キミってば分かってるの?一応今危険そうな時なんだからね?……お腹痛い…ふぅー」



「多分眉毛が無駄に太いにゃ。ぷふぅーーっぷくく……お、お腹痛いぽぅん、み…ーくん笑わせないなの」



「自分で言ったんだろーが」



 俺もつられて笑ってしまったが皆なんかハマってしまったようで大爆笑しとる、一転して俺が不安になって来たよ





 ぽんて君は自分が割りとモテると勘違いしたまま生きて来た30代前半で、酒は飲めないのにひょうたんに入れた水を持ち歩き真面目で堅物そうに振る舞ってはいるが女性の方ばっか見てる奴で味覚バカなんて設定が盛られた男に変貌してしまった頃、視認出来るかギリギリの距離にまで来た



「あ、アレじゃないですか?ほら、あの樹の下にいる男です」



まさか本当に一人か?



「念の為距離がちょっと辛いけど広範囲のみーサーチをやってみるね」


 みーサーチには実はすぐバレる方法があるのだがそれは仲間にしか教えてない。

 というかせいらさんに盗聴を疑われたので秘密にしてたのだが披露するハメに。

 勿論仲間を盗聴なんて発想も無かったので変な疑いはされる事無く済んだ訳だが。

 そのバレる方法とは自分の皮膚を擦る、それだけだ。

 元いた世界でこの感覚が分かるかどうかは最早分からない事だけどこの世界の生ける者は全て魔力を帯びている。

 そして俺の使う技と言うか魔法的なものは全て生命エネルギーに変換した、気、みたいな感じの物でありほぼ魔力とは異なる物になっている。

 つまり物質では無いが魔力的視点からすると物質と認知される物なのだ。

 これはどういう事かと言うともしこれが単純な魔力ならどんなに上手くやっても警戒してる人が自分が何かされてないかと調べたり探知するかのような魔法をすればまず気付かれる訳だがみーサーチは魔力では無いと認知されるのでクリス曰く気にならない程度のホコリが舞ったかな?程度の感覚らしい。

 そしてそれは魔力を帯びてる生き物であれば物質の感触のように触れる事が可能なので自分の肌でも擦れば何かついてた?的な感じでわかるのだ。

 それを知ってからだともうそんな事しなくても分かるレベルとはまゆも談。

 メリットは魔法や罠とすら思われない程度の物と認知される事で、デメリットは何か居るとか、形が分かるとか、音が聞けると言うだけでもっと詳細が分かるようなサーチ魔法程精度の高いものではないという点だ



「どうたった?他に何人ぐらい居そう?」



これはもしや……



「ビックリするなよ、みーサーチ的にはアイツしか居ないぜ」



本当にぽんて君なのでは?




「ぷっ……いけません、油断はいけませんね。少し様子を見ましょうか」



「遠目で流石に分かりにくいぽんだけど……顔にホクロがあるように思えるぽん」



「ぷぷっ、やめてよ〜、ここで爆笑でもしたらバレちゃうかもなんだから」



 あ、コレもう真面目に対応出来ないっすね。もしかしたらこの後転身で沢山仲間が来るとかあるかも知れないから油断は出来ないのはそうなんだけど、もうまともに相手する気が起きないです



「よーし、では今からこの道具たちの意味を発表します。百聞は一見にしかず、早速準備しましょう」




 そう言って俺は少し着替えて帽子を被りマスクをしつつお腹に服を詰めて猫背にして釣り道具を持つ姿を披露した



「それは変装ですか?」



「そう、あのぽんては手紙で誰の名指しもして来ない事からもしかすると俺達の姿を知らない可能性があると思ってね。あるいは知ってるにしてもちょっとの変装で分からなくなる位の認知度とかね」



「フフっ、あのぽんてとかやめて下さい。でも一理ありますね」



「という事はみーくんはその姿でぽんての近くまで行き、釣りでもしようって事だね?」



察しが良いですな



「ではみーチャレンジ始めたいと思います!内容は…ぽんてに何処までバレないかです。んじゃ俺は10分はイケると予想」


「じゃあ私は1分位かな、当てたらデザート奢ってね」


「アチキは5分ぼぅん、アチキが当たったら……また天ぷら作ってぼぅん」



「ええっと、では私は……即バレるに一票です。当てたら……ツノザメの刺身が食べたいです」



 ちょっと待て、それ全部対応するの俺じゃないか?では俺も相応に何かしてもらわないと



「んじゃ俺が当たったら…どうしようかな?まあいいや、ではみーくん、行きます」



「うむ、健闘を祈る!リーダーは生暖かい目で見守ってるよ」 



 よし、ここが正念場だ!顔はほぼ隠れてるから多分年齢不詳にはなってると思うので年寄りかな?って位には思われるようにゆっくり歩く。

 そしていよいよ目の前に………くっ、これはヤバい!!

 コイツ、顔にほくろがあるし眉毛が濃いぞ?わ、笑いそうになっちゃうじゃないか……耐えろ俺!

 にしてもこいつ本気でぽんてなのか?ついさっき生まれたキャラな筈なのに。

 




……………



 多分凄くこっちを見てると思うけど無視して通り過ぎるのが違和感にならない絶妙な地点で曲がり川の方へ向かう……どうか?



 よし!声は掛けてこないし来る気配もない!この時点でメロニィは脱落だ、念の為みーサーチを皆もフォローする範囲まで広げとこう



「この時点でメロニィは脱落だね、残念。あのぽんては本当にこの手紙の主なのかな?って思えて来たよ」



あのぽんてってなんだよ!笑わすな…腹が……



「くぅ~……本当はもっと持ち堪える気がしたのですが皆さん満遍なく時間を指定してきたので穴狙いで行ったのが失敗でしたね」



メロニィは勝負師タイプなのか?



「ぷくく……み、みーくんが普通に釣りしよっておる。もう既に面白いぼぅん」



 俺だって笑っちゃいそうなんだからまゆもも耐えてあげて。クッソー、俺から突っ込みたいぜ



「あの男普通に釣りしてるよ、よくやるなぁ〜」



 さっきから笑わせやがって、だが俺をナメるなよ!

 ここでただ釣りするだけなんてみーさんの風上にも置けないからな




 という事で不自然かつ大袈裟に上半身をいきなり左右に振ってみた。

 ヤバい……自分でやってておかしすぎて耐えられん。

 だってぽんてさんの方もビクってしてるんだもん



「…………お腹が痛い……だ、駄目です…流石に爆笑したらここで見てるのバレます……」



「……くっ………みーくん……それはバカ過ぎるだろぉ〜、……く、苦しい……ま、まゆもちゃん顔真っ赤すぎだよ」




「………ぴっ、ぴひぃ〜………」



 どうだ、苦しんだか?とりあえずクリスも脱落だな。

 だがここで安全に行くなんてみー様ではないのだ。

 とその時、みーサーチに気付いてるクリスが囁いてきた




「みーくん、程々にしなきゃ駄目だろ……ぷくく……いち、一応私達はぽんての方の観察をしてるんだから」



 クリスめ、あのぽんてとかパワーワード言っておいてよく言うわ。

 こうなったらこれは俺とあいつ等の戦いだ、俺でバレるのかアイツ等でバレるのか………みーさんの底力見せてやる!!



と、言う事で……



叫んだ



「あぁぁぁああ〜」



 イントネーションも謎にただあぁって叫んでみました。

 みーサーチは拾ってました、ぽんてが凄いビクってなってる事を。

 そりゃ俺だって怖いわ、こんないきなり叫びだす人が近くに居たら



「………駄目だ……限界が……分かったよ、キミからの勝負ってわけだね!みんな、多分あの男は私達を爆笑させて私達のせいでバレるって形にしようとしてるに違いないよ」




流石クリス、俺のことよく分かってるじゃねーか!相手にとって不足なし、真剣勝負ぞ!



「……そ、そのような勝負になってたのですね?い、いいでしょう、受けてたちましょう!私達の力をお見せしますよ。でももう限界ですが…だってあのぽんて反応が良すぎて……」

 


「や、ヤマト村の魔法使いの……意地を……あ、ぽんてが頭かいた……くっ………」



 やめろ、別に頭かくくらい……それは流石に普通の行動だろ。

 でも駄目だ……やはりまゆもは強敵だな、しかし慌ててはいけない。

 ここで変にがっついて何かすると逆に冷めてしまうだろうよ。

 ゆえにこういう時は……ゆっくり立って、ゆっくりその場で回り、ゆっくり座って元の体勢に。

 どうだ?この意味のわからない行動は




「回った!あの男回ったよ……だ、駄目だ……意味が分からな過ぎる。なんなら今ぽんてとおもいっきり目が合ってたっておかしくないよね?……キミはなんて恐ろしい男なんだ」




 クリスめ、俺の行動分かり過ぎだろ!確かに一瞬でそらしたけど思いっきり目が合いました



「め、メロニィが呼吸出来ないレベルになってるぼぅぅん……さ、流石みーくんぞ!あちきがまだ13歳だったら落ちてたぼぅん」



クソッ、まゆもめ…出会った頃ならここで勝ててたという事か



「……た、助けて……もう……」



 よし、メロニィは後一押しだな。だがここで問題なのは叫ばない限り皆には声は届かないという事だ。

 流石にここで叫んだら全く違う事態になりうるし、かと言って動きにも限界があるからなぁ……ここで同じ事やるとネタ切れって思われちゃうぞ……それは駄目だ。

 周りをよく見るんだ、何か使える物……これだ!まだ葉っぱのついた大きめの木の枝達をゆっくり集めて魚に見えないように壁的なものを作る俺。 

 そして背中に一つだけそこそこ大きい葉付きの枝を刺して……壁の横で釣りを再開する俺。 

 果たしてこのボケを奴等は拾えるか?とりあえず5分は経ったのでまゆもも脱落だがここからは俺と奴等の真剣勝負なのだ



「アレってガチで釣りやる人がやる、人が居るってバレないように隠すやつだよね?あの男がその程度のボケとは逆に気になるね」



 しまった、きゃつ等には俺がせっかく作った壁を活用せずその横で釣りしてるって行動が見えてないのか!?



「ええ、彼程の……ってぶふっ!?……………や、ヤバイです……」



メロニィは気付いたようだ



「メロニィ?な、何か気付いたなのか?」



「あ、あ、あれ………ふひ、ふひひ、ひひ………こうなると背中のアレがまた……」



「ど、どういう事?」



「ちょ、ちょっとこっち側で見て下さい……」



「え?……ぶはぁっ……しょ、正気なの!?あの壁は何だったの?あの男……せ、背中の木がまた何の意味もない……………ま、まゆもくぅん……た、耐えるんだよ」






 もう少しだな、さてここでまた叫んだら……ってアレ?これは……何か掛かったよ。

 よし、とりあえず釣り上げてみよう、ふむふむ…そこそこ大物が釣れました。

 少し立ち止まり皆の方を見る、皆も無言だ………




…………





ここで俺達は同時に爆笑してしまいました


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