大金は歴史的偉業で 3
「お越しの冒険者の方々、まずは緊急対応ありがとうございます。今回の緊急クエストは…ギャンザク一味からの街の防衛及び討伐となります。情報によりますと後1時間もしない内に南の海岸に船が到着するとの事です」
ギャンザクとはなんぞや?
「おいおい、それは無茶だろ!避難だ避難、A級パーティーが複数でやっと成り立つかって案件だぜ」
「そうです、勿論一般人の避難のための護衛はやりますが街の防衛なんてしてないで早く皆逃がすべきだ!」
「そうだそうだ!最低でも王国の軍勢が来る位のアテが無きゃ無駄死にだぜ」
それ程やべぇ一味なのか
「私達ギルドでも勿論そう言いはしましたが王都からの要請もあり可能な限り街も守れという次第です。幸い船は確認された限りは1隻なので大群ということは無いと思われます。
ご協力願えるパーティーは早速街の防衛ラインを考えますのでこちらにお願い致します。
他の方々は流石に無理強いは出来ませんのでこの後出る避難勧告における一般人の誘導の協力をお願い致します」
冒険者達が困惑してるとこを見る限りかなりピンチなんだろう。顔出すだけで絡んでくる奴や睨んで来る奴等がこぞって俺やクリスに目も向けてこない。
てか南の海岸って俺達の釣り御用達の近くだったよな?
「船は1隻って言ってもこの国に入ってから魔法で一気に大群を呼び付ける算段だろ?この国の敷地に入られた時点でアウトだ」
「大体ギャンザクとか魔王軍の将軍なんて国との戦争レベルの連中なのに賞金が1.8億〜3億ってのがアホな話なんだよ!国家がやる戦争の規模考えたら安過ぎるしそもそも現実的じゃねーんだよ」
なんて?
「その通りだぜ、魔王軍では無いとはいえギャンザクなんて人間から見たら魔王軍の将軍と変わりねーんだから冒険者にどうこうではなく王国で戦争準備してやりに行けってんだよ」
無茶なのかも正直わからないレベルで知識が無い俺はとりあえずここに居ても何かしら絡まれるだけというのもあるし億単位の賞金というのに非常に興味があるのでギルドを出て家に帰ることにした
「ちょ、みーくん?どうしたのさ?」
「なんだ?レベル3が逃げたか?」
「ほっとけ、今はそれどころじゃねー」
あの海岸へは魔石と魔符の転身ですぐに行ける。船1隻とか言ってたな…もしだよ?仮にだけど船を我が必殺技でぶっ壊してどれだけ居るかはわからないけど魔物をかなり減らした上でギャンザクとやらを討伐しちゃえば……イケる気がする 。なんて思いながら家に辿り着いた
「み、みーくん…まさかとは思うけど魔石で行く気じゃ無いだろうね?」
「みーくん勝負仕掛けるのかえ??」
「ど、どういう事ですか?」
流石に二人は分かるか。でも危険だったらアレだし…ちょっと話を聞いてみよう
「お二人の予想通り…一足先に乗り込んで退治してしまおうかと思ってる、私だよ。って言いたい所だけどギャンザクとかよく分からないから教えて欲しいんだけど」
「そんな事だろうと思ったけど…どうかなぁ、みーくんの強さ考えるとあながち無茶とも言い切れない…のかな?」
「うにゅ、船1隻…船の大きさにもよるにしてぇもみーくんならやれるでぇぇす!アチキも退治するのじゃ」
まゆもはやる気だ。って事は無謀過ぎる話では無いと見れる
「あ、あの…失礼ですがみー様はそんなにお強いのですか?ハッキリ言ってお断りして逃げたとしても誰も文句は言わないレベルですし戦いを挑むなんて無謀にしか思えないですよ?」
ここでギャンザク一味というかこの世界の大まかな敵勢力の話を聞いた。ちゃんと聞くのは地味に初だったりする。
まず魔王、これは魔王軍を率いて各将軍が各国に戦争を仕掛け世界を我が物にしようとしてるらしい。
ここで注意すべきは魔物=魔王軍というわけではないとのこと。そんな魔物の中にはいくつか魔王軍とは別に組織的に動いて好き勝手やってるグループもあるらしく今回のギャンザクという魔物はその中でも最も危険かつ規模が大きい連中らしい。噂ではギャンザクは個でも魔王軍の将軍に匹敵するとか。
元々東の大陸にある国の一部を乗っ取り陣地を広げ暴れ回ってたらしいが陸を跨いでの行動は初らしく支配地の拡大が狙いなのは明確だそうだ。
一つ言えるのはここ数十年とは言えそれなりの期間を魔王軍や人類を相手どり好き勝手振る舞っていて尚健在であり、両陣営から脅威と見なされてる事がその強さを表しているという事だ。
因みに人類と魔王軍は場所によって違いはあれど全体的に見て拮抗〜人類の方が優勢との見方が強いらしくその優勢である筈の人類側は国家間での戦争なんかがあったりするので魔王軍と拮抗してしまってるそうだ。
その辺はどの世界でも人間は変わらないんだなと思うがその拮抗さゆえ、一定の平和があるという見方をする識者も多いらしい
「んじゃ行くだけ行ってみよう。単純にあんまりにも規模が大きく多勢に無勢とかだったら大人しく引き下がって街の護衛に当たりつつ避難しようかと思うけどクリス的にはどうかな?」
「良いんじゃないかな、もしかしたら私の必殺技で大金星なんてことも…」
「アチキも魔法が唸るのでぇぇす」
「もしやばくなったら即撤退!二人にも転身の魔石と魔符を渡しておくよ」
残り少ないけどこればかりは仕方ない
「了解、みーくんも逃げる時は遠慮なく逃げてね!それと…いざって時は私達の事ちゃんと守ってね」
クリスめ、こういう事をハッキリ言ってくれるのが助かる
「アチキもミナマモールを使うのでぇぇす」
「あ、あの…私も行きますので」
メロニィさんか、ここはちょっと危険だからやめた方がいいかと思うし何より信用しきれないからなぁ
「申し訳無いけど……」
断ろうとしたら言い切る前に話を進めだした
「シオーニさんとサキさんでギルドの方に報告を。我々の権限で秘密裏ということにしつつ報告だけしておいて下さい」
「ちょっと待て、勝手に話を進められても困るぜ」
とは言うもののこの意見にも穴はある
「私が個人で行きますので安心して下さい、それに見てみるだけですから。ただ、よろしければその海岸まで転身で連れてって貰えると助かります。私自身は転身使えますので帰りは大丈夫ですし、危険でしたらちゃんと逃げますので」
そうなのだ、連れてかなきゃいいだけではあるがパーティーとしてではなく個人的にって言われると俺達の許可等必要なくなるわけで
「俺達があなたを一緒に転身で連れてく義務は無いのはおわかりで?」
「わかってます。それでしたら大人しく歩いて行きますのでお気になさらず」
そんな感じはしたんだよ。それじゃ俺達がもし逃げたとした時にギャンザクとやらと鉢合わせになったらいくら転身が使えるとは言えリスクは高いと思うんだよね。
魔石なら即発動するけど詠唱の場合は即発動では無いから危険だし
「わかったよ、んじゃ一応魔石も渡しとく。こっちなら即発動するからね。くれぐれも無理はしないように。この二人にも言ってあるけどヤバくなったらとにかく周りを気にせず逃げちゃえって言ってあるからキミもそのつもりで頼むよ」
「ありがとうございます。魔石まで…この御恩はちゃんと返します」
「しょーがないなぁ〜確かに一人で歩いて行かれて私達が逃げちゃってたらヤバいからね。それじゃ話もまとまった事だし行ってみよう」




