大金は歴史的偉業で 2
「くにゅーる、ぴにゅーる……ぽるぞふぁんばぁぁぁ…イマイチぼぅん?」
引っ越して早くも2週間が経った。今のところ住み心地も問題無く快適な生活を送れている日々だ。今日もいつもの1日が始まっている
「イマイチだったか?悪く無かったと思うが」
何をやってるのかというとまゆもの魔法の修業の一環である。
この子はこの訳のわからぬ造語で魔法のインスピレーションを高めているので一見すると頭おかしく見えちゃうこの発言も実は一つ一つが結構重要だったりするらしい
「きっと大丈夫だと思うよ?良し悪しは全くわからないけど」
クリスは慣れたようで普通に返事するようになった。
初めて目の当たりにした時はごめんちょっと分からないってひっそり俺に言ってきた位だったからそれと比べたら馴染んだもんよ
「うーにゅ……でぃるぱりぷりゃ?」
まゆもさんはいつもの事なので置いとくとして、この常識的な空気を醸し出してるクリスさんはというと
「お、今のは来たね!よし、後10回」
座って目をつぶりながら何か言っている。本人曰くイメトレ的な物らしい。
イメトレが大事なのはわかるがクリスの中ではどんな事が行われてるのか気になるところ。本人は至って真面目でこれにかなりの時間を費やす事もあり今みたく独り言をぶつぶつ言ったりしてる姿は知らない人からするとついていけないかも知れない。
だがこの二人は立派に修業をしているのだ。こうなってくると俺だけサボってるみたいだから俺も何かしら修業を
と、いつもの日常を過ごしてると家に誰か来たようだ、誰だろう?
「はじめまして、貴方がみー様で間違いないですかね?」
来たのはシオーニともう二人、一人は白服でやもするとまゆもより歳下か?とも思える背の小さい子だ。白服って子供も居るのか?もう一人はなんだろう…ちょっと距離を置いてる感じだがこちらをチラチラ見ている
「俺がみーです。どういったご要件で?」
白服を見るやいなやクリスとまゆもの顔に緊張が走る。俺も多分ちょっと嫌な顔をしていたと思う
「大体の経緯はこのシオーニさんから聞き出しました。この度は不快な思いと不当な扱いをしてしまい誠に申し訳ありませんでした」
そういうとその小さい子は頭を深く下げ平謝りして来た。そして
「申し訳ありませんでした」
なんとあのシオーニまでもが平謝りして来た
「以後シオーニさんに関しましてはこちらに関わる事はないのと、相応の処罰を下しますのでお許し頂けると幸いです。それからシオーニさんが頂いた報酬の返還とお詫びとしての金銭をお渡し致します」
ちょっと頭が追いつかない…どういう事だ?てかこの人達と俺ってそういう関係性なのか?
「話に割って入って申し訳無いんだけどさ、あなた方ってみーくんとどういう関係性なのさ?」
クリス様が聞いてくれた。流石我等がリーダーです
「ふぅ、そうですよね…そこからなんですよね。なんと申し上げればいいでしょうか…話には聞いております、このパーティーのリーダーのクリス様ですね。そちらの方はヤマト村のまゆも様ですね、あなた達にも不快な思いをさせてしまったと思います。申し訳ありませんでした」
「え?いや、まあ…もう過ぎた事だしこれから関わらないなら別にいいですよ」
「うにゅ、無関係ぞ」
新たに家を買って落ち着いてきたのもあってか、俺もそうだが最早どうでもいい件ではあるから今更掘り下げられてもってのはある
「我々に対して不穏な気持ちになるのはよく分かります。そんな中この話はし辛いのですが」
小さい白服さんが話してる途中でこの世界にもこんなのがあったのか?という事が起きた
「緊急クエスト発令!冒険者の方、直ちにギルドへ!一般人の方、後程緊急警報発令しますので指示に従いますように」
なんと放送が流れた。どういう仕組みなんだろう?てか緊急クエストなんてあるんだ
「緊急クエスト…これは一大事です!皆様、一緒に行きましょう。それから後程話をしますが私、メロニィといいます。今後パーティーに加わる予定ですのでよろしくお願い致します」
「「え?」」
3人同時にハモってしまった。どういう事だろう?ありえん…と言うか話の流れが全く分からんが可能ならもう関わりたくないってのが本音なのですが…とりあえず緊急クエストに行くか。何やらヤバそうだし
「拒否権はあるんだよね?私はちょっと申し訳無いけどあなた方を信用するのは無理かなぁ。この緊急クエストだってあなた達の仕業じゃないの?って位に思ってるよ」
行こうと思ったらクリスはキッパリと意思表示をしてくれた。流石リーダーだぜ!なんて思ってると後ろで見てた人が喋りだした
「随分疑われてるようね。この人こっちでもそんなにやらかしてるの?まあ私はどうこう言える立ち位置では無いけれど」
この人はなんなのだろう
「サキさん…もしよろしければみーさんに話をして貰ってもよろしいですか?」
俺に?どういう事だ
「はじめまして、サキです。色々疑ってるようですけど、私もそんなに語れるほどは知らないけれど少なくともこの緊急クエストに関しては私達は無関係よ。パーティーがどうとかいうのも私には関係ないからアレだけどとりあえず緊急クエストっていうのがヤバイなら行ったほうがいいと思いますよ?私は部外者で、この人は置いとくとして、ギルドがこの国の管理下であるならメロニィさんは確実に協力する側の立場なので敵という事は無いと思うわよ」
それはまあそうなのか?よく考えたらその辺からあやふやだ…と思ってたらクリスが割って入った
「私達側からするとこのシオーニって人は暗にみーくんを亡き者にしようとしてた節があったんだよ。みーくんがバカみたいに強いから成立しなかったけど、申し訳無いけどそういう事だから関わらないで欲しいかな」
バカみたいってのは気になるけど、まあいいか。この言葉にメロニィさんは悲痛そうな表情を浮かべつつも何か言おうとしたその時、サキさんが驚きの言葉を放った
「体は若返ってるようだけど私は東京出身の元アイドル…を、目指してた位の人かな。色々合わなくてすぐやめちゃったど無駄にスタートダッシュは上手く行っちゃって…ってこれで何となく分かるでしょ?」
そういう事か、なんか雰囲気というか立ち位置の余所余所しさとか既視感があったけどその辺俺と少し被るんだな
「北陸地震で有名な被災地わかる?」
「幾つかあるわね、私は朝市の輪島だったかしら?あの報道はよく聞いたわ」
「よし、色々保留で。とりあえず緊急クエスト行こう!一応言っておくけど拒否権はアリで頼む」
「ちょ、みーくん?大丈夫なの?」
「さっきの単語みーくんの言葉で聞き覚えがある気がするぽにゅ…という事は」
「そう、この人は同郷だ。完全に信用するとかしないには直結しないが同郷である事が嘘ではない可能性が非常に高いと見ていい。ならこいつ等は話にはなる組織なんだろうよ、とりあえず緊急クエスト行こうぜ」




