泥棒は嘘つきで 7
エリスお姫様の本性が露見したこの日の夜、最早真面目にやる必要も無い気がするけど俺達パーティーは夜な夜なサミットを開催した
「ええ…ではこれより真夜中みーサミットを開催したいと思います。議題はあのポンコツ姫です」
「みー博士、一応ポンコツはやめといた方がいいんじゃないかなぁ?」
クリス名誉顧問はまだ王族に対して遠慮気味なご様子
「そうですね、一応姫様にしておきましょう。私としては残念を付けたい気持ち満載ですが」
メロニィ先生が結構辛辣なのは知ってるので多分これでも評価はマシな方だと思う
「皆の衆、あまり我が弟子を悪く言うものでは無いぞえ」
まゆも教授はだいぶお気に召してるっぽい
「まあ確かにそうか、やらかす子だって分かってりゃ今後はなるべく人里離れた所のクエストとか、薬草採取とかにして残りの期間を潰しちゃえばいいと思うし」
「適度に休みを入れてだましだましやるなんてどうかな?」
「そうですね。今回は向こうの内情に我々が関与する事も無いので後は適度にあの姫様を満足させてやり過ごすのが妥当かと思われます。それよりみー博士、少し気になったのですが…」
「なんだね、メロニィ先生?」
本当になんだ?この流れ…何か悪い事したっけ?
「みーさんとエリス様、見方を変えると凄く仲良しに見えなくもないのですが…どうなんです?」
「何をどう見たらそうなる?俺結構な勢いでバカにされてんだぞ、姫じゃなきゃ引っ叩いてる所たぜ」
「気のせいなら良いのですが…将来の妻を前にあんまり他所の女とイチャつくのは頂けませんね!」
「あの姫が来てから言わなくなったと思ったら…勝手に決めんなよ?」
「まあ確かに仲良く見えなくもないかなぁ?」
クリスまで
「どこがだよ!?てかアレだぞ?流石にあんだけ舐めた事言われた上でセクハラ男まで付け加えて来たら俺1抜けするからな?」
「ええー!?それは駄目だよ!でも流石に王族相手にセクハラっぽい事はして無いよね」
「いつもそんなしてないと思うが…」
てかまゆもの1個下だろ?普通に俺の中では制限掛かります
「エリスぴょんにはなちょんぱ教えたらどうなるのか気になるアチキがおるぞい」
「「やめてください!」」
多分俺も首飛ぶ事になるわ!
「でも一応はちゃんと最後まで蔑ろにせず、任務遂行しましょう。我々に責任は無いですが多少なり関連性はある可能性もありますし」
メロニィが少し気になる事を言い出したぞ?なんかあるの?
「私達と…王女様…てかイスト国がなんか関係があるって事?」
「山の如しぴょ?」
山の如し!?
「ええっと、山の如しは置いときまして…半年位前に魔王軍が完全撤退と仰ってたじゃないですか、半年位前となりますと魔王軍では大事件が起きてますので、魔王軍完全撤退がイストの問題を動かすきっかけになったと言うのなら関連性もあるかなといった所です」
それか、半年前って言ったらライオウ討伐と、将軍格を2人滅したからなぁ。俺もちょっとはその部分を気にはしてたのよ
「アフターフォローって事じゃないにしても気に掛ける理由くらいは私達は持ってるって感じだね。」
特に重要な話をした訳でもないが一応仕事の報告会だったとしておこうか。
この時はエリス様の、イストの内情なんて本当に関係ない話なので俺達の話題はどうやり過ごすかと、エリス様の魔法の才能だけは凄いという話ばっかでサミットは終わった
そして翌日
去年から放置されてたパーテルという小型の魔物の群れを狩るというクエストに行くことにした。
リリィさんの故郷の村から徒歩3時間と、今日辿り着けるかも怪しい距離だと思ったがメロニィがまだあの村を登録したままにしていたのを思い出して受ける事にしたのだ。
なるほど、転身の登録地って忘れちゃう事もあるのか。早く俺も覚えたいです。
そんなこんなで歩く事2時間
「なあエリス様?王族ってかエリス様がなのかは分からないけど歩くの得意なのか?」
「どういう事よ?」
「だってかれこれ2時間は歩いてるけど余裕そうじゃん?俺達はある程度慣れてるけど、それでも結構しんどいのに全然余裕そうなんだもん」
「ふふふ、そうね、メロニィさんなら或いは知ってるんじゃないかしら?」
何か秘密があるのか?
「はい。おそらくエリス様は楽ちんウォークを装備してると思われます」
「なにそれ?」
これまた変な名前のアイテムが出て来なすった
「歩くのが非常に楽になります。一度付けさせて貰った事ありますがビックリするほど快適ですよ。むしろ居眠りしないようにするのが大変な程です」
「そんなにか!?メロニィは…って事は貴族御用達とかかな?」
「そうですね、ただ非常に高価な物ですので伯爵クラスでないと持ってるのを見た事は無いですね」
「そうなのか…って今思い出したけどアレだ!シオーニは持ってたっぽいな」
「ああ!?そういえばそうだね!あの人持ってたっぽいね。私達連れて何時間も歩いてたのに平然としてたもん」
「そうだったのですか?確かにあの人の家ならあるでしょうね。そういえばコケッコ騒動のその後どうなったか地味に気になりますが…今度それとなく探り入れておきますか」
「今度持ってくるぴょ?」
「「え!?」」
まゆも様が普通に言ってきたけど…いや、ネーミングからするともしかして
「まだ確か集会所に寝てるのがあるぞい!アチキ等は鈍るから使う事にゃいけど元はヤマト村発祥のアイテムぼぅん」
「そうだったの!?流石ヤマト村です、師匠だけでなく皆凄いんですね!」
ヤマト村スゲーな。誰かどこでもドア的なのを作ってくれまいか
そんな話をしながらエリス様と他愛ない口論等をしつつ目的地に辿り着いた。
いたいた、確かに小型だな。居るのは数匹位に見えるが…人里離れててあんな小さい魔物をわざわざ真冬に狩るクエストってのも何か違和感ある。
気にするほどの魔物とも思えないが…とりあえずみーサーチしつつ遠くから結界で逃げられない様にするか
「よし、それじゃあ私がリーダーたる活躍をして見せるよ!」
あ、行っちゃった。ちょっと嫌な予感…エリス様のインパクトで影に隠れてるけどクリス様もまあ中々なトラブルメーカーなんだよなぁ。でも流石にアレくらいなら大丈夫か
10分後
「みーくぅぅん!!!たすけてぇぇーー!!!」
「は、早く助けなさいよぉーー!!!」
「バカ!!なんでお前まで特攻してんだよ!!」
どうしてこうなった?最初の一匹をクリスがしゅんぎりで仕留めて俺が結界で硬直をガードしてあげたら一気に何十匹も集まって来てそれらを魔法で蹴散らそうとしたがまあ効かないこと。
しかもちっこいくせに容赦なく特攻して来ると思ったら意外と爪と牙が強力だったりするのでちょっと怯んじゃったら瞬殺とまではいかなかった所で、まゆもがぐらびとぅーんを放ったら今度は土からデスミミズという大物が数匹出て来たり、獄廃熊が現れたりともうめちゃくちゃです。
とりあえず大量のパーテルに追いかけられてるクリス達を助けに行くか。
メロニィとまゆもを結界でディフェンスしておいて…飛んじゃえばパーテルも怖くない
「ほらこっちだ!捕まれ!」
「みーくぅぅぅん!!怖かったよぉぉ!!」
「ちょ、ちょっとアンタぁぁ!!こういうのは姫が先だろーがーー!!ってきゃぁぁぁ!!こっち寄って来たぁぁ!!は、早く!!みー、うわぁぁぁ、みーさぁぁぁん!!!」
「クリス、結界入っとけ!今行くから待ってろ!!」
「いぃぃやぁぁぁーーー!!」
結局まゆもさんがらいとらさんを出して獄廃熊とミミズを片付けて、残りのパーテルは地道に俺とクリスで倒しました
「勉強不足でした。まさかパーテルがアレほど脅威とは。書物に獰猛とは書いてありましたけどそんな危険度は高く書いてなかったんですけどね」
そういや地球にも一文字違いでラーテルっていうイカれた動物が居たな。
見た目こそ単眼の時点で違うけど背中のガードがやたら硬いのまでそっくりだ
「ぅぅ……怖かったよぅ、よりにもよってダイスが居ない時にこんな…でもあれは多分ダイスでも厳しかったわね。死を何とも思わない魔物がこんな怖いとは思わなかったわ」
「うにゅ…アチキも雑魚かと思ってたやでぇ。怖かったぼぅん」
「リーダー権力を行使するよ!今後パーテル関連のクエストは受けません!」
「「異議なし!」」
いや本当、あそこまで特攻に全振りして来るヤツは怖いわ。それなりにヤバい魔物の筈の獄廃熊とミミズなんてどうでも良くなってたもんな
「それにしてもアンタ酷いわ!クリスさんを助けるなとは言わないけど、王女様を後回しにするなんて」
「何言ってやがる、クリスは本当に追い詰められてただろ?エリス様はパーテルと距離的に余裕あったじゃねーか!」
「知らないわよ!そこまで見てないもの!もし私がアンタを助ける場面が来たとしても後回しにしてやるんだからね!」
助けてくれるだけマシとしておくよ
「あ……アレはキラーエルク!?なんでここはこんなに魔物が居るのさー!!」
「みーさん一応気をつけて下さいね。セーレ王国で見掛ける野良の魔物の中では最上位クラスにあたる魔物ですので」
ちょっと嫌になるけどコケッコからの魔王軍に比べればマシだから大丈夫よ。
でも面倒なのでメロニィにとっとと転身で戻ってもらおうって事で
「サクッとやっちゃうわ!こっち見てるし。いくぜ、アエテックスパワーからのぉ~きゃめはめはーーー!!」
瞬殺してやりました
「あ、アンタねぇ!!そんなのあるなら最初っからやりなさいよ!!何よそれ!?」
「いやだって、パーテルさん俺のみー弾効いてなかったから多分これも大して効かないだろうからねぇ」
「そういう問題じゃ無ないわよ!そんなのやれるならもっとこう…なんか凄い事やれたでしょ!そうすれば私もクリスさんも追い掛け回される事無かったんだからね!」
「きゃめはめは撃ったら巻き込んでたけどいいの?」
「う…それは…」
「とりあえずもう頑張ったから帰ろうぜ」
形はどうあれ今回初めて、何の損害も無くクエストを終える事が出来ました




