泥棒は嘘つきで 5
翌日
心機一転、改めてクエスト頑張るぞ!
おおー!!
といったような熱いノリで今回は中々レアパターンで昨日受注されたばかりのホットな案件、農地に水を汲み上げる水車近辺に肉食ヒッポという地味に危険度の高い獣が迷い込んだので駆除するというクエストだ。
分類としては一応魔獣ではなく獣にあたる訳だが、魔獣の何倍も危険というか人や魔物にとっても害獣でしかないレベルの猛獣らしく問答無用での駆除という話らしい。
普段は人里離れた湿地帯や海岸沿いなんかでも稀に群れを見掛けるとかなんとか
「獣の討伐って初な気がするからちょっと楽しみだぜ」
「みーさんには不要かと思いますが危険ですので油断は禁物ですよ」
「私は近寄りたくないかも…だってフラワータイガーは見掛けただけで逃げるってレベルなんだよ」
俺的にはフラワータイガーの方が気になります
「猛獣は魔獣とは違う怖さがあるにょだ」
「そうなのですね、流石師匠です!勉強になります。それに皆様も余裕そうで頼もしい限りですわ」
ふふふ、これはいい所を見せないとですね。お、見えてきた!アレが水車だな。
今回はまだ目当ての獣は見当たらないので待機していると静かに現れました。
みーサーチをして即気付けなかったのは野生の獣の凄さといった所か、さて今回は俺のカッコいい所をお見せしようかしら
「現れたな!今回は俺が」
「フラッシュアローーー!!」
うわぁ…またそんな凄い魔法使っちゃうから水車ぶっ壊れちゃったよぉ
「も、申し訳ありません!つ、つい……」
「い、いやぁ…し、仕方無いよ」
「う、うん…そうだね、ははは、最初は怖いもんだからね」
「う、うにゅぅ…やむなしぽぅん」
「も、申し訳ありません!!姫様はその…魔法の才能に非常に富んでおりまして加減というものが…それにこれは今後の身を守る為の」
「ダイス!いけません、そのような話はこの方々には関係ない事なのです。皆様、大変申し訳ありませんでした。今の話はお気になさらず」
なんて健気な子なのでしょう。気付けば笑顔で許してた俺達。
でも心なしかメロニィは顔が引き攣ってらっしゃったけどそれは置いておこう
その翌日
「ギガフレイム!!!」
「た、建物がぁぁ!?消化、消化だ!!みーウォーター!!」
「申し訳ありません」
「お姫様がこの技を好む理由は、この技は今は亡き王子である兄がお好きでして」
うん、仕方無い。今度はまゆもっこさんが顔を引き攣らせてるけどこの子も人の事言えないとこあるから切り替えてこうよ
さらに翌日
「ちょ、その橋脆そう」
「王女式、ぐらびとぅーん!!」
「申し訳ないです」
「お姫様は同年代位のご友人と王位を継いでから遊ぶ機会が無くなってしまい」
かなり脆くて小さい橋だからそんな掛からないよな?とは言っても橋なんてわざわざ作るものでもないだけあってこんなでも結構重宝されてるものっぽいから早急に直さないとだ。
クリス様までもが顔を引き攣らせるようになったけど寛容な心で行こうね?
「落ち着こう!どうも流れが良くない!エリス様もおそらく空回りしてしまってるんだ、まず1回実務なんかには参加せず観察という形で行こうぜ!」
「そ、それでしたら…問題を起こしてる私が言うのもアレですが、明日はこのダンジョンなんてどうですか?わ、私もつい憧れた冒険者で空回りしてしまってたと思いますが…こんな私でもダンジョンは危険という事くらい分かります。なので余計な事はせず観察してるだけに回りますので」
「お姫様はなまじ魔法の腕が立ってしまうお陰でつい手を出せてしまうのです。なので誰がどう見ても危険と分かってるダンジョンであれば…見に回るというもの」
実は俺もダンジョンは初なので気になってはいるけど、この流れでそれとなく希少な薬草採取とかそっちにシフトチェンジしようと思ってたんですが…
「……確かにこのダンジョンでしたら可愛いものかも知れません。もう既に踏破済でそんな深くもないですし、内容もコボルトの排除です。定期的に行われてるので然程集まっては居ないでしょうし良いのではないでしょうか」
そういや聞いた事あるな、群れになって厄介になる前に定期的に駆除してるとか何とか
「そうだね、エリス様は今回は手出し無用で私達が戦ってる所とかダンジョンを進むのを見る、みたいな感じがいいんじゃないかい?」
アレ?クリスってダンジョン経験あったんだっけ?
「我が弟子よ、アチキ等の動きを見ておくのじゃよ」
「はい!よろしくお願いします」
……うん、行こうか…明日はラーメン食べよっと
翌日
あえて誰も触れて来なかったので少なくとも初ダンジョンである俺は、昨日密かにリリィさんの所へ行き軽くレクチャーを受けて来たと同時に以前買い取った高魔石に照明の魔法を込めて貰ってダンジョンを進んでおります。
思ったより広いので武器を振る位は問題無さそうだけど今回は素手で来てるから気にする必要ないです
「みーくん、照明助かるよ」
「リリィさんは凄いですね、この魔法をこのクオリティのまま魔石に込められるんですから。本来は魔符の出番なのですが」
「そうなの?それだったら一応俺も光は出せるからそれでも良かったのかもな」
「照明の魔法とは…この様な感じですか?」
「「いっ!?」」
お姫様が魔法を放とうとしてビビる俺達。だがあくまで天才、心配する様な事は起きることなく照明魔法がちゃんと発動していた
「す、少し驚いてしまいましたがエリス様流石ですね。この使い方はかなり難易度高いと思われますので」
「ふふふ、お役に立てたら光栄……」
この時、お姫様の肩に蜘蛛が落ちてきました
「おや?蜘蛛が…」
「き、きゃぁぁぁぁぁ!!!クイーンボンバーー!!!」
「「う、うわぁぁぁ!!?崩れるぅぅぅ!!!」」
俺の結界魔法で何とか脱出出来ました
「おい、アンタもしかして…じゃなくて普通にポンコツだろ?」
薄々感じてた事を遂に口走ってしまった俺
「ぽ!?……な、何を言ってるのかしら?とんこつ?スープのお話ですか?そういえばお腹が空きましたね、美味しいスープの店なんかに」
「ポンコツって言ったんだよ!!もう誤魔化されないぞ!最初っからおかしいと思ったんだ!何をどうすればここまでわざわざ破壊出来ちゃうの?俺やまゆももそりゃあ割と破壊して来たクチだけど壊しちゃいけないものくらいそれなりに分別出来たというか、アンタが壊した物って俺達からすると壊そうと思うような代物じゃないんだよ!アンタからするとそうは見えなかったのかも知れんが……まったく、どうなってやがんだ!」
そりゃ怒ります。ある程度はこれから話すけどダンジョンはともかく他のやつの弁償って、下手すりゃ俺等持ちだからね。
なんかね、薄っすらと既視感あったんだよ。これはアレなんです、遠慮無しのまゆもとかジェノサイダーズのリリィさんなんですよ。壊したいかどうかは置いといて欲望のままにぶっ放したい!を気ままにやってる感じ
「ぅぅ……な、何よこの男!!王女様に対してポンコツなんて無礼よ無礼!打首に処すわよ!?何さ、人が下手に出てみーさまぁとか言ってプリキュー見せてやってたのに!!今すぐ返して!そんな私の労力を今すぐ返して!!」
「なんだよプリキューって!!意味分かんねーわ!ってお前そんなキャラだったのか!?んじゃあのあざとい歌とか全部嘘ってか!?」
「プリキュー知らないの?これだから庶民は」
「プリキューとはプリンセスキュートの略でお姫様がぶりっ子した姿をお見せした時に、主にお姫様のみ使われてる造語です」
「ダイスぅ、余計な事言わないの!」
「申し訳ありません」
この女とんでもねーな
「み、みーくん落ち着こ?色々ツッコミどころ満載だけどお姫様って話は真実な筈だから程々にね」
「ほら、リーダーの命令聞きなさいな?クリスさんが言うように私は紛うことなく姫なの!王女なのよ?分かる?その小さな脳みそで分かるか分かんないけど一縷の望みで分かる方に賭けてやるわ。そんな王女様に対してポンコツなんて言ったんだから謝りなさい?土下座よ土下座!さすれば今なら寛大な私もその無礼な態度を含めて許さなくも無いわよ?」
「よし、ちょっとイスト滅ぼして来るわ」
「お、お待ち下さい!その言葉を発された以上私はあなた様の前に立ちはだからなくてはならなくなります。何卒自重を」
「ダイス、懲らしめてやりなさい!」
「あのぉ、やめといた方がいいかと」
「そうですね、おそらく問題にもならないかと」
「アナタ達ナメてくれるわね、ダイスは我が国でも最高峰の手練れよ!そりゃあの無礼者も腕が立つのは認める所だけどダイスとこういう接近戦で勝てる者なんて居ないわよ?」
「恐縮です。私の方が強い、等と言う気はないですがこの間合いでしたら魔法は間に合いません。冗談とは思いますが発言の撤回を」
「こんなのの子守も大変ですねぇ、せっかくなのでどうぞ」
「本当、困りものですよ。では……ってあれ?足が!!?」
クリス達は気付いてたけど俺の前に立った瞬間透明のねばのーるくんを足に掛けておきました
「この男小賢しいからね」
「強いと分かってる人とわざわざ正面から戦ったりはそんなにしないんですよ」
「みーくん見事なり!」
「そ、そんな…師匠まで!フ、フンだ!これで勝ったなんて思わない事ね!私にだってまだきっと秘奥義的なものはあるんですから!!」
「分かったよ。んじゃとりあえず帰って飯にしようぜ、腹減った」
どーせしょーもない事になるのは分かってましたからね、最初から諦めてましたよ。
早くラーメン食べたいです




