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泥棒は嘘つきで 2

 

 翌日


 リリィさんが遊びにやって来てせいらさんがリリィさんに纏わりついたりと、いつも通り遊んでたらギルド職員の姉さんがやって来た


「あ、あの…明けまして、明けましておめでとうございます。本年も引き続き、よろ、よろしくお願いいたします」


「おう!んで、なんでここにギルドの職員が来てんだ?」


「ギルドの方が来るなんて珍しいですね?みーさん達何かやったんですか?」


「あぅぅ…あの、じっ、実はですね、クリス様パーティー御指名で依頼が入って来ましてですね」


 改めて思うけど姐御って本当顔が利くんすねぇ。でも心なしかリリィさんにもビクついてる様にも見えます…なんか分かりますけど


「流石っすわ!A級パーティーともなると職員さんは家に来るレベルなんすねぇ!普通は通えるからそんな事ないんすけどねぇ」


「そ、そそそ、そうですねぇ…」


 おや?俺の把握してない何かを姐御は突いてる様にも見受けられるんだけどなんかあるのかな?


「私の時も直接来るという事は殆ど無かったと思いますが…でも私達の場合も通ってましたからねぇ」


「お前さ?確か以前、お前にも言ったと記憶してるけど…ギルドに居る雑多な冒険者共がコイツ等に対してナメた態度してるの改善しとけって言ったよな?アレどうなったのよ?」


「そう言えば私も軽くは指摘しましたね」


 メロにゃんも便乗してギルド職員を責めだしたぞ?面白そうではるが俺としてはこの形式は嫌いじゃないからこのままでも


「随分色気たっぷりな格好ですねぇ?いやぁ~男なら摘み食いしたくなるでしょーなー!んで?どうなんだい?」


「そ、そそ、その…申し訳ありません!!色々忙しかったり、注意喚起はしたものの、ちゃんと聞いてくれてるかまでは把握しておらず…」


「いやぁ、俺としては行かなくていいならそれでも良いからこのままでもって気持ちなんで、下手に喧嘩売って来なきゃ最早なんでもいいっすよ」


「あ、ああ、ありがとうございます。こ、これからも善処致しますので…」


「良かったなぁ、みーさんは御心が広いようで!その代わり次の瞬間滅んでてもおかしくないリスクは背負ったまんまだけどな。それでぇ?こんな気軽に家に上がり込んで来て、職員の制服でもないし…これで仕事なんすかねぇ?いやいや、別にルール違反がとか言う気はねーのよ?分かるかい姉ちゃん?」


「も、勿論です!!た、たまたま私服で来てしまいまして……申し訳ありませぇぇん」


 目の保養になるから俺としてはいいけどここは無になっておこう


「んじゃ話聞きせてもらおうか、今度はどんな依頼かな?」


 クリスは平然と聞いてるけどもしかして姐御の態度に引いてたのは俺だけか?


「こ、ここ、今回はですね…その…依頼主が…匿名希望に、なっておりまして」


「あぁん!?てめぇ、まさか私の可愛い姪っ子のまゆもっこや可愛いクリスちゃんやメロにゃんにこんなにも頑張ってるみーさぁんにそんな得体の知れねぇ仕事やらせる気じゃねーだろうな!!?」


「ひ、ひぃぃぃ!?で、ですよね~、申し訳ありませぇん」


「ちょっと、流石にそこは怯まないで下さい。せいらさん、私が説明しましょう。得体が知れないと言うのはその通りではありますが匿名希望というのはむしろ超大物や国家レベルでないと出せない依頼の出し方になりますので、そういう意味ではA級で実績を残してる我々には至極当然の依頼案件になります」


「そうなのか?知らんかったわ」


「そうでしょうね、依頼来た事はほぼ無いそうですがヤマト村の方が依頼をした時なんかはヤマト村の一言でそれ以上は追求しないのと同じです。特殊な扱いを受けてる側は案外こういうのは知らないものなのですよ」


 メロにゃんはギルド関係にも詳しいんですなぁ。

 という事で話を詳しく聞いて見ると依頼したいという話だけだった


「こ、このギルドでは或いは初かもしれないですね。このパターンは相当な大物が絡んでる可能性がありまして、その、案の定大物だった訳ですが…」


 有名どころはなんとなく記憶に留まってはいるけど、初耳の国名を言われました


「ネフィットて何処なのよ?」


「ネフィットとはトルクスメシア付近にある小さな島国ですよ。かなり離れてるとはいえ航路としてはトルクスメシアとセーレの間にある島なので海洋運搬においては重要な国とも言えます」


 依頼はこのネフィットと呼ばれる国の大領主から仕事を依頼したいという内容だった。依頼主が依頼したい内容は不明。

 こんな場合は大体王族クラスの秘密にしたい依頼だったりするそうで、コルト君達の依頼はタイマ君側に関してはこの様に依頼されてたなんて話をメロニィから今日初めて聞きました。

 あの時の俺達への依頼は話を聞ければ満足だったっぽいのでわざわざ隠さなかったんだとか


「分かんねーな、知識としてしか知らんがネフィットってアレだろ?トルクスとイストの海路においての玄関みたいな国で昔から割と平和な国だって記憶してるぜ。となるとやっぱそこ経由で大物が動いてやがんな。トルクスな気がするなぁ…あんな小さな島国の大領主って言ってみりゃ一国の主みたいなもんだが、そんな奴をパシってる様なもんだから仮にも大国の肩書があるトルクスの方だと考えるのが自然かと思うぜ」


「どう思うみーくん?」


「うん、断ろう!」


「ありがとうございま……え!?」


 即決で断ろうと言った俺に何も言わずに目をうるうるさせながら手を掴んてきて首を振ってくるギルド姉さん。ちょっと可愛いです


「そうですね、私は立場上勧めなくてはならない気もしますが今回はお断りしたいかと思います。我々は結構な偉業を達成してると自負してますが、どれも決して楽ではなかったのですよ。なので不明瞭で厄介だと分かりきってる事にわざわざ首突っ込みたくはないのです。今回のもきっとそれなりにやれるとは思いますが…ハッキリ言ってリンガー国以外は我々相手に正当な敬意を払ってないと見受けるので」


「も、申し訳ありません!ですがこのレベルの依頼ともなるとどう断るかなんて私にはもう皆目見当もつかない次第でして」


「いや知らんぞ?そこはお前等の仕事だろーが」


 姐御は手厳しいでござりまするなぁ


「そこを!そこを何とかお願いいたします!依頼内容は依頼したいと言う話だけですので断るならその方に断って頂けると、私共の方としましても非常に助かると言いますか…」


 姐御達にビクついてると思ったがその上でここまで来るとは…なんか可哀想になって来たな。

 別に個人的なお願いって訳でもなかろうに、なんて思ってると


「報酬はなんぼぞい?」


「えっ、ええっと…私共がこの依頼で払うのは5万となっております。後は向こうの」


「却下…ぼぅん」


「そんなぁ!?お願いしますぅ、何をどうやって断ればいいか……何卒、何卒お願いします!」


 まゆもさんもお断りしたので終わり…とは行かず、結局折れた俺とクリスが依頼主に会うだけは会う、その後断った場合は全責任をギルドが負うという条件を付けて話はついた






「会うだけ会って断る場合…少々リスクが高い気もしますが仕方ありませんね。ですがこの依頼が本当に我々指名でなくてはならない場合だったりすると大事になって色々面倒があった末、受けるしかない形になってしまう可能性もあったでしょうし」


「まあお前やクリスちゃんなら受けるだろうなって分かってたけどよ、あんまり舐められないように特別に私が威圧してやったのさ。みーももう少し厳しく行くようにしとけよ、お前の場合両極端だからな」


「ありがとうございます、肝に銘じておきますよ」


 とは言ってみたものの俺の中ではそんな甘かったかな?って感覚なんだけどせいらさんが言うなら多分そっちが正しいんだろうな


「んじゃ早速この依頼、アタリかハズレか賭けようぜ!私はあえてアタリに賭けるぜ!」


「ほう、では私も…いえ、ここはあえて私もアタリに賭けましょう!」


「なんだ?お前は逆に行くかと思ったぜ」


「ふふふ、私は運は弱いのかも知れませんが考え無しという訳では無いのですよ。おそらくせいらさんはギャンブル強そうと見受けますので…私は勝ち馬に乗る作戦です!」


 流石メロにゃん、小賢しい。でもやめてください、実際に依頼受けるのボク達なんですよ?アナタのそれはもうフラグになってますからね?


「それじゃあ私はハズレに賭けるよ!あ、私の感覚としては依頼主に会って依頼を断るのはハズレって事になるけどその認識で大丈夫かな?」


 そうだ!その手があった!断っちまえばいいんだ!ナイスクリス!それならこれはもうほぼ確実にハズレって事で


「俺もリーダーと同じ方に賭けるぜ!」


「アチキもハズレぼぅん!」


「割れましたね……それでしたら私はアタリに賭けましょうかね」

「流石リリィ様!!私と一緒でぇぇす!!」

「あっ、ちょっと…せいらさん!?」


 10分と持たずリリィさんに絡み付くせいらさん。

 節操無いなぁ……羨ましいです


「実際に依頼を受ける私達の中で私以外ハズレに賭けてるのはちょっと怖いですね…それで、具体的に何を賭けるのですか?」


「くくくっ、今さっきまで酒!と思ってたんだがいい事思い付いたぜ!これは1回戦であり決勝でもある」


「そ、それは一体どういう事ですか?」


 不穏な空気を察したリリィさんがすかさず聞いている。あんまりいい予感はしないな


「まず見事に割れてるのでこれを仮のチーム戦とする。そして負けた方は勝った方の願いを、良識の範囲内とした上で何でも聞かなきゃならないというルールだ!どうだ?因みにいちいち言わんでも分かると思うが結婚レベルは無しだぞ」


「なるほど、なるほどなるほど…悪くありませんねぇ。私もこれで結婚と言うのは流石になんか嫌なので言いませんが良いですよ!それで1回戦と言うのは?」


「そこよ、そこが肝だ!勝ったチームはあくまで好きにすればいいとした上で…このメンバー監修の元、ご褒美総取り決勝戦を開催する権利を与えられるというルールだ」


「てことは…決勝に勝てば1人が負けた方3人に言う事聞いてもらえるって事すか?」


「くくくっ、何言ってやがる。負けた方なんだから仮チームの2人も言う事聞かねばならん事に、なるなぁ」


「ふむふむ、つまり…もし勝った者が1人になった場合、残りの5人で何か願いを叶えてあげるって事でいいんすか?」


 それはちょっと面白そうだ


「そうだ!だが……小分けにしても、良いんだぜ?」



 何それ!?つまり俺が総取り出来た日にゃ…下手すりゃ全員抱き枕にする事も……落ち着け!それはマズイ。あの時を思い出せ、下手に欲望剥き出しにするとロクな事がないというか俺はそれを既に少しやっちゃってるから今度こそ引かれかねない。

 だが待てよ?なんかこう…もうちょっと上手い落とし所というか、そんなに露骨にしないのであればむしろアリなんじゃ無かろうか?悲しいかな俺はもう既にセクハラ男として確固たる地位になっちゃってる様に見受けられるの。 

 そんな俺が今更堅物めいた事しても大して変わらんどころか、露骨にやらなきゃ思ったよりマシだった、ってなる可能性も若干名ある。若干名だ!

 しかも、個別にやりさえすれば意外と問題無い迄あるんじゃねーか?そうだ!若干名あるじゃないか!よし!これを若干名作戦と名付けよう。

 目標としてはまたコスプレさせたいよなぁ…それと肌が触れ合うくらいのサービスはしたいというものよのう


「キミってばまた変な事考えてるだろぉ?」


「何言っておられる。僕は皆がうぃんうぃんになるように若干名考えていたのだよ」


「少数なのかえ?」



 ほんの少し、ほんの少しだけ…どーせろくな事にはならないというオチを頭に過ぎらせつつ、希望を胸に秘めてこの賭けに乗る事にした。

 意外にも皆乗り気だったんたけど、万が一他の奴が勝った場合は何を願うのだろうか?



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