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雨の午後はヤバくて 3


「師匠!会いたかったですぅ!!本当は毎日一緒に過ごしたいというのに…」


「おいみー、やっぱりお前ロリコンだったのか?」


「みーさん……」


 御二方がゴミを見る目で見てくるが誤解は解かねば…だが無理もない、唯でさえ中性的というか女っぽい見た目に髪が少し伸びた事とかも含めて前より女寄りになってる気がするもの


「あ、申し訳ありません!つい師匠の前で気が昂ぶってしまいました。初めまして、私はリンガー国第一王子のコルトと申します。気軽にコルトとお呼び下さい。皆さんもお久しぶりです、今日は泊めて頂きありがとうございます!」



 あの後、話はあれよあれよと言う間に収まった。

 ボルドー伯爵か今回の件の首謀者として関与した息のかかった警官と養鶏場所員を差し出して来たのだ。

 そして首謀者は逃走したとの主張で全力で探すという事で話は落ち着いた。

 嘘ぴょん君に反応は無かったので嘘ではないと思うがきな臭い気がするけど相手は大貴族、嘘ぴょん君で嘘じゃないと判断されてる以上更に追求するのは難しいらしい。

 首謀者は俺をハメた事でシオーニ経由で取り入ってなんて事を企んでたのではないか?という考察まで付いてきたのがまたなんともねぇ。

 だがこの件、俺側としてはこれ以上掘り下げた所で得られる物自体は無さそうだし、それどころか結構壊してるのは事実な訳だからその辺が不問になるならある程度手は打てるんだよっていうのが本音です。

 それより嘘ぴょん君不正の方が話が大きいらしく、それに関して俺は被害者ってだけで割と蚊帳の外なのでこれ以上は突っ込まないでおいた。

 念のため事後に破壊を行った事実は確かという事で変な遺恨を残したくない俺は4千万程寄付という形で払っておいた。地味に痛いです。



「こんな見た目だけどコルト君は紛う事なく男の子なんでロリコンとかじゃないっすからね!皆で一緒に風呂に入った仲ですし」


「よく言われますし私も自覚してるので大丈夫ですよ。でも師匠の命令であれば最早どちらでも良いのです!」


 この子は何を言ってるのだろうか?


「そうか、それにしちゃ可愛らしい…ってあんまり言ったら失礼だな」


「コルト王子はみーさんに凄く懐いてるんですね」


「師匠の言う事は絶対なのです!せいらさんにリリィさんは…師匠の愛人とかなのですか?」


「はいコルト君、駄目だよぉ〜そういう事言うと師匠凄くいじめられるんですから」


「も、申し訳ありません!でも師匠…じゃなくてみーさんの仲間は素敵な人ばかりですね」


 純真無垢なコルト君にアテられたのか、普段なら色々言ってきそうなこんなフリも微笑ましく済ませてくれた。

 もうコルト君もこっちで暮らせばいいのに



「んじゃせっかくコルト君が泊まりに来てくれたんだから俺が作んないとな。俺の出所祝いも兼ねて晩飯は力入れるぜ!」


「師匠が作ってくれるのですか!?わ、私も手伝います!!」


「王子!?その…王子は料理等はやった事無いので手伝うのはちょっと…」


「大丈夫です、これも修業なのです」


 今日泊まるにあたって案の定ギルが付き添いに来てる訳だが、相変わらずといった所か




「師匠、これはどのように?」


「これは皮を剥いたら先に塩水で漬けとくといいんだぜ」


「そうなんですね、ふふふ」


 なんか本当女の子っぽくて若干焦るです


「しかしコルト君は偉いねぇ、それに比べてクリスなんかしょっちゅう料理当番代われって言ってくるんだぜ」


 様子を見に来てたクリスに話を振ってみた


「だってぇ、面倒くさ…じゃなくてみー様の料理が美味しいからだよぉ」


「こんな時ばっかみー様とか言いやがって。んじゃちょっと交代。コルト君、クリスと少しの間頼んだ」


「は、はい!クリスさん…よよ、よろしくお願いします!」


「もう!みーくんったら勝手に決めないでよね!コルト君、よろしくね、あんなお兄…さん?になっちゃ駄目だからね」


「おいちょっと待て、なんか変な間が無かったか?」


「木の精だよ」



 意外と話の弾んでるっぽいギルと皆の会話が気になったので休憩がてら聞いてみようと思う



「なんだみー?クリスと交代したのか?」


「いやいや、コルト君はクリスがお気に入りみたいな感じがあったからちょっとね」


「そうだったんですか?それは面白そうですね」


「私達から見る限りはぶっちぎりでみーさんをお気に召してる様にしか見えませんけど…クリスに対してはどちらかと言うと緊張しちゃってる風ですよね、憧れた人相手とでも言いましょうか」


「そんな雰囲気するぼぅん」


「それよりギルさんから聞いたぞ、少し話し聞いてやれ」


 なんかあんのか?


「実は…コルト王子のみー殿に対する熱の入れっぷりがコチラの方では少々困惑している次第でありまして…」


 歯切れが悪いな、そこまで遠慮して来るキャラじゃなかった気がするが


「良かったなぁ〜向こうじゃモテモテだってよ」


 なんと!?モテ期来たのか!?


「王子だけでしたら年単位で考えればまあなんとか出来るとも思ったのですが一部の兵達もその…みー殿に心酔した事から王子と気が合って、そういった部隊ような物が出来つつあるのです」


「だ、そうだ。良かったな、みー様よ!ついでに私の言う事も絶対位に付け加えておいてくれよ」


 せいらさんはもう充分言う事は絶対みたいな連中おるだろうに。

 ってそれはちょっと困るな…俺ってそんな大した人間じゃないしそんな器じゃないんだが


「あんまりだとちょっと困りますねぇ、俺なんて実際はかなり小物ですからそんな事聞いたら遊び行くのも躊躇しちゃいますぜ」


「我々もあくまで歓迎ではあるのですが…みー殿が来られてより一層彼等の勢いが増したらと思うと少々不安もあるのですよ。もっとも、王家及び国に害をなすような事をしてる訳ではないのでそう目くじら立てる事でも無いんですがね」


「では今度遊び行く時に妻である私の方に話を通すよう伝えて貰えると助かります。上手くまとめて見せましょう」


「ややこしい話をさらにごちゃ混ぜにすんな!」


「何処がややこしいのですか!?むしろ簡単になると思いますよ?」


 メロにゃんなら本当に簡単にまとめそうだから怖い


「ま、まあ近いうち遊びにいらして下さい。実際見聞した方が話早いと思いますので」



「私も行ってみたいです、みーさん連れてって下さいよ」


「言うまでもなく私達も連れてってくれるだろ?」


 まあそれは連れてくけども


「そうですね、いい温泉の宿がありますのでついでに」


「そうやってキミは混浴にお二人を連れてこうとか企んでるんだろぉ?」


 クリスめ、余計な事を


「さ、さてと。クリス様がお戻りになったのでボクは続きをやって来るよ」


「あの変態、私達を覗く気たっだのか!?」


 聞こえないフリして料理の続きに集中する事にしよう


「よし、んじゃここからが本番だぜ!コルトくぅん、しっかり見ておくのだよ」


「はい師匠!」


 流石クリス、なんかよく分からないほど考えがとかが被るだけあって調理の段取りも一緒だからやりやすい


「これ煮付ける時に先に調味料に熱を入れてアルコールを飛ばすと良いんだぜ」


「なるほど、勉強になります。師匠、じゃなくてみーさんはクリスさんにも調理を教えたのですか?それとも教わったのですか?」


「いや、そんな事はないけど…一回位見てた事はあったかな程度なもんよ」


「凄いですね、何の説明もやり取りもないのに同じ手順でやってるって事ですよね!?阿吽の呼吸というやつですね…やはり師匠の女という事ですね!」


 目をキラキラさせながら何を言ってるのだろうか?


「たまたまだよ、それにこの調理の順序なんてそんな変わらないよ」


「そうなのですか?」


「うむ、だからコルト君ももしこれを作る時があるなら、俺と同じ手順で阿吽の呼吸でやれるようにするがいいさ」


「し、師匠と阿吽の呼吸で……が、頑張ります!!」


 この子のツボが分からん、クリスの事はお気に入りっぽいけど俺の女みたいな見方に対しても嬉しそうにするし…まあ王族ともなれば感覚も違うか




 晩御飯は肉じゃがと豚汁的なものに焼き魚、それとサラダに各種天ぷらというメニューだ。

 俺の中では豪勢のつもりたけどあくまで一般家庭での話なのでどうなのかとは思ったが大好評だったので頑張った甲斐があったよ




 そんなこんなで寝る時間になりました



「おいメロにゃん、たまにはクリスかまゆもと寝たらどうだ?」


「どういう事です?」


「私とリリィ様、みーは王子様がご所望になるだろ?ギルさんにゃ空き部屋で寝てもらうとして…って話だ」


「え!?私とせいらさんで寝るんですか?」


 ちょっと怯えてるリリィさん、気持ちは分かります。このおっぱい襲いかかりそうだし


「リリィ様と寝るためのポイントを貯め終わったのは私だけだから仕方ないんですぜ」


 もしかしてこのおっぱいがこうなったのはちょっと俺のせいが入ってるのか?


「師匠!!一緒に寝ましょう!!!」


 このやり取りにまた時間がかかると思ったら意外にもメロニィがクリスと寝るのも悪くないとか言い出して、まゆもはぺぽりー寝るという事で丸く収まりました










 

 さて、男同士だし夜な夜な駄弁った仲でもあるし何より嫌悪感が全く感じないコルト君と同じベッドで寝るという行為は、あんなに一緒に寝たがってたコルト君がなんか照れてる感を出してきて俺も恥ずかしくなって来ました


「い、いざ一緒に寝るとなると…恥ずかしいものがあるんですね」


「バカ、そんな照れてる感出されると意識しちまうわ!男同士で師弟同士、布団が無いからってだけの話だから気にする事ないんだぜ」


 いや、厳密に言うとあるんですよ?でも床で寝るのはどうとかの話でね


「そ、そうですね。あんなに会いたかった師匠とまさかの同じ部屋で同じベッド……凄すぎますぅぅぅ!!!」


 言ってる事とは裏腹に抱き着いて来た。それはそれでやめて欲しい。

 この子可愛いからおかしな感情が出そうで怖いんだよ


「こ、コルトくぅん?男同士なんだから程々にしないとたぜ?」


「分かってます、分かってますぅぅぅ」


 全然分かってない、くすぐったいしなんならちょっと気持ちいいまで…待て!落ち着け!!ここはとりあえず何か話してとっとと寝よう


「コルト君はあれからどうだい?王様に向けて邁進してるのかい?」


「はい!次期王に向けて邁進しております。いつでもどこでも師匠を御迎え出来る様にしてるのです!」


「よしよし、それは良い子だねぇ」


 一周回って可愛がるモードになってる俺は頭を撫でてやったら凄い嬉しそうにしておる。

 この子男なのにこれ大丈夫か!?最早心配の領域だぜ


「こうされると落ち着きます、師匠と毎日こうして寝てたいですぅ」


「毎日は無理かもだけどな、それでもコルト君をよしよししながら寝るのは悪くないね」


 うん、なんか本当悪くはない。こんな可愛らしい内はね


「私が王になった暁には師匠に大王として君臨して貰うという手も考えております」


 とんでもない話が出やがった!まあまだ子供の領域の話だから流しとくか。

 多分子供として無邪気に遊ぶ機会が少なくてちょっとタガが外れてるだけだろうからね


「はは、俺が大王になったらどうなるんだろうな」


「きっと素敵な国になりますよ!」


 前と同様に眠気を我慢して頑張るコルト君に付き合ってあげたがやはり規則正しい生活を送ってるコルト君には夜更かしの限界が来て無事寝付いてくれた。

 俺も眠いからもう寝よう




 翌朝




「みー殿、なんと言えばいいか分かりませんが…まさか王子に変な事してないですよね?」


「んな訳あるか!!」



 そこそこ夜更かししてた俺達は一番最後に起きたのだが、その時の寝方がなんていうかカップルとかそんな感じに見えるような、俺の腕枕に抱き寄るように寝るコルト君、という姿で目撃されて皆に若干引かれてます。

 実際は寝入ってただけというのは分かるのか、流石に王子には誰も指摘しなかったけど俺だけ何故そんな目で見られなきゃならんのか




「では師匠!!本当は一緒に暮らしたいですが……また来ます!!師匠も、皆様も遠慮なく是非ともコチラに遊びに来てください!!それではまた!!」



 色々あり過ぎて訳わかんなかったけどこれで一段落ついたな



「おいみー、コルト君は良い子だったな。ちょっと良い子過ぎて逆に心配にもなったがお前…本当に何もしてないだろうな?」


「何言ってんすか、何もする訳ないでしょ。それに俺だってそう言われても仕方ない部分があるのは察せる中でバランスよく立ち回ったんですから変な疑惑は持たないで貰いたい。それより姐御こそリリィさんになんか変なことしたんじゃないでしょーね?」


「リリィ様の抱き枕加減…最高だったぜ!!」


 リリィさんがなんかバツが悪そうにしてたのはおそらく俺との抱き枕事件が関係してるだろう。

 いつかまともに抱き枕させてもらいたいと思う俺はここでは下手に言わないでおこうと思う






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