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雨の午後はヤバくて 2


 ちょっと混乱して来たからゆっくり落ち着いて仲間と話したいなぁって事で


「とりあえず捕まってる間の話とか一回整理したいからメシにしない?」


「それでしたら近くにあるパスタ屋さんはどうでしょう?美味しそうでしたよ」


 嘘ぴょん君を個人で所持してるのは大変よろしくないという話が出た時、俺が顔を向けたらそっぽ向いた可愛らしいリリィさんがパスタ屋さんを提案したのでそちらでランチする事に、その前に


「んじゃ行くけどその前に…」


「うぎゃぁぁぁ!!?」


 俺をハメた警官の両手足折ってやった。すると追い打ちの様に姐御が脚を踏みつけたのは流石だ。

 てかやっぱりおっかないな、この人。まあ戻ったらメロにゃんに治して貰おうか






「何食べよっかなぁ〜昨日ほぼなんも食べてないからがっつくぜ!」


「ふふ、出所祝いという事で奢りますよ」


「流石リリィさん、太っ腹」


 遂大きな期待をし過ぎてしまったが地方あるあるとでも言うべきか、いや、地方だって美味しい所は美味しいから偏見は良くないか。

 決して不味い訳では無いが普通中の普通で、このパスタ屋さんは雰囲気重視でした


「悪くはないですけど祝いには弱い気がするのでまた今度あの店の奢りますね」


「お気になさらず、今度リリィさんが僕の見てる横で作ってくれればいいのです!」


「私のリリィ様を勝手に料理させるな!それよりまゆもから聞いたぜ?お前の秘奥義って私達より圧倒的に強いらしいじゃねーか?」


 あら、もう教えちゃったの?シレッと行きたかったが仕方ないか


「圧倒的って程かは分かりませんが強くはなれますけど、どう考えても気軽に出せるタイプの技じゃないと思うのでこれで御二方より強いとはなりませんかねぇ」


「いよいよもってこのセクハラ魔王を止める手段が減って来たから本格的に手立てを考えなきゃな!」


 いらん事はやめて下さい


「みーさん凄いですぅ!今度機会があるようでしたら見せてくださいね」


「滅多に出さないと思うけどその時は見てあげて下さい。そういやベルーガさんがリリィさんによろしく言ってましたよ」


「あ、昨日凄く久しぶりに会いましたよ。冒険者の頃と違って凄く紳士的になってましたね」


 あれ?なんか恨んでる風だったけど…ってあれか!!確かリリィさんって冒険者時代はグルグルメガネを筆頭に酷い格好だったから中身がこんな美人でエロいなんて知らなかったんだ。

 当時を知ってるわけじゃないけど今の一見!一見物腰の柔らかいお淑やかな美女相手になったらある程度の恨みは吹き飛ぶか


「平和にやり取りしてたなら良かったですぅ。ところで俺が捕まってる間ってどんな事になってたの?」


「キミが捕まった後色々あったんだよぉ」


「今回は色々ツイてなかった様に見受けられますね」


 どうやら俺が捕まった後、色々聞き回ったりしたらしく内通者というかこの件をこうなる様な報告をした人やこの流れに持ってった人を洗い出したそうだ。


 遡る事俺達が戦ってる時、養鶏場の人は皆避難したのかと思われたが実際の所そうではなく1人逃げてなかった人が居たそうだ。

 それに気付いた責任感ある古株の1人と別の1人が戻って連れ出そうという事が起きていたそうな。

 そして俺達の戦闘最中に戻って来てて俺達の戦いを目の当たりにしていたらしい。

 流石にずっとは見てなかったようではあるが俺が無双してた姿は見てたとの事。


 ここで不運が重なってくる


 まずこれは後から来たせいらさん達も目の当たりにしたそうだがこの逃げ遅れてた?男はかなり頭の悪い男で危機感も無ければどっか他人事の様にしていたそうです。

 そもそも入りたてのただのアルバイターらしく、仕事でもその無能さを発揮していたのでその様子を知ってた古株の男はちゃんと説明して連れてかなきゃ駄目だと判断したから戻ったとの事。

 そんなどうしょうもなさそうな男からするとコケッコの暴走は大した事には見えなかったようで、その後の俺の破壊を見て勝手に壊してるとか思ってらしい。 

 俺達の会話や流れなんかも全く頭に入っておらず、そのくせにやたら俺達というか俺が悪くなる流れにしてるのを察したクリスが殴って、まゆもは無言で何発か杖で殴ってたら単純に俺が気に食わなかったとかも言い出していたとか。

 まあ、それはある意味慣れっこだから置いとくとしてもう1人の男、それが所長とべったりの男でどうやら所謂出向とでも言うのか、ボルドー伯爵の息のかかったっぽいポジションの男らしく、もしこの件が簡単に解決してしまい事務所を空けてる間に無茶な運営の情報なんかを見られでもしたら困るという事で戻ったんだそうだ。

 そしてこの男か、伯爵が指示したのかは分からないがこれを機と見て俺に不利になる話を通した、という流れが今回こうなった要因らしい


「なんつーか……何この不運?こんな重なるか?」


「お察ししますよ。この件が終わりましたら家でゆっくりしましょうね、アレでしたら私の部屋のもこもこクッションお貸ししますよ」


 それは借りたい


「アチキはあのゴミを殺さずに耐えたのじゃ!みーほめーるするんやでぇ」


「おーよしよし、まゆもっこいい子やねぇ」


「でも実際よく耐えたと思うぜ、私も見たがまあ酷い!つい忘れそうになるがあのレベルの頭悪いヤツって本当に気を付けなきゃならねーぜ」


 それほどか、俺としては関わりたくないですぅ


「まゆもちゃんがやんなかったら私しゅんぎりしてたかもだよ」


「でも良かったですぅ、こうして無事みーさんが出て来れて。私としてはどう脱獄させるかの方になってましたので」


 リリィさんのこういう所を知ってる俺は驚かないがウチの3人はちょっと驚いてますぞ


「食後のひと息がついたらそうだなぁ…王様んとこ乗り込むか、嘘ぴょん君の悪用はイチ警察署で手に負える問題じゃないってアピールしないとな!」


「俺も大人しくしてたけどハメられた部分があるってなっちゃあ黙ってられん!行きますか」


「あ、私も御一緒していいですか?帰りに王都の薬屋寄りたいので」



 1人お買い物感覚の人が居るのは置いといて、行ってしまいますか




「あ、あの…皆さん、くれぐれも穏便に…いえ、勿論みーさんをハメたのは許せませんが、一応私の職場でもあるので程々にお願いしますね」


「うわぁ…もしかして世界最強格の3人が揃っちゃったんじゃないかな?」


「暴れるのか?暴れるなのかえ!?」


 いえまゆもさん、暴れる事はない筈…です。

 警察署に戻って改造された嘘ぴょん君を持って王様んとこ行って来ると話したら全員顔面蒼白になり、こっちが聞く前に色々話してくれたおかげでこの舐めた真似をした警官はボルドー伯爵の息のかかった人間だというのが分かった。

 これでより攻めやすくなったと言えよう。では俺から見ても危なそうと分かるこの2人と一緒に城へ乗り込みますか












「要件はなんだね?」


「どけ!」


「どくわけないだろ!怪しい奴め、捕まりたく無ければ…」


「はわわわわ…し、失礼しました!この者はまだ歴が浅いので勘弁してやって下さい。ささ、どうぞ!」


「先輩!これは…」


「馬鹿!!このお方はヤマト村のお嬢様だ!!ほ、本日はどちらへ?」


「王んとこ行くわ」


「は、ははー!今すぐ通達入れますのでほんの少しお待ち」


「邪魔したきゃ好きにしな、行くぜ」



 姐御が気軽に行くって言うからどうなるのかと思えば…こういう事なんすね。

 流石に城に殴り込みみたく突入するのは少し気が引けるものがあるけど…リリィさんも意に介さないかのような立ち振る舞いは流石です。

 伊達にジェノサイダーズのボスはやってないですな


「リリィ!?な、なにしに来たんだ!?」


 ちょっと騒がしくなってたのが気になったのか騎士達と共にゼストさんがやって来た。

 どーせならゼストさん自身は休みの日の方が良かったんだろうけど残念だったね


「あらゼストさん、お久しぶりですぅ。ちょっと遊びに来たんですよ」


「リリィ様、お知り合いで?」


「元パーティー仲間ですよ、今は騎士達の指南役をやってるんです」


「おお、リリィ様のパーティーの!!はじめまして私ヤマト村のせいらと申します、リリィ様に憧れてまして」


 せいらさんにとっては敬意を示す対象のようだ。微笑ましく会話をしてるけどゼストさんとひっそりとコチラを見てる騎士達は顔がかなり引き攣ってらっしゃる


「みーさんちょっと」


 話を終えたゼストさんが俺をちょっと呼びつけて来た


「なんすか?」


 いや、分かるけど


「くれぐれも、くれぐれも城破壊迄はやめて下さいよ!?いや、ヤマト村の人迄疑う気は無いがリリィは本当にヤバいんだ!!」


 そこまで必死に言う程か。まだまだ俺の知らないリリィさんが居るのかも知れない


「分かってますよ、リリィさんはあくまで買い物ついでらしいですから大丈夫な筈です」


「半分!半分でなんとか手を打って下さい!要件は知りませんが城壊す程の事では無いと思いますので…というか城破壊する程だったとしたらリリィは最初にぶっ放しますからね」


 よく分かってらっしゃる


 不安げに見てるゼストさんを後に進んでく俺達。この間に通達がスムーズに行ってればと思う。

 そして歩いてくと玉座のある間の扉の前に見るからに偉そうな人が立っていた


「これはこれはせいら様、本日はどういった御要件で?」


「どけ」


「王に御用のようですな。しかし今は他国の者と対談中でして…申し訳ないのですが少し」


「邪魔だ!!とっととどかんかい!!」


 姐御の気配がやる雰囲気になったのを察した俺は強引に乗り込む事にした。

 多分姐御は扉とか壊すと思うので良い判断だと思いたいです


「お、おい!勝手に…」


「なんだ、騒がし…!?」


 王様は姐御を見て言葉を止めた


「王様さんよ、話があるんだがいいよな?」


「し、しかし…」


「おや?アナタ様はもしやみー殿では?」


「ん?アレ?もしかしてリンガー国の……すんません、名前は知らないですけど」


 名前までは知らないけどリンガーに居たお偉いさんが王様と話をしていたようだ


「ははは、そうでしたな。自己紹介迄はしておりませんでした。私、リンガーの外務をやっているリンヘルと申します。以後お見知り置きを」


「あ、よろしくお願いいたします。俺はみーです、今度また遊び行くのでコルト君…じゃなくて王子によろしく伝えといて下さい」


「承知しました。もしアレでしたら私は席を外しましょうか?」


「みーの顔見知りか?外す必要は無いっすね。王様さんよ、己は私等ヤマトの者に喧嘩売ってるのか?」


「な、何を…その様な事は決してないと誓う。……それ程の何かがあったと言うのか?」



「嘘ぴょん君が改造されててな、それをやった所が己んとこの貴族様だったんだよ!そんでこんなに頑張って魔王軍の連中を滅ぼしてるみーがあんなに頑張ってるのに捕まって檻にブチ込まれたんだ。みーが可哀想じゃねーか!みーこんなに頑張ってんのに!最後に残った餃子だって手を付けないで譲ろうとするのに!!己はこれをどう落とし前つけるんだい!!」



 うわぁ…なんか俺の言い回しと似てやがる、まさか真似してるのか?てかせいらさんの前でやった事あったっけ?さては誰か言ったな…なんて思って眺めてたらリンヘルさんがなんかあたふたしだしたぞ?


「み、みーさんが誤認逮捕!?こ、これはすぐに報告せねば…すいません、ちょっと失礼します」


 アレ?どっか行っちゃったよ


「お、落ち着くのじゃ!その…ええっと…みー…だったか?そのほうには悪い事をしたな?そ、それでせいら殿、その貴族というのは誰だね?」


「ボルドー伯爵っつってたな!で、どう落とし前つけるんだ!?」


「なんと!?それはまことか?ボルドーとなると流石に…少し時間を」


 この時いきなり爆発音が聞こえたと思ったらリリィさんがなんか放ってました。

 もしかしてじゃなくてもこのメンツだと俺が止める役か!?


「あの…私買い物あるのであんまり時間は掛けないで欲しいかなと」


「てめぇ!!!リリィ様の都合を考えずに時間稼ぎたぁどういう了見だ!?この国はアタイらに喧嘩売ってんだな!よし分かった!!話はこれまでだ!!」


「お、落ち着くのじゃ!分かった、分かったから!」


「王様!!何事ですか!?き、貴様は確か……ええい!王家に牙を剥けたか!!」


 え?俺?…あ、たぶんアレだ。せいらさんの事は知ってて、リリィさんの攻撃を見てなかっただろうから大人しい美女という事で、やりやすそうな俺の所に来たって感じか


「剣抜いてるところを見ると殺す気もあったと見受ける。よって加減無しで行くぜ、てい!」


 6人居た衛兵っぽいのをガトぴょんで虫の息にしてやった。思ったより弱いな


「お前…もしかしてみーの事覚えてないのか?」


「え?いや…その…うむ!高名な冒険者なのは知ってるが…………あ!?いや、いやいや、魔王軍の将軍を討ち取ったな!も、勿論覚えておるぞ」


 コイツぅ!!覚えてなかったのか!?


「コチラにおわすのは狂魔戦士のリリィ、そして私、んでみーって訳だが…今回聞いた話を分析するとみーは秘奥義だかを使うと私達2人より強くなる程の猛者だ。お前危機感足りねーんじゃね?私はあくまで嘘ぴょん君の不正で来ただけたが、みーはみーでこの国が喧嘩売るってんなら今日にでもこの城滅ぶぞ?当然お前達も今日が最期だ。分かってんのか?」


「ご、誤解だ!そ、その…分かった、分かりましたから!ボルドーをすぐに呼び付けますので…」


 頑張って取り繕ってたんだろうけど遂に敬語になっちゃった


「も、申し上げます!!王様、隣国と思われる軍勢が城の前に集まっております!!何事かご存知ですか!?」


「な、なんだと!?そんなの知らんぞ!!ええーい、この忙しい時に」


 なんか嫌な予感……


「申し上げます!!」


「今度は何だ!!」


「隣国の第一王子が宣戦布告をして来ました。目の前に集まってる軍勢はあの有名な東方部隊です!」


「お、落ち着け!何が起きてるのかさっぱり分からん!まずは話をだな」


「では早速取り次ぎますので」



「師匠ーーーー!!!!!」



 おおぅ、ギルと見覚えのある砦の兵隊さんと共にコルト君がやって来たと思ったら抱き着いて来たよ。

 にゅぐりもんは教えてないのににゅぐりもんされてる俺、なんとも複雑な気分です



「コルト君、久しぶりだね。きょ、今日はどうしたのかな?」


「そうでした!師匠、暫しお待ち下さい。セーレ王よ、貴方は私のみー師匠を冤罪で檻に入れた事により我々リンガー国はセーレ王国に宣戦布告します!」



 どうしてこうなった…そしてリンヘルさんは何故こっちを見てグーサインしているのか?あの人そんなキャラだったのか



「おいみー、私が言うのもアレだが訳分からんから何とかしろ」


 流石の姐御も困惑気味のようです





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