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秘奥義は最強で 8

 

「ババァ、逃げてんじゃねーぞ!」


「だ・れ・が…ババァよ!!地獄の雷、あの男に落ちろ」


「アエテックスパワー全開からのぉ、地絡!」



 雷という単語が聞こえた瞬間、密かに練習してた雷魔法の出来損ないを地面に通してべっぴん将軍の雷を地面に落とした。

 雷を目で見て躱すなんて不可能なのでタイミングゲーだったが上手く行ったな


「あ、アンタ何したのよ!?」


 こいつらは電気に対する知識は皆無と見える、何されたか分からないのだろう。

 そのままでいい、その為に咄嗟に放った魔法の言葉は地絡という専門用語的な言葉を選んだのだから…って言葉…言葉…ねぇ?なんかコイツの魔法が見えて来た気がするよ


「お前如きカスと遊ぶのはおしまいだ!その太ももをボロカスにしてやるよ」


 みー弾を連続で放ち周りの魔物にも放つ。

 所謂乱れ撃ちだが半分テキトーなので読めないだろ?


「くっ、弓矢部隊、コイツを殺せ!」


「かき氷雨」


 みーサーチで聞こえてましたよ、まゆもさんが復活なされたようで氷の雨を弓矢部隊に放ってくれたようだ


「うわっ、うわぁ~!?なんだコレ…凍っちまった!?」


「おい…え…!?お前等これはヤバい!!躱せ!!身体の中まで凍ってるぞ!!部位次第じゃ即死だ!回復も出来るかどうか」


 えぇ…あの魔法そんな凶悪だったの?べっぴん将軍さんも血の気が引いてるぜ、ってこれはチャンス!


「ねばのーるくぅん!!」


「きゃっ!?しまった…油断…し…た…」


 べっぴん将軍のディザベロさんを拘束する事に成功した俺。

 でも何でだろう…本当に意味は分からないんだけどなんでこう戦闘とかで使う拘束ねばのーる君ってこう…卑猥になるのだろうか


「みーさんはそういう趣味があるんですね…将来の嫁である私は大変ですよ」


「メロニィは初めて見たんだっけ?あのセクハラ大魔王はあんな感じでせいらさんやリリィさんも拘束した事あるんだよ」


「………」


「……みーさんがセクハラ大魔王と言われるのは仕方ない事だと思い始めましたよ」


 くっ、そういやメロニィには初めて見られるんだった。

 それにしてもみーサーチによる声しか聞こえないけど、凄く引かれてる気がするのは気のせい…じゃなさそう。

 早くわざとじゃないって説明しなくては


「くっ…なんたる屈辱!!この私がこんな人間に…こんな目に」


 わざとじゃないんだ!わざとじゃないんだから堂々としておこう


「今更降参出来ると思うなよ?」


 天帝波でとっとと仕留めようと気を溜めだしたら


「……3番」


 また一瞬で場所を移動しやがった


「ディザベロ様、大丈夫ですか?今解除しますね」


 あれ?……なるほど、だいぶ見えて来たよ。

 3番、さっきもそう言ったら一瞬で消えたけど同じ場所に現れたな。

 つまりアレは事前にそう仕込んである何かだ、とするならヤツの魔法は…というか特技とかスキルなのか?その辺の能力は魔法ではなく言霊の類いかも知れない 。

 それにしても周りの統制が取れてる魔物達はうって変わって消極的になったな。

 四天王的なのが瞬殺されてからか?とりあえずもう少し強引に突っ込んでみるか、と思ったらみーサーチでクリス達の会話に変化があった。

 皆の戦い方は単純で、クリスとまゆもが敵を物理的に攻撃しては結界に避難というものだが、多勢に無勢で攻めあぐねている状態だった。

 まゆもの魔法が2発しか撃てない事を悟られないよう頑張ってはいるが流石に気楽に撃って来ない事はバレてるっぽいのでまゆもが出ても距離をとってはくれなくなっちゃったか


「私もヤマト村の人達みたくなんかこう、魔力でゴォォってやれたらもっと強くなれそうなのに」


「確かにクリスの魔力量が纏えるなら身の守りは凄くなりそうですが…あんな事出来るのはヤマト村の達人やA級冒険者でブイブイいわせてる人達位ですからね」


「そうだよね、真似してみた事はあったけど全然出来なかったし」


「みーくんのきゃいおうけんを真似してみるのも手ぞよ」


 そんな手があるの…か?


「きゃいおうけん…ねぇ…考えても見なかったけど…やってみようかな!」


 べっぴん将軍さんの所へ向かう中で立ちはだかる敵を殴りつつクリス達の様子を見てるが…あれ?まさか出来たのか?


「全然違う気もするけどこれはこれでアリやでぇ、流石リーダーぼぅん」


「クリスが覚醒しましたね、」


「ええっと、なんか良く分からないけどこれは守りが強い気がするからちょっと行ってみるね」


 いや待て!検証しませんかね?って何であの子はこうケンカっ早いというかすぐ突っ込んでくんだよ


「クリスきゃいおうけんだい!皆蹴散らしてやるんだからね」


 出会った頃と比べて大分それっぽくなったけどあくまでダガーによる戦闘技術は独学のクリスだけど…どうやらそれなりに攻撃力は上がってるっぽいな。

 外見じゃそこまで分からないけどクリスの顔が満足気だし


「あはは!みーくん凄いよ!きゃいおうけん凄いよ!攻撃力上がってる気もするし…これなら攻撃耐えられそうな気もするよ」


 いや、そうだとは思うけど心配だから検証して欲しいっす


「スキあり!死ね!」


 うわっ!?何とか対応してたけど今のは結構深手なのでは!?


「…痛いなぁ、でも…痛いで済んでるよ。これはクリス様超強くなってるんじゃないかな!?きゃいおうけん、名前被るとアレだから…クリスパワーと名付けよう!それじゃあ本気で出すよ、クリスパワー!!」


 え!?本気じゃなかったの?かなり大きな魔力を纏ってる気がするけど…俺にもあれは分かる、あんなの普通じゃ持たないからやれて一瞬ってレベルたぜ、クリススゲェな!


「我らがリーダーはここまで魔力持ってましたか、しかも本人余裕そうですし」


「す、凄ぼん!でも…」


「いっくよー、覚悟なさい!」


 思わず立ち止まって結界張って見てしまったけど…アレだな、身の守りは凄い上がってるのは分かったけど力ってか攻撃力はさっきの手加減クリスパワーと変わらんようだね。

 守りを気にする事なく攻めてるから結果的に攻撃力が上がってるだけだ。

 なるほど、クリス様の膨大な魔力が成せるってだけの技だなありゃ。

 コスパは悪過ぎだけど それを意に介さないならアリだね。

 問題はしゅんぎりに影響があるかだよ


「この中じゃ偉そうなのはアンタだね!しゅんぎりぃ!」


「た、隊長!!」


 敵の首が一瞬にして落ちたと思ったら…あれ?しゅんぎり後は纏えないのか?ってやべえだろ!?って思ったらまゆもがフォロー準備してくれてたようだ。

 良かったぁ、冷汗かいたよ。しゅんぎりクラスの必殺技ともなるとこれ以上の何かは出来ないっぽいな。

 当然か、あんな文字通りの必ず殺す技が簡単にパワーアップするなんてないだろうし。

 さて、クリスもしゅんぎりには未対応と分かれば下手な事はしないだろう、それに魔物達は相変わらず消極的っぽいなら向こうは比較的安全になったと言える。

 なのでそろそろべっぴん将軍さんの所へ強引に突るか、高くジャンプして一気に行こうとしたら


「バケモノめ、ディザベロ様の所に行かせるものか!この溶解のマーロが溶かしてくれる!」


 あら二つ名カッコいい、さては四天王の最後の一人だな。

 ディザベロ程華は無いけど胸はデカいし悪くない…が、悪いけど敵には容赦しないぜ


「コナゴナにしてやろうか」


「ひ、ひぃ!?こ、この私が簡単にやられるとは思わ」


「マーロ、落ち着いて!こんなのとマトモにぶつかったらダメよ!おい鬼畜外道、こうなったら覚悟するんだな。貴様が強いのは認めるが魔法使いはそんなのを覆す事だって」


「お前魔法使いじゃないだろ?」


「……はぁ!?私の何をどう見て魔法使いじゃないと思うのよ!?バッカじゃないの?脳みそ腐ってるんじゃないの?」


 べっぴんさん口悪いなぁ、でも今のは俺も言い方間違えたかも


「すまんすまん、多分表現を間違えた。魔法使いではあるんだろうよ。でもお前って皆がやってる魔法とは違ってその…この世界の人に通じるかは分からんが言霊とかそっちの部類だろ?」



 言ってて俺も分からなくなってきた。それはそれで普通の魔法使いっちゃ魔法使いだよな。

 ただ、まゆもが言いたかったヤツとは似て非なるものだというのはなんか分かるのよ


「ば、ば、バッカじゃないの?なにそれ意味分かんない、そんなたからアンタはモテないのよ!このクサレ童貞が!」


「いやお前今絶対テキトーに言ったよな?俺の事ろくに知りもしないで!大体俺は生前、アッチの世界をカウントすると童貞なんてとっくの昔に卒業」


「わーわーわーわー!!そんな話聞きたくもないわ!だからモテないのよ!分からないけど…うん、そう!アンタはモテないわ!!」


 テキトー言われてるのは分かったけど実際目の前で一応はべっぴんな人にそんな事言われるとちょっと傷付くな。

 そういや昔…ガキの頃か、似たような事あったわ。

 その時は少なくともそいつには何も悪い事して無いのになんで面と向かってそこまで言われなきゃなんねーんだろって思ったもんだ


「モテないかもしれないけど初対面でプライベートをそこまで言うの酷くないすか?」


「あ、それは確かに…そうね。ちょっとヤダ、そんな寂しそうな顔しないでよ!そんなバケモノじみてるくせに何傷ついてんのよ!?悪かったわよ!言葉のアヤってやつよ、実際の所なんて知らないから気にしないでちょーだい!」


「ディザベロ様、言葉攻め効いてたっぽいのでもっと押すべきではないでしょうか?」


「あ、そうだったわ!でも私は話の分からない好き勝手言うみたいなキャラは嫌なのよ!でもそうね、確かにこいつは敵だから…こ、このモテないブサメン野郎!」



 ああ、この人部下から慕われてる感じしたけど気持ちは分かる気がするわ。

 根は悪い奴じゃねーのかもな…ってブサメンは酷くねーか?


「ディザベロ様、なんかシュンとしてます!今がチャンスですよ!!」


「え、あ、そ、そうね!チャンスね!私達の極大魔法で蹴散らしてやるわよ」




「聞き捨てなりませんね!!私の許嫁をモテないだブサメンだと好き勝手言って!謝って下さい!」


 おおぅ、思わぬ戦士が参戦してきなすった


「はぁ!?何よアンタ…っておい外道!お前はこういうのがタイプなのか?てか許嫁が居る癖に私の美貌と身体に目を光らせて私の魅力的な太ももに発情してあんな卑猥な拘束をしたの?最低ね。でも鬼畜外道じゃそんなもんかしらね」


 酷い言いっぷりだな、と思ったら


「英雄は色を好むとも言いますからね。良妻賢母な筈の私は泣く泣くその位は受け入れる次第です。じゃなくて!!人の男をそんなこき下ろしてあなた何様ですか?悪いですが割と美人かも知れないですけどそこまで言えるほどじゃないと思いますよ。そんな発言を平気で言える時点でアナタの魅力なんて地に落ちてるのでみーさんに何か言う説得力は皆無です」


「割と美人…地に落ち…ふっ、私は大人の女だからね。おチビちゃんに何言われてもムキにはならないわよ。外道、アンタもこんなおチビちゃんよりもっといい女見つけた方が良いわよ」


「誰がおチビちゃんですか!!私はこれでも21歳で充分大人です!それに…あ、やめておきましょうか。魔族に言っても仕方ない事でしょうし、でも人間からしたらやっぱその…人の何十倍も生きてると…キツい…おっと失礼しました」


「このクソチビ人間が……!!まあ心身共に大人な私はそんな挑発乗らないですけどねぇ。でもアレじゃないかしら?男ってやっぱその…色々貧相だと物足りないんじゃ…ってごめんねおチビちゃん。大丈夫、色んな趣味の変態は居るでしょうからね」


「………カビの生えたババァ」

「………女の魅力ゼロ」

「言わせておけば…」

「このクソガキ」


「あ、あのディザベロ様落ち着いて」


 この人達は何をやってるのだろう


「みーさん、早くやっちゃって下さい!!あのクソババァは妻である私を侮辱しましたよ!!」



 自分じゃやらないのにこの堂々とした喧嘩の売りっぷりは尊敬すら出来るぜ


 

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