6話:夢のデキる大学生
あれからわけあって10年が経った。もう大学に進学だ。
本来ならもう進学しているはずだが先生に雷魔術を見せたらぜひ論文にしたいと言われて留年した。
まあ他にも理由はありますけどね...
ここ10年をざっくり紹介すると
5歳で雷魔術を開発したとして魔法大学から最優秀賞魔術賞を受け取った。
6歳からは雷魔術が授業に組み込まれた。
7~14歳まではのらりくらりで雷魔術を研究したりしていた。
で、やっと進学ってことさ。ちなみに大学はなぜか9月からはじまる。アメリカみたいだな。
やっと夢のバリキャリ大学生☆!
がんばっちゃうぞって...さすがにキツイか。
さあここが俺の新天地さ!でっけえ。赤レンガでできてる。かっこいい。
俺の教室だ。
「こんにちは~...」
返事なし?冷たくない?ひどいなぁ。
「あ!あの人って雷魔術作った人じゃない!?」
クラスが沸いた。承認欲求が異世界で満たされるとは。
「どうやって作ったの!?」
はい確定演出。クラスの人気者確定かな。
「えっと......スコールを圧縮して作った...よ?」
「どうやって!?」
言語化が難しい。
「なんか僕しか使えない圧縮術らしいよ」
「へえ......!」
ごめんね。語彙力なくて。かなしいよ。
「はいホームルームはじめます。」
「まずは自己紹介から」
俺の番がまわってきた。
「ツムエール・ファリスです。一応雷魔術作りました」
キマった。まあ余裕かな。
「ファリスさんって男の子?」
クラスの奴が聞いてきた。
「そうだけど?」
クラスの奴らが驚いていた。え?まあ襟足伸ばしてるからな。肩くらいか。
俺の声はすこし男にしては高めだ。声変わりしてくれ。
それよりすこし気になった人がいた。
5月生まれらしいがそれにしては小さい気がする。
別に誕生日で決まるわけではないが成長期だ。他のやつと比べても小さい。
だいたい145cmくらいかな。2~3年前の俺と同じくらいだ。
ちなみにこの世界では小柄な人は珍しい。大体が同じ背丈だ。俺がちびって事じゃないぞ!
気になったら話しかけよう。
「こんにちは。僕はツムエール・ファリス。君は?」
一瞬戸惑った顔をしていたがすぐに答えた。
「......セナ・グリビア」
それは可愛らしい声で言った。役満かな
第一印象○。ぜひ仲良くしたい。いくら友達がいないからって適当に選んでるわけじゃないぞ!
そしたら毎度恒例魔力測定。体育館です
「さあどうなってるかなー」
ワクワクだ。筋肉ついてきたからな。
「112...」
あんまり増えていない。なぜだ!鍛えているのに!おかしい!働き損だ!
「こんなもんか...」
そういえばあの子はどうだろう。セナ。
「121...」
負けた!?!?ひどい!
「セナ...?すごいね」
元の世界で女子とあんまり話してないからなんて呼んだらいいかわかんねえ!異世界余裕じゃない!
「...ありがとう」
その日決めた。ナイスガイになろうと。
しかし筋肉はあるからジェントルマンにならないとな。
さあみなさんお待ちかね。お昼タイム~!ドンドンパフパフー!
「今日も1人か....」
哀愁漂うね。
「ねえツムエール。一緒に...食べない?」
ぜひ!マジで!神!
「いいよ!どこで食べる?」
これは重要。重要なターニングポイントだ。
「...おすすめは...ある?」
「屋上って開いてるかな?」
王道。シンプルイズベストなんだ
ここはエクステシア魔法大学。5ヘクタールほどの面積がある。東京ドーム約1個分ほどだ。
附属学校も含めると7ヘクタール。でかいよ!
そして本日、その広大な敷地を見渡せる屋上にきております。
「ここらへんでいいかな?」
「うん...」
さあはじまりました。昼飯LTA(Lunch Time Any%)のっそり実況。どれだけ時間を稼げるでしょうか。
「何食べるの?」
まずは話を発展させます。
「...これ」
「これはどういう食べ物?サンドイッチみたいな感じ?」
「...そうだよ」
まずは1hit。
「自分で作ったの?」
先制の右フック。
「...お母さんが」
2hit!コンボボーナスのダメージを蓄積していきたいです。
「僕もだよ!」
共感でアッパー。
「...それ、おいしそう」
3hit!コンボボーナスが2x。
「すこし食べる?」
間合いを詰める。
「...うん」
4hit!ってもういいか
「...おいしい」
「僕の好物なんだ」
多分無愛想っていうより人見知りだな。
「おいしかったね!」
「うん」
最初の間がなくなってきた。さあ授業に戻るぞ!
午後は風魔術。実は初級のウィンドボールは習得しているんだが中級のウィンドバーストはまだだ。
ちなみに授業は選択制。たまたまセナと授業被りました。
「えーっと?詠唱は...」
「どこのページだ?」
「それ、243p。」
「ありがとう」
ていうか分厚いよな、この本。
「じゃあやってみるね。」
「大気を司りし風よ、我に集いし力となれ。自然の力を吸収し、強き発破を世界に放たん!―ウィンドバースト! 」
しょぼい...あれ?
「なんでだろう...」
「やってみる」
お?見せちゃってくださいセナの姉貴!
「大気を司りし風よ、我に集いし力となれ。自然の力を吸収し、強き発破を世界に放たん!―ウィンドバースト! 」
すっげー!
「すごい!」
なんでだろう...確かに圧縮したはずだけど...
「ツム...のは魔力が多すぎて爆発する前に重さで消えてる。」
「ほう...」
つまり圧縮しすぎたか...
「もう一回やってみるね」
「大気を司りし風よ、我に集いし力となれ。自然の力を吸収し、強き発破を世界に放たん!―ウィンドバースト! 」
できたな。
「できたよ。ありがとう」
「いいよ」
頼りになるな。
その後は特に進展もなく帰宅へ...
「じゃあ僕は帰るよ」
「私も」
うんうん。1日でけっこう仲良くなったな。
「方向、同じだね笑」
「そうみたい」
ラッキー。
「じゃあ僕はこっちだから!またね」
「また...」
こうして、大学の1日は終わった。明日、交差点で待っててみるか。




