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10話:実は

「はあ...」

わけあって寝れない。なぜならカーテン越しにおっさんのいびきが聞こえる。

せっかくチルい夜って言うのによ。

時刻は23:50分。しかしこの世界の時計はあまりあてにならない。

「まだ起きてるの...?」

「ああ」

起こしちゃったか。よくないな。

セナが起き上がった。

「寝ないのか?」

「うん...」

なんか、不思議だけど怖い雰囲気があるな。

「ところでさ、ずっと気になってたんだけどさ...」

「なに?」

「その......身長のこと...言っていいかわかんないけどさ。なんか背丈変わらないよね」

出会ってから8ヶ月ほど。身長が伸びていないように見えるのだ。俺は伸びているのに。

「ああ...それね......」


「実は...」



「実は私...病気なの。アスティア病っていう...」

知らなかった。驚きだ。

「外見が変わらない病気なの。14歳の時になって、15歳になった今も身長が伸びてない。」

外見が変わらない...なるほど。

外見と言われてセナの顔をよく見たら...思ったよりも可愛らしい。

昔本で見たが、この世界ではスタイルがいい人と美人な人ほどよくモテると書いてあった。

つまり、この世界の男はシュっとした顔つきのボンキュッボンが好きなのだ。

俺にそんな趣味はないけどね。


アスティア病のことをよく聞いてみた。

1.老いがこない。

2.本来の寿命になると一斉に細胞が死滅しだす。

(この世界の寿命は最初から運命で決まってるらしいよ!)

3.治療法は確立されていない。

それにこの世界にアスティア病の人は10人といないらしい。


「治らないのか...でも!命に関係はないんだろう?」

「一応そうらしいけど...」

不安そうな顔だ。いくら命に関係ないとはいえ未知の病だ。

寝る前に話すにはあまりにも重すぎる気がする。

「...とりあえず明日のために寝よう。」

「うん......」

眠りに入る直前、「こんな体で恋愛なんて...」と聞こえた気がするが、俺の幻聴だろう。

最近疲れてるからな。もし幻聴じゃなかったら、相談に乗ってやろう。友人として


翌朝。5時くらい。

目覚めは最悪。昨日の話のせいかな

セナはまだ寝ている。

「しかしなあ...若いままか...いい風に言うと一生美しくいれるのか...」

独り言。考える時って口に出した方がわかりやすいだろ。

「しかしセナは...けっこう顔整ってるからな...」

「セナにとってプラスになるんじゃないだろうか」

そんな考え事をしていたらもう6時だ。

「...おはよ」

「おはよう」

起きていたか。いつからだろうか

すぐに顔をそらされた。気にしているのだろう。病気のこと。


まずは朝食。食堂車でいただきます。

40ディグで食べれるのは小さめなパンだけだったので買おうと思いましたが

食堂の人がサービスしてくれました。あったけえ...

もらったのは80ディグの定食。人気メニューです。

半分こ...とはいかずにいつも通り少なめ。ジェントルマンだからな


食べ終わるとあと数分で駅に着くといったところだ。

荷物をまとめておこう。


駅に到着。センディア共和国の首都セワナディア。

ここからは馬車だ。と言っても現在鉄道が建設中だからだ。

隣町のセワナドルには大陸横断鉄道が通っているらしい。

路線長は8700kmにも及ぶ。これは進展だ。

しかし途中下車の旅になるだろう。お金がない。


とりあえず冒険者ギルドだ。お金稼ぎ。

と言ってもやることは草刈りなどだ。ここらへんは働き手が不足しているからな

報酬120ディグ。内容にしては高い。


「広いな...」

「私も...やるよ?」

お、人手が増えたな。これは楽だ。

「ありがとう」

しかし広いな...家が4個くらい立てれそうな土地だ。


「ふー......疲れたな」

草刈りが終わると報酬を受け取った。

財布を見られたのか知らないが昼食をいただいた。

「ありがとうございます。」

「あんたたちは食べ盛りだからね。ほら食べなさい」

今日だけで2回も人情にあたためられた。


馬車の値段を見てみると100ディグ。行けそうだな。

「これに乗ろう」

「わかった...」

しかし移動中というものは暇である。

「ちょっと...寄りかかっても...いい?」

「ああ」

この馬車には人がけっこう乗っている。狭いしな。

そういえばここ2日間風呂に入ってないな。寝台だったし。体臭とか大丈夫だろうか

そうしてぼんやり車窓を見ていたら夕焼けだ。

なぜか赤く染まる空を見ると心がぞわぞわする。そうだ転生した時だ。

しかしこの旅、来年までには帰りたいな。


深夜、セワナドルに到着。宿を探したいところだが金がない。所持金60ディグ。

激安宿は強盗などが多発するらしい。そのため今まではある程度品がある宿に泊まっていた。

この時間じゃ冒険者ギルドはやってないし...

しかたない。そこらへんのベンチで野宿だ。

「セナ。申し訳ないがあそこらへんのベンチで寝るしかなさそうだ」

「そう...なの?」

「激安宿は強盗が多発するらしい。そんなところより野宿のほうが安全だろう」

「そっか...」

「大丈夫。俺が見張っておくよ」

リュックサックを降ろして枕にしてやった。そのほうが寝やすいだろ。

俺の上着もかけてやろう。まだ5月だからすこし肌寒い。

いつになったらお金が余るんだろう。


翌朝。早朝。気づいた時には寝ていた。幸い物は盗られていない。

そしてセナの頭が膝にあった。いつの間にだ。

筋トレは...やめておこう。エネルギーを温存したほうがいい。

「ん......」

起こしてしまいそうだ。動かない方がいいだろうか

しっかしガラの悪い奴らが多いな。仲間を守らないとな。

ガラの悪い奴の1人が近づいてきた。目を合わせていないんだけどな。

「おい兄ちゃん。女連れて旅できるほど腕に自信あるのか?」

「いえ...そんなに...」

ここはあると言ったらさらに絡まれる。

「じゃあなんで一緒に旅してるんだよ」

「友達だからです」

「友達...?そうは見えなぇけどな」

隣のセナを見て言った。

そうか...友達には見えないか...他人のように見られていたのか

「そうか、でもよ、今いるやつを大事にしたほうがいいぜ。」

なにか意味がありそうな言葉だ。見た目はアレだがいいやつなのかもしれない。


「ん......あ...おはよ......」

起きたようだ。足の感覚がない。足が!足が!...

「おはよう」

さーて。朝ごはんだな。


さあ街の一角、すこし寂れた雰囲気を感じるがいい匂いがする。入ってみよう。

これは...中華のようなものか。

天津飯のようなもの。いただこう。

孤独...いや仲間のグルメだ。とおふざけは置いておいて。

この世界に中華があるとは。早速いただこう。

味はまあまあ。お値段以上ですね。料金なんと1つ35ディグ。なんとご厚意で2つで60ディグ!

所持金、0ディグ。後で冒険者ギルドへ行こう。久しぶりに魔物討伐にでも向かおうか

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