悪魔と精霊
椿姫につれられて森を進んでいくと、洞窟があった。
「ここだよ。」
オレたちは魔法の光で照らしながら、洞窟をすすむ。
暫く進むと、祭壇のようなものがあった。
「あらされているな」
祭壇はあらされ、祭具が散らばっている。
「あのゼニーってやつが金になりそうなものをもって返ったからな。」
「バントウさんが止めそうなもんだけどな。」
オレはバントウさんの顔を思い出す。
「一回目に来たときは止めてたよ。」
でも、2回目に来たときは止めるやつがいなかった。
「あんたはとめられなかったの?」
マチが聞く。
「この洞窟いったいには強力な結界が貼られていたからね。魔族の私は近づくことすら、難しかったんだよ。」
「なるほどね。」
「これ相当仰々しい封印に見えますが、何かわかりますか?ミコさん。」
「たしかに、かなり強い魔なるものを封印しているようですね。ランクでいうとSランクは確実でしょうか…」
「Sランク、小国なら滅ぶレベル。国が軍隊を派遣するレベルか。」
「でも、まだ荒らされただけで、魔具は生きてますし、冒険者ギルドや道具屋ギルドに協力してもらえば、再び封印できそうですよ!」
「本当ですか、間一髪ですね。」
「道具屋ギルドならわたしもつてがある。」
椿姫もそういってくれる。
俺達は一度、街に引き返した。
◇
まちに戻る途中--
意外な集団の遭遇する。
「ゼニー・・・さん」
おもわず、呼び捨てにしそうになった。
あぶないあぶない。
ゼニーさんが、バントウさん、デッチさん、さらにテディさん、それに傭兵隊の集団を率いて現れた。
「なによ、ゼニーあんたでてきたの?」
マチがナチュラルに呼び捨てにする。
「おい!」
オレは小声で注意したが、意図は伝わらなかったようだ。
「おお、お前らいいところであったな!手伝え!」
ゼニーには聞こえなかったのか上機嫌で返事をする。
「どうかしたんですか?ゼニーさん。」
オレは返事をしてごまかす。
「フハハハ!どうやらオレに森の精霊から神託がおりたらしい!」
「森の精霊ですか?」
オレは問い返す。
「そうだ、このもう少し先に森の精霊様が封印されているらしい。なんでも邪悪な存在により封印されたとか。オレの功績により封印がときかけているらしいのだ!今からその結界を完全に破壊してやるのだ。すると精霊の力を授けてくれるらしいぞ。」
「ゼニーさん、それちょっとまってください!」
「どういうことだ?」
ゼニーさんが止まる。
オレは、この椿姫から聞いたことを伝える、
人の姿にもどっている彼女の正体は伏せつつ、ゼニーさんが祭壇をあらしたこともふれずに……。
◇
「ふざけるな、おまえ!おれがその祭壇を破壊して、金目のものを盗んだみたいないいかたじゃないか!」
ブチギレるゼニー。
(いやおこるのそこかよ!いってねええええええ!)
「いや、ぼっちゃん、ライトさんはそんなことは言ってませんでしたが…」
テディさんがフォローしてくれる。
「へ?…‥」
しばらく固まったあと。
「ゴホン、ゴホン!いや、ライト君、私の聞き間違えだったようだ。失礼した。ハッハッハ!」
そのとき、一人の精霊が舞い降りる。
ウェーブのかかった金髪の髪、半透明で向こうが透けて見える。
精神体か。
「皆さん、だまされてはいけません。」
精霊がそこに立っているものこそ悪魔です。
そういって精霊は椿姫を指さす。
「さあ、姿を現しなさい。悪魔め」
精霊がそういうと、精霊の手から光が広がる。
「あああ!悪魔だ!」
「ほんとうだった!」
ゼニーの傭兵隊が騒ぎ出す。
椿姫の姿に現れる。
広い肌に赤いドレス。
黒い目に白い瞳、二本の角を生やした悪魔の姿になる。
「みなさん!聞いてください!こいつはちがうんです!」
オレは椿姫をかばう。
「ああああ!こいつだ!オレを襲いやがったのは!」
デッチさんが椿姫を指さす。
傭兵隊も完全に椿姫を敵視している。
(まずい)
「まて!」
バントウさんが一喝する。
「こちらのクエスターのみなさんは、あのジジの幻影ですらあばいた人たちです。まずは話をもう一度よく聞くべきです。」
「バントウさん…」
オレはもう一度話を整理した。
◇
「つまりこういうことですね。」
テディさんが話を整理する。
「そちらの椿姫さんいうには、この精霊様こそ邪悪な存在であって、祭壇を修復すれば、その精霊様を再び封印できる。そしてその精霊様がいうには、自分はその祭壇に封印されていて、解放してもらえば、力とやらがもらえると。そして、ゼニー様を苦しめてきたものこそ、その椿姫であると。」
「そういうことになりますね。」
オレも整理する。
「わかりました。祭壇を修復し、精霊様を封印しましょう!」
テディさんはピシッと精霊を指さす。
「なんでだよ!」
ゼニーは不満を漏らし、精霊は沈黙している。
「だって、もともと、その精霊様は封印されていたのでしょう。それをぼっちゃんが、もとい、何者かが祭壇を壊したせいで、周囲に魔獣があつまってきたのでしょう。筋がとおるじゃないですか。」
「その魔獣をあつめたのはそちらの悪魔です。」
精霊は反論する。
「いいえ、この椿姫さんはツバキ魔道具店の店主さんじゃないですか。私も公私ともによく通っていましたよ。今更、この町をどうこうするとはおもえません。」
「おお、おれもツバキを信じるぞ!今持ってるアイテムもあんたの所で購入したんだ!」
「おれもだ!」
椿姫を擁護する冒険家たちも現れる。
「ぼっちゃん、ではいっそ、こうするのはどうでしょう?いったん祭壇を封印する。これはもとにもどすだけですから、それで何もなければそれでよいでしょう。問題があれば、私たち全員でこの椿姫さんを討伐する。そういうことではどうでしょう?」
バントウさんがゼニーさんに提案する。
「ぐぬぬぬ」
ゼニーは不満そうだが、反論の余地がない。
精霊は、バントウとテディ、そしてライトを順に見た。
「……なるほど。こちらが不利か。」「
最後にゼニーを見る。
「やれやれ、茶番はこれまでだな。」
精霊が邪悪に微笑む。
そして、ゼニーの身体にそのまま憑依し、なんと、そのまま、洞窟のほうに向けて駆けだした!
「魔法束縛鎖!」
オレは魔法の鎖でゼニーさんを拘束するが…
ドン!
ゼニーさんの踏み込んだ足が大地を揺らした。
ゼニーさんは信じられないスピードで回避した。
そして足元の悪い森の中をまるで平原のように駆けていく。
テディさん、バントウさん、デッチさんも後を追う。
「俺たちも行くぞ!」
オレたちクエスターとゼニーさんの傭兵隊もゼニーさんのあとをおった。
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