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MP10の落ちこぼれ魔道士、消費MPゼロスキル【尽きぬ泉】で無限に魔法が撃てたようです~元パーティーはもう知りません~  作者: 黒木菫


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遭遇

冒険者ギルド――


受付の男性に依頼の詳細を聞く。


「○月×日、ハンターたちが森で凶悪なモンスターの死骸を発見。その後も、魔獣の死骸が見られる。原因を調査してほしい、か。」


俺たちはあらためて討伐されたという魔獣の名前をみるが。


「どれも人を襲う凶悪な魔獣が多いですね。討伐した証拠をもてくれば、ギルドから賞金がもらえますよ。」


ミコさんもモンスターの一覧を見て考える。


「さすがにもう、モンスターの死骸はないですよね。」


オレは念のためギルドの人に確認するが…


「ハハハ、ないない、一応、素材なんかは死骸を見つけたひとのものになったけど、それをギルドが買い取りしたからいい小遣いにはなったみたいだけどな。」


「じゃあ、その死骸があった場所の地図みたいなものもらえません?」


「ああ、当然構わんよ。ちょっと待っててくれ。」




オレたちは地図をもらって現場を見に行くことにした。


◇


「特に変わったところはないわね。」


マチがつぶやくがその通りだ。


静かな森。


そんな感じだ。


「なんにもなかったらこれはこれで退屈だな。」


クノが退屈そうにあくびをする。


その時、草むらから気配がした。


思わず警戒するが…


「おい、君たちこの辺は危ないぞ。」


若い狩人姿の女が話かけてくる。


「いえ、俺たち、冒険者ギルドから依頼を受けて…」


オレはそう返事をしようとしたが…


「ライト!離れて!こいつ魔族よ!人間じゃない!」


マチの合図で俺たちは一斉に距離をとり身構える。


そして、




『魔法束縛鎖(マジックチェーン)!』




おれは束縛の魔法を放つ。


「私の正体を見破るとは凄いな。だが落ち着け私はお前たちの敵じゃない。」


「そんな言葉に惑わされません!」


「滅魔符!」


ミコさんが護符を飛ばし、悪魔に護符が張り付く。


「爆!」


彼女の合図で爆風がおこる。


(だがまだ生きてる!)


「電撃鎖(ショック・ウェーブ・チェーン!)」


おれは魔法の鎖を通じて電撃を流し込む。


「人の話をきけええええ!」


魔族を中心に爆風がおこる。


「うお!」


オレはシールドをはり、全員を防御する。


オレのMPはとっくにゼロになっているが、何の問題もなく発動できる。


煙の中から黒い髪のショートヘア。


白い肌に赤いドレスとまとった魔族が現れる。


しかし、黒い目に白い瞳、頭の横には二本の角が生え、人ではないことをあらわしていた。


「なんなんだ。お前ら。私はお前らを別にどうこうしようってわけじゃない 。」


魔族は不満そうに腕を組んでいう。


「ここはまじにやばいところだから警告してやったんだよ。」


「みんな、とりあえず、話だけでも聞いてみよう。」


オレたちはこの魔族に話を聞いてみることにした。


◇


「私はこの辺で昔からいる椿姫(ツバキ)っていうものだ。普段はそこの町に紛れて、魔法道具屋をしてる。」


「魔族が、商売だと?」


「うそ?」


クノとマチが驚く。


当然オレもおどろいたが。


「別に珍しくないぞ。めったに人間にばれないだけだ。一目で見抜いたお前すごいな。」


椿姫はマチのほうをみていう。


「フフ―ン!私の【万能分析】にかかれば魔族の変身も見破れたことが証明されたわね!」


胸を張るマチ。


充分胸を張っていいと思う。


「実はオレたちは…」


オレは椿姫にここで調査している経緯を話した。


◇


「なるほどな。それは私がやったことだ。」


「は?あんたがなぜ?」


マチが聞く。


「なぜって簡単なことだ、あんな物騒な魔物がいたら町の人間がこまるだろうが。」


‥‥‥⁉


「ちょっと、まってくれ。あんたは町の人たちのために魔獣退治をしてたってことか?」


オレは意外過ぎる答えにとまどった。


「さっきいったろう。私は町で暮らしてるんだ。だから町をまもってるだけだ。」


衝撃的な展開に言葉がでない。


「ライトさん、この魔族、うそをいってるようにも見えませんが。」


ミコさんがオレに相談する。


「オレもそう思います。攻撃するなら、こんな話はしていないはずなんで。」


「だいたい、私がこんなことをしなくちゃいけなくなったのはあのゼニーのせいだぞ!」


椿姫の口から意外な人物の名前がでる。


「ゼニーのせい、どういうことだ?」


「ここをもう少しいったところに、洞窟がある。そこに大昔、邪悪な精霊が封印されてたんだよ。それがあのゼニーって馬鹿が、探検だとかいって封印を解いちまった。」


椿姫が頭をかく。


「それで、その魔力に魔獣たちが刺激されて、あつまってんだよ。」


「あんたはそれをとめなかったのか?」


「とめたさ!しかし、奴の周りにはめちゃくちゃつよい連中が数人もいて、私ひとりではどうにもならなくてね。ちょっとまえなんとか不意打ちで一人やり返してやったぜ!」


(あ、デッチさんをやったひとはこの人か)


「その洞窟って見に行くことってできるか?」


オレは椿姫のいうことが本当か確認する。


「ああ、かまわないよ。案内するぜ、ついてきな。」


オレたちは椿姫のあとをついていくことにした。


◇


一方そのころ、ゼニー宅。


ゼニーは自室で寝転んで本を読んでいると、目の前に美しい精霊の女があらわれた。


「な、なんだ、お前は!」


ゼニーはあわてて剣をぬいた。


精霊の女は跪いて両手を床に置く。


「突然のことで申し訳ございません。私はあなた様に助けていただいた森の精霊でございます。あなた様に害をなそうとしている邪悪なものについてお話させてください。」


精霊は静かに微笑む。


そこに邪悪なものが含まれていることにゼニーは気がつかなかった。





ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


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