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MP10の落ちこぼれ魔道士、消費MPゼロスキル【尽きぬ泉】で無限に魔法が撃てたようです~元パーティーはもう知りません~  作者: 黒木菫


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幻影

「さて、それでは試験の内容について説明する」


ジジ試験官はそういうと目の前の1つのダンジョンの入り口を指さす。


「このダンジョンは我々が特別に用意したものだ。各パーティー一つずつ入ってもらう。そのダンジョンの奥にいる魔物を倒せ。それが今回の最終試練だ。」


「すいません、質問よろしいでしょうか。」


1人の冒険者が挙手する。


「発言を許可する。」


「ということは、全員で一体のモンスターと戦うということでしょうか。」


ジジは杖で自分の掌を叩きながら答える 。


「ダンジョンに入ると、空間操作系のスキルで君たちはそれぞれ別のところに飛ばされる。モンスターはパーティーごとに異なる。そしてモンスターまたはパーティーの誰かが戦闘不能になった場合、ギブアップした場合、または私が戦闘継続不能と判断した場合も安全のためダンジョンから強制退出させる。」


やけにルールが細かい。


しかも、全試合を直接ジジ審査員長がみるのか。


ダンジョンの中なのに遠隔ですべての戦いをみるのか。


凄まじい解析力だな。


驚いたのはオレだけではなく、その場にいる全員のようだった。


しかし、先ほどの幻術を見せられた今、異論を唱える者もいなかった。


「私は、今年の合格パーティーは1つだと予測している。」


その言葉に緊張がはしる。


「しかし、私の予想をこえることを期待しているよ。パーティーの絆を信じろ。」


ジジ審査員はそういうと審査員席にもどった。




◇


まずクラス3の5組のパーティーがダンジョン内にはいった。


その中には、ドロシー嬢のパーティー"ザ・ウィッチ"もいた。


ドロシー嬢の他、冒険者らしくない執事姿の男性と大柄の男の三人パーティー。


「ドロシー、期待しているぞ。」


ジジのつぶやきが聞こえた。


ということは、ジジが合格できるとおもっているのは彼女だけなのか


そしてゼニー一味。あいつらもクラス3か。


さらにダイたちのパーティープリティアも。


そしてそのほかのパーティーも次々と入り10クラスが入った。


「では、しばらくまて。」


ジジがその時点でダンジョンへの侵入を止める




◇


ダイのパーティープリティアはダンジョンの中を慎重にあるいていた。


「ダンジョンといってもモンスターもいないし一本道だな。」


ヨウジがつぶやく。


「油断するなよ。」


ダイも警戒する。


彼らもそれなりの数は踏んでいる。


「道が二つに分かれているわね。」


エティが分かれ道をみていう。


「右か左か。エティ、右に目印(ペイント)の魔法を。」


「わかったわ。」


エティはダイの指示で右側の床に目印(ペイント)の魔法をかける。


「では右に進もう」


ダイがそういうと、パーティーは目印をつけたほうにすすむ。


――しばらく進む。


「これは。!?」


元の分かれ道に戻ってきた。


右の床に目印がついている。


ダンジョン攻略をしているとこういうこともある。


「では左に進もう。」


そういって、パーティーは左にすすむ。


しかし、しばらく進むとまた元のところにもどる。


「これはどういうことだ?」


ダイがつぶやく。


「これはパーティーを二つにわけるしかないな。」


ヨウジが提案する。


「しかたないわね。じゃあ、ダイは左ね。私とヨウジは右にいくから。」


「なんでオレが1人ってきまってんだよ。」


エティの提案にダイが不満をいう。


「あんたが一番強いでしょ。強い人は一人でいいでしょ。いくわよ、ヨウジ。」


「‥…ああ、じゃあ、ダイ、気をつけてな。」


そういわれてはダイも納得せざるをえない。


「チッ」


ダイは舌打ちして左にすすむ。




◇


しばらく進むと広い広間に出る。




そこには3体の魔物が待ち構えていた。


下半身が蜘蛛のような女性形態の魔物。


人狼(ワーウルフ)


そして、剣を構える骸骨の剣士。


「チィ、一対三かよ!」


ダイは剣を構えて三体に突撃する。


蜘蛛女が魔法の炎をはなつ。


ダイはそれをかわす。


(うごきは人間と変わらねえな!)


ダイはそのまま蜘蛛女に剣をふりおろす。


しかし、人狼が両腕でダイの腕を防ぐ。


「なに!」


まるで鉄の塊をなぐったような感触。


ダイは体勢を整える。


そして蜘蛛女がまた魔法を放つ。


「魔法束縛鎖(マジックチェーン)」


魔法の鎖がダイを拘束する。


が、しかし。


「こんなものきくか!」


ダイは精神力でこれを引きちぎる。


その隙をつき蜘蛛女は人狼に身体強化(ドーピング)の魔法をかけ、人狼がせまる。


ダイは人狼の拳を盾で受け流す。


(なるほど、蜘蛛女がサポートで人狼が前衛か。だが!)


ダイは後ろに控える骸骨剣士に目をやる。


骸骨剣士は剣を構えたまま様子をうかがっている。


(あいつがボスか。)


人狼と蜘蛛女の連携は悪くない。


(だが――たいしたことはねえ。)


(問題は後ろの骸骨だ。)


そう考えながらもダイは人狼の肌に剣をつきたてる。


「グアアアア!」


人狼は悲鳴をあげる。


「どうだ!」


ダイは思わず声をあげる。


が、蜘蛛女が回復魔法をとなえ、人狼の傷はみるみる回復していく。


「あの蜘蛛女、回復魔法まで使えるのか!」


(ならあの蜘蛛女からしとめるしかないか。)


しかし、人狼が蜘蛛女の前に立ちふさがる。


「魔物のくせに連携など使いやがって!」


体力を消耗するダイは徐々に押されていく。


(チィ!この連携まるでエティとヨウジじゃねえか…!)


そのとき、ダイは違和感を覚える。


(まて、「まるで」も何もこれは……)


「おい、ひょっとしておまえら!」


ダイは目の前の二体の魔物に対して叫ぶ。


しかし、二体の魔物はますます興奮してダイに攻勢をしかける。




◇


「おそってきたわよ!ヨウジ!」


「おう!」


エティとヨウジもモンスターに遭遇していた。


下半身が蜘蛛のような女性形態の魔物。


人狼(ワーウルフ)


そして、今襲い掛かってきた骸骨剣士。


『炎弾(フレアボム)!』


エティが魔法の炎の弾丸を骸骨剣士に放つ。


しかし、骸骨剣士は華麗に身をかわし、エティに攻撃を仕掛ける。


「エティ!」


ヨウジは盾でその攻撃をしのぐ。


「おお!」


ギン!


金属音が響く。


(なんて強力な攻撃だ、)


「これで終わりよ!魔法束縛鎖(マジックチェーン) !」


魔力の鎖で相手を縛り付ける魔術。


「いまよ!ヨウジ」


そういいながらもエティはヨウジに身体強化(ドーピング)の魔法をかける。


「クアアアア!」


骸骨の剣士が奇声をあげる!


魔法の鎖が引きちぎられる!


「うそ!私の魔法束縛鎖(マジックチェーン)が!」


エティが驚愕している間にも骸骨剣士が迫る!


「クソ!」


骸骨剣士の剣をヨウジが防ぐ。


ギン!


また金属音。


(この一体だけも手ごわい。しかも・・・)


ヨウジは後ろに二体の魔物に目をやる。


(後ろにはさらに二体の魔物が控えている。)


その時、骸骨剣士の剣がヨウジの脇腹に突き刺さる。


「ぐわあ!」


おもわず悲鳴をあげるが、すぐさまエティが回復魔法を放つ。


ヨウジの傷がみるみるふさがる。


「大丈夫?ヨウジ!」


エティが駆け寄る。


「大丈夫だ。この骸骨剣士なかなかだが、後ろの魔物はなぜかうごかない。」


ヨウジは再度盾を構える。


「一体ずつ順にくるのかもしれん。それなら勝機はある!」


「ええ、これならいけるわね。」


エティとヨウジは連携し、しだいに骸骨剣士を押していく。


「ガアアアア!」


骸骨剣士が咆哮する!


「とうとう本気を出すわけね!いくわよヨウジ!」


「おう!」


咆哮する骸骨剣士を前にエティとヨウジが違和感を持つことはできなかった。




◇


ジジは杖を軽く叩く。


「1パーティ脱落。」


転移の光。


四人の冒険者が地面に転がる。


血だまり。


悲鳴があがる。


2人は大けが。


一方、肩で大きく息をしている2人。


「大丈夫か!?お前たち」


2人が怪我をしている2人にかけよる。


「回復魔法をかけてやれ。」ジジがそういうと脱落したパーティーに回復魔法がかけられ運ばれていく。


そして…


その間にも次々とパーティーが強制転移させられてくる。


「さあ、残りパーティーもダンジョンにはいれ。」


ジジが合図をする。


「じゃあ、いくよ、みんな!」


「「おう!(はい!)」」


おれたちは自分を鼓舞して、ダンジョンに足を踏み入れるのだった。


おれたちの最終試験はこうしてはじまった。

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