天然 女神様
久しぶりに投稿させて頂きます。
文章など書き直しがあるかもしれません。
ガイも私も【フレイムウルフ】に襲われたことは話さなかったのだが、どうにもここの人達は過保護でお節介な質らしい。結局馬車に乗るまで監視付きになってしまった。
と言ってもヴィオラにずっと着かれるのはうっとおしいので、今はお昼寝という名目で部屋に篭らせてもらっている。念の為にスピネルに扉の番をしてもらい、インベントリーに入っていた獲得物をチェックしてみた。
魔石 炎石 (level1 ランクB) × 45
魔石 炎石 (level3 ランクA) × 1
フレイムウルフの毛皮 (level 2 ランクA) × 18
フレイムウルフの牙 (level 2 ランクA) × 20
やっぱり魔石が主だった。一個だけlevelとランクが違うのは、あの特殊個体の分だと思う。
大きかったもんね。これは、普通に売ってもいいレベルなんだろうか?やっぱり、オーキッドの街に着いたらそれ系のお店片っ端からチェックしてみよう。
相場とかって、もしかしたらギルドに所属すれば分かるのかな? でもお店をする訳じゃないし、普通にお金だけなんとかしようと思ったら冒険者始めたほうが早そうだよね・・・鉄板踏むのやだったんだけど。
はぁ、薬のことを街でチェックしてから、身の振り方を考えよう。
っていうか、この毛皮とか牙って何? ガイの話だと、たまに魔石が落ちるって聞いただけなんだけど。これはレアアイテムなの? いや、魔石自体がレアアイテムなんだから、これは何?
牙は青白いほどの白で、形も結構綺麗だ。細工をして革紐なんかつけたら、アクセとしても良さそうな感じ。そしてフカフカで毛足が長く、燃えるような赤い毛皮。・・・目立つよね、この色。何かに使えるのかしら? うーん、とにかく色々全部街に着いてからね・・・(丸投げ)。
インベントリーを頭の中で閉じ、一息つくとリュックからクッキーの袋とレモネードの入った陶器のピッチャー(創った)を取り出す。その匂いに惹かれてアンバーとスピネルの視線が集まった。思わず笑ってしまう。
「スピネルありがとう、二人共休憩にしてクッキー食べよ?」
シンプルなクッキーの入った袋を開けて、同じくリュックから取り出した木製のカップに冷たいレモネードを注ぐ。ベッドの上ではこぼしそうなので、ベッドサイドのミニテーブルにそれらを置いた。ポンと二人が人化したがスピネルは扉から動かず、アンバーがスピネルの分を運んでくれる。
私はベッドのに腰掛け、スピネルは扉にもたれたままで、アンバーは椅子に座ってにわかお茶会?が始まった。
サクサクとしたプレーンと紅茶入りのクッキーは、焼きたての美味しさのまま口の中で解ける。現実と同じ味になんだか安心した。
女神様、何してるんだろう? 私のメール、読んでくれてるのかな?
『ちゃんと読んでるわよ、新菜』
「うわぁ?!」
いきなり頭の中に声が響いてきて、思わず持っていたクッキーを投げてしまった。アンバーが事も無げにキャッチしてくれる。
『め、女神様?』
『そうよ、久しぶり、元気そうで良かったわ。エンデワースはどう? 楽しんでる?』
懐かしいと言うほど離れていたわけではないのに、込み上げてくる安心感からか薄っすら涙が浮かんでしまった。
『今地人の地ローシェンナに来てるんです。女神様は忙しくないんですか? 今大丈夫なんですか?』
『少し揉めてた世界があったんだけど、落ち着いたからもう大丈夫よ。当分は新菜と連絡が自由に取れるから』
『連絡? メールでですか?』
『メールででもいいけど、ピアスあったでしょ? 冒険者セットの中に』
『・・・アレ、連絡用のアイテムだったんですか』
『あら、内容の説明してなかったかしら?! したつもりでいたわ、ごめんなさいね』
焦ったような女神様の声。忙しかったんだもの、仕方ないよね。
『大丈夫です、特別装備だっていうのは判りますから・・・』
『じゃ、じゃあ改めて説明するわね』
女神様が教えてくれた装備の機能?は以下の通り。
チュニック&レギンス : 耐物理防魔 体感温度調節機能(エアコン付き?)
マント : 浮遊・飛行 回避 隠密(周りから見えないようになり、声も聞こえない)
ブーツ : 縮地(対距離を瞬時に縮める) 忍び足(音を立てない) 跳躍
手甲 : 様々な種類の武器の具現化 武器(命中確実化補正付き 属性魔力擊補正付き)
ピアス : 女神との直通話機能(通話時隠密機能付き)
ペンダント : 耐ステータス異常(病気や毒や麻痺にならない)
リング : 魔法の発動体 (魔法行使時、任意により効果が増加する)
リュック : 無限収納 重力無視 神域アイテムと共通使用可(リュックから神域にあるアイテムが出せる) 対防犯機能(奪おうとすると電撃が走る)
ベルトポーチ : 無限収納 重力無視 対防犯機能
大体の機能は以上らしい。
私も大概特別だったけど、装備も大概特別だね・・・。もはやエンデワースでは無敵だわ。
『あ、あと全部に言えることなんだけど、劣化防止・汚染防止で外見は好きに変えられるから』
『え?』
今さらっと凄いこと言われたような?
『見た目や触感が変えられるのよ。
例えば基本は淡い青のチュニックだけど、赤のローブや緑のドレスに変えたり出来るわ。
同じようにマントは短衣やフード付きにしたり、ブーツをスリッポンやサンダルやヒールに変えることも可能よ』
『凄いじゃないですか?!!』
武器は使わないけど、チュニックとレギンスとブーツがあれば、ファッション誌の ”これ着てみたいな~” がすぐ可能になるんだよ!! リアル自分のワードローブの中身少なさに辟易していたのだ、現実で欲しい・・・。
『他にも機能があるにはあるんだけど、また必要に応じて教えるわ。どう?なかなか使えると思わない?』
『・・・えぇ、とっても』
凄すぎて、目立つ要素しか思い浮かばない。普通に街に溶け込めるんだろうか?
『あ、あの、村の子どもに武器を使う所を見られちゃって、天使様とか言われたんですけど、エンデワースにおける宗教って、どうなってるんですか?』
『ん〜そうね、見られた事に対しては気にしなくて良いと思うわ。特別な子だって周りに知られた方が能力を隠さなくても良い訳だし、動きやすいでしょう?
むしろ、何か頼まれた時にそれを受けるのか。受けるのならば、どのようにしてそれをこなすかよね。何でも出来るからこそ、取捨選択する目と決断力が必要よ。
宗教に関しては、エンデワースは一神教【ニルギアナ神】ね。分かってるとは思うけど、新菜あなたの事だから。【ニルギアナ神】はエンデワースを創造し、見守っている神として信仰されてるわ。天使は、その【ニルギアナ神】の目となり加護を与えて回る存在として知られているの。使役している使い魔みたいなものかしら?』
『・・・アンバーやスピネルの事を言ってるような? 』
使い魔でも、使役してるつもりもなかったんだけど。いつの間にそういう情報が流れたんだろう。謎だらけだわ・・・。
『天使にしろ神にしろ、エンデワースにとって特別な存在を示す事には間違いないわね。人型達から見れば特別なんだって事を、寧ろ認識して行動を意識した方が良いんじゃないかしら』
隠すばかりじゃなくて、見せ方を考える っていう事かな?
特別が私の一部だっていう事を、自然に広められたらそれに越したことは無いけど・・・。
今まで、気を負いすぎていたのかな?もっと我儘になってもいいの?勿論節度は必要だけれど。
もう一つ気になっていた疑問も聞いてみる事にする。
『そう言えば、神域からエンデワースに来る時は場所は固定なんですよね?』
『いいえ、一度来たことのある場所なら、地図にマーキングすればそこに転移出来るわ。神域の門に選択肢が増えるはずよ。あら、伝えてなかったかしら?』
『・・・いいえ、初耳です』
焦ったようにバタバタし始める、女神様。どうしても誰かを彷彿とさせる。
やっぱり出来たのね、そして理解した。
女神様、天然確定・・・。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。




