〜お試し〜
いま俺達は、外へ出ている。
変身した王次郎に乗って・・・・・
「王次郎どお?・・・」
『ママー!ボクお空とべるんだねー!』
「うん・・羽は・・ないけどね・・飛べてるね・・・」
『のうニックよ・・・・どんな仕掛けなのじゃ?』
「ん?多分重力制御っていう類だとおもう」
『ほう重力とな?・・・なんじゃそれは?』
「んー・・説明出来るけどきっと理解できないよ?」
『・・そうかもしれぬが・・妾は少しでも知りたいのじゃが?』
「んー・・地上で物を手から放すと落ちるよね?」
『うむ・・当然落ちるのう・・・』
「それは、大地に手から放したものが引かれているからなんだ」
『?・・・それは、自然の動きであろう?・・・物が落ちるのは・・・』
「まぁ・・そうなんだけどね?それを当然として考えないで、見ると物が大地に引かれているって表現になるんだよ・・・要は物が大地に引っ張られる様な事を重力っていうんだ。」
『・・ふむ・・・そうか・・重力か・・ふむふむ・・しかし王次郎様は羽ばたきもせず飛んでおる・・つまり重力を受けていないと言うことかえ?』
「そうだね・・もう少し言うと、引っ張られる力と同じ力分を逆に出していると言えるかな?」
『ほう・・重力とは引っ張る力ではないのか・・・難しいのう・・・』
「うん・・結構難しい概念てきな話しなんでね・・余り簡単には理解できないはずだよ?」
『しかし、ニックは何処でそのうような知識をえて居るのじゃ?』
「んー・・そのへんは内緒なんだ・・多分主様曰くの制限ってやつがかかるとおもう・・」
『なんじゃその制限とは?・・・まぁ良い・・つまりは王次郎様は引っ張る力とは逆の力を出しておるということじゃな?』
「そうそう、話が早いそういうことだよ。」
『ふむ・・・しかし不思議じゃな・・・』
「なぁ?ニック・・これ・・」
「ん?どうしたニルス」
「いや、俺はなんでこんな空へ・・飛んでるんだろうと・・思ってな・・」
「ああ・・そうか、人間は空なんて飛べないしね・・確かに怖いだろうな」
「そう言うが・・お前は平気そうじゃないか?」
「俺も一人でとべるし・・普通の蜂よりもずっと高く・・あの月に近づくことも出来るよ?」
「・・・・・・そうか・・今わかったよ・・お前は人間じゃないんだな?」
「まぁ・・今はそうだけど・・素は人間だよ?お前と同じでね。」
「・・・つまりあれか?俺も人間じゃないのか?・・・」
「え?・・今更だろ?・・・どこの世界に生き返る人間がいんだよ?」
「いや、そうなんだがよ・・・・・・そうか・・俺はもう人間じゃないんだな・・・そうか・・・」
「なんだよ?じぶんが人間て思ってれば人間だよ・・そんなに違いはないさ」
「・・・・俺はあると思うけどなぁ・・・」
『ニック様・・あの・・私はどうすれば?』
「ああ・・・蜂妖精改ニーナ・・そうだな・・・ニルスもだが・・少し背中に意識を集中してみな?なんか感覚的に判ると思うけど・・・」
「んぁ?・・・背中?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?・・なんだこれ・・なんか腕が一本増えてるような・・いや二本・・いやなんだこれ?」
『なるほど・・これは・・羽ですね?』
「羽?・・・これが?・・・」
『はい・・蜂であった時の感覚がまだ有りますので・・これは確かに羽です・・しかし・・折りたたまれて背中の中にあるような・・そんな感覚ですね。』
「ニーナが正しい・・そうだよ・・羽が格納されてるよ・・つまりニルスお前も単独で飛べるんだ。」
「・・・マジかよぉ・・・・ホントに人間辞めちまったな・・・・」
『ニック様・・早速ですが・・開いて飛んでみて良いですか?』
「良いけど・・今の高度高いから・・落ちないようにね?」
『はい!・・・・フンッ!』バサッ!
「おおおおおお!マジだ!・・なんだよこれ・・俺もやってみるわ・・・・・フンッ!・・・・ブッ」
「すまん・・屁が出た・・」
「ちょ!お前!いい加減にしろよ!・・空で開けてるから臭わないかもしれ・・・・・・臭うじゃねーか!」
「はははw・・すまんすまん!・・本気でやるわ!・・・・フンッ!」バサッ!
「おおおお!すげぇ!・・なんだこれ・・羽ってやつの感覚・・なんとなくだが判るぞ?」
『ニルスさん・・こうやって、跳ねてから羽に風を当てると浮くような感じがえれますよ?』
「ほう・・」
「ホントだ・・・・新しい感覚だな・・・・しかし・・これは・・練習が必要そうだな・・・」
『私は慣れていますので・・・』
「そうか・・ニーナは蜂からの人間だったな・・俺も努力するか・・中々面白いオモチャだ・・」
「・・・ニルス・・それ・・オモチャじゃなくて・・お前の身体の一部だから・・壊すと痛いからな?」
「・・・・痛いのは・・いやだなぁー・・・」
「ニーナ!其のへんにしといて、他にも試したいことがあるんだ・・・」
『はい!』
「王次郎!・・この辺でおりれるところはあるか?」
『んー・・・・彼処かなー?どう思う黄土ちゃん?』
『そうですね・・彼処でしたら・・十分い広いスペースが有りますから・・王次郎様がその姿のままおりることが出来るでしょう』
『わかったー!ママー!あそこにおりるよー!』
「うん・・・まかせたよ。」
こうして、岩場と森の境目・・中々に広い場所に降り立つ。
俺らが王次郎の背中から地に降りると、王次郎が子供の姿へ戻る・・・そっちのがいいのかな?
「ママー!」
抱きついてくる王次郎を抱っこして、俺はニルスとニーナに少し持ち前の機能を確認してもらうことにした。
「二人共、一つ大きな機能を埋め込んであるんだ・・・これは、きっと使い勝手によっては便利だぞ?」
『どのような事が出来るのですか?』
「なんだよ・・その埋め込んだとか何とかって・・・」
「お前ら、王次郎の変身見ただろ?」
『はい』
「ああ・・・・・・・・えっ!?・・俺等も変身出来んの?」
「おー!ニルスは感が働くね・・そうだよ・・ただし、おれは設計しただけだ・・ある程度は法則を与えてるから判るけど実際に何処まで実現できてるかは知らないんだよ・・だからさ・・・変身してみてよ・・」
「ニック!・・・そう言うが・・どうやればいいかわからねーぞ?」
『んんんんんんんんー・・・・・・・・・はっ!』
・・・ほう・・・ニーナはなんとなく判るのかな?・・身体のあちこちが膨れ上がり、色が変わり、節々が出てくる・・・終いには・・・うんうん・・ナンバーズほどではないが・・かなりの大きさの蜂と人の間っぽい物に変身したな・・・・こう言えば判るかな?二本足で直立する蜂・・腕が二本しか無いが・・羽はちゃんとある。
「げぇ!なんだよ!その姿・・・・・キメェ!」
「おい!ニルス!女性にキメェはねーだろ!あとで謝っとけ!それよりお前もするの!ほら・・さっさと!」
「お・・おう・・・え?・・・・俺もあんな感じになんの?・・・」
「いいからさっさとやれよ!・・試すことは他にもあるんだからさ・・・」
「お・・おう・・・・・・んんんんんんんん・・・・・・・・・・はっ!・・ブッ!」
「ニルス!てめぇ!いい加減にしろよ!・・お前の屁くせーんだよ!」
「わりぃわりぃ・・どうも力みすぎると・・できちまうな・・・」
「んんんんんんんんんあああああああ・・・・・はぁんっ!」
気合と共に身体が隆起していき・・変身を完了する・・・・こっちのは、完全に仮◯ライダー・・・みたいだな・・・スマートでシュッとしてる・・・・
「ん?・・・おお・・なんだ?なんかニーナと違うぞ?」
『ニック様・・なぜ違う形に?』
「ああ・・俺の趣味で・・・・・変えさせてもらった・・・」
「・・ニック・・俺が言うのもなんだが・・・このスタイルはニーナ向けじゃねーか?」
「いいんだよ・・・それで・・・・・戦闘力というか戦いや隠密には防御より機動性を重視したほうがいいだろ?・・そのためだよ。」
「・・そうか・・・」
『では・・ニック様・・私とニルスが手合わせすると・・どうなります?』
「え?・・十中八九・・・ニーナに軍配があがるとおもうよ?」
『ほー・・・・ニルスさんでは・・一度てあわせを・・・・』
「断る!・・・・おれは戦闘向けじゃねーんだろ?」
「ああ・・だが・・一様身体の調子を見るためにも手合わせしてみろよ。」
「マジかょ・・・・・」
『ニルスさん・・ぼやぼやしていると痛いですよ?・・・・・・・・・・・いきますっ!』
「ちょい!・・まって・・まてって・・・!」
ニーナが拳を握り振り抜く・・・それを綺麗に避けるニルス・・・当たったら洒落聞かない威力だな・・・しかし、やはりナンバーズよりは力が足りない・・・ふむ・・・
ニルスは順調に避ける・・そのウチ慣れてきたのか・・チョイチョイ手を出し始めてる・・が決定打にはならない・・・手加減かな?・・・・・・いや・・あの顔は本気だな・・・・
しばらく、見ている。
「ママー!二匹はなにしてるのー?」
「んー?身体を動かして遊んでるんだよ―?」
「!・・・王次郎もあそぶー!」
王次郎が俺の腕から飛び出しニルスとニーナのもとへ駆け足で向かっていく・・・
「ちょ!・・王次郎!・・だめだって!」
俺が止めに入るより先に王次郎が、ニルスに飛びつく。
「ちょ!・・なんだお前!・・こっちくんなよ!・・・・・・・ちょ!・・わっ!」
飛びつく王次郎に動きが止まったのか・・隙が生じ、ニーナのパンチがニルスの腕を捉える。
バツンッ!
中々に鈍いおとが聞こえる・・・・ありゃ・・腕いっちまってないか?
「ちょ!・・いてぇ!・・洒落になんねー!」
『気を取られるのがイケないんですよ!』
「だけどよー!」
「こんどはー!ニーナちゃんにアターーーーック!」
『!王次郎様!・・いけません!・・・・拳が・・・戻せない!』
ベシャッ
・・・・・・・・・・王次郎・・その姿でも防御力・・・・最高かっ!
・・・・・・・ニーナ・・ご愁傷様・・・・その腕あとで治しておくからさ・・・勘弁してやって・・・
『っツ・・・・・相変わらず王次郎様は凄いですね・・・・・』
「ママー!ボク倒したよー!」
「うん・・ダメって言ったのに・・・・・・・まぁいいか・・・・ 王次郎!こっちに戻りなさい!」
「はーい!」
「・・・まぁいい・・取り敢えずだが・・怪我を負ったんだ・・・治療・・・・いや・・そうだな・・」
「二人共・・魔法のことに関して頭に思い浮かべてみろ・・・」
『まほう・・ですか?・・・・魔法、魔法・・・・・!』
「なんだよ・・魔法って・・・・・・・・んお?・・・・・・・ほう・・・・コイツはすごい・・・・へー・・・」
「二人共わかった?・・お前らにこれから治癒の魔法を使ってもらう・・自分の傷をそれで癒やしてみろよ」
『やってみます!』
「ああ!・・念願の魔法か・・一度は使ってみたかったんだよな・・・・」
・・二匹は何やら黙り始めて・・・なにやら考え事をしている様子だ・・・
『・・・・・・・・よしっ!・・・・ニック様・・見ていてください・・・・・【ライトヒール】!』
・・・すると魔法独特の光が患部に輝き・・・・・徐々に腕のへしゃげた傷の一部が、癒えていく・・・
・・・ライトヒールっつったか?・・・・つまりヒールにもグレードがあんのか・・・そうか・・
「おお!・・ニーナすげぇな!・・もう使えるのか!」
「こうしちゃいられねぇ・・・・・・・・おし!・・・【ライトヒール】!」
今度はニルスの腕がみるみる癒えていく・・・・
・・ふむ・・どうやらうまく言ったみたいだ・・・知識を与えて使うための考察をさせれば使いこなせるようだな・・・
「どおだ?なかなか便利だろ?」
『これは、素晴らしいですね。』
「ああ・・こりゃ・・出来ることがかなり増えるな・・・・」
「さて・・他にもあるんだが・・・・お前らの傷完治してないよな?・・・・・一度巣に・・・・・ん?」
『ニックよ・・どうしたのじゃ?』
『ニック様?』
「ママー!なんか近づいてくるよ―?」
「おお・・王次郎も索敵できるのか・・こりゃいい」
「なんだろー?・・・・・・・・沢山いるよー?」
「ああ・・・こりゃ・・オークだな・・集団か・・10匹・・前後・・いや12匹か・・・」
『ニックよ!・・オークじゃと?・・・あやつらは中々死なない・・タフなやつらじゃ・・・しかも醜悪で・・』
『ニック様!・・どうしたら・・・・』
「え?・・・・んー・・・ちょうどいいじゃん・・・殺っちまおう・・纏めて王次郎に乗せて巣の餌にしよーぜ?」
『そうんな!・・・多勢に無勢じゃぞ?・・・・・・・・・・・・・いや・・そうでもないのか・・・・・・ニックがおるしな・・』
『王次郎様もおります!』
「何だ何だ?・・・なに騒いでる?」
『どうしましたか?』
「ああ・・オークの集団がこっちにきてる・・迎え撃つよ?」
「マジかよ・・オークは、一匹でも中々厄介だぞ?・・あの外皮と脂肪で剣がとおらねーしな・・」
『ニック様・・つまり・・これもテストなのでは?』
「ニーナは感が良い・・そうだよ・・・前もって広範囲の索敵は掛けていたんだ・・・・本題は餌の確保・・狩りだったんだけどな・・ちょっと方向性がずれちまったw」
「ママー!ボクもオークやっつけるー!」
「・・・・餌芋虫はなしだよ?」
「ぇー・・・・・・王次郎の演技へたー?」
「いや・・そうじゃなくてだな・・・・王次郎は十分餌芋虫にそっくりだけど・・今は、ママと様子をみようよ」
「うん!ママと一緒ならいいよー!」
「ってことだ・・・・・・お前ら二人で殲滅してちょーだい・・むりなら俺がやるから」
「おいおい・・簡単にいってくれるな・・・・」
『わかりました!・・・魔法も使って良いですか?』
「ああ・・全力をだしていいよ。」
『はっ!』
「ったく・・しゃーねーなーっ!」
ニルスが悪態をついて振り返るとそこにはオークが12匹ズラリと並び手に手に武器を持ち鎧まで着込んでいる。
こっから見ると・・武器は剣・槍・ポールアーム・・・・弓?いや、クロスボウだな・・ありゃ・・
鎧は、鎖帷子とあれは・・スケールメイルだな・・頭にも金属製のヘルムをしている・・用意周到だな・・
・・しかし・・こんな完全武装のオーク集団がなぜこんな所に居るんだ?
「それじゃ!・・・・いくぜっ!。 おりゃああああああああああああ!」
『いきます!』
二人が突っ込んだ!
っとその時。オークから声がかかった。
『ちょ・・・ちょっとまってくれ!・・・・』
・・・・・ん?なんだ?なんで念話?・・・・ってかなにいってんだ?




