〜結構大事な話っぽくきこえる〜
俺は今、自室で王次郎が蛹になっている横で、白氷と側仕え、黄土様の三匹に向かい話をしている。
「えっとね。さっき女王陛下に話したんだけどさ」
「どうも、この巣はオワコンっぽくてね、イノベーションが必要なわけなんだよ。わかる?」
『・・・妾には、ニックが何を話しているのかさっぱりなのじゃが?黄土はわかるかえ?』
『・・私も・・わかりません・・そもそもアームズが去ったということさえ今聞いたばかりですから・・・』
「まぁ、それでだけどね?北に在る人間の都市をもらっちゃおうっていう話になってね」
「申し訳ないんだけど、交渉役をお願いしたいんだよね・・・」
『のう・・黄土よ・・ニックは、ここまで支離滅裂じゃったか?』
『・・・以前も意味不明な言動が多かったのですが・・これはさすがに私も・・手助けできかねますね・・・』
「なんだよー・・人がせっかくちゃんと話してるのにさ・・」
『のう、ニックよ・・もう少し順序立てて話してくれぬか?』
『あの・・・私からもお願い致します。』
「ふぅー・・・まず、この巣がオワコンな理由だけどさ・・」
『すまぬ・・そのオワコンとはなんじゃ?』
「あー・・そっか、えっとね。この巣が今現状では、食料を生産するのにアームズがいたために狩りが行えなくて、備蓄が底をついた形になってるでしょ?」
『うむ、母上にATPとやら使い食料を生産するように進言したのは、妾じゃしな・・・その辺は心得ておる・・』
「そうか・・白氷が・・そうか・・」
『・・?なにかまずかったのかえ?』
「いや、そんなことはない、むしろ女王陛下に進言してくれて助かったよ・・色々とね・・」
『・・ふむ・・・』
『ニック様、この巣が食糧難であるのはわかりました・・それがなぜ人間を襲うという結論へ?』
「順番に話すね。」
「まず食料難なのは、アームズがいたから・・だけじゃないんだよ・・そもそも消費が急増してしまって、この巣周辺の獲物だけでは近々、達行かなくなることはわかってたんだ・・」
『・・・なぜじゃ?・・・まだ余裕は在るように思おておったが?』
『私もそう思ってました・・まだ、先のことだと・・』
「この籠城がなければ・・まだ先の話だったんだけどね」
「ただ、言いにくいんだけど、籠城の際に防衛装置を起動したでしょ?あれでこの巣に蓄積していたATPを消費しちゃったんだよ。さらに残り少ないATPをさらに消費しちゃったからもうカツカツでね・・・」
『ニックよ・・・妾はまだ、知り得ておらぬが、ATPとはなんぞ?』
『そうですね・・私も聞いておきたかったのですけど?』
「んー・・簡単に言うとこの巣や皆のエネルギー源のことなんだ・・・」
『つまりじゃ・・ATPがなくなると・・妾達は・・生きていけぬということかえ?』
「ええ・・まぁそうなりますね・・」
『ニック様!・・・じゃぁ・・この巣はもうすぐ死んでしまうと?』
「そうなるね・・・」
『・・・妾が食料生産を進言したせいなのじゃな?・・』
『姉様!・・そんな!この巣の皆を思ってのことじゃないですか!』
『・・いや、よい。 たしかに妾は先を見ておらなんだ・・』
『姉様・・・』
「別に白氷のせいじゃないよ。むしろ俺的にはナイス判断だとおもってる。」
「どっちにしても近い将来ATPがなくなるんだ・・なら早めに行動できるようにしようとおもってね・・その切っ掛けができただけでもいいよ。」
「それにATPが無くなってもしばらくは皆いきていけるけど・・」
「ヘキサがまず機能停止するんだ・・それにともない、この巣の働き蜂や狩人蜂が全滅する・・その後、自己生産が行えない兵隊蜂から順番に死んでいくことになるんだけど」
『・・・では・・ニック・・ATPを人間から奪うという事になるのじゃな?』
『・・・姉様?・・・』
「白氷は察しがいいね。そういうとこはとても好きだ。」
『・・そうか・・・』ポッ
『・・・』
「まぁ・・カツカツなら他所から持ってくればいい・・だけど、それだと有限の資産でしかないじゃないか?」
『・・うむ・・・』
『・・奪う以外の方法が在るのですか?・・』
「そこで以前、女王陛下に進言していたんだけど・・人間の都市を丸々いただいて、人間達を飼育して、食料とATPを生産してもらうんだ!」
『!!はぁ?・・・そんなこと・・人間が許すはずないじゃろう?それではまるで、家畜ではないか・・』
『ニック様!・・・・そんな酷い行いは・・・いけないと思います!』
「まぁ、心情はわかるけどね?この巣の全員・・正直言うと俺と王次郎、あとナンバーズ以外の・・・命はそれにかかってんだよね・・」
『・・ニックが含まれないのはわかる・・が・・なぜ王次郎とナンバーズは含まれないのじゃ?・・・』
『・・なぜ?・・王次郎様は・・・』
「厳密に言うとね・・王次郎はソードヘッドの一種だけどこの巣にいるソードヘッドとは全く違うんだ・・・自分でプラント持ってるんだよあの子・・だから餌を食べれば、自分でATPとADPのリサイクルを行って自分で完結できるんだよ・・だから餌をあんなに食べるんだ・・」
『・・・ナンバーズもその機能があると?・・・』
「そう・・そして・・人間にも・・普通の動物にもついてるんだ」
『・・つまりじゃ・・妾等がその機能を獲得すれば済むことではないのかえ?』
『・・そうですよ・・・』
「そーしても、今度食料がそもそも足りなくなるんだ・・」
『・・では・・どうやって!?』
「そこで・・人間を飼育して食料を大量に生産する方法が必要になるんだよ・・人間は農業をやってるからね・・」
『・・・しかし・・飼育・・家畜として人間が良しとするとおもうのかえ?』
『・・そうですよ・・・人間を侮ってはなりません!・・人数も多い、それに頭も良く回ります!・・束になってかかられたのでは・・私達でも勝てません!』
「まぁ・・そこでね?二匹に説得役をお願いしたいんだよ・・・」
『ニックよ!それは無茶じゃ!・・・妾は何より人間の言葉すら知らぬし、そもそも声はでぬぞ?どのように交渉するのじゃ?』
『そうですよ!私の美声も念話あってのものです・・声はだせません・・』
「だから・・・姫達にファンクション使いたいんだよ・・・」
『・・・そうか・・そういうことなのじゃな?・・・妾は・・むしろ願ってもない機会じゃ・・・黄土はどうするのじゃ?』
『・・・私は・・・元々ファンクションで健康になる予定でしたから・・・構いませんが・・・』
「でしょ?ただ・・赤熱さまと深緑様にはこんな話しても理解できないしさ?下手すると怒るでしょ?」
『いや・・赤熱は怒らんと思うぞ?・・・深緑は・・気にしないタイプじゃ・・』
『そうですね・・姉様方の中で一番気難しいのが白氷姉様ですから・・』
『・・・それを妾の前でゆうのか?普通は・・・』
『ええ・・結構な間ではないですかw』
『まぁ・・そうじゃな・・。しかし・・妾達は人間についてあまり詳しくはない・・其のへんはどのように?』
「ああ・・えっと以前捕まえて処理しちゃった3人いたでしょ?」
『・・話にはきいておるが?』
『ああ・・其のようなことが有りましたね・・』
「あの中に一人、協力者が出たので再生しちゃおうと思うんだ・・いろいろ制約付けてだけどね」
『・・・・・ニックよ・・・普通は死者は蘇らんのだぞ?・・・それを・・・』
『まぁ・・私が言える立場ではないので・・・』
「まぁ・・いいじゃん。ヘキサ様様なだけだしね?」
『まぁよいが・・その者は?』
「ああ・・ボークスっていう奴でな、人間の雄・・男性だ・・俺の目から見てもそこそこ良い感じの中年だな・・ワイルドな親父ってかんじだ。」
「それから蜂妖精も復活させようと思う・・手が足りないしな・・」
『妾では不足かえ?』
「いや人的・・虫的数が足りなすぎる・・もちろん。白氷にも重要な役をまかせるのだし・・」
『そうじゃな・・交渉か・・妾はそれほど他と話す事には成れておらぬがな?』
『でも・・姉様は気が利くし・・私なんかより理解力も有ります・・交渉には必須かと・・』
『そういうものか・・・』
「まぁ・・そんなとこだ・・」
『所でニックよ・・アームズの本体じゃが・・どのくらいでこの巣を目指してくると思おておるのじゃ?』
「んー・・・多分・・1年かな?・・そんくらい・・もっとかかると思うけどね・・」
『ほう・・そんなに先なのかえ?』
「うん・・多分、本体はもっと数も多く、足の遅い者が多数いるし、この巣に対する備えの準備にもじかんがかかるだろう・・だって・・奴等の部隊が一瞬で消えるのを見たわけだからさ・・」
『それをやったのは、ニックじゃろう?・・・』
「まぁ、そうなんだけどね?・・でも次も俺がでるならと考えるだろ?」
『まぁ、そうなるな』
「なら俺を倒す為の準備はすると思う・・多分無理だけどねw」
『・・・ニックよ・・・其の方が自らへ施術したそのファンクションじゃが・・・どのような変化というか・・改造をおこなったのじゃ?』
「え?随分話がとぶんだな・・・・・・・んー・・・・どー言えば良いのかな?・・」
『秘密にするのも良いが・・妾達の間で知らぬとは・・あまり良い傾向ではないと思うのじゃが?』
「そうだな・・・白氷・・いや、黄土ちゃんにも話しとこうかな・・・」
『・・・・私にもですか?』
「うん・・王次郎にも関わるからさ・・いろいろ有るんだ・・制限とかもあるんでね・・」
「んっとね・・取り敢えず、俺は人間をやめちゃったわけだね・・一様人間ってことにしてるけど・・」
『簡略化しすぎだ・・・ちゃんと話すようにせい・・』
「まぁ・・そうだな・・兵器と大量に詰め込んだだけなんだよ・・後は・・食料・・食べ物が有ればほぼ永久的に生きていけるようにしたんだよ・・」
『・・永遠じゃと?・・・寿命が無いということかえ?』
「そうだね・・不老不死・・そんな感じだね・・多少の損傷もすぐに治るよ・・・」
『・・・それは・・』
「まぁ・・こんな施術しちゃうから成功率10%以下って成ってたけど・・本当は・・0.1%も無かったんだよ・・」
『くっ!・・やはり・・・失敗するのではないか!・・・・しかし・・それで成功したというのは・・・』
「主様がね・・成功させてくれたんだ・・まぁ俺の運でも力でもないよ」
『そうか・・では主様にはお礼を言わねばな・・』
「主様は・・しばらく戻らないと思うよ?・・ちょっと立て込んでるのかもしれないしね・・」
『・・のう・・ニックよ・・主様と其の方は・・同類だと母上が申しておったのじゃが・・』
「全然同類じゃないよww・・多分、主様のがずっと偉い・・下手するとこの世界や神なんかよりも偉い存在だからね・・・」
『なんと!・・妾は主様が神だとばかり・・思おておった・・・』
「神・・か・・多分・・システム的な事を考えると・・この世界の神よりももっと外の存在だよ・・具体的には神様を作った連中の仲間って言うと話が早い・・」
『・・・其のような・・・』
「まぁ・・俺は、その主様が選んで・・選んだのかな?ガチャで引いただけかもしれないけど・・・主様の眷属っていうほうが正しいかな?」
『・・・・・・眷属・・そうじゃ・・眷属とはなんじゃ?』
「んー・・自分の個人的な仲間みたいに思っておくと良い・・例えば、女王陛下から見ると、白氷も黄土ちゃんも眷属だ、他にも働き蜂も眷属だね・・一族というとわかりやすいかな?」
『ふむ・・では・・妾とニックの間に産まれる子供は?・・妾の眷属となるわけかえ?』
「・・・・突然・・話しがおかしくなったけど・・まぁ・・そういうことだね・・」
『・・・のう・・・ニックよ・・・・その身体でならば・・』
「・・・申し訳ない・・今は無理だ・・いろいろと・・今回の人間牧場計画はこの巣を人間の都市に移転する事が命題なんだよ・・だから・・少し時間かかっちゃいそうだしさ?」
『そうじゃな・・今言うようなことではなかったか・・すまぬ・・少々焦ったところが有るのやもしれぬ・・』
「さて・・話し戻すけど、不老不死の他にも色々と兵器を積んだんだよ・・」
『ふむ・・その兵器が・・あのナイトアームズを屠る力ということかえ?』
「そうそう・・あの兵器の他にも眷属を大量に仕込んでてね・・それを使うと、都市一つくらいならすぐに手に入るんだ・・だから今回の件もそんなに大事にはならないよ・・むしろ問題が起こるのは統治し始めてからだな・・・」
『ふむ・・・』
「俺の考えでだけど、統治の根幹は女王陛下に任せようと思うんだ・・この巣を守ってきたわけだしね・・ただ、統治してないエリアとかに対しての対処とか、多分勢力を広げる時に必要に成るのが交渉役なんで、他にも人間たちとの繋がりとかにも役が回ってくると思うよ?・・今みたいに此の巣だけで完結するようなことはなく成るから相当忙しいからね?」
『そうか・・いや・・妾には願ったりじゃ・・』
「それと、多分さっきの話しみたいに俺との子供を作ると、女王陛下みたいな形の社会構造は難しくなるからね?人間よりの構造になると思うから・・・其のへんも勉強しないといけないかもしれない。」
『うむ・・善処しよう』
「あと、王次郎の事にも繋がるんだけど・・王次郎は、んー・・・」
『あの・・ニック様?・・先程、ソードヘッドと違うけど一族と言って居られましたが?』
「そうそう・・まぁ・・元を正すとね?この星に飛来した・・たぶん昆虫系の人類がこの星で繁殖するために手近な昆虫を操作して作り上げたのが初代なんだよ・・まぁ・・少し違う意味もあるんだけどね・・」
『なに!・・妾一族は・・其のような生い立ちなのか?』
「そうそう・・それでね? 世代を重ねるごとにこの星のというかんー・・劣化に近い状態が続いちゃってね・・現在に至るんだ・・」
『・・つまり、妾等は初代の頃より劣るということかえ?』
「まぁ・・機能的な所でそうだね・・だって、寿命が王子で5年だしね・・本来不滅の工場なんだからさ・・永続的に工場を拡大して生産量を上げていく・・そういうのが目的のはずだよ?」
『・・そうか・・確かに女王種・・つまり妾等の寿命はほぼ300年じゃしな・・』
「うん・・それで、王次郎だけど・・」
『王次郎様は・・・何なのでしょう?』
「王次郎はほぼ原種・・つまり初代とほぼ変わらない存在なんだよ・・」
『!・・・・・・では・・王次郎様との子は・・・・・・望めないのでしょうか?』
「今のままだと無理なんだけど、これもそこそこ危険度が有るけど、ファンクションで黄土ちゃんも王次郎に近い種にしてしまう・・つもりなんだ・・其のほうが良いでしょ?」
『願ってもありません・・王次郎様と一緒でしたら、私は構いません。』
「そう言ってくれてありがとう・・それでね? 王次郎が原種なのは分かってくれたけど、王次郎は、異星人が乗ってこの星に飛来した舟と同じ・・いや近い種なんだ。つまり乗り物ってことだね。」
『・・・・・・・・・・・・・舟?』
「ああ・・えっとね。舟っていうのは海なんかの水に浮く乗り物のことなんだけど・・星々を渡る乗り物も舟っていうんだ・・で、通常は機械なんかで出来てるんだけど、この種の根幹がどうも生物を基軸にしているらしくてね・・その舟も機械ではなく虫だったみたいなんだよ・・」
『・・では・・王次郎様はその・・乗り物ということでしょうか?』
「まぁ・・そう言ってもいいけどね?」
『・・・ですが・・王次郎様は・・』
「黄土ちゃんの危惧するところも解るけどさ?・・王次郎は王次郎でパーソナルを持ってるから別に気にしなくていいよ?どんなに形が変わろうが俺のカワイイ息子だよw」
『そう・ですね・・そうですね。私にとっても大切な・・番です・・・』
「そう言ってくれて嬉しいよ。」
「って感じのネタバラシみたいになってるけどさ?・・今後のやる事は依然としてかわらないからさ?」
『そうじゃのう・・妾も・・ファンクションでニックに近づかぬと子孫を残せないということであろう?』
「おー!流石に察しがいいね・・そうなんだよ・・」
『ふむ・・王次郎の種はわかった・・じゃが・・ニック・・肝心の其の方の種は人間ではなく成ったのじゃろ?・・・其のことについては?』
「・・・いわないとだめ?・・」
『強制はせぬ・が妾も近しい存在になるわけじゃろ?・・聞いておきたいものじゃ・・』
「そうだよな・・まぁ・・俺がこの身体に使ったのが王次郎の一部も利用しているって聞いたら・・」
『・・つまりじゃ・・其の方も原種に近いのじゃろう?』
「まぁ・・そう思ってくれていいよ・・遠からずだしね。」
『ふむ・・わかった・・・』
『あの・・ニック様・・此の話は母様には?』
「ああ・・これから話しに行くよ・・断片だけしか話してないけど・・主様も少しは話してる気配あるしな・・それにどうも王次郎の事自力で嗅ぎつけてたし・・さすが女王陛下だよ・・暇を持て余していないわなw」
『ニックよ・・母上を其のようにううでない・・あれでも妾の親じゃ・・大切なのじゃよ?』
「そうだったね・・まぁ・・女王陛下には俺も育ててもらってるし頭があがらないわけだけどw」
「さて・・そろそろ、ナンバーズも羽化する頃だと思うから・・・女王陛下に話した後、研究所へ向かうよ」
『うむ・・妾はついて行こう・・』
『私は・・王次郎様の元におります。』
「黄土ちゃん・・今調べたら、王次郎は明日には羽化すると思う・・ソロソロ意識も戻る頃だからさ・・話しかけておいてよ・・寂しがるだろうしね」
『わかりました!』
「うんw」
「ほいじゃ行ってくるね。白氷いこう。」
『うむ』
それから、俺は女王へこの話しをして、研究室へ向かったのだった。
女王は薄々分かっていたらしく・・多分主様から少しは聞かされていたのだろう・・あまり驚かなかった・・それよりも、人間の都市を手に入れてそこに住むと言うことが余り理解出来ていないようだった。
・・・ふぅ・・まぁ・・最終的には女王も種を変える事に成るだろうけどね・・・




