〜準備終了か?〜
ふむ・・それにしてもニックよ・・・
何故人間である其の方がここまでするのじゃ・・・
いくら考えても煮え切らぬ・・皆目見当がつかぬ・・
さて・・ニックの事は白氷に任せよう・・
それにしても白氷・・わずかの間であるはずが・・
ここまでニックに思いを寄せるとは・・理解に苦しむのじゃ・・・
まぁよい・・まずはこの巣最大の危機が迫っておるのじゃ・・
たしか・・ニックがマップとやらの使い方を覚えておけといっておったのう
(ヘキサよ。 周辺マップとやらをみせてたもれ)
(はい 周辺マップを表示します。)
おおおおお・・・何じゃこれは・・・すごいのじゃ!
・・・・・ふむふむ・・・
(ヘキサよ 周辺マップとやらで、何処にどの者がおるか表示できぬか?)
(出来ます。 ソードヘッドを表示しますか?)
(うむ してたもれ)
ふぉおおおおおおお!すごいのじゃ!何じゃこれは!・・・ふむふむ・・白氷は”時の記憶”から一歩も動いておらぬな・・・
赤熱は・・何じゃアヤツ・・・巣の中を歩き回っておるのか・・・ふむ・・・
深緑は・・部屋じゃな・・
王次郎は・・ん?・・・黄土しか表示しておらぬようじゃ・・・はて?
・・・ニックは言うておったのう・・王次郎は妾の卵を元に生み出したと・・・
しかし・・ソードヘッドの種族には入っておらぬということかえ?
・・・ふむ・・・なぜじゃ?
(ヘキサよ。 王次郎とは何者じゃ?)
(検索中・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・失敗)
(申し訳ございません。個体名王次郎の詳細が検出出来ませんでした。)
・・・どういうことじゃ?・・・
(ヘキサよ。 王次郎について解る範囲で良い妾におしえてたもれ)
(個体名王次郎の知り得る情報を箇条書きで表示します。)
冠名:王子
固有名:王次郎
種族:昆虫型艦
階級:戦艦
権限:艦長補佐
ソードヘッドとの遺伝的一致確率90%
(以上に成ります。それ以上の情報には制限が掛けられておりヘキサ権限による情報の閲覧も拒否されました。)
(・・・ソードヘッドとは90%も一致しているようじゃが?)
(通常の遺伝的一致率は99.996%から0.01%未満の誤差に成ります。10%もの不一致を確認したためソードヘッドと認識できません。)
うぬぬぬぬぬ・・わけがわからぬ!・・・どういうことじゃ!
(ヘキサよ! 王次郎は妾の子かえ?)
(検索中・・・・完了。 はい。)
・・・ソードヘッドでない妾の子・・・判らぬ・・・どういう仕組みじゃ!
んんんんんんんんん!ニックよ!なにをしよった!・・・・・くっ!
妾は力いっぱい頭剣を振り回さずには、居られなかったのじゃ。
ドごおおおおおおおおおおおん
がんんんん
・・・・・
・・・・・・・・・・・
『のう・・左の・・女王様が・・・ご乱心である・・・』
『誠よ・・右の・・女王様の乱心は・・何時ぶりか・・・懐かしい』
『左の・・それどころではない・・あの乱れっぷり・・今までに見たことがない・・』
『誠よ・・王子が拐われた時よりも激しい・・』
『荒ぶってるのう・・左の・・』
『誠に荒ぶっておるのう・・右の・・』
『『・・・・・・・・・』』
『少し離れておるか?』
『そうしておこう』
我らは少し女王様の部屋から離れて任務にあたることにした。
『王次郎様?それはなんですか?』
『んー?・・・これはねーあるじのおじちゃーん』
『はて・・・このように大きい方でしたか?』
『んー?あるじのおじちゃんはーおおきいよー』
『はぁ・・そういうものでしょうか・・・?』
今現在、私の目の前には、主様を象った物が置かれています。
・・・この形は・・私が知っている主様とは全く違う形・・・しかし、王次郎様は主様だという・・・
まぁ良いでしょう、王次郎様は私には見えていないものも見えている様子が有りますから・・
恐らく、主様のあの姿は偽りであるのかもしれません・・
『王次郎様・・ニック様は今何処でなにをしているのでしょうね?』
『んー?・・・どこだろー?』
『王次郎様はニック様と居たいのではないですか?』
『ママわー・・今おしごとしてるよー・・王次郎もおおきくなったらママのお手伝いするの!』
『そうなのですね。さすが、王次郎様です。ニック様も喜びますね』
『うん!』
それにしても白氷姉様・・私に此の度の戦で王次郎様をコントロールせよとは・・無茶ではないですか・・・私一人では、王次郎様のご機嫌を取るのが精一杯だというのに・・・
何にしても私もこの巣の一員ですから・・全力は尽くしますが・・
王次郎様に言うことを聞かせることが出来るのは・・ニック様のみです・・・
ニック様・・どちらで戦の準備をしておいででしょうか・・不安で仕方ありません。
(黄土よ。聞こえるか?白氷じゃ)
(姉様!・・姉様もインプラントをお付けになられたのですね?)
(うむ・・)
(いかがなさいましたか?)
(・・・・・のう・・黄土よ・・王次郎様は元気にしておるか?)
(王次郎様ですか・・?ええ、何時もどおりですが?)
(そうか・・・)
(あの・・姉様・・何か有りましたか?・・・ニック様と喧嘩でもしたのでしょうか?)
(いや・・喧嘩なぞしとらん・・・・・ただ・・)
(ただ・・?)
(王次郎様には言うでないぞ・・・・・)
(?・・はい・・・・・?)
(ニックが此度の戦で最終手段という物を用意すると言っておったのじゃが・・)
(ええ・・それは聞いております。)
(どうも、己の身体をファンクションにより改造することでなし得るようなのじゃ・・)
(・・え?・・つまり・・ニック様はいま蛹になっていると?)
(うむ)
(姉様?蛹になるのは作り変えるために必要な事なのだそうですよ?ナンバーズも変化する際に蛹に成ったではありませんか?なにか他のことでもありましたか?)
(・・・ニックは・・そのファンクションでの変化を早める為に培養槽という設備に現在入っておるのじゃ)
(はぁ)
(さらに、ニックが使ったファンクションは成功率10%以下の物らしくてのう・・・失敗しよると消えて無くなってしまうらしいのじゃ・・・・)
(えっ!・・・・・・・・・・そんな!・・ニック様が?・・・なぜ?)
(妾にも判らぬ・・・じゃが、この設備に入ってしまうと・・完了するまで外に出ることが出来ぬようじゃ・・)
(じゃぁ・・・)
(うむ・・妾はニックの側で見守る他無い・・)
(しかし!姉様・・いざ戦になりましたら兵を指揮しなければなりませんよ?)
(うむ・・分かっておる・・母上にもヘキサの使い方を少し成らず教えて頂いた・・インプラントも利用できよう)
(では・・現場には・・私と王次郎さまが?)
(いや・・妾も行く・・ただし、王次郎様がニックを見つけれぬことで乱れてしまわぬよう・・気を使っていてもらえぬか?)
(・・・わかりました。・・・・しかし姉様・・多分成功するとおもいますよ)
(!なぜじゃ!・・なぜいいけるのじゃ?10%以下じゃぞ?)
(えっと・・・恐らく、ニック様と王次郎様は繋がっていると思われます・・・・心でというか・・)
(王次郎様はニック様が居なく成るとすぐに泣いてしまわれますが・・今はそんな素振りを見せておりません・・恐らくニック様は無事なはずです・・)
(ふむ・・・そうか・・・王次郎様がうらやましいのう・・・)
(ええ・・私もニック様と王次郎様のように心を通わせる事ができればと・・常々考えて入るのですが・・まだまだのようで・・)
(黄土は、本当に立派になったのう・・妾はニックと会ってからというもの己の小ささにまいってしまうのじゃ・・)
(姉様はこれからニック様と仲を深めればいいではないですか?)
(うむ・・しかしなぁ・・妾のわがままとはいえ、騙したようで・・)
(ああ・・一緒に外へ出た件ですか?・・・私も知りませんでしたが・・)
(妾は以前から知っていたのじゃ・・)
(まぁ!・・では、姉様がニック様に告白したようなものなのですね?)
(告白!?・・・・そうじゃな・・)
(姉様はニック様にちゃんと好きですと告白はしていらっしゃらないのですか?)
(う・・うむ・・恥ずかしゅうてのう・・気持ちを伝える機会を仕損じてしもうたのじゃ・・)
(では・・ニック様がお戻りに成った時に姉様からしっかり気持ちを伝えねばなりませんね?)
(うむ・・・・・そうじゃな・・・・気持ちをか・・そうじゃな・・・・)
(黄土よ・・すまぬな・・此のような愚痴まがいな話をしてしまい・・申し訳ないのじゃ)
(いいえ・・自分のことでも有りますから・・・気にしないでください)
(うむ!・・少し元気をもらえたようじゃ。感謝する。)
(姉様、今回の作戦ニック様なしでもしっかり勤め上げることが出来ると良いですね。)
(うむ!・・では・・切る。)
(はい)
白氷姉様・・・なぜそんなにニック様を気に入られたのでしょうか?
・・・私も確かに初めてお会いした時は、なんとも思っておりませんでしたが・・
今と成ると存在感と言いましょうか・・・ニック様にお願いすればと・・頼る気持ちがあるのも事実です・・・
・・・難しいですね・・・
夜がくる・・・日が落ち森の木々の根本、苔生しる地に光が灯る。
ソードヘッドの巣は依然として緊張状態を維持していた。
女王の配慮により、一般の兵隊は何時でも出ることが出来るよう早めに睡眠を取り終えている。
不眠不休で狩りを行っている狩人蜂達以外は、巣で待機しており、自爆蜂達は掃除蜂を体内に取り込み何時でも爆破を行えるようジッと時を待っていた。
そんな中、研究室では、ファンクションによる蛹化を終えたナンバーズ達が思い思いに雑談をしている。
『なぁ・・7よ・・お頭おそくねぇか?』
『ゼロ・・あんた・・蛹の度に口調変わるの悪い癖だよ?』
『ねぇねぇ!みて!あたし全身、真っ赤!かわいくない?・・フォルムも少しかわったみたいだけど?』
『9、あんただけじゃないよ・・・あたしだってピンクだもん。かわいっしょw』
『7、おめぇこそ口調かわってねぇか?』
『そ・・そかなぁ〜?』
『あの、皆さん。 ここにある武器らしきもの・・これがニック様が言っていた装備品とかいうやつじゃないですか?』
『なんだよ10・・おめぇ真面目だな』
『そうですかね?・・・それよりこれ誰がどれを持つか決めてはいかがですか?』
『そうだな・・・じゃぁ俺はこの剣がいいな・・小振りだが4本同じものがある・・こりゃ纏めて使う感じなのか?』
『そうですね・・私も・・この筒にしますか・・・解析すれば用途もわかりそうですし・・なぜか惹かれます。』
『じゃぁあたしはこれ!・・・デッカイ槍!・・なんかこれ・・盾もついてない?』
『いいなぁ・・あたしはどれにしよう・・・じゃぁあたしはこの大きな剣でいいや』
『その剣一本しかねぇぞ?大丈夫か?』
『そーかなー?でもなんか見た目よりずっと軽くて使いやすそう・・・』
『へー・・そんなもんか・・・』
『おい!6は何を選ぶんだ?』
『ボ・・ボクは・・ナイフでいいです・・・』
『お前は口調かわってないな・・ってか薄暗いとすぐ見えなくなるが・・黒いからか?』
『ボクは・・これで、相手の息の根止めます・・・必ず・・・背後から・・・』
『・・前言撤回だ・・お前中身まで黒くなってねぇか?』
『必ず・・必ず・・・フフフ・・・・息の根・・フフフ』
『こ!こわっ!・・6が怖い子になってる!』
『なんか・・性格までかわっちゃうの?』
『其のようですね・・私も一人称がオレでしたが・・私のほうが言いやすく成っています・・』
『これもニック様の仕業なの?』
『どーだろうな・・・・まぁ・・いいじゃねぇか・・EMPとやらに耐えることが出来るんだ・・強くなたんだよ』
『そう言えばミウとムウは?』
『・・・まだ蛹なんだけど・・?』
『ホントだ・・蛹・・ってかさ・・二人で一個の蛹って変じゃない?』
『変だな・・どうやったんだ?』
『まぁこれもニック様がやったんだな・・きっと・・・』
『まぁいいじゃねぇか・・・』
『皆さん・・・これはどういうことでしょうか・・・』
『なんだ10?』
『気づいてますか?・・・我々何気なく装備を手にしていますが、フォルムが変わったどころではないようですよ?』
『ああ?・・・・・・なんだこれ・・・なんでツメが5本?・・・いや・・ツメが途中で曲がりやがる・・なんだこれ?』
『ホントだ・・・まるで、人間の手・・・・』
『人間!?・・・・・確かにそうかもしれない・・・どういうこと?』
『恐らく、ニック様は物を器用に使いこなせるよう改造したのではないでしょうか?』
『そうなのか・・しかし・・・・・・・・うん・・そうかもしれねぇ・・剣がしっくりくる・・頭に有ったときは取り回しが難しかったが・・これなら十分行けそうだ。』
『ホントだ!・・・なんか素早く複雑に振れる!』
『あたしは・・持つだけっぽいんだけど・・・』
『あああああ!・・・・・ナナフシが!・・・・・』
『どうした!10』
『す・・すみません。・・ちょっとビックリしてしまいました。・・・・・』
『おおお・・これは・・・』
『はい・・ナナフシも手の要素が入ってるようです・・・何故かこう・・一本一本器用に動かせるみたいです・・・』
『すげーな・・・』
カカカカカン
ジュインッカカッ!
『なんだ?・・・6・・それなにやってんだ?』
『フフフ。ナイフは最高だぁ・・・・』
『6!怖いからやめて!・・・・ナイフ投げるものじゃないでしょ!』
『そうよそうよ!ってかあんた何本ナイフ持ってんのよ!』
『フフフ・・ナイフでアームズどもの喉を掻っ切ってやる!』
『『・・・・・・・・・ひぃ・・・』』
『・・6はほっとこう・・・ダメだ怖すぎる・・・』
『それにしても・・こんだけやったんだ・・きっとアームズなんて100や200来ても俺は負ける気がしねえんだよな・・』
『そうよね・・でもまだ本物のアームズとは戦ってないから・・わからないわよ?』
『そーそー・・・もし、新たなアームズが出てきたらどうするの?』
『其の点については、恐らく大丈夫でしょう・・とナナフシの検査で分かっています。』
『そうなの?』
『はい。 どうも我々の体はアームズの体の構造を元にニック様が新たに構築しているようですから・・それに装甲をとっても元になったシールダーに比べ5倍は硬いそうです。』
『へー・・じゃあ傷一つ付きゃーしねーってことか?』
『どうでしょうか?・・・恐らく装甲だけでしたらそうでしょう』
『ほー・・まぁ・・実際は実践で確かめる他なさそうだな。』
『そうね・・・・』
『しかし・・それにしても腹へったな・・・働き蜂に言って食事にするか?』
『さんせー!』
『あたしもー!』
『ほかのやつらは?』
『私もいただきます。・・・恥ずかしいのですが・・頗るお腹がへっておりますから』
『ボ・・ボクも・・』
『じゃぁきまりだ!食うぞ!』
こうして、宴会が始まるのだった・・・・・。




