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〜白氷の準備〜


妾は白氷

ニックの番である。


此度の戦に際し、指揮を任された。

しかし、何から手をつければよいか・・・


『姉さん!アッシ等どうしたら良いでしょう?』


ふむ・・ナンバーズのまとめ役・・ゼロといったか・・

確か小奴等にはファンクションを与えるのであったな・・

・・しかし、妾は何時から「姉さん」と言う呼び名になったのじゃ?不愉快な・・


『其の方等は、ニックより預けられたファンクションを使うのじゃ』

『わかりやした・・で・・この色がついてるやつでやすね?』

・・・色・・か・・聞いておらぬが・・どうせ同じ物じゃろう・・適当で構わぬ・・さっさとせい。


『うむ、さっさと服用するのじゃ』

『へい!』


『おい!お前ら!飲むぞ!』

『ゼロは何色が良い?』

『あたしは、赤がいいな・・』

『ぼ・・ボクは・・何でも良いです・・』

『オレは、この青を頂きたい。』

・・・・小奴等は・・本当に纏まっておるのか?


『おい!お前ら好き勝手にとるんじゃねぇ・・・くじで決めよう。』

『やだよ・・そんなのあたしが黄色なんてまっぴらごめんだわ』

『そーだよ!あたしだって黄色やだもん!赤がいい!』

『ボクは・・・緑がいいです・・・』

『では、オレは青で決定だな?』

・・・時間が過ぎる・・・早うせい!此の後、妾は色々とヤルことが有るのじゃ


『ねぇねぇ・・ムウ・・7つない?・・あたし達の分かな?』

『あたし達にも戦わせるのかな・・?』

・・んむ?・・ああ、そうじゃった。双子にも与えるのであったな。


『ふむ。双子よ・・確かミウとムウといったか・・どちらがどちらか判らぬが、其の方等は他にも服用する物が有る。 待っておれ・・・・、側仕え、これでよかったな?』

『ええ・・そのファンクションを同時に服用し、抱き合う様に蛹と成れと言っておりました。』


『そういうことじゃ・・・』


『決まりやした!アッシが紫でやす。』

『あたしが、ピンク』

『あたしは赤!フフフ、ラッキー』

『ボクは・・黒になっちゃった・・・』

『オレは青を死守しました。』


『ムウ・・あたしは、黄色・・』

『ミウ・・あたしの緑と交換しようか?』

ニックよ・・小奴等を良く纏めておったな・・・関心じゃ・・


『皆、それぞれいきわったかえ?』

『『『『『『『はい!』』』』』』』


『うむ、では、早う服用して蛹になるのじゃ・・よいな?』

『『『『『『『はい!』』』』』』』

声はよう、揃うのじゃな。

まぁ・・良い、さて次は、小奴等の装備品とやらを運び込むのじゃな・・


『其の方等、妾はこれより其の方等の装備品とやらをこちらへ持ってくる・・静かにしておれ』

『『『『『『『はい!』』』』』』』

うむ・・良い返事じゃ・・関心関心。


『側仕え、装備品を取りにゆこうぞ』

『畏まりました。』

・・側仕えよ・・此のタイミングは恐らく「はい!」じゃ・・・まぁ強制はせぬが・・


妾はニックが指定しておった倉庫成る部屋へ向かったのじゃ。

『・・・・側仕えよ・・どれを持っていくのか覚えておるか?』

『ええっと・・・恐らく、コレと・・これ・・他にもこの辺のものではないでしょうか?』

ふむ・・・しかしこれらをニックが作り出しておったとは・・関心じゃ・・・しかし何時作っておったのじゃ?

まぁ良い・・それよりも、此の装備品とやら・・巨大過ぎるのじゃ、妾と側仕えでは支えることも出来ぬ・・


『困ったのう・・』

『外の兵隊を動員いたしましょう。』

・・側仕え、本当に気の利く奴じゃ・・評価を少し情報修正じゃ。


兵隊達を動員することで、指定を受けておった品々を研究所へ運び入れ終わったのじゃ。

・・ふむ・・アレはどう見ても剣じゃな・・確かにナンバーズは剣を失っておった・・その補強かのう?

しかし・・なんじゃろうか?あの筒のようなものは・・他と比べると少々小さいのう・・アレでは剣の代わりにならぬのではなかろうか・・?


まぁよい、妾が慮ることではないな・・・

次に行くとするのじゃ。


『黄土おるか?』

『姉様・・あれ? ニック様は?いかがなさいましたか?』

『おねえちゃんだー!ねぇねぇ!ママわー?』

ふむ、黄土には話してもよいが・・・・王次郎へは、発言に注意しろと言うておったからのう・・どういたそうか・・


『王次郎様少々、ニックはおやすみしておいでじゃ、すぐに戻るとのことじゃ気にするでない』

『はーい!』

『姉様?』


『うむ、黄土よ少し妾と話すとしよう』

『・・はい。』

『王次郎様。ゲイジュツは進んでおるか?ニックも心配しておったぞ?』


『!うん!ゲイジュツするー!がんばるー!』

うむ・・こう言えば一人で遊び呆けると言っておったからのう・・


『では、黄土よ・・外で話すとしよう。』

『はい』

・・・黄土よ・・此の後苦労を掛けるやもしれぬ・・すまぬな。

『側仕えよ、王次郎様に付き添うておくれ』

『はい!』

・・・側仕えよ・・此のタイミングは「畏まりました」じゃ・・


・・・・・・


ふぅ・・黄土とは一通り話を終えたのじゃ・・・

次は、赤熱じゃな・・ふむ・・コレでは時間が勿体無いのう・・

そうじゃ!・・ニックより渡されておったインプラントとやら・・

確か母上もソレを利用することで通信なる離れた場所とも話せる物じゃったな・・・

付けて見るかのう・・・


・・・ふむ・・姿見が無いので似合うかどうか・・判らぬが取り敢えずはコレで良いかのう。

(あーあー・うぉほん。 赤熱よ聞こえておるか?聞こえて居れば返事をせい)

(ん?・・だ・・だれ?・・・・なにこれ?なんで頭に姉様の声が・・・)

(うむ、聞こえておるようじゃな。これはニックが其の方にも用意しておるインプラントというものじゃ)

(あー!あれねー!・・あたしも早く欲しい!)

・・・ふむ・・妹よ・・お主は今の巣の状況を理解しておらぬな・・


(赤熱よ。今宵遅くにアームズが襲来するのじゃ。)

(アームズ?なにそれ?)

・・・赤熱よ・・お主も始めの作戦会議におったじゃろう?・・覚えておらぬのか?


(まぁよい。今夜は其の方は側仕えと共に部屋で待機しておることじゃ・・決して外にでるでないぞ?)

(?・・・う・・うん・・・なんで?)

(其の方は覚えておらぬようじゃから話をしても意味がない・・取り敢えずは待機しておれ)

(うん・・わかったー)


・・・ふむ、困ったやつじゃ・・・

しかし、このインプラントとやらは相当便利じゃ・・これは良い物じゃな・・続けるのじゃ。


(深緑よ聞いておるか?白氷じゃ)

(あれぇ〜?おねぇさまぁ〜どうしたのですか〜?)

・・いかん!・・小奴・・酔っておる・・

(深緑よ・・酒は辞めたと聞いておったが?)

(フフフ・・やめられませんでしたぁ〜)

(そうか・・・では、そのまま飲んだくれておれ)

(ん〜?は〜ぃ)


・・・深緑はこれで良いな・・・


さて、次は母上か・・


(母上お聞きでしょか?)

(ん?・・おお!白氷!お主も通信が出来るように成ったのじゃな・・どうじゃ?便利じゃろう?)

(ええ・・誠に便利な物であります。)


(うむ!・・して、何用じゃ?)

(ニックよりの言伝が有るのですが・・)


(ふむ・・なんじゃ?)

(今夜の戦での事ですが、やはり、逃げる準備だけはしていてほしいと言っておりました。)


(ふむ・・アヤツは本当に気を回しすぎじゃ・・・)

(私もそう思います。)


(のう、白氷)

(はい)


(お主はニックのどのような所を見初めたのじゃ?)

(一言で申しますと、知識でしょうか・・それに・・番になって僅かですが・・意外に優しいのですよ)


(ふむ・・そうじゃな・・しかし白氷よ・・ニックには聞かれたくなかった為、話には出さなかったのじゃが・・アヤツは恐らく主様と同族の者ぞ・・・気おつけやれ。)


(・・・・主様ですか・・・私は余り知りませんが・・・)

(ふむ・・そうか・・主様は恐らく我らの神に列なる者じゃ・・意を同じくしておる内は友好的じゃがそうでなければ、ニックのような者を差し向けてくる・・恐ろしい存在じゃ・・ゆめゆめ忘れるな)

(・・・・はい。)


(うむ・・それだけかえ?)

(いいえ、まだ有ります。ヘキサに頼み、”巣の周辺マップ”とやらを頭に叩きもんでおけということでしたが・・・)


(ふむ・・ヘキサか・・・相わかった。)

(それとこうも言っておりました。アームズが襲来した場合、もし交渉ないし接触を試みる場合に備えて工場長権限で通訳の装置を作っておけと・・・)


(ふむ・・妾はまだヘキサの扱いには疎くてのう・・どうしたものやら・・)

(それでしたら私がご一緒いたします。)


(ふむ・・そうか・・白氷はニックに付き添い少しながらでも学んでおったな?)

(はい)


(わかった。今から向かおう)

(私も向かいます)


妾は”時の記憶”へ向かうことにしたのじゃ。


『妾はこれより”時の記憶”へむかう。ついてまいれ』

『はい。畏まりました。』

うむ、それがベストな返事じゃ・・ヤレば出来るのじゃ。


・・しかし、インプラントを付けてから側仕えの視線がおかしい・・

まぁ似合っておるはずじゃなぜならニックが選んだからじゃ・・フフフ



”時の記憶”の前で、母上と合流出来たのじゃ・・・

『母上、中へ入りましょう』

『うむ』


妾は中へ入って驚いたのじゃ・・

今まで見たこともない大きな円柱状の柱が聳え立ているではないか・・


『母上・・これは何でしょうか?』

『う〜む・・妾もわからぬ・・ヘキサにでも聞いて見るかのう』


(ヘキサよ。この柱はなんじゃ?)

(はい 個体名ニックがファンクションの完了速度を上げるため利用している培養槽です。)


『なに!・・・ニックがじゃと!?』

『・・・・母上!』


『母上!ヘキサはなんと?』

『恐らく先程言っていた、最終手段の備えなのやもしれぬ・・・コヤツ中で蛹になりよった。』


『では!・・・ニックは自分の身も作り変えると?』

『うむ・・まぁ・・コヤツ今に始まったことではないが・・・既に触覚を持つ為一度蛹に成っておるからのう・・』


『初耳です!』

『いわなんだか・・・すまぬ。』


『しかし・・これは・・・』

(ヘキサよ。 ニックはどのようなファンクションを投与したのじゃ?)

(申し訳ありません。シークレットモードを起動しているため情報開示が行なえません。)


(工場長である妾にも開示できぬのか?)

(申し訳ございません。工場長より上位の権限内容が実行されています。情報開示には上位者の了承が必要に成ります。)


『・・・どういうことじゃ!』

『母上!・・・』

『どうやらニックは妾より上位の権限を有しておるようじゃ・・この巣最高権限である妾にも開示できぬようなのじゃ・・・』


(ヘキサよ。 ニックは何時羽化しよる?)

(はい 計算中・・・・失敗)

(確定時間の算出に失敗いたしました。)

(ヘキサよ! どういうことじゃ?!)

(現在、個体名ニックが行っている行為は成功率10%を切っているため確定した時間を算出、出来ませんでした。)


『!・・・・なんじゃと!10%!・・・・・・・・それでは失敗するではないか!』

『失敗?・・・・ニックは?ニックは戻ってくるのですか?』


(ヘキサよ! ニックが失敗した場合どうなるのじゃ?)

(はい 死亡の後、利用可能部分は資源へ、利用不可能な部分は廃棄されます。)


『なんじゃと!・・・・コヤツそこまでしよるのか!・・・・・』

『母上!!!母上!』


『馬鹿めっ! コヤツ成功率10%以下のファンクションを自分に投与しよった!』

『えっ!・・・・・・・・・・・・・・うそ・・・・・・』


『ニック!なにを考えておるのじゃ!ぐぬぬぬぬぬ・・・』

『ニック・・・・・』


『母上!・・失敗したら・・出て・・・くるのですか?』

『・・・・・・・・・・・・でてこぬ・・・廃棄されよる・・・・・・・』

『!・・・・・10%以下・・・・失敗確定ではないですか!』

『だから言っておるのじゃ!・・コヤツは馬鹿じゃ!くぬぅ・・・・』


『母上!今からでもコレから出してはいかがですか!』

『・・・うむ・・やってみる・・』

妾の前で母上の頭剣が円柱状の柱へ振り下ろされたのじゃ。

・・・・・・

・・・どう言うことじゃ・・・なにも音が出ぬ!


『すまぬ。・・どうやら妾の剣でも傷一つどころか微動だにせぬ・・・』

(権限工場長、冠名女王。施設への破壊行動は控えてください。)

(くっ!・・・。ヘキサよ!ニックの行為は中断できぬのか?)

(申し訳ありません。中断には工場長よりも上位の権限が必要に成ります。)

(さらに、中断した場合。100%の確率で個体名ニックが廃棄されます。)


『ぐぬぬぅ・・では放置しろということかえ?・・・・・』

『無理だったのですか?・・・』

『中断をすると廃棄されるそうじゃ・・・』


『・・・・・・・・・・・わかりました!・・私は待ちます!・・』

『母上!・・ニックが言っていた通訳の装置を頼んでおいてください・・私は・・ここで待ちます・・・』


『白氷・・お主・・・それほどにニックを好いておったのか・・・?』

『はい・・最初は人間などろくでもないと思っておりました。・・しかし、ニックは違いました、もう我らの同族・・いえ・・家族と言ってよいほど我らの為に尽くしてくれています・・・ソレに・・・私はニックに未来を見ましたから・・・・』


『・・・・そうか・・わかった。』

(ヘキサよ 妾でも使える通訳機とやらはあるか?)

(はい ソードヘッドが利用出来る通訳機が有ります。製作には6時間ほど掛かります。消費ATPは5kgです。)

(ATPとやらのことはよく判らぬが・・妾には作れるか?)

(はい 製作可能です。製作を行いますか?)

(うむ・・頼む)

(ソードヘッド用翻訳機の製作を開始します。完成まで6時間です。)


『白氷よ・・製作を頼んでおいたのじゃ・・・出来上がるには6時間かかるとのことじゃ』

『わかりました。母上・・・お戻りください・・・・』

『うむ・・・・ニックによろしくと伝えてほしいのじゃ・・・』

『はい・・・』


妾は母上を見送り・・ニックが入っている柱を見上げて過ごしたのじゃ。



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