閑話〜目覚めたら・・・〜
「う・・ううん・・・ん・・・・・」
何だここは?・・・・・神殿?・・・・・
俺は上体を起こし周りを見た。
「なんだここは・・・?」
俺の視界に広がるのは縦数十列以上、横数え切れないほどの寝台に横になる人々の姿だった。
明かりは薄暗く、天井は見えない・・いや暗くて見えないのか?
「なんだここは?・・・・。俺はどうなった?・・・・・たしか・・」
俺は都市専従の狩人・・それが俺の役目であった。
しかし、さっきまで、狩りをしていたはずだ・・
なぜ俺はここに・・・こんなところで寝ていた?
・・・あれ?装備品もない・・弓は?矢筒・・何処だ?
・・ってか・・服も来てない・・素っ裸だ・・恥ずかしい・・
「おい!・・誰か居ないか?・・誰か!着るものをもってきてくれ!」
「・・・っち・・だれもいやしねぇ・・」
「しかし、なんだここ・・ここに寝ている奴等・・どうした?」
・・・・ん?・・・アイツは・・たしか木こりのドヴァン・・ドワーフ組合のやつだ・・アイツもここで何している?
俺は寝台から足を下ろしドヴァンに詰め寄ろうとしたが・・足に力が入らない・・
突然崩れ落ち顎を打っちまった・・いてぇ・・
なんだ・・全く力がはいらねぇ・・くっそ・・
しかたなく、上体を起こし寝台へもたれかかったまま・・しばらくじっとしていた・・
・・足の感覚・・少しずつ戻ってきている・・・動かせるようだ・・立てるか?
・・くっ!・・・少し不安だが・・いけそうだ・・・・
寝台に手を付き、何とか立つことが出来た・・
俺は少しずつ足を引きずるように前へ進む。
「おい!ドヴァン!しっかりしろ!・・なんでこんなとこで寝てる!?」
「おい!起きろ!」
ドヴァンの寝台へ着いた俺は、ドヴァンを揺すった。
・・だめだ・・起きない・・・殴ってみるか?ドワーフなら殴る位どってことないだろ・・
「おい!ドヴァン!しっかりしろ!・・」ガンッ!
・・・・
「いてぇ!・・・ん・・ん・・んお?・・・クリストなにしてる・・・?なんで殴った?・・・ん?ここはどこだ?」
「起きたか!」
「クリスト・・お前こんなとこで何してる?・・俺は・・?」
「そうだ!・・木を切って・・そして・・枝を間引いてる最中だったはずだが・・どういうことだ?」
「ドヴァンもか・・俺もだ・・鹿を追っていて・・気づいたらここに居た・・」
「ふむ・・・」
「ドヴァン立てるか?」
「んあ?ああ・・」
ドヴァンが寝台から足を堕ろす・・と・・崩れ落ちた・・
「いっっつううううう・・・足が言う事聞かねぇ・・」
「やっぱりか・・・しばらく、寝台にもたれかかってろ・・少ししたら歩けるように成る。」
「ああ・・。 しかし・・ここは?何処だ?」
「俺もそう思ってな・・」
「ん?・・この床・・こりゃ・・石じゃねぇぞ?・・・なんだこの素材・・金属でもねぇ・・」
「ああ・・なんだか知らんが何処かの神殿何じゃねぇかな?」
「あ?・・なんで神殿なんかに・・・俺等死んだのか?」
「どうだろうな?・・」
「しかし、神殿にしちゃぁ飾りっ気もねぇな・・」
「ああ・・それに明かりだ・・あんな明かり・・見たこともねぇ・・」
「ん?・・ほー・・・ありゃ魔法か?・・いや・・魔法の明かりにしては温かみがなさすぎる・・」
「・・まぁ、こうしててもしかたねぇ・・。どうだ?足動きそうか?」
「ん?・・ああ・・すこしゃー力が入るように成った・・歩けはしそうだ」
ドヴァンが立ち上がると寝台に寝かされている人々が目に入る。
「おい・・クリスト・・こりゃいったいなんだ?」
「俺も聞きたいよ・・なんだろうな?」
「それにしても広い神殿だ・・こんな構造では・・というか柱さえねぇぞ?どういうこった?」
「ああ・・おれもそう思ったんだ・・このくらいの神殿なら柱が多数必要なはずなんだが・・」
「クリスト、それよりここで寝てる奴等起こすのか?」
「・・人数がな・・多すぎるだろ・・・一度外への出口だけでもみつけねぇと・・どうにもならないと思うがな?」
「わかった。一緒に行こうか・・」
俺はドヴァンを連れ、部屋の壁を探した。
それほど時間を置かずに壁は見つかった。
出口を見つけるために壁伝いに辿っていく・・一周したところで思ったことが在る。
・・扉が無い・・
「おい・・この部屋・・扉がないぞ・・どうなってんだ?」
「クリスト・・この部屋変だぞ?・・・扉どころじゃねぇ・・部屋の形が六角形だ・・しかも正確にな・・」
「六角形?・・六角形の神殿ってことか?」
「いや・・そうじゃねぇ・・こんなに正確な角度でコレほど大きな建物を立てる技術は・・ドワーフにすらない・・」
「どういうことだ?」
「こりゃ・・相当ヤバイところだ・・神殿なんて代物じゃねぇぞ・・」
「・・・・マジかよ・・・」
「クリスト・・扉がないっつったよな?」
「ああ・・」
「あそこの模様・・扉にみえねぇか?」
「・・ああ・・あそこだけ模様があるな・・」
「もしや・・魔法で開くんじゃねぇか?」
「・・・俺、魔法なんて使えないぞ?」
「そんなこと言ってねぇよ・・なんか仕掛けがあんだよ・・」
「ふむ・・いってみるか・・」
俺とドヴァンが縦3メートルは在る模様の場所まで来る・・
「で?・・ドヴァン・・どうすんだ?」
「俺に聞くなよ・・俺だった大した魔法はつかえねぇ・・解錠の魔法なんて盗賊でもないと覚えねえだろ・・」
「じゃぁ・・どうして来たんだよ・・。 っち・・言ってても始まらねぇか・・」
「ああ・・何か仕掛けがあるはずだ・・」
俺等は扉の模様をくまなく探った・・が・・・何も見つからない・・そもそも継ぎ目もない・・
「なぁ・・ホントにここが扉なのかな?」
「・・怪しくなってきた・・継ぎ目さえない・・どうやって中へ入るんだ?」
「魔法に・・転移っていうのが在るじゃないか?そんな感じ何じゃないか?」
「ありゃ・・相当高位の魔法だぞ・・そう簡単に使えねぇだろ・・」
「・・・じゃぁ・・似たような仕組みなんじゃ?」
「そんな仕組み・・古代の魔法帝国でも実現していない・・無理だ・・」
「ドヴァン・・意外に色々くわしいな?」
「あ・・ああ・・コレでも元は冒険者だからな・・」
「へー・・凄いな・・」
「なんでまた・・木こりなんぞになったんだ?冒険者の方が実入りがいいだろ?」
「・・まぁ、いろいろあるんだよ・・・いろいろな・・」
「そうか・・余り詮索はしないよ。 取り敢えずこの扉の仕掛け見つけないとな・・」
「ああ・・」
俺が模様の外側に何か印みたいなものが着いているのに気づく・・始めは模様の一部だと思ったが・・反対側には無い・・
「なぁ・・これ・・かな?」
「ん?・・ほうほう・・こりゃ・・古代語でかいてある・・開閉スイッチとな?・・これだな。」
「おお!じゃぁでれるのか?」
「恐らくな・・」
「よし!行くぞ!」
・・・・・・・
「おい・・どうやる?」
「俺に聞くな・・・」
・・・どうすればいい?・・・
・・開閉スイッチとやら・・・触ってもなにもおこらない・・・魔力でも注ぐのか?
「なぁ・・これ魔法なんじゃないかな?・・魔力とか注いでみればいけるんじゃね?」
「ふむ・・やってみるか・・・」
ドヴァンがスイッチに手を起き魔力を注ぐ・・・・・なんとも成らない・・・なぜだ!
「何も起こらんぞ?」
「じゃぁなんだろうな?」
俺達が思案して突っ立っていると・・・模様が動き出す・・・
・・・いけたか!正解だったんじゃねぇか!
様子を見ていると模様の中心から円の形に大きく開き始める。
穴が開いたように見えるな・・・・ん?・・・
扉の外・・穴から子供がコチラを眺めている・・・こいつは・・・亜人の子供だな・・見たこと無い亜人だが・・
「おい・・坊主・・なぜこんなとこにいる?」
・・・不自然だ・・なんとも言われぬ不気味さがあった。
「あれー?お前たち起きちゃったの?・・・薬の投与量まちがえたかなぁ?・・・」
「・・まぁ良いか・・お前達ちょうどい、ついてこいよ。」
「何だこのガキ・・ドヴァンどうおもう?」
「・・・・クリスト・・マズイ・・コイツにゃ関わらんほうが良い・・・」
「あ?なにいってんだよ・・」
・・・ドヴァンが全身から汗を垂れ流している・・・
・・そんなにヤバイのか?・・・コイツ・・・悪魔とかなのか?
・・しかし、俺の目には・・亜人のガキにしか見えない・・・
「お前ら外出たいんでしょ?・・来るの?来ないの?」
「ドヴァン俺はいくぞ!?」
「・・しかたねぇ・・俺もいく。」
俺はガキにについて歩き始めた・・廊下は物凄く簡素・・というか窓もなければ継ぎ目もない・・
どう見ても木材でもない・・・なんだここは?しかも一本道だ・・
天井にはとても明るい光が輝いていた・・しかし・・天井事態が光っているようだ・・見たここともない・・
「なぁ・・坊主・・ここは何処だ?」
「ん?・・あー・・お前らの言うところのグレートウォールの都市だよ?」
「ああ?・・俺はこんな神殿があんのなんてしらねーぞ?」
「うん、知らないだろうね。だって最近作ったんだしな」
「作った?・・・誰が?」
「誰がって・・俺しか居ないだろw・・いや違うな俺達か・・俺は設計しただけだがな」
「・・・・」
「クリスト・・余りしゃべんじゃねぇ・・コイツからはヤバイ臭いがプンプンする・・」
「なんだよ・・ドヴァン・・ただの子供だろ?」
「クリスト・・ただの子供がこんな流暢にしゃべるわけねぇ・・・」
「ホビットかもしれないだろ?まぁ・・確かに見たこともない種族では有るが・・」
「はははwドヴァンっていったか?あまり警戒しないでもいいよ。手を出さなきゃちゃんと外に連れてくからさ」
「・・・・」
「そうだ・・坊主・・お前の名は?」
「ああ・・ニックだよ。 確かお前はさっきクリストっていったか・・よろしくな。」
「ああ・・」
「なぁ、ニック・・・この神殿はなんだ?」
「神殿??・・・ここが?」
「ああ・・そうとしかおもえねぇ・・」
「ここは神殿なんて神聖な場所じゃないよ。 そうだなぁ・・言う慣れば・・実験棟?いや・・飼育施設?・・違うな・・なんだろうか?取り敢えずそんな感じのとこだ・・」
「実験棟?飼育施設?・・・・・」
「何を飼育してるんだ?」
「んー・・どう言えばいいかな?・・・」
「牛か?豚とかか?こんな立派な建物を作ると慣れば・・王国が関わってるはずだ・・であれば・・竜か?」
「んー・・」
「クリスト・・よせ・・・」
「何言ってんだよ?お前も知りたいだろ?」
「いいから・・よせって言ってんだよ・・・」
「ったく・・なんだよ・・」
「はははwドヴァンが正しいよwあまり聞かないでおいたほうが良い・・・聞いたらお前は俺を殺そうとするかもしれないしなw」
「・・・・・」
「なぁ・・ドヴァン・・お前知ってんのか?」
「いや・・知らんが・・予想はついてる・・・最悪だ・・口にもしたくない・・」
「・・・そんなにか・・・」
俺はそれ以上話さず黙ってついて行くことにした。しばらく歩くとまた扉があった。
「さて・・もう外につくよ。」
ニックがそう言うと扉の開閉スイッチに手をかざす。
すると、さっき見たように扉が開く・・俺等のときは開かなかったのに・・なぜだ?
扉が開くと街の風景が見える・・いつもの・・俺が住んでいた街だ・・
「ほら、どうぞ」
「・・・出て良いのか?」
「ああ、どうぞ?」
「ドヴァン・・・」
「出るしか無いだろ・・・」
恐る恐る、俺とドヴァンが外へ出る・・
街は静かだった・・あんなに賑やかだった街に誰も居ない・・どういうことだ?
・・あそこの食い物屋のババァはやかましくて有名だった・・
・・あっちの武器屋の親父は無口だが・・気の良いやつだった・・・
みんなどこいっちまったんだ!・・・
「なぁ!ニック!・・みんなどこいっち・・・・・・・」
俺は背後にいるニックに状況を聞きたく振り返って絶句した・・・
物凄く大きな建物がそこに有ったからだ・・今までに見たこともない・・
「ん?・・・ああ、他の皆か、処置が終わったらすぐに普通の生活に戻るよ。・・お前らが最初かな」
「最初って・・・」
「ニックとやら・・・俺らはこれからどうすればいい・・」
「んー・・しばらくはこの領土から出ないでくれれば普通に生活してていいよ。」
「・・・・先程、処置といったが・・・」
「ああ・・人間にはちょっと細工させてもらってね・・・俺達が必要なものを生産してもらう様にしただけだよ。」
「・・・生産?」
「まぁ、あまり言うつもりはないけどね・・。それに後2日もすれば皆外に出ると思うからさ・・それまでは寂しいかもしれないけどがまんしてよ。」
「・・・・皆出てくるのか?」
「うん」
「俺らは普通に生活出来るのか?」
「うん」
「まぁ、いつもよりほんの少し力が出なかったり疲労が出たりするくらいは、するかもしれないけどね。」
「・・・・」
「あ!そうそう」
「なんだ?」
「まだ何か有るのか?」
「この都市ってかこの領地は俺の物になったからさ、一様俺の仲間が頻繁に出入りしたり住んだりするけど・・あんまり諍いは起こさないでね?」
「・・・・・・・は?」
「・・・・」
そう言って俺が呆けていると、街の至るところから2メートルは有るだろうか?もっとか?
大きな蜂が大量に出てくる・・・其の瞬間俺は気を失った・・・・




