〜試合にすらならん!〜
眷属を作り終えた俺は、そのままATP集めを開始した。
眷属は自分の分身と言えるような物らしく、俺の思うように動くようだ・・
簡単に言えばペット?ロボット?そんなものだな・・・
蚊タイプの眷属は巣の外に出ては、木々や動物などからATPを僅かずつ集めていく集めたATPを今度は別の集積蓄積を主に行うダンゴ虫型の眷属へと集めてくる。
ダンゴ虫型の眷属は集めたATPをキッチンへ持っていくとそこで吐き出す。
そんなサイクルで、着実に俺が利用出来るATPが増えていった。
現在1時間ほどで、100gは取ってこれる。
しかし、効率から言うと時間経過で、ドンドン下がっていった。
外に出した蚊タイプの眷属が死亡して戻ってこないことが有り、着実にその数を減らしていく。
まぁ・・叩かれる程度で潰れるからな・・
取り敢えずGPSやEMPが作れる量を確保した時点で、採取は中止。
眷属を休ませることにした。
『”ヘキサ” EMPとGPS作るからお願い』
”はい 並行して製作しますか?”
『うん。』
”作成開始します・・・・・製作完了時間・・・・・
とまぁこんな感じでどんどん進めていった。
一通りのさぎょうが終わった後、研究室へ様子を見に行こうとすると、何故か白氷様も着いてくるという・・・なぜだ?
「白氷様・・・側仕えも伴わないで・・良いんですか?」
『かまわぬ。』
「そうですか・・・」
・・・・確か以前・・黄土様から王次郎を狙う為、俺を籠絡すると言ってたような・・?
しかし・・俺は人間だぞ?美的センスも違うだろ・・ってか蜂は・・・勘弁だ・・ギリギリ限界で蜂妖精なんだしさ?
俺は、研究室へ向かう道すがら少し質問をした。
「白氷様は、たしか番に求める条件に知識とか文化とかを求めてましたよね?」
『うむ。』
「やっぱり、頭が良いとかそういうのが魅力的に映るんですか?」
『そうじゃな・・一番は・・話をしていて楽しい・・もしくは尊敬できるという点が重要なのじゃ』
「ほう・・・では、別に強かったりする必要はないと?」
『ふぅーむ・・極論はそうじゃな・・じゃが、最低限健康であることや実力じゃろうか?丈夫であることは必須じゃろう・・』
「そうですか・・今回白氷様が育てようとしている番ですけど・・其の点はとても優秀だと思いますよ?」
『そうか・・それは、嬉しいのう』
「白氷様は、王次郎の事どう思います?・・・やはり魅力的ですか?」
『・・・・・ふむ・・・・・』
白氷様は一度立ち止まり、周りをキョロキョロした後、俺に向き直りこういった。
『妾は正直言うと、ニック殿には悪いが・・・王次郎を番とは選べぬ・・・』
「ほう・・どうして?」
『・・・妾は・・あまり大きな個体とは・・その・・・恐ろしゅうての・・・中々気が進まんのじゃ・・』
「ほう・・そうでしたか・・まぁ王次郎は・・その・・ナンバーズにも言われましたが、蜂の感性からするとやはり醜いのですか?」
『・・・そのナンバーズとやら・・良く生きておったの・・まぁ、有り体に言えばそういう事じゃ』
「なるほど・・」
「しかし、では何故、黄土様は王次郎にベッタリ何でしょうかね?」
『ふむ・・それは、妾にも判らぬな・・・じゃが、黄土の考えることも少しは解るつもりじゃ。』
「ほほう・・それは?」
『そうじゃのう・・黄土は、ほれ。 未熟で育ったじゃろう?健康で元気で明るく、精神年齢も似通った相手は通じやすいのだろうのう・・。それにあまり外には出ぬでのう・・同じ蜂と言う感覚は無いのかもしれぬ。』
「なるほど・・・勉強に成ります。 ・・・ささ!参りますか。」
『うむ。』
白氷様と色々話しながら研究室の前に来ると、中からミウとムウがでてきて迎える。
『ニック様!・・・呼びに行こうと思ってたんですよ!』
『ニック様!・・・蛹が・・・・ゼロと7が羽化しました!』
「・・・・・はやくね?」
『そうなんです!早いと思いました!』
『うんうん!・・でも・・前より・・なんか・・・怖い感じです・・・』
「・・・・まぁいいや・・中、見させて?」
『『はい!』』
俺が中に入ると後ろの方で、「あ!白氷様!」ってハモってる・・・
・・白氷様も入れていいよ・・・うん・・・
さてさて・・どうなって・・・・・・・・・そうか・・そうなったか・・・
『お頭!すごいですぜ!』
・・ゼロだな・・・・俺は何時から・・お頭になった?
『ニック様・・これは・・美しくないですよ・・・どうしよう・・・』
・・コイツが7か・・・美的センス・・・君とは違うのだよ!君とはね!
以前の蜂達は大体フォルムがふつうのスズメバチの様で、違うところと言えば剣が頭に刺さっている様に見えるところだったが・・・
ふむ・・ここまで形変わるのか・・ってか・・設計通りだな・・
『お頭・・すいやせん・・腹減っちまって・・・』
『あたしも・・おなかすいちゃって・・・』
「あれ?働き蜂がハチミツとか肉団子持ってきたんじゃないの?」
『いや・・くったんですがね・・足りないんですよ・・・こんな感覚は初めてなんですがね・・』
『そうそう・・お腹減って・・なんか、怒りっぽくなってるんです・・・』
・・・・ふむ・・・やはり燃費がわるくなってるのかな・・・王次郎みたいな事に成らなきゃ良いが・・・
「じゃあさ・・取り敢えずだけど・・・お前ら今一番何が食べたい?」
『そですね・・アッシは・・・肉がいいですね・・・』
『あたしは・・・植物かな?・・・』
・・・ほほー・・・面白い・・個性なのか?・・・趣向が違うのは・・・食べ物のことだしな・・体に影響が出ないとも限らない・・与えて様子を見るか・・・・
「わかった。それぞれ欲しいものを働き蜂に言っておく・・すぐ持ってこさせよう。」
『ありがてぇ』
『はやくね!』
・・・思いの外早く羽化してくれた・・・これで多分30匹のアームズが来ても大丈夫だろう・・・この分なら三日後には全員羽化終わるな・・・・
『ニック殿・・これは?・・・・・コヤツ等・・動画にでてきたアームズではないのかえ?』
「あー・・似てますよね? でも違いますよ。完全にウチの蜂です。」
『ほう・・・・・これは・・どうやったのじゃ?』
「ああ、えっとですね・・まだ、余りが有るからお見せしましょう。」
俺は懐にある袋からファンクションを取り出し見せる。
「これ、なんだかわかります?」
『?・・豆粒じゃのう・・・』
「これを兵隊蜂に飲ませると、蛹に変わり、体を作り変えてこうなるんです。」
『!・・・・すごいのう・・・・これもニック殿が?』
「作ったのはヘキサですよ。でも内容を設計したりしたのは俺ですね。」
『ふむ・・・・・・』
・・・・・・白氷様は、あれか?・・かなり好奇心旺盛なのかもしれない・・すごく興味を引かれてそうだ・・・こんな助手ほしいが・・まぁ無理だな・・姫だしw
・・蜂妖精早く復活させないと・・・
『のう・・ニック殿・・・此のような事が出来るのであれば・・・・黄土に施してはどうじゃ?』
「へ?・・・黄土様に?・・・・?どうしてですか?」
『ふむ・・詳細な話は聞いておらぬが・・黄土を再度誕生させる為の準備をしておるそうじゃのう?』
「はい・・恐らく、あまり長く持ちませんから・・・・」
『うむ・・であればじゃ・・・体を作り変えてしまえば良いのではなかろうか?』
「・・・・・・・・!・・・・・・・・白氷様・・・・・凄いですね・・・俺、考え至りませんでしたw・・・」
・・・そうだな・・そうすれば無理に命が尽きるのを見守る必要もない・・しかも此の分なら早い・・・
「俺・・白氷様・・尊敬します!・・凄いですね!・・そうですよ・・ファンクション使えばよかったじゃないですか・・・・・・」
『ふむ・・協力できなようで、よかったのじゃ・・・』
・・・ふふふ・・白氷様・・・ありがとう・・・中々よい収穫だった。
「そうなると・・早速・・取り掛かりたい気もしますね・・・・」
『じゃが・・今はコヤツ等の相手をせぬといかんのじゃろ?』
・・そうでした・・早くおわらせよう
「・・そうですね・・・・」
『早う・・終わらせることじゃのう』
「かしこまりました!」
「ゼロ・・取り敢えずだが・・いま動ける元気あるか?」
『ええ・・まぁ、大丈夫だとおもいやすぜ?』
「じゃあ・・・ちょっと外で兵隊蜂と模擬戦でもしてくれ・・肉団子もそこに運ばせるから」
『わかりやした。』
『ニック様!あたしは?』
・・・全員分やるか・・・・
「んー・・ゼロのあとで、7の様子も見るか。」
『わかったわ!』
「ほいじゃ表に行くか。」
『ニック殿・・・妾も一緒によいか?』
「ええ・・別に良いですよ?一緒に行きましょうか」
『うむ!』
「・・一様、不安を取り除く為に・・・ミウとムウ・・お前たちも様子を見たほうが良い」
『『はい!』』
俺等は、部屋を出てそこらの兵隊蜂を10匹ほど集め、働き蜂にゼロと7が欲している食事を大量に表へ持ってくるように伝えた。
門はまだ修繕中だ・・・こりゃ・・直すのに時間かかりそうだ・・門扉丸々消えちまったからな・・作るのにも時間がかかるだろう・・・
ゼロと7、ミウとムウ、そして兵隊蜂10匹を連れ、俺と白氷様は外に出た。
そこそこの広さが有る場所まで移動した後、取り敢えず対戦形式で少しづつやっていこうか・・
ルールとしては、参った形式のやつで・・死亡無しでやろう。
「そいじゃ・・模擬戦始めるけど・・まずは、ゼロ対兵隊蜂一匹からだな・・・」
俺が広場の中央で行司役だ・・・
「ゼロ、行けるか?」
『大丈夫でやす。』
「兵隊蜂さんは?」
『ふ・・剣も持ってない、ひよっこには、負けねーよ』
・・・あ・・これ・・こいつ負けるわ・・・フラグたてやがった・・・
「じゃあ・・・位置について・・・・」
『ゼロー!負けないでね!』
「ナンバーズになんかまけんじゃねーぞ!」
「では、模擬戦開始します。始めっ!」
俺は、速攻で、白氷様の隣へ戻る・・ここが一番安全だろうしな・・・・
白氷様の隣に戻り振り向くと・・・もう決着が着いていた・・・・
・・・ちょっと・・・・そりゃねーだろ・・・・俺、見てね―じゃんか・・
「・・・・・白氷様・・様子どうでした?・・俺後ろ向いてて・・・見てないんですよ・・」
『ふむ・・・・ナンバーズに切りかかった兵隊蜂がいつの間にやら吹き飛ばされおった・・・動作が一切見えなんだ・・判断が付かぬ・・どうやったらアノように早くうごけるのじゃ?』
「え・・そんなに動き早かったんですか?」
『うむ・・・・』
・・ちょっとー・・みたかったなぁー・・・
「兵隊蜂さーん。大丈夫?」
『こりゃ・・なんの冗談だ・・・・・俺の3倍はある巨体で俺より早いなんて・・・・』
・・・はい・・フラグ回収・・・・
「ゼロどーだった?」
『あの・・お頭・・アッシが剣を避けるために・・腕を振ったら此の有りざまでやした・・・』
・・・相当戸惑ってないか?・・・・・力とかの調整に時間かかりそうだ・・・
「ふむ・・・・性能上げすぎたか?」
『・・・強いなら・・それでいいんじゃないの?・・・あたしも・・ああなのかしら?』
・・・7が不安がっている・・・まぁそうなるだろう・・・・
「まぁいいや・・次いこう・・・次・・7と兵隊蜂二匹ね・・・」
『ちょっと!・・なんであたしの時にふやすのよ!』
「えー・・いいじゃん・・・そうしないと・・いろいろ確認できないだろ?」
『・・・わかったわよ!・・来るなら来い!』
『『おう!』』
「ではー・・始めっ!」
・・・・ガイイイイイイイイイイイイン
「はい!そこまで!」
「・・・・・・・こりゃ・・・10対1でも余裕そうじゃね?」
『・・ニック様・・何なのよ・・この体・・・・・力のコントロール・・難しすぎる・・・』
『・・・ふむ・・・これでは・・勝負にならぬな・・・』
「白氷様・・・・そうですね・・」
「それじゃあ・・一度お開きにする!・・・負傷した3匹・・早く中で処置してこい・・」
「・・・あ・・それからあと3匹誰か呼んできて?」
・・・これじゃ・・統計というか・・装甲とか柔軟性、出力のデータがそろわないな・・・
俺は、一度ゼロと7を此方に集める。
「ゼロ・・7・・・一度お前たち二人で試合してみてよ・・・・データとれないんだ・・・」
『アッシは構いやせんが・・・・』
『・・・ゼロと?・・・・・・わかったわ!・・やりましょう!』
・・・7の奴・・妙にテンション上がってないか?・・・・
「兵隊蜂さん達は少し離れてて・・多分被害出るかもしれないから・・逃げれるようにだけしててね。」
「「「「「「「はい!」」」」」」」
「準備はいい?」
『ええ!』
『はい!』
「そいじゃはじめてちょ!」
ギャイイイイイイイイイイイイイイイン
イイイイイイイイイイン
イイイイン
俺が始めの合図を出した瞬間。ゼロが7へタックルを仕掛けた様だ・・・凄い音と共にぶつかり合う。少し高い音と大きな音で・・耳が痛い・・・
現在・・・5分ほどか?戦っているが・・
やはり・・凄い・・・これは・・作っちゃまずかったやつじゃないか?
数合打ち合っている中、俺の触覚は大体を捉えていたが・・目では追えなかった・・・
それほど早い動きをしていながらどうも周りの被害状況を見るに・・相当の力でぶつかり合っている。
段々、被害が大きくなり始める・・試合開始時には岩や小さな朽木も転がっていたが・・あっという間に粉々になって今に至ってはほぼ更地になっている・・・戦っている場所を中心に若干すり鉢上に沈んでないか?・・・・・・そろそろ止めるか・・・・
「それまでぃ!」
『ぷっはぁ・・・・・・あぶなかったぁ・・・・・』
『くやしいいいいいい!・・・・・』
・・・・俺・・全然みえなかったけど?・・・どこがどう悔しかった?・・・どっか危ないとこあったの?
「・・白氷様・・・見えました?」
『いや・・全くみえん・・・』
「ですよね・・・」
『お頭!どうですか!?』
『あたしの方が良い動きしてたと思わない?』
・・・きかれてもね・・どうこたえようか?
「・・ん・・・・んー・・・まぁまぁ・・かな?」
『『・・・・・・・・・』』
「ちょ!おい・・なんだよ!其の目・・・なんとなく伝わるぞ!」
『だって・・ねぇ?』
『失礼かもしれやせんが・・・・お頭・・見えてやしたか?』
「・・・いや・・・・み・・みえ・・・て・・」
『妾は見えて居らなんだ・・・しかし、状況を見るに良く、ここまで、強う成ったのう・・鼻が高い。 其の方等良く実験に参加してくれた、妾からも例を言おう』
・・・・・白氷さまああああああああああ!ないすううううううう!・・・・・・
『『ははー!ありがたき幸せ!』』
蜂特有の平服をした、ゼロと7・・これ・・完全に俺自身ある程度強くならないとまずくないか?
・・少なくとも・・・・こいつらの動きに着いてけないと・・今後実験に支障がでそうだ・・・
・・・しかし・・白氷様・・ナイスアシストだ・・GJ
『さて・・ニック殿・・そろそろ戻らぬか?』
「・・・・そうしますか・・・・・・・」
『其の方等も・・それで良いな?』
『『『『『『『『『ははー!』』』』』』』』
俺達が門の前まで戻ると・・そこに・・・
『ママー!何やってるの―?王次郎もまぜてー!』




