〜鼻血出過ぎ〜
「ふぃー・・つかれたわー・・・」
・・・まぁ、ヘキサは、置いといて結構な収穫があったな。
今の俺には、マテリアル(素材)と装置があれば、あとは経験を積んでいくだけで望む形のものができそうだしな・・・。
・・・しっかし・・・ヘキサの奴・・・資料といって余計な情報まで押し付けやがったな?・・・
お陰で、現在俺の鼻からは鼻血が絶え間無く流れている。
・・・物理的に被害出るほどの情報量って・・どんなだよ・・・受験のときより頭使ったってことか?・・
ふむ・・・音声でのヘキサのが使い勝手がいいんだよな・・・
ただ、情報の引き出しとか取得は接続のが手間がないし・・情報見るだけだと、画面いっぱいでわからなくなるからな・・・使い分けるしか無いか・・・
さてさて・・・受け取った情報でわかったことがある・・・
今作ってるファンクション・・ありゃ失敗する。
もうすぐできるんだがな・・・
なぜ、失敗するとわかったか?
それは・・・・敵の構造はそれほどウチの蜂と構造が違わないが、
質量の差と素材というか材質が違うためだ・・・ウチの蜂の材質で敵の質量を維持できない。
恐らく・・このファンクションを使うと自重を維持できなくて潰れる・・・
まぁ・・それが原因なわけだ・・
だから・・このファンクションをさらに改良しなきゃな・・
まずは、ウチの蜂達の材質をより軽量にしてやるか・・あとは、飛べないが強靭な素材に置き換える方法をとらないと成らない・・・
強靭なと一口にいっても・・どうだろな?
展延性をより持たせて、硬度を上げるのが一番いいのだが・・・
資料をみて気づいたのだが、恐らくウチの蜂達ソードヘッドが敵の蜂の起源なのだろう・・
というのも、恐らくウチの蜂をベースにどこぞの誰かが改良した種という印象が強かった。
まぁ、改良するくらいの技術が今も残ってるならもっと進んだ物に成ってるはずなんで、敵さんには製作者がもう居ないだろうが・・・
つまりは、ウチの蜂達がベースなわけだ・・だからなのか?
ウチの蜂達は外因性の性質を取り入れやすい構造のようだ・・
・・そう、なので蜂と妖精のハイブリットみたいなことがおこる・・・
もう一つ・・通常、生物は炭素ベースでできているはずだが・・・
敵さんはケイ素ベースでできている・・・つまり、同じ材質を実現するのは不可能だ・・
・・いや・・不可能ではないが・・それだとそもそも細胞単位での設計変更が必要になる。
それでは、時間がかかりすぎる・・しかも実用に持ってくのに何年かかるか判らん・・
なので、ファンクションを構造を変更・・更に材質を変更するファンクションを作ることにする・・
材質・・どうすりゃいい?
軽くて、固くて、伸縮性がある・・・あわよくば・・耐熱性・・腐食耐性・・非伝導性なんかもあるといいな・・・
そう言えば・・・元の世界で金属の鱗を持つ貝がいたはずだ・・・
たしか硫化鉄だかを細胞単位で取り込んでいるという・・・・
・・・・なんで・・俺・・そんなこと憶えてる?・・・・・・主様案件また出てきたか・・・
まぁいい・・やくにたつからほったらかしとこ
取り敢えず、そう云う金属を取り入れた細胞標本があれば、幾分ちがうのだろうが・・・
・・・さがすか?・・・いまから?・・・・色々と間に合わんだろう・・・そかも深海に行くとか・・未知すぎて・・行きたいのは山々だが・・今は無理だな・・・
となると・・そう云う細胞をつくるか?・・これもさっきのケイ素と同じ結果に成る・・・・
・・・・金属を取り入れるのは・・・・後回しだな・・
ふむ・・・どうするか?
軽量化といえば、ハニカム構造を仕えばある程度の方向からの強度は保てるはずだ・・
一枚板を作るよりずっと軽量化するしな・・あとは繊維化かな?
柔軟性もそのへんで持たせればいいか・・・
・・材質・・・だよな・・・・炭素ベースってきくと簡単に思いつくのが・・カーボンファイバー・・・
ナノテクノロジーで作るんだが・・ありゃウチで作れるか?わからんな・・・
しかも、カーボンだと耐火性が弱そうだしな・・・・・・・
ふむ・・・・・・・・・・・んー?ん?・・・・・・・・・・
元になる・・・・・・蜂の素材を・・繊維状にして組み合わせて・・作れば・・良いんじゃね?
・・・・・
要は・・・そうか・・要は、今ある構造に手を加えて・・・外骨格や内部の支柱に当たる部分・・
それらを繊維状の物に置き換えれば・・いけなくない?
・・ちょっとヘキサに調べてもらうか・・・
『”ヘキサ” 形質導入のファンクションだけど・・その内容を出来上がった後でさらに変化できない?』
”ファンクションの再製造に事前に製作したファンクションを使用するのですね?”
『そうそう』
”構造の編集が必要ですが、可能です。”
『じゃぁさ・・構造の編集の際に例えば構築される部分の構造を変更することも出来るよね?』
”はい。 同一のファンクション内でしたら問題なく変更できます。”
『じゃあさ・・いま作ってるファンクションだけど・・・それをウチの蜂につかったらどうなる?』
”計算・・・・・・・完了。”
”ソードヘッドの身体を製作中のファンクションで形質改変した場合。結果は、自重を支えることができません。”
・・・やっぱりか・・
『”ヘキサ” 今作ってるファンクションの編集で、高密度構造体を線維化すると、強度や重量にどんな変化がでる?』
”計算・・・・・・・・・・・・完了”
”高密度構造体の強度が5倍に、重量が5分の1に成ります。”
”其のため、編集後のファンクションを導入した場合、ソードヘッドは自重で潰れることはなく成ります。”
『”ヘキサ” つまり、成功するわけだね?』
”はい。 98%の確率で成功します。”
・・・・・取り敢えず・・・それでやってみっか・・・
『”ヘキサ” 現在製作中のファンクションを完成後編集したい』
”はい 編集を予定しておきます。”
・・・・・情報はあるんだし・・前もって編集しちゃっといたほうが・・手間がなさそうだな・・・
『”ヘキサ” やっぱ、編集は先にやっときたい。』
”はい。 完成予定ファンクションの編集を事前に行いたいのですね?”
『うん』
”編集を行います。編集用コンソールを開きます。”
”泉”の周りに軽い振動があり、俺が居る位置のコンソールが床に沈んでいく。
コンソールが沈みきると、床から水槽の様な円柱状の物がせり上がってくる。
『”ヘキサ” これどうやって使うの?』
”編集コンソールへ触覚接続を行ってください。触覚接続により思考で操作が可能です。”
・・・・・・・・触覚接続・・・・・しなきゃ・・ダメ?
・・俺・今・・まだ鼻血とまってないけど・・・・結構ながれてんのよ・・・耐えれるかな?
『”ヘキサ” 触覚接続以外では操作ができないの?』
”申し訳ありません。手動による操作は規格にございません。”
・・・触覚接続じゃなきゃダメなのか・・・・・仕方ない・・・・・
俺は、再度触覚接続を行う・・・
円柱状の水槽に触覚を近づけると触覚が水槽に沈み込んでいく・・
おおおお・・・なんか・・凄い・・触覚が中に入る感じがする・・・・
じわ〜って感じ・・ちょっと気持ちいいw
・・・ん?・・・・・・あれ?
・・これって・・・電子顕微鏡みたいなやつか?
視界はそのままなのだが、触覚が見ているものが視界へ投影されている。
目の前には細胞が漂っており、俺は一つの細胞に目を向けるとズームしていく。
細胞壁を越え、次第にズームが進むと遺伝子なのだろうか?細胞の中心のあたりに纏まったグニャグニャの物がある。
・・これを操作すんの?・・・おれにできるか?
具体的に・・骨格に該当する遺伝子とか知らんぞ?
俺が困惑していると、視界にマーキングやらステータスのような計測表示なんか色々でてくる。
・・・おおお・・ここが・・・外骨格を形成してる遺伝子なのか・・・マーキング助かるわ・・
さて・・・・これをどうする?・・・ここの遺伝子が敵の外骨格なわけだろ?
繊維状にする遺伝子ってどんななんだろ?
また、俺が疑問に思っていると、今度は別画面が表示されて、そこには繊維状に成る遺伝子なのだろうか?の標本みたいなものがでてくる。
・・・・これを真似ろってこと?
・・・・・・コピペでよくねぇか?・・・・できないかな?コピペ・・・
コピペできるか?と思案していると、別画面の標本がマーキングされて次の瞬間には、変更しようと思っていた遺伝子の部分が次々に置き換わる。
・・なにこれ・・楽・・・・こんなのでいいの?
ってか・・思考で操作って思ったことがそのまま形や動きになるのか・・・つまり・・・
・・こう・・こうやって・・・・・こうすれば・・・
そう言って、俺は次々に変更点を標本と置き換えていく。
こんな感じか?・・・一通りやってみたが・・・果たしてこれでよかったのかな?
完成した細胞を眺めながら俺がこれが成功するか?と考えているとまた別画面が表示される。
そこには、これを培養して、導入した後の経過や形成結果の3D表示などがでてくる。
そして・・結果・・この細胞は失敗したようだ・・・俺が調子に乗り、外骨格のみに限らず色々といじってみたからだろう・・・次は素直に必要な部分だけを編集するしか無いかな?・・・・
さて・・新しい細胞で・・挑戦!・・・
幾つかの細胞に失敗しては、また再チャレンジしていく内に段々とこの装置の使い方が分かってきた。
こりゃ・・ライブラリに入っている情報を元に遺伝子を編集するっていう代物だな・・・
ライブラリってのも・・・今までこの巣が溶液にして来た様々な動物植物なんかのことだろう・・
つまり、他の生き物の特性なんかを細分化して編集できるわけだ・・・・
ってか・・これ成功するのか?出来上がるのに相当時間かかるんだけど・・・・
数年じゃ終わらんだろこれ・・
俺がそんな事を考えたのが効果有ったのかまた別画面が開かれ、何やら薬品ぽい項目がでてくる。
・・・なにこれ?・・・・・おお・・表示された・・なになに・・・・
あー・・なるほど、この薬品類は遺伝子の導入なんかで成功率を上げるための薬品なのね・・・
色々そろってるんだなぁ・・・
じゃぁ・・新しい細胞に再チャレンジしてみっか・・・
俺が、作業をして・・・・相当時間がたったと思う・・ってか・・何日この作業をしてるんだ?
徐々に出来ることが増え、作業の効率も良くなってきて居るが・・・
自分のなかで確率と言うか成功率の計算をしてみると、天文学的な数値だった。
・・・これぜってー完成しないだろ・・・なんだよこの作業・・・・ホントにできんの?
コレまた、俺が先の見えない作業に絶望していると、別画面がでてくる。
・・今度は・・なんだよ・・・・ん?・・・・・・おお!
なんだよこれ!・・こんな良いものあったら最初から表示しろよ!
俺が嬉々として喜んだ画面・・・それは、同じ作業を同時進行で幾重にも行う事が出来ると言うものだった。
つまり、一個一個やっていては埒が明かない・・成功するには数やらなきゃ成らない・・・
じゃぁ・・数を一回で済ませてしまえばいい・・ってことか!
楽!
早速同時進行のヤツやるぞ!
俺が、再度一個の細胞にコピペをすると、同時に1兆ほどの細胞にも同じ作業が行われる。
・・・1兆って・・・相当多くね?人間の細胞の数って・・確か37兆くらいだとかなんかで見た気がするが・・・
結構な肉塊にコピペを同時進行・・すごくね?
さて・・結果・・結果だよ・・完成予想を表示・・すると読みきれないから・・成功したやつだけ表示って出来るよな?
・・・おお・・できたできた。
・・・・成功率・・・・・・・スゲー低いんだな・・・・・1兆やって、2個って・・・
こんなに難しかったの?
?・・普通・・・遺伝子の導入とかって・・・マウスとかでは2%とかだった気がするんだけど・・・・
んー・・わからん・・取り敢えず・・成功した・・・
後は成功の奴を培養して行くだけか・・・・培養は自動だろ?
すると、別画面がまた開き培養を始める様子が移されている。
・・・長かった・・・これで作業終了のはず・・・・・・・だよな?
接続切っていいかな?・・・・・・でもちょっと、培養の様子見てたい気もする・・・・
結局俺は、培養の様子を眺めることにした。
培養の様子は最初は面白いと思っていたのだが、しだいに飽き始めた。
取り敢えず、他のことも出来ないかとライブラリの中身に目を通している。
んー・・なにかおもしろいのないかな?
今度なんかに使えるのとか・・・ん?・・・なにこれ・・・
こんなの・・・・可能なの?
・・・・・ちょっと・・・試そうか?
俺は、培養途中の細胞を選び、別枠で再度培養していく。
別枠がある程度培養し終わると・・・お遊びがてらに色々試し始めた・・・・・
どのぐらいたっただろうか?この作業に入ってもう一ヶ月近くここに居る感じなんだがなぁ・・
一向に腹が減らないし睡眠も必要ない・・排泄もない・・・どうなってるんだ?
いい加減接続切るか・・王次郎も心配してるだろうし・・・・・
下手するとこの部屋の外でギャン泣きしてるかもしれん・・・・
仕方なく、俺が接続終了と思うと、触覚が円柱状の水槽から離れ、視界も元に戻る。
「ふー・・こりゃ楽しかったが・・・時間がかかりすぎる・・・」
『”ヘキサ” 作業ってどんくらいやってた?』
”お疲れ様です。現在作業開始から2時間ほどです。”
・・・・・・・・・・・?・・・・おれ中で一ヶ月位いた気がするけど・・・
『”ヘキサ” この水槽・・編集コンソール使うと時間感覚おかしくならない?』
”編集コンソール内での時間経過は作業に集中するほど加速します。”
・・・・・・・・そうか・・・そういう感じなんだね・・・・まぁいいや・・
『”ヘキサ” 編集した細胞だけど、培養しちゃってんだよね・・・形質改変ファンクションに組み込める?』
”お手数おかけします。可能です。では、現在培養中の細胞を使い形質改変ファンクションを製作いたします。”
”ニック様。培養している細胞が二種類有りますが、どちらをお使いに成りますか?”
『ああ・・そうだったな・・取り敢えず、線維化した方を先に使って。続いてもう一個のは別口でファンクション作っておける?』
”はい。 それでは、ニ種類のファンクションを用意します。”
”完成まで・・・・・・・・・・20時間ほどに成ります。”
・・・随分みじかくね?・・・ある程度培養しちゃったからかな?・・・・
・・次からは、培養したのを使おうか・・・
『”ヘキサ” 取り敢えず。自室に戻るわ・・鼻血ヤバイし』
”はい お疲れ様です。”
俺は、服がガビガビに成りながら自室に戻った。




