〜ねるとん〜
「さて・・兵隊蜂達、ここが君たちの部屋に成る・・というか・・ここで実験させてもらうよ。」
連れてきた兵隊蜂達が、一斉に縮こまる・・・
そりゃーなぁ・・これから色々されるって思えば、ムリもないが・・・
・・・あれかー?・・あのお祭り騒ぎはこの世の未練を断ち切るための儀式だったのかな?
・・・でもね・・・この巣のためだしね・・・・すまんね。
「あまり、縮こまんなくても大丈夫だとおもうよ?」
「取り敢えず、形質の変更とかの実験をするだけだし・・・・・ちょっと痛いかもしれない・・・が・・」
・・・兵隊蜂達が・・・泣いてる様にみえるな・・・
男泣きっぽい・・けど奴ら全部雌のはずなんだがな・・・
「大丈夫!俺を信じて一緒にがんばろう!な!」
・・少しは緊張・・ほぐれたか?・・・・だめか?
「そんなに覚悟決めてても拍子抜けすることに成るかもしれないぞ?」
「形質導入には経口注入っていう方式をとるから、何か傷付けたりとかしないからさ」
何匹かが、顔をあげて「大丈夫そう?」という感じで居る・・・
「・・・・・・・最悪・・・・解体するかもしれないけど・・・・・・」
兵隊蜂達が絶望の色に染まった!
「まぁ、何はともあれ・・兵隊蜂達とかいってるとゴチャゴチャに成るから適当に名前っていうかナンバーを付けてくからさ・・元気出してよ・・・」
お!・・何匹かちょっとうれしそうにしてる・・・・・
名前を付けられるのはそんなに嬉しいのか?
まーいい・・・
「取り敢えず、全員・・全匹成功を目指す!」
「んじゃ・・左端から順にゼロから九のナンバー付けてくよ。」
俺は左端からゼロ・一・二・三・・・・九と付けていく。
ってか・・名前付けてもほぼ同じ個体だからわかんないな・・・油性マジックないかな?なんか書くもの・・・・・
「じゃぁ、いま付けた名前を自分の胸の所にツメで数字書いていって・・・・」
「あれ?・・数字・・わかる?・・・」
あちゃー・・・・そうか・・・蜂の文字さえ兵隊蜂はわかんないのか・・・困ったな・・
「じゃぁ、俺が今から床に書くから呼ばれたやつから順に真似して胸に刻んでちょーだい。」
順次呼ばれた兵隊蜂達が胸にナンバーを付けていく・・・・うむ・・
「おい・・手をぬくな!・・・そんなに浅く刻んだらきえちゃうだろ・・・」
・・・流石に・・自傷行為だしな・・・躊躇する感じだ・・・・
兵隊蜂がいくら思考力がそこまで高く無いと言っても人間と大差ないだろうし・・・
色々思うところはあるんだろう・・・まぁ・・・・関係なく進めてしまうけどな・・・すまないね。
一通り名前・・ナンバーを刻んだので、これからはナンバーで呼ぼう。
「えー・・では、今回のプロジェクト名を発表します。」
「プロジェクト名は?、・・どぅるるるるるるるっ! ジャジャン!【アンチアームズワスプ】とします!」
・・・・拍手は?・・・・
「みんな・・拍手は?」
ハッっとなった兵隊蜂達が・・思い思いにカチカチとツメを叩き合わせる・・・・
「はい!よくできました。」
「では、取り敢えず、此の部屋で2日間待機していてください。形質変化の薬が出来るのが其のくらいなんで、よろしく。」
俺は、それだけ言うと部屋をでた。
んー・・・・流石に・・・来るものがあるなぁ・・・実験待ちとか・・ストレスはんぱないだろう・・・
そりゃ・・祭りもしたくなるわ・・・・
まぁ・・・迷惑なんだけどね・・・・
そんな事を思いながらおれは自室に戻る。
「ただいま」
「あ、黄土様・・お手数おかけします。」
黄土様も此方を向き頷く。
さて・・・黄土様・・どうしようか?
「黄土様・・そろそろお部屋にお戻りに成らなくて大丈夫ですか?」
「・・この部屋に居たいの?・・・・ああ・・・王次郎の側にいたいのね・・・」
「良いですよ。ただ・・身の回りの事をしてくれる者をまだ作っていませんので・・」
・・・あ!・・・”再誕”の件話してなかった・・・
「黄土様・・蜂妖精の件きいてます?」
「・・そうです。先日亡くなりまして・・しかし、一度パーソナルをヘキサ・・”時の記憶”に保存しておりましてね・・・後は、身体を作るのみなのですけど・・」
「ええ・・そうです。黄土様へ施術予定の物を事前に蜂妖精に施す予定です。」
黄土様・・・なんか複雑そうにうつむいてるなぁ・・・
「蜂妖精への了承もとっていますから、黄土様は気にしないでください。」
・・・だめだ・・・暗い・・・・・・・・・・ん!
「黄土様・・一度、蜂妖精と話してみますか?」
弾かれたように俺に顔を向ける黄土様だった。
「ビックリさせちゃいましたね。・・ええ・・身体は溶液へ戻しましたが、本人・・本虫は生きていますよ。」
「どうです?一度お話してみては?」
とまどいながらだが、黄土様の了承を取り付けたので、黄土様を連れて”時の記憶”へ向かう。
王次郎は・・一人でお留守番・・ってか熟睡中
『”ヘキサ” 蜂妖精さんと対話モード出来る?』
”はい 対話モードで会話が出来ます。”
『じゃぁ・・触覚接続からの対話モードお願い。・・あと会話内容を音声で聞かせて』
”はい 対話モード起動します。同時に会話を音声出力します。”
”触覚の接続をお願いします。”
「黄土様・・ここに触覚を接続してください。」
・・・・とまどってる・・
「怖がらなくてもパーソナルがどうのとはなりませんから大丈夫ですよ。」
意を決したのか黄土様が若干突撃気味に触覚を接続部分へ突っ込む。
・・・・そこまでしなくても大丈夫なのに・・・・
『あれ?・・・黄土様・・・・なぜ此方においでなのでしょうか?』
『お久しぶりです。王子の側仕えさん。』
・・・黄土様の言葉が・・・・聞こえる・・・・すげぇ・・・
『此の度はご愁傷さまでした。ニック様よりお話が出来ると伺いましたが・・・ホントだったのですね・・』
・・・・・・ウソなんてついてないですよ・・・・・・
『ええ。身体の方は先日、処分して頂いたのですが、パーソナルの方はこのヘキサさんの中で活動させていただいております。』
・・・え?・・・ヘキサの中で・・活動してんの?・・・マジで?
『活動・・ですか?』
『はい。 この中で私はそれなりに自由に動けているのです。』
・・・動いてんのか・・俺のイメージでは、接続が切れたら停止してると思ってた・・・
『そうなの・・ですね・・・。』
『ただ、王子の側を離れている時間が長いので少々心配では有るのですが・・』
・・ありがとう・・正直、蜂妖精居ないと・・今後無理です。
『王次郎様の事はご心配入りません。私も僭越ながらお側に居させていただいております。役には立ちませんが・・・』
『えっ!・・姫様に其のようなことを・・・・なんと言ってよろしいか・・・・ホントに申し訳ありません。』
・・・黄土様・・ホントすんません・・・
『いえいえ。私が好きでしている事ですから・・お気になさらないでください。』
『ニック様には早めに身体を用意していただかないと・・』
・・・はい!すぐに用意するつもりです!・・・
『ニック様は殊の外お忙しいようですので・・・もう少しお時間をいただくと思いますよ?』
『そうですか・・・』
・・・いえいえ!・・すぐ用意したいです!・・
『話がそれてしまいますが、側仕えさん・・一つお聞きしたいことが有るのですが・・・?』
『はい。 どのようなことでしょう?』
・・ん?・・・
『あの・・”再誕”の件なのですが・・・お辛くはないですか?』
『・・・・・・そうですね・・正直申し上げますと・・・身体が無いと言うのは思いの外辛いようにも思えますが・・・死の間際に比べますと・・随分と楽と申しますか・・・死を迎えて、そのまま無くなってしまうよりは、良かったのかもしれないと思うように成っております。』
・・うんうん・・無くなっちゃうよりはいいよね・・俺もそう思う・・
『そうですか・・・』
『はい。ニック様には殊の外、無理を申し上げてしまったので・・・心苦しい点は有るのですが・・』
・・・無理・・ではなかったよ?・・・全部ヘキサ頼みだからね・・・
『?・・どのような・・・差し支えなければ、お聞かせいただけますか?』
『はい。 その・・パーソナルと言うものを新しい身体へ書き込む際に新しい身体にある幼いパーソナルを退けるのが心苦しかったので・・、そんな事をするくらいなら身体はいりませんと申し上げた所、ニック様にはパーソナル無しの身体をご用意頂けると・・・そういう運びになりまして・・』
・・・まぁーな・・・ちょっと調整とかしちゃいたいけどね・・・・
『まぁ! 側仕えさんも・・同じ事を考えていたのですね!』
『黄土様もですか?』
・・えっ!・・・黄土様も?・・・
『ええ。私・・なにも役にたたない身ですので、新しい命を無理やりというのは、とても心苦しかったのです。・・・』
『そうですよね。・・・でも、パーソナルを持たない身体を作り出すことができるそうですので、あまりお気になさらなくても良いと思いますよ?』
そうそう・・気にしないでください。・・・・・・・・・・まだ成功するかもわからんけどね・・・
『そうですね。・・少し、落ち着けた気がします。』
『それでしたら良かったです。』
・・ならよかった・・うんうん・・
『あの・・黄土様・・私の方からも一つお聞きしたいことが・・』
『お答えできる範囲でしたら・・・』
『黄土様は、ニック様をどのようにお考えですか?』
『・・・?ど・・どのように・・とは?』
・・・ん?・・・・
『その・・姫様方の中では、”時の記憶”へ連れ立ってお越しいただく仲のようですので・・』
『・・・側仕えさんは・・なにを危惧しているのでしょう?』
・・蜂妖精・・なに言ってんだよ・・・黄土様安心させにきただけだぜ?・・・
『え!・・いやその・・ですね。黄土様はその・・ニック様を番にと・・思っているのではないのでしょうか?』
『えっ!・・・。 わ・・わた・・私は其のような思いを抱いてはおりません!・・・・・それに種族も違いますし・・番には成れないと・・・』
・・・黄土様・・・え?・・・・ちょ・・・・色々複雑なんですけど・・・流石に・・蜂とはムリですよ?
『そうですか。 ・・・其のようでしたら・・良かったのです。』
『側仕えさん。 ・・・・・・・・もしかして・・・ニック様の事を?・・』
・・・えええ!?・・・・蜂妖精!・・・・・マジで?・・・
『やめてください!・・・冗談にしても・・・。 それに私は番にも成れませんし・・・』
『・・・・そうですか・・・』
・・・黄土様・・なんでそこでがっかりしてるの?・・・え?・・これ俺聞いてるけど?大丈夫?
『あのぅ・・それでは黄土様は番について・・・どう思われておいででしょうか?』
『・・・・・・・そうですね・・・・私のタイプと申しますか・・・求めている雄はやはり・・健康で丈夫な方なのです。・・・』
・・それって・・・
『それって・・・・・』
『・・・・・・そうですね・・・・最近知り合ったばかりですが・・・正直申し上げますと・・王次郎様に心ひかれております。 ・・・・なんか・・恥ずかしいですね。』
・・・おおお!・・よく聞き出したな!蜂妖精!・・・ってか・・これも恋バナか?
『そうなのですね! ・・・私も黄土様でしたら王次郎様にピッタリだと思います! ああ!よかった!王次郎様はとても元気で幼い所も有りますが、とても心が優し方なのです。黄土様と番に成られる様に私も応援いたします!』
『まぁ!側仕えさん。 ・・私の他にも王次郎様をお気になさっているお姉様もおいでですよ?』
・・・・えええ!・・・・そーなの?・・・・他の姫って・・・・誰よ?・・・
『ええ! ・・・そうなのですか・・・・?・・・どうしましょう・・・因みに・・どちらの姫様でしょうか・・・?』
『・・・赤熱姉様は、先程、王次郎様に興味を抱いておりましたし・・白氷姉様は、ニック様の知恵を狙っている様子が有りますから・・・王次郎様にもアプローチを掛けるやもしれません。・・・深緑姉様は・・・お酒が絡むと誰でも良くなる様で・・・王次郎様には興味なくとも・・その・・お酒の勢いと言う事が有りますので・・・』
・・・全員じゃんか!・・・若干、深緑様は違う気がするが・・・どう転ぶかわからんしな・・・油断は禁物だ!・・・へべれけの嫁とかやだぞ?
『ええ!・・・じゃぁ・・・姫様全員、王次郎様とって事も有るのですか?』
『そうなってしまうかもしれないのです。・・・・・』
・・・それって・・・・争奪戦勃発しないのか?・・・・ヤバイんじゃねーの?・・・
『黄土様・・一つよろしいですか?』
『はい・・?』
『王次郎様は、ニック様にベッタリです。 ・・つまり・・ニック様に気に入られれば・・恐らく良い運びに成ると思われますよ?』
『・・そうなのですか?』
『ええ! ニック様は黄土様の事を殊の外お気になられておいでですので、芽がないわけではないです。』
『・・・・・・そ・・そうですか・・・。 あの・・・』
『ニック様は人間と言う種族でありながら我らの為に身命を賭して仕えております。・・・なかなか出来ることではありません。 それに・・とても心根も良い方ですよ? ・・・その・・・黄土様の事も良くしてくれるかもしれません・・・。 側仕えの身である私にも心を割いてくださいますし・・。 感謝しているのです。』
・・・・ええ!・・・・俺の心根・・クズ野郎なんだけど?・・自分でも自覚するほどにね?
『・・・あの・・側仕えさん・・・申し上げにくいのですが・・・この会話はニック様も聞いているようでして・・・』
・・・きいてませーん!・・聞いてないことにしてくださーい!・・・・・・・・
『えっ! 丸聞こえですか?』
『ええ・・・先程、言いそびれてしまったのですが・・・・』
『・・・・・・やだ・・恥ずかしい・・・』
『・・・・』
・・・・・・・・・・きまずい・・・・・・・
『・・・・ニック様!?・・あの・・・早めに各姫様方の番の件終わらせないと・・・マズイんじゃないでしょうか?』
・・へーぃ!危機感MAXでーす。さっきMAXになりましたー!・・いそぎまーす。
『黄土様・・お身体の方にもさわるかもしれませんので・・・この辺でお休みに成られたほうが良いですよ?・・・ニック様も恐らく至急、番の件なんとかしなければと・・思いますので・・・』
・・・・・至急取り掛かりまーす!・・・・・・
『そうですね。・・・・・あの・・またお話をしに来てもよろしいですか?』
『ええ。 私はしばらく此方に居りますので、気兼ねなくお越しください。』
『では、また今度の機会に。』
『はい。失礼致します。』
そこまで話すと、黄土様が触覚をコンソールから抜く。
『”ヘキサ” 対話モード終了』
”はい 対話モードを終了します。”
「黄土様・・取り敢えず、王次郎の所でご静養していただけますか?」
「私は此の後少し作業をしなければ成りませんので・・・」
黄土様はウンウンと頷いて”時の記憶”を後に・・・
部屋を出る際此方を向き何か言いたそうだったが・・・・。
・・・・さて・・・・優先順位・・・変更か?
・・・ヘキサの処理ってか・・あのカプセルとかも使うだろうし・・後いくつ同時に出来る?
・・蜂妖精をデバイスに落とさないと・・・レーナ達と会話したりして情報の編集もできない・・・
取り敢えず・・・蜂妖精に了解とって落とすか・・・・・・。
『”ヘキサ” 再度、対話モード開始。音声でのやり取りがしたい』
”はい 対話モード開始します。”
「蜂妖精さん。ごめんね。話し丸聞こえでした。」
『其のようですね・・・なんか恥ずかしい・・まぁ番の件は早めに解決した方が良いと思います。』
「そうですね。・・取り敢えず・・・蜂妖精さん・・」
「第一印象から決めていました!ボクと番になってください!お願いします!」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・
・・・・
『はぁ?』




