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〜王次郎祭り〜

「女王陛下! 一言申し上げます!」

『なんじゃ・・いきなり』


「女王陛下のご厚意は大変うれしいのですけど・・・・アイツら・・言うこと聞きません!」

「なんとかしたいんで、研究室ほしいです!」


『・・・・・やはり・・問題児であったようだな・・・・』

「やっぱりってなんですか?・・・初めから知ってたんですね?!」


『い・・いや・・その・・のう?』

「誤魔化せませんよ!。部屋に来るなりいきなり祭り状態ですからね!」


『いや・・すまぬな・・・』

「でも、兵隊蜂欲しがったの俺ですから・・ありがたく使わせてもらいますけど!」

「取り敢えず、研究室を設けてそこにぶち込んどきます!」


『・・・相わかった。 部屋を用意しよう』

「有難う御座います!」


「それから、王次郎がサナギになりました。」

『!!!!誠か!』


「ただ・・・今の現状を見るに羽の形成が未熟に見えるのです・・恐らく不全をおこすかと・・」

『な・・・なんと・・・・・・・・ど・・どうすれば・・・・”再誕”させることになるのかのう?』


「恐らく・・・」

『なんと・・不憫な・・・・』


『しかし、それも致し方ないのう・・・其の方の手で正常な体へ導いてやるしか無いのう』

「覚悟の上です。」


『わかった。 報告感謝する。』

「では、部屋の手配お願いいたします。」


『うむ。』

「早急にお願いいたします。」

『う・・うむ・・・』

「ホントにホント・・お願いします。」


『・・・・・・・』

「マジで!ホントに早くお願いします!」


『くどいぞ!』

「だって・・・・・部屋に帰れないんですもん。」


『・・・・・・・・・わかった。今すぐ何とかしよう』

「有難う御座います!」


女王が近衛兵へなにやら指示を出すと、近衛兵がついてこいと言う・・・

「では、女王陛下失礼いたします。」

『うむ。 王次郎のことクレグレもよきにはからえ!』


「ははー!」


そういって、近衛兵の後を追った。



近衛兵についていき、着いた先・・・かなり広いなここ・・・・

しかし、ガランドウだわ・・・・明かりもない。


「近衛兵さん・・・明かりってどうすれば?」

「・・わかりました・・・働き蜂に言えば良いのですね?」


俺は、近衛兵を見送ると、近くに居る働き蜂にこの部屋に明かりを入れてくれと伝えておいた。

さて・・・一度やっぱり・・祭りに参加するしか無いのか?


渋々俺は自室へ戻ることにした。



自室の前まできて・・・やはり気が重くなる・・・・なぜなら・・・音が漏れてるからだ!

どんちゃん騒ぎじゃねーか!


お隣の姫様達の側仕えが外に出てきていて此方に何事か?とでも言いたげに凝視している・・・


「あ・・すいません・・ウチの者がうるさくって・・・・言うこと聞かないもんで・・・」

『いえいえ。・・それにしてもひどい騒ぎ様ですね?』

話しかけてくれたのは、深緑様のとこの側仕えだ・・・・

「ええ・・・・主様が昨夜そちらに御厄介になったようですし・・・なんか申し訳ないです。」

『いえいえ。 我が主の深緑様も息抜きが出来たと喜んでおりましたよ。』

「喜んでいるのでしたら・・良かったんですが・・うちの主様・・ベロベロで・・・」

『あー・・・昨夜はかなり飲まれていたようですからね・・・・』

「はぁ・・・・」


などとため息を着いていると、

『ニック様・・・恐れ入りますが、この騒動は・・?』

コレまた話しかけてきたのは白氷様んとこの側仕えだった・・・


「あの・・ウチの者が・・ほんとにすみません。」

『白氷様もこの騒音に驚いておりましてね。できれば早期の解決をしていただきたいと』


「ええ。 すぐに辞めさせたいのですが・・・何分、私の言うことを全く聞かない奴らばかりでして・・・」

『それは困りましたね・・・・』


更に、今度は赤熱様んとこの側仕え・・と思いきや・・赤熱様が・・・

『やぁ!ニック!なんかたのしそうだね?私もまぜてよ!』

「ダメにきまってるでしょ!」


・・・・赤熱様・・勘弁してほしいんですけど・・・・


「あの・・皆様方にはホントにご迷惑をおかけしております。早急に手をウチますので・・しばらくご辛抱いただけますでしょうか?」


『ニック様が言うのですから、仕方ないですね。』

『そうですね。・・・責任の一旦は私共にもあるので・・お手伝いいたしますが?』

『騒音なんて気にしないよ!それより、中に入れてよ!』

・・・・もう・・・・赤熱様・・騒ぎたいだけだろ・・・?


「だから!赤熱様いれると、騒ぎが大きくなるからダメにきまってるでしょ!」

「って・・ちょ!・・勝手に入んないでくださいよ!」


・・あー・・・もう・・・・赤熱様・・人の話、全然聞かない・・・・


俺は、側仕え達と赤熱様を追いかけて自室に飛び込んだ・・・・・



自室に入った俺達が見たものは・・・・


中央に蛹の王次郎が祀られており、

その周りを輪になり踊りながら騒ぎ立てる兵隊蜂と、

王次郎の上でグルグルと回っている主様の姿だった・・・・・

・・・ッチ・・主様・・ありゃ、音頭取ってやがる・・・


・・・王次郎・・・祀られてる・・・・・完全に崇められてるんだけど・・・・・

ってか・・・なんか・・ヒドイ状況だ!


「ちょ! 主様!どーなってんだよ!」

「おい! 人の話きけっつーの!」


・・・・・見向きもしねぇ・・・ってかうるさくてそれどころじゃねぇ・・・


「くそっ・・・ダメだ・・・」


『ニック様・・・これはヒドイ・・・』

『やっちゃってますね・・・』

『私も踊ってくる!』


・・・・もう・・・・こうなると思ったから赤熱様には入ってほしくなかったんだよ!

赤熱様が輪に入って踊り始めちゃってるし・・・・


「どーしよう・・・止める手段がみつからない・・・・・・」

「・・・・・側仕えさん達は?・・アレ止める方法なんかありますか?」


『・・・・・・・・申し訳ございません・・・』

『・・ない・・ですね・・・・』


『おーぃ!お前らも一緒に踊ろう!楽しいぞ!』


「・・・・・・・・・・ダメだ・・・・」


・・・・・ん?・・・・あれれ?・・・・・・・・あれー?


「ちょっと・・・・・・側仕えさん・・・あそこ・・あそこにいるのって・・・」

『どこですか?・・・・・あ・・・』

『・・おー!・・・へー・・・・』


「あれさ・・・・黄土様だよね?」

『其のようですね。』

『間違いないですね。』


『あ!黄土ちゃん!随分久しぶりだね!』


「・・・・・・・・・・・・・なんで居るの?」


俺達の視線の先、王次郎に隠れて見えづらかったが、

王次郎の隣にチョコンと佇んでいる黄土様が居る。


「黄土様・・身体大丈夫か?・・・・・こんな騒いで・・・黄土様はただ座らされてるだけっぽいけど」

『ニック様、これはもうほっとくしかありませんよ。』

『そうですね・・私でも手が付けれません。』


『おーぃ!早く一緒に踊ろう!』


「もう・・・ダメ?」

俺が側仕えに答えを求めると、間髪入れずに頷いた。


『ニック様。こうあっては恐らく止めようが無いでしょう。一種のスタンピードと一緒です。』

『話を聞かない時点で、止めようがないですね。』


『なぁ?このデッカイのなんなの?』


・・・赤熱様・・・それがウチの子です・・・・・・・・・

ってか強い子なんで目を付けないでください。

ウチの嫁に赤熱様は遠慮します。


『ニック様。それにしても・・中央の蛹は・・・もしや王次郎さまで?』

『ほー・・確かに面影が有りますね・・・』

「凄いでしょウチの子。デカイでしょ?」へへw


『げぇっ!この蛹・・凄い硬い!なにこれ!?私の剣が全然通じないじゃん!』


「ちょ!ちょ!ちょーぃ!赤熱様!!!触んないでください!それウチの大事な息子ちゃんなんで!」

「!ちょい!マジで!触んないでください!お触り禁止ですよ!お金取りますよ!有料です!」

「だーかーらー!触んなっつてんだろーがっ!」

「赤熱様!ステイ!ステイですよー!」


・・・・赤熱のやつ!面白く成っちゃってる!・・・・・剣でツンツンしまくるのやめろ!

・・・ってか、王次郎!少しは、抵抗せい!・・・蛹でも身動ぎくらいできるだろ!


・・・ッチ!・・収拾がつかん!


・・・・・お?・・・おお?・・・・・・お! 黄土様!


俺が、若干諦めムードになり始めてると、王次郎の横でポツンとしていた黄土様が王次郎の上によじ登り、なにやら叫んだようだ・・・・・・・


・・・・すげぇ・・・・・・黄土様・・・・・・・・救世主なんじゃ?


黄土様が、何やら叫んだと思う・・聞こえないんで、わかんないけど・・・

すると、王次郎の周りを踊り狂ってた兵隊蜂達がピタリと止まる。

・・・若干一匹・・踊りを続行中だが・・・・いや主様入れると二匹か・・・・


『ママー!ママー!どこー?』

『王次郎ここにいるのー!ママどこー?』

騒音が止むと、王次郎のくぐもった声が響いていた。


「!王次郎!・・起きてたの?」

『うんー!ママー!みえないよー?』


「王次郎。今ね王次郎は蛹になってるの」

「だから、蛹の皮で見えないのかな〜?」


『ママ!さっきからねー。ボクの周りで変な音がするの!すごくこわいよー!』

「王次郎。ママ近くに居るから安心してね?」


『うん! ママの声聞こえるもん!』

「よかったよかった。」


「王次郎。取り敢えず、ゆっくり寝てなさい。今はゆっくり寝るのが仕事ですよ!」

『ぶー。つまんなーぃ』


「つまんないじゃないの! 王次郎。ちゃんと言うこときける?」

『うーん』

「あれ〜?王次郎はいい子じゃないのかな〜?返事が聞こえないなー?」

『王次郎ちゃんと寝れるよ!いい子だもん!おやすみー!』

「はい。おやすみなさい。」


・・・・王次郎は・・・・いい子・・・・だ!

さてさて・・・まずは、あそこで踊り狂ってる二匹・・どーするか・・・


「主様。 深緑様が呼んでますよ!またお酒飲みたいらしいです!」

『ちょと!ニック様!・・・主様を押し付けようとしてませんか?』

「・・・ダメ?」

『ダメに決まってますよ!・・・深緑様も今、二日酔いで寝込んでますし・・・』

「でも・・・・もう・・主様行く気満々だしさ・・・しばらくそっちで見といてもらえない?」

『・・・・いやー・・・分かるんですけれど・・キツイですよ・・・』

「そこをどうか・・おねがいしゃっす!」

『・・・わかりました。取り敢えず少しの間ですからね?』

「助かります。」


深緑様の側仕えに主様が連れてかれたのを見送る・・・・


さて・・・・赤熱様・・・・・あれはどーする?

俺が思案しながら白氷様の側仕えにチラチラと目をやると・・・


『ふぅ・・わかりました。赤熱様は我々の方で面倒をみましょう。・・・』

「ホントすんましぇん。」


踊っている赤熱様に側仕えがそっと耳打ちみたいな事をすると・・ピタリと踊りが止み・・・冷や汗をかく・・・・

・・・ああ・・ありゃ・・赤熱様って白氷様が苦手だな?


白氷様の側仕えに引っ張られ、涙目に成っているように見える複眼で俺に助けを求めている様だが・・・・知らん!・・自業自得だ・・・・


素直にバイバイしてもらおう。


取り敢えず、騒音は収まった・・・・・・しかし・・黄土様・・・・どうしてここにいるんだろ?


「あの・・・黄土様・・・何か御用でしたか?」



・・・・ダメだ・・・念話が来ない・・・・

・・・・蜂妖精が居ないとどうにもならん!・・こりゃヤバイな・・・

・・・今更、蜂妖精のポジションの重要性に気づいた・・・・いや以前から気づいてたが・・・


「黄土様・・・・取り敢えず、お部屋に戻りませんか?」

・・えっ!・・・イヤイヤしてる・・・・なんで?

・・・もしかして・・・・・・もしかして・・・・・・・黄土様・・・王次郎の事・・・気に入っちゃたとか?


「あの・・黄土様・・・ここでは意思疎通が十分に出来ないので、一度”時の記憶”へご一緒していただけませんか?」

黄土様がチラチラと王次郎を見ている・・・・

「ああ・・王次郎でしたらいい子で寝てますから・・・大丈夫です。」

いや・・俺の事ジッと見つめられてもねぇ・・・・

「じゃぁ・・・しばらくこの部屋で王次郎の面倒見てもらえますか?そこらに居る兵隊蜂を研究所に移送しますんで・・・」

黄土様がキラキラした目を・・・してるんだろう・・・・俺の提案にウンウンと頷いてくれた。


「では、王次郎の事頼みます。」

「おい!兵隊蜂!こっちにお前らの部屋用意したからついてこい!」

そう言って、兵隊蜂を研究室へ連れて行く・・・・のだった。


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