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〜やっぱり敵とかいるのね〜

俺は、現在巣からそう離れていない場所で昆虫採取をしながらまったりと過ごしている。


例によって、巣の入り口でひと悶着あるかと思ったが、

前回王次郎が門を壊したのが幸いしてか、

門の大きさが極端にデカく修繕されていたので、

王次郎も難なく出入りできる様に成っていた。


今回は、前回の例もあるので、兵隊蜂が5匹も着いてくる始末だったが・・

まぁ、王次郎と主様の所にベッタリだし・・いいかな・・

5匹中1匹だけおれの護衛をしているくらいで、あまり気には成らなかった。



天気も良い、日差しが気持ちいい。

昆虫採集は一時おあずけかな・・ちょっとゆっくりしたい・・・


少し、開けた場所で、俺が一人で寝転がり、

空を見上げてさぁ昼寝でもするかとしていると

暇を持て余したのか王次郎が「ママー!」とやってきた。

・・・もう少し、ゆっくりしたいんだけどね・・・


「どうしたー? 王次郎」

『あのね。あのね。 おじちゃんがなにか見つけたっていってるのー』

・・チッ・・主様め・・少しはゆっくりさせろよ・・


「王次郎。 ママを案内してくれる?」

『うん!』


王次郎に案内してもらい、主様の元にチンタラととうちゃくしてビックリした・・・・

・・・おいおい・・・こりゃどーなってんだよ・・・・


到着した現場では、兵隊蜂が3匹倒れていた・・

兵隊蜂が、王次郎の半分ほどか?

そのくらいデカイ蜂と対峙しているではないか。


同族でなにおしてるんだ?とおれが訝しげに見ていると、主様が俺に気づき何やら全力でゼスチャーしてる・・・・


・・え?・・・同族じゃないの??

・・・蜂・・だけど?・・・・・ほうほう・・・つまり敵ってこと?


・・・・・・・・なに悠長に対峙してんだよ・・・・

一大事じゃんか・・・


「おい!、兵隊蜂!状況が読めない!なにがおこってる?」

おれが叫ぶと同時に俺の護衛として来ていた兵隊蜂まで戦闘に参戦しはじめた。


「ちょ・・主様こっちきて詳しく教えて!」

・・だめだ、アイツ・・・ノリノリで戦闘に参加してる・・・・・ってかアイツの攻撃何もきいてないぞ!


敵の蜂だが、前脚に盾のような物を正面に突き出し、

中脚と後脚でカマキリのように構えている。


頭には剣をはやしておらず、

全身の作りもなんだか鎧とまでは行かないが硬そうな甲殻をしている。


・・・・敵さんの方が、兵士っぽい・・いや騎士か・・・

だが、盾一つでどうやってウチの蜂たちを叩きのめした?


・・・援軍呼んだほうがよくないか?

5匹中3匹が行動不能だし・・・

主様は居ても意味なさそうだし・・・


王次郎と俺で一度巣へ戻って助けを呼んでこよう。

幸い巣はすぐそこだ。


「王次郎! 援軍呼びにもどるぞ!」

『えー・・。 ボクあの子とあそびたいー』

「・・・・・」


・・・遊びじゃ・・ないんだけど・・・


「王次郎! 遊びじゃないぞ!兵隊蜂もやられてるでしょ!」

『うー・・・。 ボクもー遊んでくるー! ママ先に行ってー』

「・・・」


「じゃぁ。 王次郎気をつけて遊びなさいね!怪我しないようにね。」

「主様! 王次郎たのみますよ!」


『おじちゃーん! ぼくもまぜてー!』


俺は王次郎を主様にまかせて、巣へ駆け出した。

二歳児の走る速度なんてたかが知れてる。

いっこうに巣につかない。


・・・巣が見えてるんだがなぁ・・・・もどかしい・・・


俺が全力で、巣に戻っている途中、後ろの方で凄い衝突音がした。

何ていうか正に大型トラックが何かにぶつかる様な音だな・・・


・・あれって、多分王次郎のタックルだろう・・・

・・・・勝負・・ついちゃってるんじゃ?・・

・・油断は出来ないな・・取り敢えず・・援軍よばなきゃな・・


結構時間がかかったが、巣まで辿りついた。

門番をしている兵隊蜂に取り敢えず事情説明をしたら10匹の兵隊が出動した。


俺も現場に戻ろうかと言ってみたが、止められた。

仕方なく、俺は門の側で待つことに。


しばらくすると、兵隊蜂が戻る姿が見えてきた。

・・結構兵隊蜂・・減ってねえか?・・王次郎は無事のようだ・・・・・ん?


・・王次郎・・なに引きずってんの?


結構、遠くなので目を凝らして見てると、王次郎の体から縄が伸びている。

その先を目で追うと縄でぐるぐる巻にされた敵の蜂が引きずられている状態だった。


・・兵隊蜂・・・王子になに仕事させてんだよ・・・・

・・敵の蜂・・あれって・・本当になんなんだろ?・・調べれるかな?


しばらくすると一行は門の前まで到着。

・・兵隊蜂・・生き残ったの3匹って・・・結構な強敵だったんじゃないの?


『ママー! つかまえたよー! みてみてー!』

王次郎・・元気だな・・傷とかは・・なさそうだ・・良しとするか。

「おーぅ! 王次郎よくやったぞー!」

『へへーw』

俺が、敵の蜂をよく見るために側までよると・・おぃ・・未だ生きてんじゃんか!


「ちょw王次郎wまだいきてるけど?」

『うん! まだいきてるよー!王次郎がんばったの!えらいー?』

「お・・おぅ。 えらい!エライぞ!王次郎!」

『やったー!』

褒められたのが嬉しかったのか、バインバインと跳ねる・・・振動がヤバイ・・


「主様。 兵隊蜂・・結構やられたぽいけど・・」

「・・えっ・・王次郎が参加するまで・・一方敵にやられまくったの?・・」

「なんで?」

「・・マジか・・そんなに強かったの?・・・この蜂・・・」


どうやら、盾でソードヘッドの剣を全ていなして、体制が崩れた所に尻から針を飛ばす戦い方らしく、接近戦しか出来ないソードヘッドにはかなりの苦戦だったらしい・・


しかも、前脚の両方で構える盾だが、構造的に縦半分に別れる仕組みらしく、いなされたあとにハンマーのように追撃をするらしい・・


・・なかなかつよいじゃないの・・・・


体躯も兵隊蜂の2倍はあるし、力もかなりのものらしく、鎧のような甲羅には剣が通じないときている。


ふむふむ・・・・すげーな・・・これ大群で来たらウチの巣すぐに終わっちゃうんじゃ?

・・ソードヘッドも相当強いと思ってたが、やはり上には上がいるのかぁ・・


『ママー! ご飯食べたいー!』

「おー! そーだな。 取り敢えず、その敵さんをどっかに押し込めとこうか?」


「兵隊蜂さん。縛ったままでいいんで、牢屋的なとこに押し込めといて、あとで俺がいろいろ調べるんで」


「王次郎。 ご飯食べにもどるよー」

・・・・・・あっ!・・王次郎居ないと運べないのか!

「ごめん王次郎。 その捕虜を牢屋まで運んであげて」

『うん!』

「いいこだー! エライぞー!」


王次郎がご満悦で運んでくれたので無事牢屋に捕虜を詰め込めたが・・・・

しかし・・この蜂・・相当重いのか?・・じゃあ・・どうやって飛ぶんだろ?

羽は普通の比率くらいだし・・移動はどうしてたんだろう?

色々と調べ応えがありそうだ!


楽しみが一つ増えた気分に成った事件ではあった。


部屋に戻ると、兵隊蜂に挨拶されて女王が話を聞けるといっていた。

取り敢えず、食事をして主様に王次郎のことを見てもらい俺は女王の部屋へ向かう。


「王次郎。 女王の所行くからちょっと主様と游んでて」

『うん!』

「主様、今日はお疲れでしょうが、お任せしますね。」

・・・主様も了承してくれた・・・さて・・・



俺は女王のへやで話し始める。

「女王陛下。 すみません。こんな時間に伺いまして」

『かまわぬ。 して、此の度はどのような話じゃ?』


「デバイス・・”書”についてのお話なのですが」

『ほうほう・・! そうじゃ。幾つか無垢なる”書”を用意しておいた。もっていくか?』

・・おお!・・デバイス作る手間が省けるわ・・ラッキーw


「えっ!いいのですか?」

『うむ。 側仕えが亡くなったと聞いてな早急に用意したのじゃ』

・・・女王も意外に気にしてるんだな・・まぁ、黄土様の事もあるわけだしな。


「本当に有難う御座います。」

『うむ! して、話とは?』


「ああ・・。 えっとですね。簡単に申し上げますと100%刷り込みの方法が確立しまして」

『なに!!! もうか!もう出来るように成ったのか!???!誠か!』

・・・凄い食いついてくるな・・・

まぁ、ヘキサがやってることだし・・元々在ったものだしな・・


「ええ。 もう既に人間を使い試しました。」

『なんと・・・・。 で、では、黄土は助かるのか!?』

・・・体・・作るのに時間かかるけどね・・・まぁ、一度死ぬんだし・・助かるってわけでもないな・・


「そうですね・・恐らく一度は亡くなられますから助かるとは言いませんが・・」

「”再誕”は可能でしょう。」

『なんと・・・。 ニックよ!よくやった!妾の目に狂いはなかったのう!』

『ふむ・・。 妾は其の方に何か報いねばならぬな・・・』

『ふむ・・・』

・・おw・ご褒美くれるの?・・・・まぁ・・話し終わってからねw


「あの、女王陛下。 他にも報告したいことが山ほどあるんですよ・・・」

『なぬっ! 其の方・・どれだけなのじゃ・・・。 も・・もうしてみよ!』


「そうですね・・ まずは”書”についてなのですが」

『ふむ。 ”書”か・・ふむ』


「”書”なのですが、ヘキサ・・・あの施設で製作出来ます。」

『はぁ?』


「”書”を”時の記憶”にて製作出来るのです。」

『な・・・・・・なんと・・・・・・』


「恐らく、女王陛下はご自分の子・・兵隊蜂等の頭部より”書”をお作りになっていたのではないですか?」

『・・・・・・』


「今後、其のように、ご自分のお子さんを手に掛ける心配はなくなります。」

『・・・誠か。』


「はい。 他にも様々な道具の他にも巣に利益になるような物まで作り出せるようです。」

『なんと・・・・・・』


「あの施設は相当の技術力を持った者が設計をしているようです。恐らく初代を産み出した者たちが居たのだと思います。」

『・・・・・・・・・・』

・・・・・女王・・・言葉少なくないか?・・・・・ビックリしちゃったかな?


『ニックよ・・・。 其の方、何がしたいのじゃ?』

「何とは?」


『其の方は人間じゃ。 しかるにこの巣、我らソードヘッドの利益と申したが・・本当は人間の利益ではないのか?』

「ん・・・。 人間の利益ですか?・・・・・俺は人間だけど・・・人間に対してなんともおもってないですけど?」

・・・あw・・俺とかいっちゃった・・・・


『しかし、それでは其の方は何のためにそこまで我らに協力するのじゃ?おかしいであろう?』

「そうですかね?・・・・ 強いて言うのでしたら王次郎のためでしょうか?」


『王次郎か・・・・。 そうじゃのう・・其の方を母と慕うのじゃし・・』

『しかし、人間の其の方はここにおっても得はなかろう?番もおらぬしのう』


「番って・・・。 私はまだ二歳ですよ?それにあの装置使えば最悪自分の体を自分で作り変えることも出来ますし・・・むしろ、人間世界にいる方が不利益なのではないでしょうか?」

『!!!なんじゃと!・・・・・自分の体を・・じゃと!』

『なんなのじゃ!”時の記憶”とは!?・・・』


「まぁ、まだ調べ尽くしているわけではないのですが、私の予想といたしましては、恐らくこの星・・この世界から遠く離れた地より、住処を探しにやってきた者たちが、何らかの目的でソードヘット族を作り、その際に道具としてあの”時の記憶”も作ったのだと思います。」


『・・・・・・・・・・・遠い地から・・・とな?』

「ええ。 そうですね・・・恐らくの話ですので正確ではないですが、あながちハズレではないでしょう。」


『すまぬ。 ・・・妾では理解できぬ・・・・』

「まぁ・・そうかもしれませんね。 多分この事やあの装置を理解する事が出来るのは・・此の周辺では俺・・私のみでしょう。」


『そうか・・・・。 主様が言っておった、ニックは特殊だ。ということはこのことじゃったか・・・』

・・・・そんなこと言ってたの?・・主様・・・・?・・・・・いってたっけか?


『まぁ・・・良かろう。 しかし、其の方には本当に助けられておる。コレで妾の巣で悲劇は起きなくて済みそうじゃ。』

『ニックよ。 感謝する。』

「いえいえ。 感謝されることではないですよ。 好きでやってることですから」


「それとですね。 お願いが有りまして・・・・」

『なんじゃ? 申してみよ。』


「幾つかまず聞かせてもらいたいのですが」

「先ほど巣の周辺でソードヘッドに敵対する別の蜂に遭遇したのです。」

『なに!・・どのような形をしておった!』


「印象的なのは盾を構え、兵隊蜂たちよりも大きく、とても強い個体でした。」

『ふむ・・・。 シールダーか・・・』


「シールダー?」

『うむ。 種族の名前はアームズワスプというらしい。奴らは我らよりも森の中心部に近い位置に巣を構えており、我らでは到底かなわぬ強さを持っておる・・・・あれに目を付けられると、巣が壊滅する恐れがあるのでなぁ・・』


『奴らの一族は、様々な種類がおってのう・・中にはソードヘッド・・我らと似たような者までおるのじゃ。』

『シールダーは軍として言う成れば、壁役じゃろうか?』

『しかし・・・巣の近くにシールダーが居たというのであれば・・・軍が動いている可能性さえあるのう・・・まずいのじゃ・・・』

『ニックよ。 シールダーに遭遇したといったな?』

「ええ。」


『そのシールダーはどうなった?追い払ったのか?それとも倒してしまったのか?』

「いえ・・・捕まえて牢屋にぶち込んでありますが?」


『はぁ? ・・・・・兵隊蜂が束になっても勝てぬはずじゃぞ?多大な犠牲をだして追い返すのがせいぜいなのじゃが・・・』

「あー・・どうも・・王次郎が捕まえたようですよ?」


『お・・王次郎が・・・・・・・じゃ・・・と?』

「ええ。そのようですね。現場には居ませんでしたから、どのような事に成ったかは知らないんですけど」


『のう。ニックよ・・・王次郎は本当に妾の息子かえ?』

「・・・ちょっと・・なにいってんですか・・・・・あなたの息子じゃなきゃなんなんですか・・・」


『しかしのう・・・其の方を母というしのう・・・・妾に至っては”おばさん”とか”おばちゃん”扱いなのじゃ・・・』

『しかも、妾の眷属でそこまで強力な強さを持っている個体は今までにおらぬしのう・・』

『少々、疑ってしまうのじゃ・・』

・・・・・女王・・がんばれ!


『しかし・・そうか・・捕まえて牢屋に押し込めたか・・・』

「ええ、先程牢屋に放り込んでおきました。」


『ふむ・・しかし・・・シールダーが他のものと連絡を取っていた場合・・まずいことになりそうじゃ・・』

「あ・・・やっぱりそうおもいます?」

『やはり、其の方も気づいておったか・・・』

「ええ。 恐らく、近い内に報復もしくは先程言っていた軍が押し寄せるかもしれません」

『ふむ・・・数匹での報復であれば、膨大な被害は出るが・・・退けることは出来る。しかし、軍が相手の場合は恐らく時を置かずして巣は壊滅するじゃろう・・・・・・・なんとかせねば・・・』


「女王陛下。 そこで、先程のお願いにも繋がるのですが・・・」

『なんじゃ?』

「ヘキサを使い、捕虜を解析し、強さを兵隊蜂に導入出来るかもしれません。」

『!・・・・・・・・・なん・・・・じゃと・・・・・・』

「恐らくそういう事に特化しているのがあのヘキサなのですよ。」

「ですから、兵隊蜂を使った実験・・もとい、施術の許可をいただきたい。」

『・・・・・実験・・ともうしたか・・・・しかし・・・・』

「まぁ、そんなに激変したりはしないとおもいますよ?ただ、強くなって軍に対抗出来るくらいにはなるとは思いますが・・・・・」

『・・・・・・・』


『ニックよ。 わかった。好きにするが良い。我らソードヘッドを生き延びさせよ』

「ハハー! 全力を尽くします!」


・・・・まーた、いらない仕事もらっちゃったw・・・・楽しいからいっか・・・


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