〜Hey!時の記憶。今日の天気おしえて〜
いろいろ、盛り込みすぎててんやわんやです。
巣に着くなり俺は急いで女王に謁見を申し込むため近衛兵へ話を通しておいた。
戻る其の足で、自室に運び込まれた蜂妖精の容態を確認。
治療に特化した蜂がお尻から何やら治るのか?と思えるほど緑色の粘液を出しては、
蜂妖精の傷口に刷り込んでいる。
・・まだ、大丈夫・・・・・もう少し遅かったらマズかったな・・・
そうこうしていると、女王への謁見が叶ったので、
主様と王次郎に蜂妖精の事を頼み女王の元へ向かった。
「女王陛下。お忙しい所申し訳ありません。可及な要件でしたので」
『ニックよ。 側仕えが重症だそうだな』
「左様で」
・・・・・情報早いな・・・・
『ふむ。 王次郎には怪我は無かったのじゃな?』
「左様で」
『よろしい。 ニックよ、こ度はどのような要件なのじゃ?』
「ははー。 端的に申しますと”時の記憶”の部屋と書庫の利用許可。
装置の一部、利用方法をお聞かせいただきたい。」
・・・・あの部屋の装置の一部でも使えるようになれば少しは動作が解かるだろうし・・・・
『ふむ。 利用は許可しよう。』
『して、利用方法とは? お主が調べていたのではないか?』
「其の事に繋がる内容なのですが、まずは書庫に並んでいるあの本でしょうか・・アレを作るにはどのようにしたら良いでしょうか?」
・・・記録メディアを入手できないと・・実験しようにもできないしな・・・
『ふむ・・・”書”の事か・・・』
『”書”を使い何を行おうというのじゃ?』
・・・・”書”っていうんだね・・・・ってか、結構重要なんだな・・”書”・・・女王の雰囲気が刺々しい・・
「・・・」
「女王陛下には一切、虚偽をしてはならないと自覚していますので、正直に申します。」
『申してみよ・・・』
・・・ウソ着くとためにならんしな・・・・前回でこりてるし・・・・正直にいうか・・
「今回、外界へ出た際に側仕えが負傷したのはご存知ですね?」
「負傷度合いがとても深刻でして、恐らくこのままでは助からないと思います。」
『ふむ・・・』
「黄土様の”再誕”の事前試験ということで、
・・・勝手ながら蜂妖精を利用しようと思っています。 其のために”書”が必要なのです。」
『なにっ! 妾の眷属を使って実験まがいなことをするのか!』
・・・・ヤバイ・・おこらせたか?・・・・まぁムリもないよな・・・子供に手を掛けますって言ってんだしな・・・
「お怒りはごもっともです。・・・ですが、一度熟考をしていただきたい。」
「現在、黄土様は何時ぞ命を落としかねない状況であり、更に此の度、幸か不幸か黄土様の”再誕”の試験が行える状況なのです。」
『・・・・』
「もし今回、この機を逃すと、今後の王子種並びに姫達の不全や不幸な事故による損失が発生した場合、打つ手が亡くなる恐れが有ります。」
「私は、そのような損失に対向出来るだけの技術をこの巣に確立したいと思っての行動です。」
・・・・こんなんで、説得出来るかな?・・・・できるといいなぁ・・・
『う〜・・・・む。』
「いかがでしょうか・・・」
『ニックよ。 其の方が我らに対し、そこまでの思いを持っていたとは思いもよらなんだ・・』
『・・・・良かろう・・・・・じゃが、無駄にはするな! わかるな?』
・・・・なんか・・勘違いしてるけど・・・・まぁのっかっとこう・・・・
「ははー。 全力を尽くす所存です。」
『相わかった。 成れば”書”についての話を聴くがよい。』
『”書”とは・・・・・・・・・・我らの”魂”なのじゃ・・・』
・・・・今度は、魂とか・・・・・・わけわからん・・・・ただのICチップにしか見えないけどな・・
「”魂”・・・ですか・・?」
『うむ。 厳密に申せば、我ら兵士以上の個体の頭部には、生まれながら”書”が詰まっておる』
『言う成れば”書”とは、人間で言うところの”脳”と言えよう。』
・・・・・・・っえ!?・・・・・脳みそなの?あれ・・・?・・・・・ICチップじゃないの?
・・・ってか・・じゃぁどーやってつくるんだよ?・・・・いや・・・取り出すのか?
「・・・・・・・つまり・・書庫に並んでいる”書”は全て、”脳”だったのか・・・・・・」
『うむ。 我ら一族の女王は巣立ちの際に”書”を全て無垢なる”書”へと書き写し新天地を目指すのじゃ』
・・・へぇ〜・・・・・つまり?・・チップなんだよね?・・・書き込み、読み込みとかできちゃってるし・・・
「では、女王陛下もこの地へ来る際に新しい・・無垢なる”書”への書き込み・・・いや転写を行ったということですね?」
『うむ。 ”書”から”書”への転写を行った。』
・・・まぁ確かに記録メディアと思えば・・・・できなくないよな・・・・ってか凄い量だったけど・・全部やったのか?
「書庫に有るあの大量な記録をですか・・?」
『妾が持ち込んだ”書”はほんの一部じゃ・・。アレに並ぶは兵士以上の者の”思い”という事になろうのう。』
・・・ぇ〜・・・・随分、重い思いだこと・・・・・何千あんだろ?その思い・・・・
・・・・俺・・なんでダジャレのセンスねぇんだろ・・・・まいいや。
・・ってか、今の話って・・結構重要な話しなんじゃね?・・・
「・・・・とても重要なお話を・・していただいたようですね・・・感謝いたします。」
『うむ。 成れば、無垢なる”書”が欲しいのであろう?』
・・・確かに実験するにしても新しいメディアが必要だけどね・・・
「・・・はい。 ですが・・”書”がもう既に側仕えの頭に存在するわけですよね?」
『うむ。 存在しておる。』
『側仕えが成体へ羽化した後に”時の記憶”にて知識を刷り込まれるからのう』
・・・・蜂妖精さんが死んだらチップを頭から取り出せば・・・コピー元は確保できるってことだな・・
・・・・ん?まてよ?・・・・ん?・・・コピー出来るのしってんじゃないの?
「・・・でしたら・・・・・・・」
「女王陛下にお尋ねしたい。」
『なんじゃ?』
「話の筋が変わりますが、新たに卵を産み姫を育て、成体に成った際に黄土様の”書”を上書きすればよろしかったのでは・・・・・?」
『ふむ・・。 それは、妾も考えては居たが、恐らく成功しないじゃろう。』
「なぜですか?」
・・・ほー・・・女王もやっぱり考えてたんだね・・・
『第一に個体として、新たな姫は新たな姫であり、”個”は尊重されておるからじゃ』
『第二に新たな個体は黄土とは全く違う素養を持っており、黄土が馴染むことはなかろう・・』
『第三に新たな個体に”書”を刷り込ませた場合、”書”の全てが刷り込まれるわけでは無いからじゃ』
『”時の記憶”はあくまでも刷り込みでしか無いのじゃ・・・』
・・・・えっ!・・・・・マジで?・・・確かに黄土様と話した時・・・以前の記憶が完全に抜けているわけじゃなかったけど・・・・第三のそれって、やっぱり上書きじゃなくて、統合みたいなものなのか?
「・・では、仮に黄土様のご遺体から側仕え誕生の技法を応用して産まれた個体へ黄土様の”書”を刷り込ませても完全な黄土様が”再誕”とは成らないということでしょうか?」
『・・・うむ。 恐らく第三の”書”の全てが刷り込まれるわけではない点からしてそうじゃろう』
・・・・うー・・・わー・・・・マジかよ・・・・もっと簡単に行けると思ってたのに・・・・・
・・・記憶の転写だけじゃ・・・やっぱダメなのか?
・・こんなんじゃ、黄土様を完璧に”再誕”させることができない・・・
・・これって・・割と初期段階から見直さないとまずいな・・
取り敢えず、実験材料がほしいわ・・・
「・・・でしたら、やはり無垢なる”書”が幾つか必要になります。」
「完全に”書”が新たな個体に刷り込まれる方法も探らなければなりません。」
『そうじゃな・・。 良かろう。』
『無垢なる”書”を幾つか用意して渡すことにする。』
『されど用意するには時間がかかるゆえ、予備の”書”を幾つか分け与える。数はわずかじゃ細心の注意をくばるように心せよ。』
「はっ! 肝に銘じます。」
「誠に恐縮では有りますが、転写の技法もお教え願えますでしょうか?」
『そうじゃったな。 よかろう・・・着いてまいれ。』
「ハッ!」
・・取り敢えず・・知ってること教えてもらうかな・・・・・
俺は、女王に付き添いまずは書庫へ向かった。
女王は書庫に着くなり、部屋の一番奥に向かい、床へ手を伸ばし柱を立てる。
『ニックよ。 この辺が妾が故郷から持ち込んだ”書”になる。覚えておくように。』
・・・目録みたいなの・・やっぱ必要だよね?・・・覚えてらんないんだけど・・・
そう言うと、柱の一番根本の辺の一枚を取り出し”時の記憶”へ向かった。
”時の記憶”へ入ると、女王が何処からか持ってきたのか書庫から持ってきたものとば別の”書”を取り出す。
『ニックよ。 此方に転写元の”書”を置くのじゃ。』
以前、主様が”書”を閲覧する際につかったコンソール周辺にあるくぼみに転写元を設置。
続いて、診察台のところまで来ると、台の横に手を伸ばし何やらスイッチを押す。
すると、床から30センチ四方の長方形の柱が伸びてきて1.5メートル付近で止まる。
伸びた柱を見ると、そこには、正六角形のくぼみの横に古代語で”器”と書いてあった。
『ここに転写先の”書”を置くのじゃ』
女王がまたコンソールまで戻ると、何やらキーボードをたたき始める。
「女王陛下。 いまは何をしているのでしょうか?」
『ふむ。この文字の部分を順番に押すことで、転写が開始されるのじゃ』
カタカタという、キーボードの音が響く。
・・・目が見えないのに・・良く文字がわかるな・・・なぜだ?
・・・そうか・・女王はキーボードの押す順番は覚えていても・・・
・・・押したキーがどんなだか理解してないのか・・・
『触覚接続で操作できれば苦労はしないのじゃがな、この転写だけは、手作業なのじゃ』
と言い、最後にエンターキーの様な丸いスイッチを押す。
『さぁ、始まるぞ』
女王が声を掛けるとほぼ同時に、
床のそこからドクンッドクンッと鼓動に似た音が響き、
ビビビビビっという振動が体に響く。
・・・ホントに・・・この装置・・ハイテクなのは解るんだけど・・・どうやって動いてんだろ?
そもそも、電源ってかエネルギーはなんだろうな?・・・・電気は使ってるようにみえないし・・・
しばらくすると、コンソールから
”情報の統合からデバイスへの書き込みを完了いたしました。”
”書き込み率70%”
”デバイスを取り外してください。”
と言う、アナウンスがながれた。
・・・・・えっ?・・・・・・古代語?・・・・・・・・おぃおぃ・・・・
・・・まさに・・機械音源で鳴らした音だ・・・・・おぃおぃ・・・・・
『ニックよ。 この音が鳴ったら転写が完了じゃ 意外に簡単じょろう?』
・・・・・・・女王・・・・今の声・・・聞こえてたよね?・・・・・デバイスとかいってたじゃんか・・・
・・・はっ!・・・そうか・・念話って相手の言語を理解しなくても通じるんだよな・・・
・・つまり・・無機物なんかの意思のない声は・・ただの雑音にしか聞こえないのかもしれない・・・
「女王陛下・・・。一つお尋ねしたいのですが、今この部屋が出した音の意味はわかりますか?」
『?なにを言っておる? 転写が成功した時にはいつも同じ音がながれるのじゃ。 意味などありゃせん。』
・・・・やっぱり・・・・・・もしかして・・・・試してみるか?・・・何で試すか・・・
・・時の記憶という部屋なら・・時の記憶という名前なのだろうか?名前さえ判れば・・いけるか?
・・取り敢えず、時の記憶という単語でいってみるか・・
『Hey!時の記憶。今日の天気おしえて』
俺が、古代語を声にだし発音してみると、
コンソールの前に光が灯り其の光がコンソール前の池の外周を一度まわったが、
ただそれだけで終わった。
其の様子を見ていた女王が物凄くビックリした様子でコチラに顔を向ける。
・・・命令が違うのか?それとも・・・名前とかが有るのか?
いや・・なにかちがったのだろう・・・
・・しかし、反応はあった・・恐らく音声入力というか・・・
元の世界にもあったスマートスピーカーのような人工知能みたいなのが入ってるんじゃ?
「女王陛下。 この部屋は”時の記憶”ですよね?」
『う、うむ。』
「この池は・・名前とか有りますか?」
『ふむ・・・・。 ”泉”の名前とな?・・・・・・・妾は知らぬが・・・』
「そうですか・・・・」
俺は、そう言って辺りを少し調べてみると、
コンソールと対面の辺りに”泉プロトタイプ:ヘキサ”という古代語を見つける。
・・・・恐らくコレがハードの名前だろう・・・・ヘキサ・・・か・・・
・・・しかし、文字が読めるはずなのになぜ女王は知らない?
・・まぁいい・・・それよりも・・・
『Hey!”ヘキサ”。 ムードの有る曲きかせて。』
”ビジターのアクセスにより。ムードの有る曲を恒星ネットよりシャッフル再生します。”
ジャズっぽい曲が流れ始めた・・・・・・・
マジかっ!




