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〜子供はみちゃだめっ!〜

結構、残酷な表現があります。

『ママー!もうすぐつくよー』

「王次郎は、速いなー!すごいぞー!」

『へへー』


『ようせいさんは大丈夫?』

「まだ、わからないけど、キャンプについたらちゃんと見ようね」

『うん!』


・・・・王次郎・・・いい子に育ってるなー・・・うんうん・・・・

しかし・・蜂妖精さん・・・・なんとかしてやんないとな・・・



王次郎が言った通りベースキャンプへはすぐに着いた。

結構な時間が立っていたが焚き火はまだ消えていない、

俺は急いで、薪になるような物をさがして、火にくべた。


「王次郎。 蜂妖精をここにおろしてくれ。 そっとだぞ?」

『うん』

王次郎に蜂妖精を下ろしてもらい、様子を見る。


「蜂妖精さん・・大丈夫ですか?まだ意識有ります?」

『ニック様・・まだ大丈夫ですなようです・・・・が・・・』

「まだ喋れるみたいですね。まだいけそうですね。」


『ニック様・・・私は恐らくもうダメだと思います・・・・・腹部がかなり損傷していますので・・』

「・・・・・・・」


・・・・・正直、俺もダメだと思う・・が・・どうしたら・・・・・

ヒールみたいな魔法・・俺は持ってないし・・レーナさんあたり使えるかな?

取り敢えず、いますぐに亡くなるようなことはなさそうだから、腹部の所になにか応急処置でも・・・しとくか。


俺は、荷物の中から予備に持ってきた自分の衣服を破き、蜂妖精さんの腹の傷を塞ぐようにおおった。


・・・消毒も何もないが・・・体液がこれ以上流れないようにはできそうだし・・

・・・あとは、ハチミツでも飲ませて意識をたもたせるか・・・

・・いや・・・腹部の怪我にわるいな・・取り敢えず、口の周りに塗っておいて舐める程度にしとこう。


蜂妖精の口に俺が常飲しているハチミツをぬっておいた。


「蜂妖精さん。意識がはっきりしなく成ったら口の周りのハチミツ舐めて意識だけは繋いでおいて・・・・今の状況が解決したらすぐに巣にもどって治療するよ。」

『有難う御座います・・・・・・』ペロッ


「主様。 蜂妖精さんの看病おねがい。 俺と王次郎は人間達のヘルプをしてくるよ。」

・・・主様・・たのむぜ・・・


「王次郎いくぞ! あのトンボにお前の巨体でタックルしまくる!」

『うん!』


レーナ達もベースキャンプからそれほど離れていないところまで走ってきているし・・・・

ただ、結構消耗してるっぽい・・このままだと最後尾のレーナが・・ヤバそうだ。

コレは、一度こっちにトンボ共をひきつけるしかないな・・・


俺と王次郎は、ベースキャンプから少し離れ、トンボを誘導することにした。

「おーい! こっちこっち!こっちだぞー!」

「王次郎!美味しそうな芋虫を演じて!・・トンボをレーナ達からこっちに引きつけよう。」


『う・・うん!』


・・・・流石に無茶振りだったかもしれん・・・・・・

・・が・・王次郎やれるのか?・・・・・ノロノロと動いたり、クネクネしてみたりと・・・・


『ボクはやわらかいよ〜 たべやすいよ〜 おいしいぞー!』

・・もう・・・必死だったのかもしれないが・・・自分で言っちゃってるし・・・・かわいいぞ!

・・ん?・・・甘い匂いがする・・・・王次郎・・・お尻からなんか液体でてるよ・・?


『ほら〜! あまーい蜜もでちゃうぞ〜! ボクたべられたいな〜』

・・・王次郎・・名演技だ!・・・・すごいぞ!


風に乗った甘い匂いがトンボにも届いたのだろう・・・

トンボは方向をかえて此方に向かってくるのがみえた。


トンボ・・すごい速さだ・・レーナ達良く逃げれたな・・・

さて・・・トンボが来たらカウンターで王次郎タックルだ!


「王次郎!トンボがくるぞ!タックルの準備しとけ!」

『ボクは〜あまいぞ〜! 柔らかくて美味しいぞ〜! ほら〜ぷるんぷる〜ん!』

・・・ぷるんぷる〜んってんんだよ!・・口でいうやつっじゃないぞ!

・・・・演技に入り込みすぎだ!・・トンボそこまで来てんじゃんか!


・・あっ!・・・


仰向けでワタワタともがく演技に入り込んでいた王次郎に向けて、トンボの群れが突撃した。


「王次郎!」

『イダイッ!』


仰向けになり腹を見せていた王次郎にドスドスとトンボが突き刺さる。


『ママー!おきれないー!』

・・・なにを悠長に・・・・・


『ママー! どーすればいいのー?』

・・・・あれ?・・・結構余裕なの?・・・・痛いってさっきいったじゃん・・・・


「王次郎!そのままゴロンってまわっちゃいなさい!」

『う・・・うん!』ゴロン・・・・・メキメキメキ・・・グシャッグシャッグシャッグシャッ・・・


王次郎が寝返りの様に仰向けからゴロンをすると、突き刺さっていたトンボ達がそのまま横倒しになり、王次郎がうつ伏せに戻る拍子にトンボ達からメキメキと音が聞こえる。

終いには、王次郎の巨体に押しつぶされてグシャッグシャッと音を立てている。


・・タックル必要なかった・・・・・・・・トンボ達・・・・・ご愁傷さま・・・・


『ママー!お腹がゴリゴリするー』

「あ・・・うん。 もう少しゴリゴリしちゃいなさい・・・」

『わかったー!』


王次郎の腹の下敷きになったトンボ達から絶え間なくゴリゴリとすり潰される音が響く・・・

しばらくすると、ゴリゴリがグチャグチャという音に・・・・


「王次郎・・そろそろいいとおもうよ・・・」

『ママー!お腹がネバネバするー! きもちわるいー』

「うん。 あとで洗おうね・・・」


取り敢えず、トンボ撃退・・・しかし、湖から這い上がってきた大きな虫・・・なぜこないんだ?

まぁ、いいか・・・レーナ達もなんとかベースキャンプにたどり着いたみたいだし・・


「王次郎・・戻ろう・・」

『うん!』ネチャネチャ


俺と王次郎がベースキャンプに戻ると、レーナ達は満身創痍と言った状況でコチラを凝視してくる。

『お疲れ様でした。』

『有難う御座います。 あそこで、引き付けてくれなかったら危ないところでした。』

『いや・・良いです・・それより、怪我は大丈夫ですか?』

『大したこと無いとは言えませんが、少しなら傷薬と魔法で何とかできますから』


・・・・・傷薬・・・・・魔法・・・・・お願いできるかな?


『あの・・先程の戦闘で、重症の者が出てしまいまして・・・差し出がましいのですが、治療をお願いできますか・・?』

『・・・・』


レーナは男共に向き直りなにやら話した後、申し訳無さそうにコチラを向く。

『あの申し訳ないのですが、私共もかなり消費しておりまして、今すぐとは・・』


・・・そりゃそうだ・・・しかし・・・まぁ、しかたない・・・


『いいえ。お気を悪くしないでください・・失血は一様してみたので・・巣に戻るまでもてばいいのです。』

『そうですか・・・。 あのニックさん・・こんな状況で申し訳ないのですが・・』


『ああ。 報酬のことですね?』

『ええ・・・。 報酬なのですが、お手持ちに金銭を持っていないと伺いましたし・・』


『そうですね・・。 冒険者の方はいつもどのような稼ぎ方をしているのでしょうか?』

『もし、戦利品とは言えなくとも、倒した獲物を持ち帰って素材としたりとか・・・』

『探索などしていると、今回の様に襲われる事も有るでしょうし・・そういう場合はどうなのでしょうか?』


『確かに倒した魔物を解体して素材を持ち帰ることはあります。』

『でしたら、トンボの素材とかは?いかがですか?・・結構グチャってますけど・・・』


『素材としては、もう少し原型をとどめてもらうと・・ありがたいですね・・』

『ですよね・・。 でしたら、この兵隊蜂についてる剣とかどうですか?』


『えっ! ・・・もらえちゃうんですか・・・?』

『ええ。 ただ・・・生きてるやつのを持ってくわけにも行かないので・・一度巣に行かないともってこれないので・・・』


『・・・・・巣までついていくっていうことですよね・・・』

『そうなっちゃいますね・・・。 マズイですかね? できれば、早く巣に戻って治療したいのですけど・・・』


『けが人が居るのでしたね・・。すみません。』


レーナが男共になにやらはなしはじめた・・・

・・さて・・早く戻らないとヤバイな・・・蜂妖精・・・取り敢えず、身支度だけでも先にしとくか。


俺は、兵隊蜂に荷物をもたせ、蜂妖精を王次郎の背中にくくりつけていると、男共が喚き始めた。


・・・あー・・・揉め始めた・・・・そりゃー報酬払うのに蜂の巣に行くって・・おかしな話だもんな・・・

でも、そうしてもらわないと、蜂妖精ホントにヤバイんだよな・・・

・・・しかし・・この展開は・・・・マズイか?・・・いや、チャンスかな?

・・・手間も省けそうだしな・・・・・


俺が準備を終えて、レーナ達の様子を見ていると、軽装備の男ニルスが此方に詰め寄ってきてなにやら喚き始めた。


・・・・きたきた・・・・何ってっか、わからんが言いたいことは、なんとなく分かるぞ・・・

・・・あれだろ?ふざけんな的なことだろ?・・・このガキが!とかいってんだとおもう・・・


俺がボケーッとニルスの喚き散らすのをみていると、カンに触ったのか俺の・・二歳児の胸ぐらを掴み始めた・・・・


・・・・いい大人が・・二歳児になにやってんだよ・・・

まぁ・・・でもこれで手間が省けた・・罪悪感も感じないで済みそうだ・・・


ガッツリ胸ぐらを掴まれて宙に浮く俺、それを見た兵隊蜂が勢い良くニルスに突撃、慌ててニルスが俺を手放したが事ここに至っては遅すぎた・・・、

兵隊蜂の頭剣の一つがニルスの胸にガッツリ突き刺さってしまったのだ・・ってか貫通した。

それを見たレーナとボークスが絶叫する。


投げ捨てられ、宙を舞っている俺は、この後、どう運ぼうか・・・

どうしたもんかと考えたが・・・まぁなるようにしかならんだろう・・・・ ドサッ


イデェッ!


かろうじて、王次郎にぶつかりクッションは有ったがそれでも結構なダメージをおった。

俺が、頭をさすりながら立ち上がると、辺りは修羅場とかしていた。


兵隊蜂に向かい大剣を振りかざし渾身の一撃とも取れる攻撃を繰り出すボークス。

必死に胸に刺さった剣を抜こうともがくニルス。

どうして良いか判らずに無闇矢鱈に魔法を放つレーナ。


・・・あちゃ・・・やっぱこうなったか・・・・まぁいいか・・・


俺は王次郎と少し離れて観戦することにした。

恐らく決着はすぐにつくだろう・・・・・・兵隊蜂の圧勝で・・・・


観戦していると、レーナが必死に叫ぶ。

『ニックさん!止めてください!この蜂を止めてください!』


俺は、それには答えなかった・・・・・・・。

最初に息を引き取ったのはニルスだった。

もがいてももがいても一向に抜けない剣にだんだんと意識が薄れていきそのまま手足の力が抜けていった。

次にボークスが切りかかった時、運悪く・・いや、兵隊蜂がおもむろに頭剣をカウンターでつき出したのだ・・・・あえなく金属製の胸当てごと胸板をつらぬかれて絶命した・・・胸を突かれた後、大剣を兵隊蜂の目に向かい突き立てたが、やはりビクともしなかったのを見て諦めたようだ・・・


最後に・・・レーナ・・・ボークスが突き刺されたのを見て半狂乱になり魔法さえ使わず杖で特攻してしまったのだ・・・・兵隊蜂が前足を軽く振ると、レーナの腹部に大きな穴を穿った・・


『なぜ・・・なぜ、こんなことに・・・・』

『・・・・・・』


『レーナさん。 古代語を教えてくれてありがとうございました。』

『ご遺体は丁重に素体として使わせていただきます。 安らかにお眠りください。』


・・・ああ・・そうだ・・そもそも俺らは素体探しに来てたんだしな・・・

・・・死体からでも知識や技術が得れるなら尚の事いい・・・

・・元々、俺は生かして返すつもりもなかったしな・・・


『えっ・・・・・』


レーナの最後だった。



「兵隊蜂さん。良い働きでした。ご苦労様です。」

「王次郎。 これも全部運ぶよ。」

『うん・・わかった・・・』


・・・・・王次郎にはあまり見せたくなかったが・・・こんな場だ・・仕方ない・・・



俺らは終始無言で巣へもどった。


・・・蜂妖精さん・・・まだ息はあるようだ・・がんばれよ・・


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