〜え?SFなの?・・ファンタジーって思ってたけど・・〜
女王から側仕えの作り方・・・いや、産み方を聞くために。
女王の部屋を離れ案内されたのが、書籍を収めた場所に近い薄暗い部屋であった。
其の部屋は”時の記憶”と呼ばれる部屋らしく、
女王曰く、此の部屋だけは、極めて重要且つ死守すべき場所なのだと教えてくれた。
つまり、此の部屋へ俺が招かれたという事は、やはり其れなりの扱いに成ったと言う事らしい。
ただ・・・俺はこの部屋に何か親近感がもてた・・・。
だってさ・・此の部屋に設置されている道具というか・・機械にしか見えないんだが・・?
いや・・機械っていうか・・生き物?・・機械ってビクンビクン動かないよね?
・・それに、アレなんてモニターにしか見えないんだし・・・システムコンソールっぽいのあるし・・
中央には手術台というか診察台みたいなのがあって・・・
天井にはTVでよく見る手術室にある円形のライトみたいのあるんだよな・・点いてないけど・・
なにこれ?・・主様連れてこないとまずくない?
俺一人で抱えきれないわ・・こんな秘密・・・
この巣に来たときから色々と違和感が合ったのは確かだけど・・・
ここまであからさまな物は初めて見たな・・・
俺が周りをジロジロと不審者の様に見ていると
『そうしたのじゃ?ニックよ。 此の部屋がそんなに珍しいのか?』
「・・・・・えぇ・・とても珍しい・・ってことにします。・・・」
『?なんじゃ・・其の歯切れの悪い言い分は?』
「いや・・多分、私からは色々言えない内容なんですよ・・主様なら多分話せると思うんですが・・」
『ふむ・・・。 ならば、呼んでまいるか・・』
「お願いいたします。」
女王が部屋の外で待機している近衛兵へ伝言をすると一匹がしばらくすると主様を連れてくる。
『ようこそ、御いでくださった。主様よ』
主様は、女王へ「よっ!元気だったか?」的な挨拶をしている・・・いいのか?
『主様よ、ニックが主様が居ないと話せないと言うのでな・・忙しいとは思うが、招いたしだいだ。』
主様・・いいの?
あ・・主様こっち見て巻き込むな的な視線・・・・ごめんね。
『さて、ニックよ。 まずは、どこから知りたい?』
「私は・・そうですね。通常の卵がどのようなきっかけで側仕えに分化するのかを知りたいですね。」
『ふむ、よかろう』
女王がなにやら触覚をコンソールに近づけると、筋肉の萎縮音のような音が辺りに響く。
『ニックよ、早う近うよれ。 触覚を合わせねば伝わぬであろう?』
「・・・あの・・・俺、触覚ないんですが・・・」
女王、ハッっとした雰囲気になりどうしたものかと困り始めていた。
「女王陛下、そこにある円いものは映像を映し出すものではありませんか?」
俺が円形のモニターらしき物を指摘すると、気づいたのだろう。
女王がおもむろにコンソールのボタンらしき物を弾くと・・
円形のモニターらしき物に・・・って、それモニターだよね?完全に・・
(ちょ・・主様・・・これ・・何かの機械でしょ?)
(・・あまり、答えたくなさそうだけど・・・・機械だよね?)
(・・え!・・厳密には・・違うの?・・なんなのこれ?)
(・・あまり気にするなって・・・)
(気になるよ・・・・・ え?・・それよりモニター見ろだって?・・・)
俺は、素直にモニターを見た。
そこには、古い時代の何やら歴史的なものから順に様々な映像がながれた。
音声が無いので、大体の把握しか出来ていないが・・・
「ん! 女王陛下そこ!そこをもう少し詳しく見たい!」
『ぬ? ここか?』
こんなやり取りが続く・・・・
結果から言うと、ある程度わかった。
やっぱり音声つきじゃないと微妙だな・・
驚いたことに、このモニターはカラー対応で画質も中心部分ほど鮮やかに見える。
「女王陛下。先程の映像をまとめてみたのですが確認取れますでしょうか?」
『うむ。 きかせてたも』
俺は女王へ纏めた情報のすり合わせをすることにした。
要は、王子ないし姫の孵化した際に出る卵の残骸を溶かした液と融合する素体を溶かした液を混ぜたものに女王が厳選した卵を漬け込み、孵化させるのだという・・・・
そして、孵化した側仕えが蛹から成虫になると、此の部屋に連れてこられ、コンソールに繋がれて側仕えとしての知識やらを詰め込まれるらしい・・・・
俺は、此の部屋に来てから・・・相当凄いバイオ技術・・いやバイオだけじゃない・・
相当進んだテクノロジーが詰まっていることに戸惑っていた。
・・・主様・・・この情報・・・俺が知っちゃって大丈夫か?・・消されないよね?
それと・・・・
蜂妖精さん・・・素体はやっぱり妖精なんだね・・・どっかでとっ捕まったやつが生贄になったか?
取り敢えず、女王からは其の内容で間違いないと確認は取れたが・・・
ここまでで色々と疑問が残っている。
まずは、この部屋・・・
此の部屋って・・・誰が作ったの?
このテクノロジー・・・ホントに蜂達が築いたものかな?
それと、一番重要・・この部屋の装置・・俺も使えないだろうか?
恐らく・・黄土様の再誕にも使うことになるだろう・・・とは気づいていたが・・
女王は気づかないのか?それとも・・試したがダメだったのか?
・・・主様・・コレ・・きっとさ・・SFなんじゃないのか?
お狐様は中世ヨーロッパ風味とごまかしていたが・・・この流れで行くと・・ファンタジー通り越すぞ?
「女王陛下、貴重な情報を頂いて恐縮です。」
「側仕えの産み方は理解したのですが、いくつか・・質問があるのですが・・よろしいですか?」
『なんじゃ? 改まって・・・』
「この部屋は、何なのでしょうか?」
『? 書庫に繋がった学習室となっているが?』
・・・・・
もしかして、女王・・気づいてないんじゃ・・このテクノロジーの事を・・
「・・質問が間違っていたようですね。言い直します。」
「この施設は女王陛下がお作りになったものですか?それとも何処からか持ってきたとか?」
『この施設を作ったのは働き蜂達じゃ、働き蜂達に作らせたのは妾じゃが?』
「そうでしたか・・ でしたら、この部屋の機能を熟知しているとうことですよね?」
『ふむ・・・ 残念じゃが、妾が知り得ることの中にこの施設の機能全ては含まれていないのじゃ・・』
「えっ! ・・作ったの・・設計したのは女王陛下なのですよね?」
『うむ、コレの設計は妾が考え出したものではないのじゃ・・残念なことにのう』
『妾は、知識に有るものを作らせたに過ぎぬ』
「・・では、この機能を設計した方はどのなたなのでしょう?」
『ふむ・・・ 妾にはそれに付いての知識を持ち合わせておらぬ・・が・・』
『恐らくは、初代の方々じゃろうのう・・』
「初代・・・ですか・・・」
『うむ。 初代の方々に関する記録は完全に消滅しているはずじゃし・・妾の知り得ている事の中には無いからのぅ。』
「ふむふむ・・」
・・読めてきたぞ・・・・主様!
(主様・・・この蜂族・・ソードヘッドの初代とは・・・異星人じゃないんですか?)
(異星人が、この星を植民地にするためとかで、入ってきた者の末裔が・・ソードヘッドでしょ?)
(・・・主様・・だまってないで、教えてほしいんですけど・・・)
主様は頻りに周りを見渡し、ため息をつく。
(・・え?・・・・惜しいけど・・違う・・?)
(・・・まだ其のことには関わらないほうがいい?・・・・・・・・・・わかりました。)
(アレですよね?・・運営絡みですか?)
そこまで言うと、主様はYESともNOともいわなかった。
・・・・・つまりだ、いい線はいってるけど・・恐らく違うのだろう・・・
そして本題は、そうではない・・・
この施設・・・俺が使えるなら・・・黄土様の件以外でも様々な事に使える・・・
下手すると、ハザードがおきるぞ・・・・この星のバランス絶対崩れる・・・
「女王陛下最後にお願いしたい事が有ります。」
『ふむ』
「この施設・・・俺が・・私が使うことは出来ますでしょうか?」
『・・・・・・・・ うむ・・・難しい願いじゃのう・・・』
「だめですか?」
『この施設は我ら用に作られておるからのう』
『人間には使えぬやもしれぬのだ』
「・・・でも、女王陛下はこの施設の全てを理解しているわけではないのですよね?」
『そうじゃな・・ 確かにそうじゃ・・成れば使えるのやもしれんのう』
「では、少しずつ使い方を見つけて行きたいと思います。この施設の使用許可をいただきたいのですが?」
『ふむ、わかった! ただ、貴重な素材等使用している施設であるので、十分に気をつけよ。』
「!有難う御座います!」
・・コレを利用出来るように成れば、黄土様や諸々の問題を解決出来る・・・
さらに・・時間が間に合えば、女王の寿命の件も・・もしくは?
・・・主様・・・もしや・・コレが、ガチャの結果なのかな?・・・
そう思い、ふと、主様を見ると・・・
・・・主様・・・なんで診察台に寝転がってアブダクト気分にひたってんの?
・・たすけてくれ〜!じゃないだろ・・・・・演技へたかっ!
・・・これ、恩恵じゃ無いのかもしれない・・・・
取り敢えず、何処からてをつけるかなぁ?
外出許可も出てることだし・・・・
一度、考えを纏めてみるかな・・
「女王陛下。今日は本当に有難う御座います。」
「一度自室に戻り、少し考えることが必要ですので、本日は失礼致します。」
『うむ。 黄土の件何とかなりそうか?』
「まだ、わかりませんが・・・可能性・・そう、可能性は有ると思います。」
『そうか! うむ!期待しておるぞ!』
「全力を尽くします。」
そう行って、自分の部屋へ戻るのだった・・・・
・・・例のごとく・・・主様はほったらかしだが・・・・・
・・・なんで今度は、お医者さんゴッコはじめるかなぁー?
・・その患者・・女王なんだけど・・・遊びはホドホドにね。




