ロベルトとの共闘
目分量で三メートルを降りるのは足に衝撃がグッとかかる。
言わずもがな、この程度耐えられる…いや、耐えられなければいけないのだが。
六十八。六十七。六十六…。
刻一刻と時は迫る。人の波に逆らって大蛇を追う。
大蛇は敵兵をうまくすり抜け路地から抜け、通りに出て行く。影を追って、通りに出る。
横目には影が右に動いたのは見逃さない。
だが。ふと、止まった。大蛇が。
先を見れば…ロベルト。
「よう、ツバサさんよ。こいつを倒したいなら…二人で行こうじゃねぇかよ!」
あと六十秒…いいとこ、か。
「あいよ。手を組んでやる。あと一分弱だ!総力をかけろ!」
ロベルトが頷く。
同時に大蛇に向かう。
「おっとっと!?面白いじゃねぇか。」
大蛇め。今に見ておれ。
「うぉぉぉお!抜刀宴舞!」
ザクッ、グサッ。
刀は空に舞い、奴を指す。
奴の腕から血も舞でる。
宴の夜に舞う、血と刀。
「同じ手は二度、喰らわねぇんだよぉ!」
殴りに蹴りを一発食らう。
「後ろを見ろやい!」
ロベルトが背中に衝撃を与える。
あと四十一秒。
ヒーリング。ヒーリング。
ジョウタロウ君…。
さっきからずっと回復呪文を唱えるが全く意識が戻る希望が見えてこない。
息も荒れている。もう魔力の限界も近いに違いないだろう。
それでも…手を伸ばさなければ。
「エシュク…いや、アファイスでもいいわ。魔力あるならこいつにヒーリング使ってくれ。こっちの魔力も限界に近えんだよ。これ以上使ったらこっちが意識無くすわ。」
昔のぶっきらぼうな感じがついつい出てしまう。男前では無いのだが。
「了解。それより、左腕を撃たれただけで意識を失うというのも珍しいものだ。」
アファイスがヒーリングを使う。
くっ。時間の問題、魔力の問題…。
あと…二十七秒か。
敵兵に大蛇、そして俺たちが入り混じって大変な争いに巻き込まれた。
「敵兵さんよ!一匹一匹が弱いぞ!おら、また一匹じゃい!こっちの殴りと蹴りの時間を無駄にするぐらいなら帰りやがれや!」
また蹴りを喰らった敵兵がどんどん空中に飛んでいく。顔を見れば死人の顔だ。
「ぐはぁっ!」「ぐぇっ!」「うがっ!」
さっきから敵兵のこんな死に間際の声が嫌というほど聞こえる。
周りには血が散乱し、敵兵の頭に捨てられた防具に剣が散らばったり、一刻も早くこの戦いを終わらせて片付けたい状況だ。
「もう時間も無い。最後の攻撃になりそうだが、賭けるか。ロベルト。」
隣り合わせのロベルト。
お互い共、敵兵が奴の周りにいて近づけない状況だ。ただでさえ、時間がない。
だから、陸が無いなら空を考えた。
しかし、ほとんどが失敗していたのだが。
「手を組もうじゃねぇかよ、ツバサ!よし、三、二、一で跳ぶぞ!いいか!」
「了解。」
深呼吸をする。
「三、二、一!行くぞ!」
ロベルトと自分の体を最大限に飛ばす。
刀の先は奴に向かう。
「うぉぉぉぉぉおりゃゃ!」
同時に掛け声を言うことで相乗効果を発揮させてくれる。そう、信じる。
あと七秒。
抜刀、宴舞!
刀の風が奴に直撃。
血がどんどん吐き出ていく。
あと二秒。
まだ奴の空中にいる。
防護態勢に入りボルケーノボンバーの攻撃に巻き込まれない…巻き込まれても軽く済むように自分の体を整えた。
しかし、ロベルトは防護態勢をしていない。ボルケーノボンバーについてあいつは無知なのを遠い記憶にしまっていた。
あと零秒…。
終わり…か。
「タイムアップだぜ!貴様ら!うぉぉぉぉぉお!ボルケーノボンバーじゃー!」
奴を中心として爆炎が上がる。
ぐうっ…。
くそっ…。




