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ファインダー  作者: 福山直木
フィルム ~それぞれの活動報告~
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◆ひとりぼっちな写真部の日常11

次の日、部室中のありとあらゆる風景やモノを撮影し続けた。

いつものようにスマホをいじる木次川くんに見向きもせずに撮り続けた。

その日は話しかけずに終了。


そのまた次の日、木次川くんが来る前に部室に来て、この部屋たったひとつの机に昨日撮りためて現像しておいた写真を無造作にばらまいた。

そして、いつも座る椅子の背もたれの部分に〈良いと思った写真を十二枚選べ〉と殴り書きした付箋紙を張り付けた。

あとは木次川くんを待つだけ。


これで何か分かればと思いながら準備を進めた。少しでもきっかけが掴めたら、彼と話せるのではないかと考えた。これでも無視を突き通すなら、面と向かって話をするしかない。


何も知らない木次川くんは、扉を開けた瞬間に言葉にならない声をあげた。異様な光景に驚いたらしい。

「こんにちは、木次川くん」

今まで他人に見せたことがない全力の笑顔で彼を迎えた。

「お、おぅ・・・」

完璧に動揺している。というか、きっと引かれている。


私は昨日と同じように撮り続けた。

横目で見ていると彼は付箋紙に気づき、座りにくいのか立ったまま机の散乱した写真を見つめた。


その様子を横から写真に収めた。

「何撮ってんだよ」

カシャッという音と同時にふと我に帰った彼は、喧嘩腰でそう言った。

あまりの迫力に怯えて「ひゃっ」と声をあげてしまった。そして、その拍子に座り込んでしまった。そんなつもりはなかったのだが、体が勝手に動いた。

「すまん・・・。そ、そういうつもりで、言ってねぇよ。だ、大丈夫か?」と困った顔をしながらも、手を貸してくれようとした。

「ごめん・・・こっちも怖がるつもりなかったんですけど・・・ありがと」

握った手は私が立ち上がると振りほどかれたが、その手は誰よりも大きくて温かかった。


「やっと、まともに話せましたね。木次川先輩。で、選びました?写真」

少し催促するように言った。

すると、彼は思い出したように選び始めた。


ちゃんと選んでくれるらしい。五分ほどかけて、十二枚の写真が選ばれた。すべてモノを被写体にしたもの。夕日が当たった窓際の観葉植物や飾られた古いカメラ等が主役になった写真たちは、アングルや露出を少しずつ変えている。

「なぜ、これを?」

「同じモノを撮っているのに別ものみたいな感じがするから、すごいなって・・・」

案外、素直に理由を教えてくれた。となれば、質問するしかない。

「先輩は、なんで写真部に入ってくれたんですか?」

思いきって訊いてみた。

彼が少し考えて答えようとした瞬間、誰かが扉を激しく開けてそれを遮った。

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