◆ひとりぼっちな写真部の日常9
「カメラをどれくらい触ったことがありますか?」
二人の新入部員にいくつかの質問を投げかけている。
「私は・・・小学生のころからケータイのカメラで写真を撮っていました」
まだおどおどしている石田さん。
「俺は一切ないよ・・・」
相変わらず、仏頂面で対応する木次川くん。
「それじゃ、今後どんなことがしたいですか?」
「私は・・・・」
「できれば、俺は何もしたくないね!」
石田さんが答えようとしたが、木次川くんがそれをかき消すように言った。
その後、更におどおどしながら石田さんが言い直した。
「私はいろんな人に写真に興味を持ってもらいたいです」
「そ、そうですか。ふたりともありがとうございました」
「今日のところは解散ということで。明日から写真部の活動について話し合っていきたいと思いますので・・・」
「それじゃ・・・」
木次川くんは私の話を最後まで聞かずに出ていってしまった。
沈黙が続いたが、それに耐えきれなくなった石田さんが声を発した。
「私も帰りますね・・・お疲れ様でした」と立ち上がり頭を下げた。
「う、うん!お疲れー」
そして、ひとりぼっちになった。
「明日来てくれるのかな・・・?」
私の呟くような声は、外の音しか聞こえない教室にむなしく響いた。
夕陽が差し込み、漂うホコリを照らす。
綺麗なオレンジ色に染まった風景を眺めながら、無糖珈琲を飲んで考えに耽っていた。
もし来てくれたとしても、真剣に参加してくれるかは未知数。とりあえず様子を伺って、歩み寄りに努めるほか道は無さそうだ。




