◆ひとりぼっちな写真部の日常8
部員集めを始めてから二週間が経た。
今日も駄目かな・・・
そんなネガティブな気分で部室に向かうと、一人の少女がモジモジしながら立っていた。
その少女は放課後の夕焼けに映える、艶やかでまっすぐな黒髪が印象的だった。
「あの・・・もしかして、写真部に用事ですか?」
恐る恐る話しかけてみると、びっくりしたように彼女が振り返った。非常に顔立ちの良い人だった。私なんて比ではない。
「そそそ・・・そう・・・なんです・・・」
「もしかして、入部希望者・・・ですか?」
彼女は何度か言葉を飲み込んだが、意を決したように言った。
「・・・・はい」
「ありがとう!困っていたんです!」
返事を聞いた途端に嬉しくなり、私は彼女の手を握った。
「そ、それは幸いでした。私の名前は石田すみれと申します。この春入学した一年生です」
「石田さん、よろしくお願いします。私はハルミです。同じ一年生です」
「ハルミさんですね。こちらこそ、よろしくお願いします」
鍵を開けて部屋へ招いた。
「お邪魔します・・・」
「歴代の部員たちが色々残してくれているみたいです。ただ、ちょっと殺風景だよね・・・」
「あ、あの・・・私のお気に入りの小物飾ってもいいでしょうか?」
意外と自発的な発言もするようだ。
「うん、いいと思うよ。そろそろ顧問の先生が来るだろうから、聞いてみるね」
そうこうしていると先生がやって来た。しかも、見慣れない男子を連れてきた。
「あら、新入部員さん?」
先生はすみれさんを見て尋ねた。
「はい、石田すみれと申します」
「その方は?」と私は尋ねた。
先生に連れられてやってきた男子のことだ。
「あ、そうそうこの子が写真部に入りたいって」
言ってねぇよ・・・と小声が聞こえたが、すぐに先生が大きな声で紹介した。
「あぁ、紹介してなかったわね。二年生の木次川翔くんよ」
「よろしく・・・」
おい・・・と言いたげな表情で挨拶した。
「よろしくお願いします!」
緊張して声に力が入った。
彼は短い髪を逆立てて、非常に活発そうな見た目だった。しかし、異性の中に一人という状況に戸惑っているようだった。
私としても、異性の先輩とうまくやっていけるのか不安になった。とはいえ、部員が来てくれたことは嬉しい。
あと一人揃えば、本格的に活動ができる。そう思うと胸が高鳴ってきた。




