灰の雪に打たれて 其の七
GWお疲れ様でした!
人の為す業を“罪”とするなら、その“罪”は俺たちの事だろう
なら、それを産み出した、人を産み出した星の罪は、
空高く飛び、目指すは“夜”を奪いに
「邪魔クセェんだよぉおおっ!!!」
ひび割れた右手を上に突き上げ
「旱天の仇欲っっ!!!」
両翼が輝き、光を失う
青に染まった色が霞む、だが
強欲の王の能力は、物理的に不可能の召喚、どんな物でも強奪が可能にする例えそれが相手の意識だろうと、最後に次元を超えた物の移動を可能とする
グリードが選んだ方法は、
「お前の力いただくぞ」
旱天の仇欲は相手の全ての力を奪い、奪った相手を無力化する能力
それは、必ず入ってくる力に耐える必要がある、過信して使い過ぎると己の身が燃えてしまう。
皮肉を込めて、空に挑み焼き朽ちた
イカロスのように
「ぐっグワァっ!!」
全身が焼き朽ちるように燃える、だがグリードは手を離さずただ真っ直ぐに“夜”を見ていた
「ーーーーーからの弾けもんがぁあっ!」
魔力の暴発を防ぐために、最上級の魔法を知ってる限り乱発し
一帯の地形が完全に変わっていた、山が消し飛び平地になり、草原が谷に変わり果て、川が簡単に変形してしまっている
「あいつまじかよ」
グーラが驚きの表情で上を見ている
“夜”とは、何かの意思を持って動く訳ではない
気まぐれに出て、数日居座りその後再び眠る。
“夜”とは、病を司る一つ
倒すことは出来ず、ただ己の魔力を少し使って病を流行らせる
星の欠点の一つ、持つ魔力は悪魔の、人の保持出来る量をはるか先に超えている
そんな脅威に一人立ち向かう一人の男
今にも燃え崩れそうな様子で、
(あぁ何も聞こえねぇなぁ)
無音の世界で痛みと戦い、もうボロボロである
「 !」
何処からあの子の声がする、それが歓喜か悲鳴かは分からないが
それでもやっぱり他者から受け取る、自分の物を他者にあげるという行為も悪くない
精神を奪い返しまた“夜”の対面
だが間も無く“夜”は消え去った、いや逃げたと言った方がいい
やり切った達成感で地上に落ちてすぐ寝てしまった
これでいいとそう思った
目覚めた時傍らに、夥しい骨が転がっていた
感想待ってます!




