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若い5人の女性たちが「もりもり」と呼ばれるおじさんを通して成長する物語(旧タイトル名:既婚者のもりもりさんは60才になっても、20代独身女性の恋愛対象なんです)  作者: @FITabc
シーズンⅠヒロイン登場

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5/7

宮田家との焼き肉パーティーはカオス状態

「焼き肉に行くぞ」


父の一言で、宮田家の空気がざわついた。


「寿司じゃないの?」

モモが露骨に不満顔になる。モモは回転寿司が好き。

「寿司の気分だったのに。最悪」


焼肉店に着いても、モモの文句は止まらない。


そこに、もりもりが来た。

「ごめんなさい。少し遅れて。」


「いや、大丈夫。まだ1分前です(笑)」


「もりもり、こんにちは!」

さっきまで、文句を言っていたモモの顔が晴れやかになった。


宮田姉妹の父と母が並んで座り、宮田父の前にもりもりが座ると、

すかさずモモが隣に座った。


「ちょっと!なんであなたがそこに座るの?」


「そうだぞ、モモ。お前は一番端に座りなさい。」


「えー、なんでよ。」


宮田母が、

「はいはい、じゃあ、もりもりの隣に私がいくわ。モモは私の横、アヤはパパの横。」


「なんでママがそこなの?もりもりから離れるじゃん。つまんないの。」


宮田父は、そんな喧騒に目もくれず、てきぱきと肉を頼み始めた。



気が付くと、お母さんがもりもりの腕をつついている。


「ねぇ、もりもりさん。筋肉すごいわね。」


「お母さん! やめて!」

アヤが叫ぶ。


「いや、ほんとすごいわよ。ほら、モモも触ってみなさい」

「うん!もりもり、こっち来て。」

「モモ!黙ってなさい。」

「やだってば!」

もう肉しか目に入らない父。


完全にカオスだ。


ロースを焼いていた父が、ふと思い出したように言った。


「ところで、もりもりさん。お子さんは?」


アヤが一瞬ビクッとなった。


「ええ。娘が一人。それと、息子が一人。息子は、漫画家志望で、好きにやってます」


アヤの箸が止まる。

やっぱり、もりもりさんにも家族があるんだ。

その事実が、胸に突き刺さる。


「娘さんは?」


「医学生でして。今、5年生です。」


モモが目を丸くした。

「医学部なの?ちょっと待って。私、もりもりと結婚したら、お医者さんでしかも私より年上の娘ができるってこと?」


「なんでだよ」

アヤが、すかさず突っ込む。


現実を突きつけられてもめげないモモに呆れながらも、

「ていうか、息子さんってどんな感じなんですか」

アヤは身を乗り出す。


もりもりは淡々と答えた。

「今は漫画という好きなことをやっているよ。好きなことは、黙っててもやるからね。」


と、スマホの写真を見せた。

「イケメン!」

アヤが叫ぶ。


モモは、

「浮気者。わたしはもりもり一筋。」


その横で、お母さんがぽつり。

「じゃあ、一気に四人の子持ちね?」


「なんでだよ。」

アヤが即座に突っ込む。


「娘さん、相当頑張ったでしょ。もりもりさんも奥さんも大変でしょう。お金もかかるし。」


「それがね、医者になると決めてから、自分から勉強するようになって。お金は何とかなると思うし。子供の応援をするのは親の役目だしね。」


「モモちゃんは、将来の夢はあるの?」


「もりもりのお嫁さん!」


「ははは、ついこの間まで、パパのお嫁さんになるっていってなかったか?」


「そうだっけ?」


「モモの浮気者!」


笑いに包まれる宮田家のテーブル。


しかし、アヤはなんとなく気分が晴れない。

もりもりの家族の話が出たあたりから。

なんだろう、このモヤモヤは?


「あ-あ。席はもりもりから遠いし。それに、お寿司だと思ってたのにー。」

モモが、再びぶつぶつ言い始めた。


そんなモモの様子を見て、

「じゃあ、モモちゃん、今度、二人でカウンターの寿司を食べに行くか?」


モモの顔が一瞬で明るくなり、飛び上がらんばかりに喜んだ。

「行く! 絶対行く!」


その瞬間、アヤが割って入った。


「ちょっと待って。二人はダメでしょ。もりもり、それ普通に犯罪だからね」


「え、なんで?」

もりもりはまるで分かっていない。


「じゃあ私も行く」

アヤが当然のように言う。


「はぁ? あんたは一人で回転ずし行けば?」

モモが噛みつく。


「なんでよ!」

「なんでって、意味わかんない!」


姉妹バトルが加速する。


「もりもりさん、このカルビうまいですよ。」


「あ、ほんとだ。お代わりしましょう!」


「ところで、最近、近くに新しいジム出来ましたが、見に行きました?」


「見ました。」


「どうでした?」


宮田父ともりもりはジムや筋トレの話で盛り上がっている。


母は、もりもりの腕と、旦那の腕を見比べて、

「パパのは太いけど、柔らかいわね。もりもりさんのは血管が素敵ね。」


全員、話がバラバラ。でも、それなりに楽しいお食事会であった。




モモが「寿司デビュー」の約束をスマホにメモしてニヤニヤしている。


宮田母が、

「もりもりさんが来ると明るくなるわね。」

としみじみ。


父は、

「ロースもうまかったけど、ここのカルビは絶品だね。」


アヤが帰り道に、もりもりの「好きなことは黙っててもやるからね。」

を思い返していた。

「好きなことかぁ。私の好きなことは何だろう。やりたいことは。」

アヤのモヤモヤした気持ちは、アヤ自身がまだ気づいていなかった。



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