怖いもの知らずの女子大生”宮田モモ”登場!
宮田アヤからもりもりにメールが入った。
「もりもりさん、今日一緒にジムに行きませんか?」
「いいよ!」
「じゃあ、ジムで!」
もりもりと宮田アヤはもともと同じジムに通っていた。
この前、ばったりと出会い、一緒にトレッドミルで話をしながらウォーキングをしたり、マシンの使い方を教わったり。
そこには完全にリラックスしているもりもりがいた。
仕事とは違う顔を見せていた。
定時から少し遅れた時間に退社した宮田アヤがジムに着いた。
あれ?もりもりは?
マシンや有酸素スペースにはいない。
どうも、ダンベルやバーベルが置いてあるフリーウエイトスペースにいるようだ。
女性一人では、なかなか入りずらい。
「でも、もりもりさんがいるから大丈夫!」
そう信じてフリーウエイトスペースに踏み込んだ。
片手30キロのダンベルを上げているもりもりがいた。
セットが終わったところで、
「もりもりさん。一緒にマシンしましょう。でも、ここでやりたかった?」
「大丈夫。やりたい筋トレは朝終わった。」
「えー、体力やばい。わたしにあわせてくれたの?」
「うん。そうだよ。」
「ほんとうですか?」
宮田アヤは申し訳ないというより、嬉しかった。
「わたしにお薦めのトレーニング・・・」
と言いかけて、
「プルダウンをやろうか?これやると背中が開き、姿勢が良くなるよ。」
「背中が開く?」
「宮田さんはモデルもやってるでしょ?姿勢を良くするレッスンはモデル事務所で受けていると思うけど、背の高い分、猫背になりやすくなるから、それを防ぐんだよ。」
「あ、やりたい!」
「じゃあ、ここに座って。ウエイトは調整してあげるね。」
肩甲骨を下げる…そう、胸が自然に開く感じ。
背中のラインがスッと伸びて、モデルの立ち方になるよ。
ジムのインストラクターとお客さんのやりとりに見える。
「もりもりさん、やってみせて。」
「あー、いいよ。」
「わー、軽々とあげるわね」
「100キロはあがる?」
「やったことないけどやってみようか?」
100Kgが上がった。
「もりもりさん!やばい!」
そこに待ち合わせをした訳ではないが、ちょうど宮田アヤの両親と妹のモモがやってきた。
宮田家4人はここの会員だ。
「あ、パパ、ママ。アヤがあそこにおじさんといる。インストラクター?」
よく見るとそのおじさんは、結構な重量をあげている。
「わぁー、すごーい!!ゴリゴリした身体じゃないのにすっごーい!かっこいいー」
宮田アヤの妹、宮田モモは、身長159cmくらい。ブラウン系ポニーテールの女子大生。
姉の宮田アヤよりメリハリのある身体。
ツカツカと、宮田アヤともりもりのところへ。
「こんにちは!妹の宮田モモです。」
突然の挨拶だったが、
「そうなんだ!妹さん?森武です。いつもお姉さんにはお世話になってます。」
そこに、二人の50代の夫婦が。
「アヤ、モモ。この方は?」
「アヤさんの同僚で森武と言います。」
宮田アヤの両親。
「いつも娘がお世話になってます。」と言いかけて・・・
モモが、
「おじさんの腕、太ぉーい!触っていいですか?」
すかさず宮田アヤが、
「ちょっと!アンタ!失礼でしょう?ちょ、ちょっちょ、あ、なに勝手に腕さわってんのよぉ!」
「あ、こら!もりもりったら、何で自分から腕だしてるの?、信じらんない。」
もりもりが、まあまあと言おうとすると、宮田モモが、
「ねえ、もりもり。腕に力入れて。わー、す、すごくかたぁーい。わぁ血管すごい。」
人体模型好きの母が、
「私も触っていいかしら?」
宮田アヤ
「だめに決まってんだろ。パパのを触ってろ!」
「アヤの父親です。」
「森武です。」モモは腕を触ったまま。
もりもりと父
「あれ?土曜日の朝、よくお見掛けします。こんな偶然あるんですね!」
「私も、前から気になっていて。トレーニング中に、お声がけしていいものかと。ずっと気になっていました。」
「こうしてご挨拶出来てよかった!」
二人は休みの朝、ここのジムでよく出会っていたのだ。顔はよく知っているが、話すは初めて。
宮田アヤのことをそっちのけで、どんなトレーニングをして、どこの部位を大きくしたいのか、話し出した。話し出したら止まらない。
「今日はもりもりとのちょっとしたジムデートだったのに、とんだ邪魔が入ったわ・・・」
「あれ、モモは?」
もりもりと宮田父との会話にちゃっかり入って、もりもりの身体、いや筋肉を触りまくっている。
宮田アヤが、
「ちょっと!モモ!私のもりもりに何で勝手に触ってんのよ!」
あ、しまった!みんなの前で・・・
赤面する間もなく、
「え?もりもりは私のだもん。アヤこそあっち行け!」
もりもりは、
「姉妹は仲よくしような。」
宮田姉妹は思った。
「こうなったのは、あんたのせいだろ。」
もりもりは、微笑んでいる。
それを見た、宮田父が提案した。
「森武さん、お近づきの印です。今度、なじみの店で食事でもどうです?」
「え?本当ですか?是非、行きたいです。宮田さんのお父さんと知れば尚更です。」
「アヤのデートの邪魔をしたお詫びも兼ねて。アヤも来るよね?」
と、アヤを見る父。
「えーーー!本当?パパ!ありがとう!」
母は、
「あらー、私ともりもりさんのために申し訳ないわ。パパありがとう。」
そんな訳ねーだろと思う姉妹であった。
ジムでの出来事の余韻も冷めやらぬ、ある日のこと。
職場では、もりもりが後藤エーコの席で、談笑していた。
後藤エーコの顔色はよく、口の周りも奇麗に治っている。
「後藤さん、顔色いいね。」
「ありがとうございます!」
「今度、約束のバーに行こうか?」
「え!はい!お願いします!」
「じゃあ、後でメモ渡すね。」
「はい!」
もりもりが去ったあと、後藤エーコは指でくるくる前髪をいじる。
指が止まったかと思えば、一人口角を上げて微笑んだ。
二人の談笑風景を遠巻きに見ていた宮田アヤは思った。
「なに?あのオンナ。もりもりとなんかあったな。」




